[本編] 柊木 郁哉 編
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【亘】
「そんな言い方しなくたっていいじゃん!」
【柊木】
「別にそういう意味じゃ……」
【亘】
「何、脚の長さが違いすぎて気乗りしてなかったってことか?」
【柊木】
「そんなこと言ってないだろ!」
【亘】
「いいよ、オレ頑張るし」
【亘】
「脚の長さの違いなんかカンケーないって証明してみせるから」
【柊木】
「……そうか……悪い。あと……ありがとうな」
それからオレたちはわずかな時間を使って練習にいそしみ、あっという間にレースの時間がやってきた。
【柊木】
「右、左だぞ亘」
【亘】
「オレは左、右になるんだろ?」
【柊木】
「違う、亘が右、左だ」
【亘】
「あーっ! もうわかんねぇ! イチ、ニで号令かけるっ」
【柊木】
「わかった」
【亘】
「イチ・ニ・イチ・ニ!」
【柊木】
「おお、結構うまく行けるじゃないか」
【亘】
「だろ?」
郁哉と互いにタイミングを確認し合った。
脚の長さは確かに違うが、歩幅を合わせてもらえばかえって走りやすい気がしている。
肩を組んで、郁哉にぴったりくっついた。
【柊木】
「亘……」
【亘】
「絶対1位とろうな」
【柊木】
「当たり前だ」
【先生】
「いいか? そろそろスタートだ。ほどけないように確認したか?」
【亘】
「はーい」
【先生】
「ではよーい……」
パン! とピストルが勢いよくスタートを知らせた。
オレは得意げに微笑んでそのままぶっちぎりで1位ゴール。
クラスメイトにも祝福される。
【亘】
「やったな、郁哉」
オレは郁哉にハイタッチを求める。
【柊木】
「あ、あぁ……」
【亘】
「なんだよ、まだ仏頂面してんのか?」
手を出したがらない郁哉と、どうにかハイタッチ。
【柊木】
「っ……」
【亘】
「……郁哉……?」
郁哉は両手を擦り合わせながらふっと目を逸らした。
【亘】
「……?」
―――するとそのとき。
【アラさん】
「やー! めでたい!」
【亘】
「アラさん!」
【柊木】
「お前……どこからっ……」
【アラさん】
「ん? ずっと見てたぞ。来賓席でずっと座って見てた」
【亘】
「なっ……!」
【アラさん】
「お前たちが1位になって駆けつけてやったんだぞ?」
【亘】
「だからって誰かに見つかったらどうす……」
【アラさん】
「ところで亘」
【亘】
「なんだよっ」
【アラさん】
「俺ぁノドがかわいてノドがかわいて仕方ないんだ」
【アラさん】
「ちょっと飲み物持ってきてくれねえか?」
【亘】
「もう……しょうがないなあ」
【亘】
「熱中症にならないようにしろよな?」
【アラさん】
「わかってるって! 頼んだ」
そう言われてオレは自分の席に飲み物を取りに戻る。
【柊木】
「……」
【アラさん】
「脚結ぶのもハイタッチするのも恥ずかしかったんだろ」
【柊木】
「なっ……! 誰がそんな…っ!」
【アラさん】
「ふっふ、恋多きアラさんには見ればわかってしまうのだよ」
【柊木】
「勝手に言ってろ」
【アラさん】
「勝手に言っちゃっていいのかぁ~?」
【柊木】
「そういう意味じゃない!」
【アラさん】
「じゃあどういう意味だ? ほれほれ~?」
【柊木】
「っ……」
オレが戻ってくると、アラさんが郁哉の腕をつついていた。
【亘】
「アラさんお待たせ。……どうしたの?」
【柊木】
「なんでもないっ……」
【亘】
「郁哉……?」
【アラさん】
「気にするな亘。飲み物くれっ」
【柊木】
「気にするなってお前が言うな」
【アラさん】
「気にされちゃ困るだろ~?」
【柊木】
「……!」
【亘】
「……?」
【アラさん】
