[本編] 柊木 郁哉 編
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【亘】
「そうなのか……?」
【柊木】
「そうそう」
しばらく走って、あの教室からはずいぶん離れた。
なんだかやけに廊下が長く感じた。
いや、うちの学園の校舎は確かに広いんだけど。感覚的に…廊下が終わりの無い、ずっと長い一本道に見えた。
【亘】
「もう…大丈夫だよな?」
言いながら後ろを振り返る。
シン…とした空気が続いて、物音などはしてこなかった。
【柊木】
「大丈夫みたいだな」
【亘】
「っていうか、郁哉はどうしてあんなところに来たの? しかもその格好で」
【柊木】
「……虫の知らせ」
【亘】
「えっ? そんなのあるの?」
【柊木】
「いや、先輩に頼まれて保健室に取りに行くものがあったんだが」
【柊木】
「面倒くさいから防具を着たまま行ったんだが……すごく嫌な予感がして」
【柊木】
「行ってみたらお前の声が聞こえた」
【亘】
「予感、って……」
【柊木】
「aドロップ舐めてるせいか…? 野生のカンが鋭くなってきたのかもな」
【亘】
「そんなのあるのか?」
【柊木】
「わかんないけど」
しばらくして、郁哉のけも耳やしっぽも消失してきた。
30分なんて、あっという間だな…。
【亘】
「時間、大丈夫?」
【柊木】
「ああ。俺はそろそろ戻る」
【亘】
「頑張れよ」
【柊木】
「ありがとう、でも部活はもう終わったんだ。着替えたらお前の部屋に行くから」
【亘】
「えっ、でも大会まで大変なんだろ?」
【柊木】
「それはそれ、これはこれだ」
【亘】
「でもこないだ……」
【柊木】
「あーっ! もう! あれはいいんだよっ……」
【亘】
「郁哉……?」
【柊木】
「とにかく、行くから。それでアライさんと話そうぜ」
【亘】
「うん!」
そして、オレは郁哉を剣道場に見送りに行った。
剣道場に見送ったあと、着替えを待って一緒に部屋に戻ってきた。
【アラさん】
「そんなことがあったってわけか」
【亘】
「そうなんだよ……」
【柊木】
「でもこれでわかったことは、時間構わず校舎内で服用しているやつがいる。更には人を襲うまで理性がなくなりかけてるヤバい状態のやつもいるってことだな」
【亘】
「そこまでだなんて……」
【アラさん】
「亘も危機一髪だったな。助かって本当によかった」
【亘】
「うん、郁哉が来てくれてよかった」
【アラさん】
「来てくれなかったらどうなってたか……」
【アラさん】
「ヘビはネズミ丸呑みするっていうしな……」
【アラさん】
「ハムスターはネズミの仲間だし……」
【亘】
「ちょっ、怖いこと言うなって!」
【柊木】
「……でも本当のことだろ」
【亘】
「郁哉……」
【柊木】
「aドロップが危険な物質だっていうのはお前も知ってるんだから、個人行動は慎め」
【柊木】
「今度からそういう探索はひとりで行くな」
【柊木】
「今回のことではっきりしたんだ」
【柊木】
「aドロップ絡みでどんなあぶないヤツがいるかわからない…」
【柊木】
「だいたい、なんでお前俺に言ってこなかったんだ!」
郁哉が憤りで声を荒げる。
オレが危ない目に遭ったせいで、少し怒っているのだ。
【亘】
「そうは言うけど……」
【亘】
(郁哉は忙しいと思ったから……)
作戦会議も乗り気じゃなかったし、誘っちゃいけないと思ったのだ。
【亘】
「郁哉は……オレに巻き込まれただけなのに、こんなことになって……」
【柊木】
「亘……?」
【亘】
「それに部活の大会もあるし、こないだだってオレの部屋で作戦会議やるって言っても来ないし」
【亘】
「そんなヤツ気軽に誘えるわけないだろっ!」
【柊木】
「それは……」
【亘】
「オレだって怖かったけど! でも……しょうがないだろ、これ以上郁哉迷惑かけたくなかったんだよ!」
半ば逆切れみたいだったけど、オレは郁哉に向かって言ってしまった。
【亘】
「オレだって怖かったよ……途中で人間じゃないって気づいてさ……!」
【柊木】
「……ごめん、亘……」
【亘】
「まさかあんなことになるなんて、オレっ……オレっ……」
……ほっとしたせいかもしれない。
ようやく今になって、さっきの出来事が現実味をおびてくる。
腕を掴まれて、絶対に解けなかったあの力の強さを思い出す。
もしあの時郁哉が見つけてくれなかったら─
一気に恐怖が襲ってくる。
あのままオレは捕まって…
涙腺がじわっと熱くなって、気づけばぼろっと涙がこぼれそうになった。
【柊木】
「亘っ!?」
【亘】
「……るせーっ……泣いてなんか……ねーよっ……」
涙がこぼれる前にこぶしでせっせと拭って隠す。
それでも、郁哉にはばればれだった。
