[本編] 雨宮 椿 編
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【雨宮】
「午前中に仕事も終わらせましたし……あとはここで待ち伏せすればいいですね」
生徒会の仕事も終わらせ、後夜祭が始まった隙に生徒会室に抜け出してきたオレと雨宮。
【亘】
「……本当に生徒会長が密売人なのかな……」
オレはいまだに信じられず、小さな声で雨宮に尋ねた。
【雨宮】
「そうでなければ机の上に飴を置いておく理由になりませんからね」
【亘】
「でも……仮にも密売人ならあんな堂々と置いておくか?」
【雨宮】
「……生徒会室は鍵がかかるので安心していたんじゃないですか?」
【雨宮】
「それに、もしかしたら生徒会ぐるみの密売かもしれませんよ」
【雨宮】
「僕たちはあとから入ってきたから、知らないだけで」
雨宮は会長だけでなく、生徒会の人間をまるごと疑っているらしい。
【亘】
「でもっ……」
確かに生徒会長の行動にわけわかんねー! ってなることはたくさんある。
自分の銅像立てちゃうし……(しかも自腹)。
【亘】
「でも……」
【雨宮】
「でも、なんですか? 菊崎くん」
【亘】
「あの会長がそんな悪事に手を染めてたら、オレは嫌だ……!」
【雨宮】
「嫌でも実際問題やってたら仕方がないでしょう?」
雨宮はずけずけと真実を突いてくる。
【雨宮】
「事実、この学園内にaドロップの密売人がいるのは確かなんですから」
【雨宮】
「……たしかに、あの人がそんな危ないものを密売していたとなったら、とんだスキャンダルですけどね」
【亘】
「うーん……」
雨宮は珍しくぺらぺらと喋って会長を糾弾していた。
【亘】
(……っていうか、雨宮だって密売人から買ってこそいないけど)
【亘】
(拾って使ってたのに、ずいぶん葛貫会長のこと悪く言うんだな)
【亘】
(……そんなに、比べられたトラウマってのが大きいのかな……?)
雨宮が人知れず苦労していることは……一緒にいるようになってよくわかった。
【雨宮】
「さて、会長は……ケホッ」
【亘】
「雨宮?」
【雨宮】
「ケホッ……ゲホッ、ゴホッ」
急に、雨宮が咳き込み始めた。よく見れば顔色も悪い。
【亘】
「大丈夫か、雨宮!?」
背中をさすろうと手を伸ばす。
……すると。
【雨宮】
「触るなっ!」
パシン、と音を立ててオレの腕は振り払われてしまった。
【亘】
「あっ、ごめん……」
【雨宮】
「……触るな」
【亘】
「どうしてだ?」
【雨宮】
「そんなこともわからないの?」
【雨宮】
「……心配なんて、されたくない」
【亘】
「雨宮……」
雨宮の口調から敬語が消えた。
【亘】
(雨宮は自分の身体のことになると素が出るんだな……)
【亘】
「調子……悪いのか?」
【雨宮】
「……ケホッ……」
【亘】
「大丈夫かよ……」
オレは心配で……でも手を出すこともできず、雨宮を見ていることしかできない。
【雨宮】
「心配いらない。……こんなの、昔に比べたらだいぶマシだ……」
【亘】
「そうなのか?」
今ですら、顔色は悪いし具合の悪そうな咳をしている。
【亘】
(今でこれなら、昔はもっと……)
【亘】
「……あんまり無理するなよ」
【雨宮】
「……余計なお世話だ」
【亘】
「……このところ、あんまりよくないのか?」
オレはそっと雨宮に問いかけた。
この話題はナイーブで……雨宮は聞かれたくないみたいだし、下手に聞くと暴言が返ってくる。
【雨宮】
「……体育祭以来……」
【亘】
「体育祭?」
【雨宮】
「……少し、無理をして調子に乗って走ったせいで、ツケがまわってきてる」
【亘】
「そうだったのか……!?」
【雨宮】
「でも……あれに関しては後悔していない」
そう言って雨宮は自嘲するような笑みを浮かべた。
【亘】
「……無理すんなよ」
オレは……次こそ、振り払われないように腕を伸ばして、雨宮の頭をぽんぽんと撫でた。
今度は、抵抗されなかった。
【雨宮】
「……そういうのが同情とか偽善だって言ってるのがわかんないの?」
【亘】
「別に、オレはそういう風に考えてない」
【亘】
「むしろ、何も考えずに衝動で動いてるだけなんだって」
そう言われても懲りずに、オレは雨宮の頭を撫で続けた。
【雨宮】
「……」
雨宮の咳は、少しずつおさまっていった。
【雨宮】
「お前な……少しは」
雨宮が何かを言いかけた、そのときだった。
―――ドン、という低い音のあとにぱあっと華やかな音が響いた。
【雨宮】
「―――!?」
【亘】
「すごい、花火だっ……!」
