[本編] 雨宮 椿 編
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◆見上げた花火◆
―雨宮 椿 SIDE―
イライラが止まらない―…ここのところ体調がすごく悪くなっていっている。重くて仕方ない、咳が止まらない……
それだけでもみじめなのに更に同情の言葉なんかかけられて、一人で生きていけるのに……何回でも声をかけてくる。離れていかない。計画のためには離れるわけにもいかないけれど、離れてほしいという気持ちもある。
これ以上みじめな想いはしたくない、自分ひとりでも大丈夫だと触れようとしてきた手を振り払った、そのときだった…
突然の大きな音に驚くと、後夜祭の花火が上がっていた。嬉しそうに窓際へと駆け寄ったのを見て仕方なしに隣に並んだ。
今まで、ちゃんとこうやって花火を見たことはあっただろうか。写真でしか、見たことがないのかもしれない。病院で、遠くで打ちあがる音しか聞いたことがなかった気がする。
こんなにも、綺麗なのか……その時ばかりは、イライラも治まった。隣で馬鹿みたいな面で花火を見上げる顔が、逆光に照らし出されると可愛い、だなんて―…
初めて見た花火に舞い上がった頭は、思考までおかしくなったようだった。なことを考えていた。
