[本編] 萩山 ソウ 編
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【亘】
(たぶん、なんだかんだでオレたち巻き込んで、楽しんでんだろうなぁ……あの人)
マタタビ体質と共に、この巻き込まれ体質も一緒に治してもらえないだろうか……。
切実に心から願ってしまった。
そして、否応なしに文化祭当日が訪れた。
オレたちの意識は、どうしたってこの後の後夜祭の方に向いてしまう。
けれども舞台に立ち、劇が始まってしまった以上はもう逃げられない。
一応練習もしてきたし、それを無駄にはできない……と。
オレなりに頑張って演じてみた。
【葛貫】
「クックックックック……今まで誰も私の正体に気づかずにいたというのに」
【葛貫】
「よく見破ったな!」
【葛貫】
「そう、我は魔王。神よりも尊く、全能なる絶対的支配者、魔王様だ!」
【亘】
(はあー……ノリノリだな、この人)
誰が一番熱演してるかといえば、それはやっぱり会長だった。
【亘】
(魔王、体操服だし……体操服にマントってなんだよ…)
【亘】
(しかも生徒会の腕章だけは何があっても外したくないんだ……)
【亘】
(こんな無茶苦茶な劇、誰が喜ぶんだろう……)
今のところ、なぜか観客席はわくわくした顔がいっぱいだ。
なんで?お金持ちの人ってピュアなの?
【アラさん】
「うおー! 魔王さまかっこいいっ!!」
……と思ってたら、照明部分から目を輝かせて拍手喝采をしてるアライグマが一匹。
【亘】
「本当に、王様は魔王だったんだ……!」
いざ舞台の上に立つと、楽しんで見ててくれるなら……と。
なんとなく気合いが入ってしまうから不思議だ。
【萩山】
「下がっててください。ご主人様」
【亘】
「猫さん……」
【萩山】
「ここは俺が何とかします!」
【亘】
「いや、でもあんな魔王に、君一匹で立ち向かうなんて無謀だ」
【亘】
「私も戦うよ、一緒に!!」
【萩山】
「ご主人様……」
【葛貫】
「さあ、かかってこい!」
【葛貫】
「お前達のような、無能な人間と猫一匹に何ができる」
(照明が落とされて)あたりは暗黒に包まれる。
オレたちは一本の剣をふたりで手にして、魔王の前へと立つ。
【亘】
「…………」
スポットライトが当たると、ちょっと我に返ってしまいこの姿が恥ずかしい。
でも、今は演技に集中しないと。
【亘】
「確かに私は無能な人間だ」
【萩山】
「俺もただのか弱い猫にすぎない」
【亘】
「けれど……」
【萩山】
「協力し合えば、強大な悪に立ち向かう事ができる!!」
そして仰々しく剣を振り下ろす。
それに合わせて派手な効果音が鳴り響き、チカチカとライトが点滅する。
さすが、予算はたくさんあるようで演出効果には力が入っていた。
【葛貫】
「ぐあああああ」
【葛貫】
「ま、まさかこの私が倒されるなど……」
【葛貫】
「ある、ハズが……」
ガク、と膝をつき崩れ落ちる魔王。
一瞬暗転したのち、すぐに明るい場面に切り替わった。
そして、平和が国に訪れる。
主人公であるオレは、魔王だった国王を倒したことで英雄として称えられて、本物の王様となった。
【亘】
「ありがとう、猫。キミのお陰で私は国王になれたわ」
【亘】
「世界初の、女性の国王に!」
【萩山】
「ご主人様……俺は一目あなたと出会ったときから、他の人間とは違うと感じていた」
【萩山】
「すごく純粋で真っ直ぐな目をしてて……そんなお前に俺は惹かれた」
【亘】
(あ、ソウのやつ……)
【萩山】
「俺にはない魅力を持った奴だ、って素直に興味惹かれたんだ」
ソウが台本にはないセリフを喋り始めた。
本当なら注意すべきなんだろうけど……オレはそのまま、聞き続けた。
というよりも、聞きたかったんだ。ソウの素直な気持ちを。
【萩山】
「ここまで来るまでにいろんな事があったよな……」
【萩山】
「でもふたりで協力して、乗り越えてこれた」
【萩山】
「時には危ない事もあったけど、お互いを信頼し合えばもう何も怖くない」
このセリフは、密売人との対決を指しているんだと思う。
【萩山】
「だからこれからも、ふたりで頑張っていこう。俺たちなら何だってできる!」
【亘】
「うん、頑張ろう!」
目の前に差し出される手。オレは迷うことなくその手を取った。
猫はオレの手をしっかりとつかむと、口元に引き寄せて、甲に口をつけた。
【亘】
(ソウ…………!)