「……まぁ、ドンマイってことだな」
【柊木】
「……うるさい」
「そんな言い方しなくたっていいじゃん!」
【柊木】
「別にそういう意味じゃ……」
【亘】
「何、脚の長さが違いすぎて気乗りしてなかったってことか?」
【柊木】
「そんなこと言ってないだろ!」
【亘】
「いいよ、オレ頑張るし」
【亘】
「脚の長さの違いなんかカンケーないって証明してみせるから」
【柊木】
「……そうか……悪い。あと……ありがとうな」
それからオレたちはわずかな時間を使って練習にいそしみ、あっという間にレースの時間がやってきた。
【柊木】
「右、左だぞ亘」
【亘】
「オレは左、右になるんだろ?」
【柊木】
「違う、亘が右、左だ」
【亘】
「あーっ! もうわかんねぇ! イチ、ニで号令かけるっ」
【柊木】
「わかった」
【亘】
「イチ・ニ・イチ・ニ!」
【柊木】
「おお、結構うまく行けるじゃないか」
【亘】
「だろ?」
郁哉と互いにタイミングを確認し合った。
脚の長さは確かに違うが、歩幅を合わせてもらえばかえって走りやすい気がしている。
肩を組んで、郁哉にぴったりくっついた。
【柊木】
「亘……」
【亘】
「絶対1位とろうな」
【柊木】
「当たり前だ」
【先生】
「いいか? そろそろスタートだ。ほどけないように確認したか?」
【亘】
「はーい」
【先生】
「ではよーい……」
パン! とピストルが勢いよくスタートを知らせた。
オレは得意げに微笑んでそのままぶっちぎりで1位ゴール。
クラスメイトにも祝福される。
【亘】
「やったな、郁哉」
オレは郁哉にハイタッチを求める。
【柊木】
「あ、あぁ……」
【亘】
「なんだよ、まだ仏頂面してんのか?」
手を出したがらない郁哉と、どうにかハイタッチ。
【柊木】
「っ……」
【亘】
「……郁哉……?」
郁哉は両手を擦り合わせながらふっと目を逸らした。
【亘】
「……?」
―――するとそのとき。
【アラさん】
「やー! めでたい!」
【亘】
「アラさん!」
【柊木】
「お前……どこからっ……」
【アラさん】
「ん? ずっと見てたぞ。来賓席でずっと座って見てた」
【亘】
「なっ……!」
【アラさん】
「お前たちが1位になって駆けつけてやったんだぞ?」
【亘】
「だからって誰かに見つかったらどうす……」
【アラさん】
「ところで亘」
【亘】
「なんだよっ」
【アラさん】
「俺ぁノドがかわいてノドがかわいて仕方ないんだ」
【アラさん】
「ちょっと飲み物持ってきてくれねえか?」
【亘】
「もう……しょうがないなあ」
【亘】
「熱中症にならないようにしろよな?」
【アラさん】
「わかってるって! 頼んだ」
そう言われてオレは自分の席に飲み物を取りに戻る。
【柊木】
「……」
【アラさん】
「脚結ぶのもハイタッチするのも恥ずかしかったんだろ」
【柊木】
「なっ……! 誰がそんな…っ!」
【アラさん】
「ふっふ、恋多きアラさんには見ればわかってしまうのだよ」
【柊木】
「勝手に言ってろ」
【アラさん】
「勝手に言っちゃっていいのかぁ~?」
【柊木】
「そういう意味じゃない!」
【アラさん】
「じゃあどういう意味だ? ほれほれ~?」
【柊木】
「っ……」
オレが戻ってくると、アラさんが郁哉の腕をつついていた。
【亘】
「アラさんお待たせ。……どうしたの?」
【柊木】
「なんでもないっ……」
【亘】
「郁哉……?」
【アラさん】
「気にするな亘。飲み物くれっ」
【柊木】
「気にするなってお前が言うな」
【アラさん】
「気にされちゃ困るだろ~?」
【柊木】
「……!」
【亘】
「……?」
【アラさん】
「……まぁ、ドンマイってことだな」
【柊木】
「……うるさい」
