[本編] 柊木 郁哉 編
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【亘】
「巻き込んでごめんな、郁哉」
気落ちする郁哉の顔を覗き込むと、不意に郁哉は顔を逸らした。
【柊木】
「べ、別にいい……」
【亘】
「あ、そろそろ開会式みたいだな。行こうか」
【柊木】
「ああ」
郁哉はaドロップをポケットにしまい込み、列に紛れて開会式の始まりを待った。
【司会】
「それではこれより、体育祭開会式をとりおこないます。まずは生徒会長のあいさつです」
【亘】
(あの銅像にもなってる生徒会長か……金持ちなんだろうなあ……)
ぼんやりそんなことを考えながら生徒会長の登場を待つ。
色々と変人と有名な生徒会長の挨拶に少し期待してしまう。
―――しかし、そんなオレの想像も飛びぬけた挨拶に度胆を抜かれることとなった―――。
【葛貫】
「はーい、皆さんお元気ですかぁー? いよいよ体育祭ですよー!」
【葛貫】
「祭りです! 戦です! カーニバルです!!」
【柊木】
「な、何だあいつは……」
呆然としながら郁哉が呟いた。
驚くよな、そりゃあ…オレもびびっている。
(なんで、体操服の上にさらにマント…!?しかも生徒会の腕章まで…)
(それにホイッスルまで下げてるよな?ヤバい、ツッコミが追いつかない!!)
ウキウキと挨拶する生徒会長を見たオレは…混乱していた。
【亘】
(あんな人初めて見た…)
【柊木】
「…亘?」
【亘】
(な、なんだあのテンション……!?)
【葛貫】
「このカーニバルッ☆ミ では皆さんの盛り上がりが不・可・欠ッ!!」
【葛貫】
「自分の出場していない競技でもバァッチリ応援頑張っちゃってくださいね!」
【柊木】
「テンション高……」
【亘】
「な、何者……?」
【柊木】
「生徒会長だろ」
【亘】
「そういうことじゃなくて!」
【葛貫】
「スポーツとは心の洗濯ですよ♪」
【葛貫】
「……決して、サボったり余計なことはしないように」
【亘】
「……!」
思いっきりよけいなことをするつもりであったため、ちょっとドキッとしてしまう。
【葛貫】
「皆サンのご活躍を楽しみにしていますよ!」
【葛貫】
「それではこれにて、会長の挨拶とさせていただきマス」
会長はうんうんと頷いてから、壇上を降りようと背を向けた…
が、またこちらに振り返る。
【葛貫】
「アッ! 私としたことが忘れておりました!」
【葛貫】
「そういえば私の銅像をハチマキでコスると優勝できるという噂ですよ!」
【葛貫】
「まあけも耳を採用したので今回はハチマキは配布しておりませんが…」
【柊木】
「……意味わかんねぇ……」
【亘】
「ね……」
【葛貫】
「それと可愛いベイビィちゃんたち……すなわち1年諸君!」
【葛貫】
「先輩たちを負かすのは罪ではありません! 全力で行きなさい! ……ねっ」
―――そのとき、だった。
【亘】
(えっ……!?)
今まで生徒たちに向かっていた生徒会長の視線がオレに向……いたような気がする。
そして、オレの瞳めがけてパチーン☆と、ウインクを投げられた。
【亘】
(今の……オレにやったのか?)
【生徒たち】
「うおおおおお! 生徒会長ぉおおお!」
【葛貫】
「……フフフ。では」
何故かものすごい盛り上がりと若干の呆れを伴ってようやく生徒会長はステージから降りて行った。
【柊木】
「……お前、生徒会長と実は知り合いだったのか?」
郁哉も気づいていたらしい。
【亘】
「わかんない……びっくりした」
【柊木】
「……あいつ……なんなんだ……怪しすぎていっそ怪しくないと思ってた……」
【柊木】
「今回のけも耳カチューシャも生徒会が決めたっていうし……まさか!」
【亘】
「aドロップ愛好者……!?」
【柊木】
「いや……でもわからないぞ……」
【亘】
「今日の午後の探索で注意してみよう」
【柊木】
「ああ」
体育祭は一見普通に始まった。
しかし……佳境に差し掛かってくると、とても体育祭真っ最中とは思えない異様な光景がさも当たり前のように広がっている。
けも耳生徒ぞろぞろ。
ムカデリレーや綱引きなんかの大人数競技もあったおかげで、けも耳カチューシャをつけた生徒は数えきれないくらいいる。
【柊木】
「俺たちはなんでこの学園に入ってしまったんだ……」
【亘】
「っていうかこんなの前代未聞でしょ……」
オレはちょっと楽しくなってきちゃったりしている。
郁哉には悪いけども…お祭りってかんじだ。
生徒会長もこれを狙ってたのか…?
生徒に支持があるってのもなんだか頷けてきてしまった。
けも耳の人らを眺めながらそんなことを考えていると、郁哉がため息を一つ。
【柊木】
「まあ幸か不幸か、って感じだな……」
【亘】
「そろそろ行く? 参加する競技までしばらく時間あくし」
【柊木】
「そうだな……」
そしてオレたちは人気のない校舎にやってきた。
【亘】
「じゃあ郁哉、aドロップを……」
【柊木】
「仕方ない。舐めるしかないな」
郁哉はポケットから飴を取り出し、ぱくりと口に咥えた。
【亘】
「……どう?」
【柊木】
「ん……あの時と同じ……!!」
―――ぱふっ!