郁哉がそっと近寄って、オレの腕を掴んだ。
【柊木】
「亘……」
「そうなのか……?」
【柊木】
「そうそう」
しばらく走って、あの教室からはずいぶん離れた。
なんだかやけに廊下が長く感じた。
いや、うちの学園の校舎は確かに広いんだけど。感覚的に…廊下が終わりの無い、ずっと長い一本道に見えた。
【亘】
「もう…大丈夫だよな?」
言いながら後ろを振り返る。
シン…とした空気が続いて、物音などはしてこなかった。
【柊木】
「大丈夫みたいだな」
【亘】
「っていうか、郁哉はどうしてあんなところに来たの? しかもその格好で」
【柊木】
「……虫の知らせ」
【亘】
「えっ? そんなのあるの?」
【柊木】
「いや、先輩に頼まれて保健室に取りに行くものがあったんだが」
【柊木】
「面倒くさいから防具を着たまま行ったんだが……すごく嫌な予感がして」
【柊木】
「行ってみたらお前の声が聞こえた」
【亘】
「予感、って……」
【柊木】
「aドロップ舐めてるせいか…? 野生のカンが鋭くなってきたのかもな」
【亘】
「そんなのあるのか?」
【柊木】
「わかんないけど」
しばらくして、郁哉のけも耳やしっぽも消失してきた。
30分なんて、あっという間だな…。
【亘】
「時間、大丈夫?」
【柊木】
「ああ。俺はそろそろ戻る」
【亘】
「頑張れよ」
【柊木】
「ありがとう、でも部活はもう終わったんだ。着替えたらお前の部屋に行くから」
【亘】
「えっ、でも大会まで大変なんだろ?」
【柊木】
「それはそれ、これはこれだ」
【亘】
「でもこないだ……」
【柊木】
「あーっ! もう! あれはいいんだよっ……」
【亘】
「郁哉……?」
【柊木】
「とにかく、行くから。それでアライさんと話そうぜ」
【亘】
「うん!」
そして、オレは郁哉を剣道場に見送りに行った。
剣道場に見送ったあと、着替えを待って一緒に部屋に戻ってきた。
【アラさん】
「そんなことがあったってわけか」
【亘】
「そうなんだよ……」
【柊木】
「でもこれでわかったことは、時間構わず校舎内で服用しているやつがいる。更には人を襲うまで理性がなくなりかけてるヤバい状態のやつもいるってことだな」
【亘】
「そこまでだなんて……」
【アラさん】
「亘も危機一髪だったな。助かって本当によかった」
【亘】
「うん、郁哉が来てくれてよかった」
【アラさん】
「来てくれなかったらどうなってたか……」
【アラさん】
「ヘビはネズミ丸呑みするっていうしな……」
【アラさん】
「ハムスターはネズミの仲間だし……」
【亘】
「ちょっ、怖いこと言うなって!」
【柊木】
「……でも本当のことだろ」
【亘】
「郁哉……」
【柊木】
「aドロップが危険な物質だっていうのはお前も知ってるんだから、個人行動は慎め」
【柊木】
「今度からそういう探索はひとりで行くな」
【柊木】
「今回のことではっきりしたんだ」
【柊木】
「aドロップ絡みでどんなあぶないヤツがいるかわからない…」
【柊木】
「だいたい、なんでお前俺に言ってこなかったんだ!」
郁哉が憤りで声を荒げる。
オレが危ない目に遭ったせいで、少し怒っているのだ。
【亘】
「そうは言うけど……」
【亘】
(郁哉は忙しいと思ったから……)
作戦会議も乗り気じゃなかったし、誘っちゃいけないと思ったのだ。
【亘】
「郁哉は……オレに巻き込まれただけなのに、こんなことになって……」
【柊木】
「亘……?」
【亘】
「それに部活の大会もあるし、こないだだってオレの部屋で作戦会議やるって言っても来ないし」
【亘】
「そんなヤツ気軽に誘えるわけないだろっ!」
【柊木】
「それは……」
【亘】
「オレだって怖かったけど! でも……しょうがないだろ、これ以上郁哉迷惑かけたくなかったんだよ!」
半ば逆切れみたいだったけど、オレは郁哉に向かって言ってしまった。
【亘】
「オレだって怖かったよ……途中で人間じゃないって気づいてさ……!」
【柊木】
「……ごめん、亘……」
【亘】
「まさかあんなことになるなんて、オレっ……オレっ……」
……ほっとしたせいかもしれない。
ようやく今になって、さっきの出来事が現実味をおびてくる。
腕を掴まれて、絶対に解けなかったあの力の強さを思い出す。
もしあの時郁哉が見つけてくれなかったら─
一気に恐怖が襲ってくる。
あのままオレは捕まって…
涙腺がじわっと熱くなって、気づけばぼろっと涙がこぼれそうになった。
【柊木】
「亘っ!?」
【亘】
「……るせーっ……泣いてなんか……ねーよっ……」
涙がこぼれる前にこぶしでせっせと拭って隠す。
それでも、郁哉にはばればれだった。
郁哉がそっと近寄って、オレの腕を掴んだ。
【柊木】
「亘……」