【アラさん】
「いいぞ! いいぞ……!! ブラボー! オー!ブラボー!!」
【アラさん】
「オレはとっても感動したぁあ!!」
一応の大団円を迎えて、観客からも拍手が起こる。
それを受けて、幕が下ろされた……。
幕が下り楽屋の教室に戻ると、ソウがオレにこっそりと聞いてきた。
【萩山】
「なあ俺、上手くやれた?」
【亘】
「かっこよかったよ」
【萩山】
「マジ? やった」
劇をやり遂げた。その満足感を噛み締めながら、ソウがオレの耳元に口を寄せた。
【萩山】
「じゃあ劇をちゃんとやったご褒美、くれよな?」
【亘】
「ご褒美って……」
【亘】
(アレか……オレからソウにキスするって……)
思い出して耳まで真っ赤になるオレを、ニヤリと見つめるソウ。
【萩山】
「約束だからな」
ソウが一方的に言い出したことで、オレが約束するって言った覚えはないんだけど……。
でも、サボり癖のあるソウがちゃんと最後まで劇をやったのは確かで。
それはそれで褒めてあげたい、て思った。
【亘】
「……後夜祭が終わってから……なら」
【萩山】
「ホントか!?」
テンションが上がりきってしまってつけ耳を取り外すソウに苦笑い。
【萩山】
「俄然やる気出てきたぜ俺……!」
【亘】
「……この後も、頑張ろうな」
【萩山】
「ああ」
お互いに頷きあって、そして……後夜祭の時間を迎えた。
(たぶん、なんだかんだでオレたち巻き込んで、楽しんでんだろうなぁ……あの人)
マタタビ体質と共に、この巻き込まれ体質も一緒に治してもらえないだろうか……。
切実に心から願ってしまった。
そして、否応なしに文化祭当日が訪れた。
オレたちの意識は、どうしたってこの後の後夜祭の方に向いてしまう。
けれども舞台に立ち、劇が始まってしまった以上はもう逃げられない。
一応練習もしてきたし、それを無駄にはできない……と。
オレなりに頑張って演じてみた。
【葛貫】
「クックックックック……今まで誰も私の正体に気づかずにいたというのに」
【葛貫】
「よく見破ったな!」
【葛貫】
「そう、我は魔王。神よりも尊く、全能なる絶対的支配者、魔王様だ!」
【亘】
(はあー……ノリノリだな、この人)
誰が一番熱演してるかといえば、それはやっぱり会長だった。
【亘】
(魔王、体操服だし……体操服にマントってなんだよ…)
【亘】
(しかも生徒会の腕章だけは何があっても外したくないんだ……)
【亘】
(こんな無茶苦茶な劇、誰が喜ぶんだろう……)
今のところ、なぜか観客席はわくわくした顔がいっぱいだ。
なんで?お金持ちの人ってピュアなの?
