[本編] 雨宮 椿 編
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―――夏休みも終わり、新学期が始まったある日。
【葛貫】
「……ふふん」
【亘】
「……葛貫会長……」
葛貫会長があんな顔をしているときに良いことがあったためしはない。
学園に住みついた野良猫の飼い主探しとか、学園のランチメニュー総選挙とか。
たいていどうでもいいことを思いついたときにああいう表情をしていたことが多い。
【雨宮】
「……不気味な笑み……」
【亘】
「嫌な予感がする……」
【雨宮】
「さすが菊崎くん、彼の行動パターンを覚えてきたんですね」
【亘】
「嫌でも覚えるよ……」
野良猫飼い主探しは普通の学園でやるなら楽だったのかもしれないがうちは全寮制。
実家で引き取ってもらえないかを検討するも、それは皆お金持ちの家の息子。
あちこちの家で血統書が必要だと言われてひと悶着だったのだ。
……オレはその間ずっと野良猫から避難していたけれど。
ランチ総選挙は一人一票にすればただの人気学食投票に済んだものの、
投票券付ランチを売って一人何票も投票できるシステムにした上に
ランチ選抜なるものを作ると言って学食のシェフたちを困らせたのをオレは知っている。
【雨宮】
「今度は何でしょうね」
【亘】
「さぁな……」
【葛貫】
「椿ちゃん、亘くん」
笑顔の会長がじりじりとオレたちに迫り寄ってくる。
【亘】
「な、何ですか、会長……」
【雨宮】
「……またろくでもないこと思いついたんですか」
【葛貫】
「どうして椿ちゃんは私にそんなひどいことを言うんですか!」
オーバーに反応する会長に、動揺すらしない雨宮。
【雨宮】
「僕たちが受けてきた仕打ちを思えば当然でしょう」
【雨宮】
「今度は何を企んでるんですか」
【葛貫】
「安心してください! 今度は椿ちゃんも絶対楽しいイベントです!」
【雨宮】
「はぁ……?」
雨宮は会長の顔を思いきりあきれた瞳で見ている。
【葛貫】
「今度、文化祭がありますよね」
【亘】
「そうですね」
そのために生徒会も一丸となって準備を進めている。
【葛貫】
「文化祭の出し物はクラス単位や部活動単位のほか、有志団体でもエントリーが可能です」
【雨宮】
「……それがどうかしましたか?」
【葛貫】
「そこでです!」
やけに張り切っている葛貫会長。
……もう悪い予感しかしない。
【葛貫】
「生徒会主催で劇をやろうと思」
【雨宮】
「やりません」
【葛貫】
「酷い! まだ言い終わってもないのに!」
【雨宮】
「やりません。これ以上巻き込まれるのはごめんです」
【雨宮】
「仮にやるとしても僕と菊崎くんは参加しませんので」
【葛貫】
「椿ちゃーん!」
会長の言葉にはもう耳も貸さない雨宮。
【亘】
(容赦ないな、雨宮……)
【雨宮】
「だいたい生徒会が劇をやるなんて無理に決まってるでしょう」
【雨宮】
「ただでさえ文化祭の運営で忙しいんですよ」
【雨宮】
「その上練習時間が必要な劇なんて……」
【雨宮】
「それに僕だって、そこまで体力が続きません」
【雨宮】
「会長は暇なんですか?」
思いきり見下したような雨宮の言葉。
【葛貫】
「……椿ちゃんが冷たい……」
そして思いきり傷ついた表情でそう言う葛貫会長……。
でも、残念ながら残酷なまでに正論だ。
【雨宮】
「本当のことを言ったまでです」
【雨宮】
「そうでしょう? 菊崎くん」
【亘】
「あ、あぁ……」
【葛貫】
「亘くんまでー!」
【亘】
(……なんか、良かった)
その風景を見て、オレはほっとする。
【亘】
(合宿で雨宮とあんな話をしたせいでちょっと気まずかったけど)
【亘】
(こんな風に元通りになってわいわいできるのは少し助かった……)
【亘】
(でも……雨宮はまだaドロップを持っている……)
合宿で飴を舐めた雨宮。
あれは……拾ったらしい飴がまだ手元にあることと、
合宿にまで持ってくるほど肌身離さず持ち歩いていることの証明に他ならない。
【亘】
(雨宮がaドロップのユーザーなんて……)
【亘】
(本当に密売人とは接触してないのか……?)