郁哉の頭にオオカミのミミとしっぽが生えてきた。
「巻き込んでごめんな、郁哉」
気落ちする郁哉の顔を覗き込むと、不意に郁哉は顔を逸らした。
【柊木】
「べ、別にいい……」
【亘】
「あ、そろそろ開会式みたいだな。行こうか」
【柊木】
「ああ」
郁哉はaドロップをポケットにしまい込み、列に紛れて開会式の始まりを待った。
【司会】
「それではこれより、体育祭開会式をとりおこないます。まずは生徒会長のあいさつです」
【亘】
(あの銅像にもなってる生徒会長か……金持ちなんだろうなあ……)
ぼんやりそんなことを考えながら生徒会長の登場を待つ。
色々と変人と有名な生徒会長の挨拶に少し期待してしまう。
―――しかし、そんなオレの想像も飛びぬけた挨拶に度胆を抜かれることとなった―――。
【葛貫】
「はーい、皆さんお元気ですかぁー? いよいよ体育祭ですよー!」
【葛貫】
「祭りです! 戦です! カーニバルです!!」
【柊木】
「な、何だあいつは……」
呆然としながら郁哉が呟いた。
驚くよな、そりゃあ…オレもびびっている。
(なんで、体操服の上にさらにマント…!?しかも生徒会の腕章まで…)
(それにホイッスルまで下げてるよな?ヤバい、ツッコミが追いつかない!!)
ウキウキと挨拶する生徒会長を見たオレは…混乱していた。
【亘】
(あんな人初めて見た…)
【柊木】
「…亘?」
【亘】
(な、なんだあのテンション……!?)
【葛貫】
「このカーニバルッ☆ミ では皆さんの盛り上がりが不・可・欠ッ!!」
【葛貫】
「自分の出場していない競技でもバァッチリ応援頑張っちゃってくださいね!」
【柊木】
「テンション高……」
【亘】
「な、何者……?」
【柊木】
「生徒会長だろ」
【亘】
「そういうことじゃなくて!」
【葛貫】
「スポーツとは心の洗濯ですよ♪」
【葛貫】
「……決して、サボったり余計なことはしないように」
【亘】
「……!」
思いっきりよけいなことをするつもりであったため、ちょっとドキッとしてしまう。
【葛貫】
「皆サンのご活躍を楽しみにしていますよ!」
【葛貫】
「それではこれにて、会長の挨拶とさせていただきマス」
会長はうんうんと頷いてから、壇上を降りようと背を向けた…
が、またこちらに振り返る。
【葛貫】
「アッ! 私としたことが忘れておりました!」
【葛貫】
「そういえば私の銅像をハチマキでコスると優勝できるという噂ですよ!」
【葛貫】
「まあけも耳を採用したので今回はハチマキは配布しておりませんが…」
【柊木】
「……意味わかんねぇ……」
【亘】
「ね……」
【葛貫】
「それと可愛いベイビィちゃんたち……すなわち1年諸君!」
【葛貫】
「先輩たちを負かすのは罪ではありません! 全力で行きなさい! ……ねっ」
―――そのとき、だった。
【亘】
(えっ……!?)
今まで生徒たちに向かっていた生徒会長の視線がオレに向……いたような気がする。
そして、オレの瞳めがけてパチーン☆と、ウインクを投げられた。
【亘】
(今の……オレにやったのか?)
【生徒たち】
「うおおおおお! 生徒会長ぉおおお!」
【葛貫】
「……フフフ。では」
何故かものすごい盛り上がりと若干の呆れを伴ってようやく生徒会長はステージから降りて行った。
【柊木】
「……お前、生徒会長と実は知り合いだったのか?」
郁哉も気づいていたらしい。
【亘】
「わかんない……びっくりした」
【柊木】
「……あいつ……なんなんだ……怪しすぎていっそ怪しくないと思ってた……」
【柊木】
「今回のけも耳カチューシャも生徒会が決めたっていうし……まさか!」
【亘】
「aドロップ愛好者……!?」
【柊木】
「いや……でもわからないぞ……」
【亘】
「今日の午後の探索で注意してみよう」
【柊木】
「ああ」
体育祭は一見普通に始まった。
しかし……佳境に差し掛かってくると、とても体育祭真っ最中とは思えない異様な光景がさも当たり前のように広がっている。
けも耳生徒ぞろぞろ。
ムカデリレーや綱引きなんかの大人数競技もあったおかげで、けも耳カチューシャをつけた生徒は数えきれないくらいいる。
【柊木】
「俺たちはなんでこの学園に入ってしまったんだ……」
【亘】
「っていうかこんなの前代未聞でしょ……」
オレはちょっと楽しくなってきちゃったりしている。
郁哉には悪いけども…お祭りってかんじだ。
生徒会長もこれを狙ってたのか…?
生徒に支持があるってのもなんだか頷けてきてしまった。
けも耳の人らを眺めながらそんなことを考えていると、郁哉がため息を一つ。
【柊木】
「まあ幸か不幸か、って感じだな……」
【亘】
「そろそろ行く? 参加する競技までしばらく時間あくし」
【柊木】
「そうだな……」
そしてオレたちは人気のない校舎にやってきた。
【亘】
「じゃあ郁哉、aドロップを……」
【柊木】
「仕方ない。舐めるしかないな」
郁哉はポケットから飴を取り出し、ぱくりと口に咥えた。
【亘】
「……どう?」
【柊木】
「ん……あの時と同じ……!!」
―――ぱふっ!
郁哉の頭にオオカミのミミとしっぽが生えてきた。