【アラさん】
「うおー! 魔王さまかっこいいっ!!」
……と思ってたら、照明部分から目を輝かせて拍手喝采をしてるアライグマが一匹。
【亘】
「本当に、王様は魔王だったんだ……!」
いざ舞台の上に立つと、楽しんで見ててくれるなら……と。
なんとなく気合いが入ってしまうから不思議だ。
【萩山】
「下がっててください。ご主人様」
【亘】
「猫さん……」
【萩山】
「ここは俺が何とかします!」
【亘】
「いや、でもあんな魔王に、君一匹で立ち向かうなんて無謀だ」
【亘】
「私も戦うよ、一緒に!!」
【萩山】
「ご主人様……」
【葛貫】
「さあ、かかってこい!」
【葛貫】
「お前達のような、無能な人間と猫一匹に何ができる」
(照明が落とされて)あたりは暗黒に包まれる。
オレたちは一本の剣をふたりで手にして、魔王の前へと立つ。
【亘】
「…………」
スポットライトが当たると、ちょっと我に返ってしまいこの姿が恥ずかしい。
でも、今は演技に集中しないと。
【亘】
「確かに私は無能な人間だ」
【萩山】
「俺もただのか弱い猫にすぎない」
【亘】
「けれど……」
【萩山】
「協力し合えば、強大な悪に立ち向かう事ができる!!」
そして仰々しく剣を振り下ろす。
それに合わせて派手な効果音が鳴り響き、チカチカとライトが点滅する。
さすが、予算はたくさんあるようで演出効果には力が入っていた。
【葛貫】
「ぐあああああ」
【葛貫】
「ま、まさかこの私が倒されるなど……」
【葛貫】
「ある、ハズが……」
ガク、と膝をつき崩れ落ちる魔王。
一瞬暗転したのち、すぐに明るい場面に切り替わった。
そして、平和が国に訪れる。
主人公であるオレは、魔王だった国王を倒したことで英雄として称えられて、本物の王様となった。
【亘】
「ありがとう、猫。キミのお陰で私は国王になれたわ」
【亘】
「世界初の、女性の国王に!」
【萩山】
「ご主人様……俺は一目あなたと出会ったときから、他の人間とは違うと感じていた」
【萩山】
「すごく純粋で真っ直ぐな目をしてて……そんなお前に俺は惹かれた」
【亘】
(あ、ソウのやつ……)
【萩山】
「俺にはない魅力を持った奴だ、って素直に興味惹かれたんだ」
ソウが台本にはないセリフを喋り始めた。
本当なら注意すべきなんだろうけど……オレはそのまま、聞き続けた。
というよりも、聞きたかったんだ。ソウの素直な気持ちを。
【萩山】
「ここまで来るまでにいろんな事があったよな……」
【萩山】
「でもふたりで協力して、乗り越えてこれた」
【萩山】
「時には危ない事もあったけど、お互いを信頼し合えばもう何も怖くない」
このセリフは、密売人との対決を指しているんだと思う。
【萩山】
「だからこれからも、ふたりで頑張っていこう。俺たちなら何だってできる!」
【亘】
「うん、頑張ろう!」
目の前に差し出される手。オレは迷うことなくその手を取った。
猫はオレの手をしっかりとつかむと、口元に引き寄せて、甲に口をつけた。
【亘】
(ソウ…………!)
【アラさん】
「いいぞ! いいぞ……!! ブラボー! オー!ブラボー!!」
【アラさん】
「オレはとっても感動したぁあ!!」
一応の大団円を迎えて、観客からも拍手が起こる。
それを受けて、幕が下ろされた……。
幕が下り楽屋の教室に戻ると、ソウがオレにこっそりと聞いてきた。
【萩山】
「なあ俺、上手くやれた?」
【亘】
「かっこよかったよ」
【萩山】
「マジ? やった」
劇をやり遂げた。その満足感を噛み締めながら、ソウがオレの耳元に口を寄せた。
【萩山】
「じゃあ劇をちゃんとやったご褒美、くれよな?」
【亘】
「ご褒美って……」
【亘】
(アレか……オレからソウにキスするって……)
思い出して耳まで真っ赤になるオレを、ニヤリと見つめるソウ。
【萩山】
「約束だからな」
ソウが一方的に言い出したことで、オレが約束するって言った覚えはないんだけど……。
でも、サボり癖のあるソウがちゃんと最後まで劇をやったのは確かで。
それはそれで褒めてあげたい、て思った。
【亘】
「……後夜祭が終わってから……なら」
【萩山】
「ホントか!?」
テンションが上がりきってしまってつけ耳を取り外すソウに苦笑い。
【萩山】
「俄然やる気出てきたぜ俺……!」
【亘】
「……この後も、頑張ろうな」
【萩山】
「ああ」
お互いに頷きあって、そして……後夜祭の時間を迎えた。