雨宮の言葉を信じるなら、そういうことになるけれど……。
【亘】
(どっちにしろ、いつまでもこのままじゃいけないけど……)
【葛貫】
「仕方ないですねぇ、じゃあ劇は断念しますが……」
【雨宮】
「無理に決まってるでしょう、当然です」
【亘】
(……葛貫会長は相変わらずだなぁ……)
【亘】
(オレたちの気も知らないで……)
楽しそうに掛け合い漫才をしている葛貫会長を見て、こっそりため息をついた。
結局会長の思いつきは今回実行されず、
オレたち生徒会は文化祭の準備に振り回されることになった―――。
―――コンコン。
控えめに部屋をノックする音が聞こえる。
【雨宮】
「菊崎くん、いますか?」
【亘】
「いるよ、入って」
【葛貫】
「……ふふん」
【亘】
「……葛貫会長……」
葛貫会長があんな顔をしているときに良いことがあったためしはない。
学園に住みついた野良猫の飼い主探しとか、学園のランチメニュー総選挙とか。
たいていどうでもいいことを思いついたときにああいう表情をしていたことが多い。
【雨宮】
「……不気味な笑み……」
【亘】
「嫌な予感がする……」
【雨宮】
「さすが菊崎くん、彼の行動パターンを覚えてきたんですね」
【亘】
「嫌でも覚えるよ……」
野良猫飼い主探しは普通の学園でやるなら楽だったのかもしれないがうちは全寮制。
実家で引き取ってもらえないかを検討するも、それは皆お金持ちの家の息子。
あちこちの家で血統書が必要だと言われてひと悶着だったのだ。
……オレはその間ずっと野良猫から避難していたけれど。
ランチ総選挙は一人一票にすればただの人気学食投票に済んだものの、
投票券付ランチを売って一人何票も投票できるシステムにした上に
ランチ選抜なるものを作ると言って学食のシェフたちを困らせたのをオレは知っている。
【雨宮】
「今度は何でしょうね」
【亘】
「さぁな……」
【葛貫】
「椿ちゃん、亘くん」
笑顔の会長がじりじりとオレたちに迫り寄ってくる。
【亘】
「な、何ですか、会長……」
【雨宮】
「……またろくでもないこと思いついたんですか」
【葛貫】
「どうして椿ちゃんは私にそんなひどいことを言うんですか!」
オーバーに反応する会長に、動揺すらしない雨宮。
【雨宮】
「僕たちが受けてきた仕打ちを思えば当然でしょう」
【雨宮】
「今度は何を企んでるんですか」
【葛貫】
「安心してください! 今度は椿ちゃんも絶対楽しいイベントです!」
【雨宮】
「はぁ……?」
雨宮は会長の顔を思いきりあきれた瞳で見ている。
【葛貫】
「今度、文化祭がありますよね」
【亘】
「そうですね」
そのために生徒会も一丸となって準備を進めている。
【葛貫】
「文化祭の出し物はクラス単位や部活動単位のほか、有志団体でもエントリーが可能です」
【雨宮】
「……それがどうかしましたか?」
【葛貫】
「そこでです!」
やけに張り切っている葛貫会長。
……もう悪い予感しかしない。
【葛貫】
「生徒会主催で劇をやろうと思」
【雨宮】
「やりません」
【葛貫】
「酷い! まだ言い終わってもないのに!」
【雨宮】
「やりません。これ以上巻き込まれるのはごめんです」
【雨宮】
「仮にやるとしても僕と菊崎くんは参加しませんので」
【葛貫】
「椿ちゃーん!」
会長の言葉にはもう耳も貸さない雨宮。
【亘】
(容赦ないな、雨宮……)
【雨宮】
「だいたい生徒会が劇をやるなんて無理に決まってるでしょう」
【雨宮】
「ただでさえ文化祭の運営で忙しいんですよ」
【雨宮】
「その上練習時間が必要な劇なんて……」
【雨宮】
「それに僕だって、そこまで体力が続きません」
【雨宮】
「会長は暇なんですか?」
思いきり見下したような雨宮の言葉。
【葛貫】
「……椿ちゃんが冷たい……」
そして思いきり傷ついた表情でそう言う葛貫会長……。
でも、残念ながら残酷なまでに正論だ。
【雨宮】
「本当のことを言ったまでです」
【雨宮】
「そうでしょう? 菊崎くん」
【亘】
「あ、あぁ……」
【葛貫】
「亘くんまでー!」
【亘】
(……なんか、良かった)
その風景を見て、オレはほっとする。
【亘】
(合宿で雨宮とあんな話をしたせいでちょっと気まずかったけど)
【亘】
(こんな風に元通りになってわいわいできるのは少し助かった……)
【亘】
(でも……雨宮はまだaドロップを持っている……)
合宿で飴を舐めた雨宮。
あれは……拾ったらしい飴がまだ手元にあることと、
合宿にまで持ってくるほど肌身離さず持ち歩いていることの証明に他ならない。
【亘】
(雨宮がaドロップのユーザーなんて……)
【亘】
(本当に密売人とは接触してないのか……?)
雨宮の言葉を信じるなら、そういうことになるけれど……。
【亘】
(どっちにしろ、いつまでもこのままじゃいけないけど……)
【葛貫】
「仕方ないですねぇ、じゃあ劇は断念しますが……」
【雨宮】
「無理に決まってるでしょう、当然です」
【亘】
(……葛貫会長は相変わらずだなぁ……)
【亘】
(オレたちの気も知らないで……)
楽しそうに掛け合い漫才をしている葛貫会長を見て、こっそりため息をついた。
結局会長の思いつきは今回実行されず、
オレたち生徒会は文化祭の準備に振り回されることになった―――。
―――コンコン。
控えめに部屋をノックする音が聞こえる。
【雨宮】
「菊崎くん、いますか?」
【亘】
「いるよ、入って」
