[本編] 萩山 ソウ 編
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【亘】
「……やっぱり、信じられるか!」
【亘】
(こんなのと話してるなんて、今でも自分が信じられない!)
【アラさん】
「あ、お前『こんなの』と話してる自分が信じられないって思ってるな」
【亘】
「えっなんでわかったの」
【アラさん】
「ハッハッハ! 天の遣いの俺サマには、人間の考えてることくらいお見通しなのだ」
【亘】
(こいつ本当に……)
【アラさん】
「なんて適当に言ったんだけど、当たってるなんてさすが俺サマ」
【亘】
「……やっぱ、お断りします」
右手にアライグマを持って、窓際へ向かう。
【アラさん】
「ちょっと待て!待つんだ亘!人間話し合えばわかるハズだ」
【亘】
「人間同士だったらね……」
【アラさん】
「俺はにんげ―」
【亘】
「暴れない!!」
左手で窓に手をかけて開けようとしたその時──
【萩山】
「おい亘、いいもん手に入れた!」
ノックもなしにドアが開かれた。
【萩山】
「このエロ本見てみろよ」
【亘】
「……て、何持ってきてるんだよソウ!」
【萩山】
「ん? だから、エロ本。なんだよ顔赤くなってるな」
【亘】
「ここ学校だぞ、先生に見つかったら……」
【萩山】
「堅苦しいこと言うなよ、一緒に見ようぜ?」
【亘】
「は、はあ!?」
【萩山】
「そんな顔真っ赤にして、亘ってさやっぱまだ……」
ニヤニヤしながら、ソウが俺の顔をのぞきこむ。
そこにニュッと割り込む小さな姿。
【アラさん】
「こいつがお前の相棒か?」
【萩山】
「……!?」
【アラさん】
「元気はあってよさそうだが……頭は悪そうだな」
【萩山】
「……なんだ、これ?」
ソウがその喋るアライグマをつかんで、凝視している。
【亘】
「なんでもない! 今、捨てようと思ってたところだから!」
【アラさん】
「捨てるとはどういうことだ! お前はこんな可愛らしい小動物をポイと捨てるのか」
【アラさん】
「母さんはそんな冷たい人間に育てた覚えはないわよっ」
【亘】
「そんな変な小動物に育てられた覚えはない!」
さっきからずっとこんな調子だ!
【萩山】
「喋るのか? どうなってんだこれ……」
ソウが物珍しそうにアライグマを見つめている。
俺が最初にやったみたいに、チャックとか電池とか。
そういう部品がないか探したみたい。
【アラさん】
「わははっ。くすぐってーって!」
【アラさん】
「俺はおもちゃでも何でもない! 天からの遣いのアラさんだ!」
やっかいな事になる。
そう思って慌てて回収しようとしたけど。
ソウは手の中のそれをジッと見つめて目を輝かせた。
【萩山】
「なんだこれ喋るのか、おもしれー」
【アラさん】
「お前、亘の親友か?」
【萩山】
「ああ、亘の1番の親友は俺だけど?」
【アラさん】
「そこまで言い切るんなら、お前」
【アラさん】
「亘を助けるバディになれ」
【萩山】
「バディ……?」
俺が止める間もなく、アラさんはペラペラと説明を始めた。
【アラさん】
「実はこの学園では秘密裏にとあるドロップが売買されている」
【アラさん】
「そのドロップの密売人を探す任務が亘に下された」
【亘】
「なんで俺なんだ……」
【アラさん】
「……まあそれは、扱いやすそうな奴ってのが一番の理由かと」
【亘】
「なんだよその理由は!」
【亘】
(しかも最初なんか言いよどんでなかったか……?)
【アラさん】
「いやいやいや、実はな今回のこのドロップ」
【アラさん】
「このまま蔓延させておくとお前にとっても非常に厄介なことになるんだよ」
【萩山】
「亘にとって厄介なこと、てどういうことだよ?」
【萩山】
「そのドロップってのは一体何なんだ?」
未だによく事態がつかめていない俺たちの前に
2本の棒つきの飴が突きつけられた。
【アラさん】
「これは通称“aドロップ”と言ってだな」
【アラさん】
「一時的に身体能力をアップさせる効果がある」
【萩山】
「うさんくさそうな話……」
【アラさん】
「まったく、いまどきの若者は疑り深いな!」
【アラさん】
「こんなキュートなつぶらな瞳を見ても、嘘を言ってると思うのか」
ジーッとアラさんの目をのぞいてみた。
けれど……。
【亘】
「やっぱり、うさんくさい……」
【アラさん】
「ああっ、もういい!」
【アラさん】
「口で言ってもわからんなら、その身をもって知れーっっ!!」
ソウの手の中から抜け出して、アラさんは持っていたキャンディを俺たちの口に放り投げた。
【亘】
「ん!?」
【萩山】
「あぁっ!?」
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