窓からは、後夜祭で打ち上げられた花火が鮮やかに咲いているのが見えた。
窓際に寄って二人で空を見上げる。
「午前中に仕事も終わらせましたし……あとはここで待ち伏せすればいいですね」
生徒会の仕事も終わらせ、後夜祭が始まった隙に生徒会室に抜け出してきたオレと雨宮。
【亘】
「……本当に生徒会長が密売人なのかな……」
オレはいまだに信じられず、小さな声で雨宮に尋ねた。
【雨宮】
「そうでなければ机の上に飴を置いておく理由になりませんからね」
【亘】
「でも……仮にも密売人ならあんな堂々と置いておくか?」
【雨宮】
「……生徒会室は鍵がかかるので安心していたんじゃないですか?」
【雨宮】
「それに、もしかしたら生徒会ぐるみの密売かもしれませんよ」
【雨宮】
「僕たちはあとから入ってきたから、知らないだけで」
雨宮は会長だけでなく、生徒会の人間をまるごと疑っているらしい。
【亘】
「でもっ……」
確かに生徒会長の行動にわけわかんねー! ってなることはたくさんある。
自分の銅像立てちゃうし……(しかも自腹)。
【亘】
「でも……」
【雨宮】
「でも、なんですか? 菊崎くん」
【亘】
「あの会長がそんな悪事に手を染めてたら、オレは嫌だ……!」
【雨宮】
「嫌でも実際問題やってたら仕方がないでしょう?」
雨宮はずけずけと真実を突いてくる。
【雨宮】
「事実、この学園内にaドロップの密売人がいるのは確かなんですから」
【雨宮】
「……たしかに、あの人がそんな危ないものを密売していたとなったら、とんだスキャンダルですけどね」
【亘】
「うーん……」
雨宮は珍しくぺらぺらと喋って会長を糾弾していた。
【亘】
(……っていうか、雨宮だって密売人から買ってこそいないけど)
【亘】
(拾って使ってたのに、ずいぶん葛貫会長のこと悪く言うんだな)
【亘】
(……そんなに、比べられたトラウマってのが大きいのかな……?)
雨宮が人知れず苦労していることは……一緒にいるようになってよくわかった。
【雨宮】
「さて、会長は……ケホッ」
【亘】
「雨宮?」
【雨宮】
「ケホッ……ゲホッ、ゴホッ」
急に、雨宮が咳き込み始めた。よく見れば顔色も悪い。
【亘】
「大丈夫か、雨宮!?」
背中をさすろうと手を伸ばす。
……すると。
【雨宮】
「触るなっ!」
パシン、と音を立ててオレの腕は振り払われてしまった。
【亘】
「あっ、ごめん……」
【雨宮】
「……触るな」
【亘】
「どうしてだ?」
【雨宮】
「そんなこともわからないの?」
【雨宮】
「……心配なんて、されたくない」
【亘】
「雨宮……」
雨宮の口調から敬語が消えた。
【亘】
(雨宮は自分の身体のことになると素が出るんだな……)
【亘】
「調子……悪いのか?」
【雨宮】
「……ケホッ……」
【亘】
「大丈夫かよ……」
オレは心配で……でも手を出すこともできず、雨宮を見ていることしかできない。
【雨宮】
「心配いらない。……こんなの、昔に比べたらだいぶマシだ……」
【亘】
「そうなのか?」
今ですら、顔色は悪いし具合の悪そうな咳をしている。
【亘】
(今でこれなら、昔はもっと……)
【亘】
「……あんまり無理するなよ」
【雨宮】
「……余計なお世話だ」
【亘】
「……このところ、あんまりよくないのか?」
オレはそっと雨宮に問いかけた。
この話題はナイーブで……雨宮は聞かれたくないみたいだし、下手に聞くと暴言が返ってくる。
【雨宮】
「……体育祭以来……」
【亘】
「体育祭?」
【雨宮】
「……少し、無理をして調子に乗って走ったせいで、ツケがまわってきてる」
【亘】
「そうだったのか……!?」
【雨宮】
「でも……あれに関しては後悔していない」
そう言って雨宮は自嘲するような笑みを浮かべた。
【亘】
「……無理すんなよ」
オレは……次こそ、振り払われないように腕を伸ばして、雨宮の頭をぽんぽんと撫でた。
今度は、抵抗されなかった。
【雨宮】
「……そういうのが同情とか偽善だって言ってるのがわかんないの?」
【亘】
「別に、オレはそういう風に考えてない」
【亘】
「むしろ、何も考えずに衝動で動いてるだけなんだって」
そう言われても懲りずに、オレは雨宮の頭を撫で続けた。
【雨宮】
「……」
雨宮の咳は、少しずつおさまっていった。
【雨宮】
「お前な……少しは」
雨宮が何かを言いかけた、そのときだった。
―――ドン、という低い音のあとにぱあっと華やかな音が響いた。
【雨宮】
「―――!?」
【亘】
「すごい、花火だっ……!」
窓からは、後夜祭で打ち上げられた花火が鮮やかに咲いているのが見えた。
窓際に寄って二人で空を見上げる。
