[本編] 雨宮 椿 編
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【亘】
「あぁ……」
想像以上に強引な生徒会長のペースに振り回される。
【葛貫】
「そこのソファに座って。あぁ、お茶を今入れるから」
【雨宮】
「お茶なんかいいんで話聞いてもらえますか」
【亘】
「おい、雨宮っ……」
【葛貫】
「遠慮はいらないよ~」
【雨宮】
「……話が通じないのは相変わらずですね……」
【亘】
「すごいな……」
生徒会長もかなりアクの強い人だが、生徒会室にもその個性はじゅうぶんに表れている。
そういえば自腹で銅像立てたって言ってたっけ……。
【葛貫】
「さ、お茶どうぞ。はい、椿ちゃんにも」
【雨宮】
「……その椿ちゃんっていうのやめてください」
【葛貫】
「えぇ~、いまさら椿ちゃんのこと椿ちゃん以外で呼べないよ?」
【雨宮】
「これだから……」
【葛貫】
「今ちょっと生徒会の資料を取ってきます。ぜひ亘くんに読んでもらいたいので」
【亘】
「はぁ……」
【葛貫】
「それまでお茶を飲んで待っていてくださいね」
そう言って葛貫会長は奥の倉庫のようなところに資料を取りに行ってしまう。
【亘】
「どうも……おかまいなく……」
【雨宮】
「いいですよ、菊崎くん、帰りましょう。会長の話はいつまで聞いたって終わりませんよ」
【亘】
「まぁまぁ、落ち着けって雨宮」
【亘】
「せっかくお茶まで出してもらったんだし……せめてこれ飲む間ぐらいは話聞こうよ」
【亘】
「それから正式にちゃんと断ればいいじゃん」
【雨宮】
「……菊崎くん、巻き込まれ気質って言いますけど、自分から巻き込まれに行ってる自覚ありますか?」
【亘】
「あはは……」
……オレは、乾いた笑いしか返せなかった。
【雨宮】
「チッ……」
雨宮は葛貫会長に聞こえるようにわざとらしく舌打ちをする。
【葛貫】
「ありましたありました、あとそれからお茶菓子も。これおいしいんですよ、どうぞ」
【雨宮】
「……機嫌なんか取らなくていいです」
【葛貫】
「もう、椿ちゃんは相変わらずのツンデレさんですね」
【雨宮】
「僕のどこがツンデレなんですか。あなたを嫌っているだけです」
【葛貫】
「椿ちゃんは昔からそうなんですから……」
【亘】
「あ、あの……ふたりは昔から知り合いなんですか?」
【雨宮】
「腐れ縁、ですよ」
【葛貫】
「腐れ縁なんてそんな言い方……」
【亘】
「でも親戚なんだろ?」
【雨宮】
「親戚でも遠縁です。ただ同じ学校に入ったおかげで、腐れ縁のような状況になって……」
【葛貫】
「私は椿ちゃんがうちの学園に来てくれると知って嬉しかったけどね
【雨宮】
「そんなの、アンタだけです」
【雨宮】
「こっちは……人間離れしたアンタといつも比べられて窮屈な思いしてたってのに」
【亘】
(たしかにこの会長と比べられるのはな……)
見てくれや喋り方こそこんな感じだけど、その能力が認められて生徒会長に就任しているのは事実。
成績もスポーツも万能。人を統率する力もある。
ただでさえ休みがちでハンデのある雨宮が比べられたらキツいのはオレにも想像がつく……。
【雨宮】
「みじめになるんですよ、僕が」
【葛貫】
「どうしてですか? 椿ちゃんはすばらしい人間性を持っているでしょう」
【雨宮】
「そういうところもです!」
雨宮が声を荒げた。
【葛貫】
「……椿ちゃん……」
【雨宮】
「とにかく、生徒会には入りません。それを言いに来たんです。菊崎くんも同じです」
【亘】
「あっ、はい……」
【葛貫】
「……そうですか……」
【葛貫】
「残念ですが……気が向いたらいつでも来てくださいね」
【葛貫】
「生徒会は君たちを歓迎しますよ」
【雨宮】
「……っ……」
雨宮は何も言わず生徒会室を出て行く。
【亘】
「あっ雨宮、待って……!」
オレも追いかけるように、生徒会室を出て行った。
【雨宮】
「なんであの人は……僕にまとわりついてくるんだ……」
そういう雨宮の表情はとても苦しそうだった。
【雨宮】
「あの人にみじめなんて感情、一生わからない……」
そう言いながら雨宮は苦しそうに壁を叩いた。
【亘】
「雨宮……」
【亘】
(そうか……苦しかったんだな……)
なんとなく、雨宮と話してわかってきたような気がする。
雨宮は自分を下に見た行動をとられるのを何よりも嫌がるやつだ。
それほど自分の身体がコンプレックスなんだ。
ずっと床に伏せっていたら気持ちも鬱々としてくるんだと思う。
それで、少し卑屈になってしまうのかもしれない……。
【亘】
(まだオレの、憶測でしかないけれど……)
確かに……あの会長がそばにいるのは……苦しかっただろう……。
オレは雨宮に腕を回して軽く抱きしめ、背中を優しくぽんぽんと叩いて慰めた。
【雨宮】
「っ、亘……!」
【亘】
(雨宮も……きっと、つらいことがいっぱいあったんだ……)
文句を言って突き飛ばされるかと思ったけど、
雨宮は少し驚いただけで、何も言わなかった。
オレは特に声をかけたりはせず、少しでも心に抱えてるものが軽くなれば良いと……
ただ雨宮を抱きしめ続けた―――。
「あぁ……」
想像以上に強引な生徒会長のペースに振り回される。
【葛貫】
「そこのソファに座って。あぁ、お茶を今入れるから」
【雨宮】
「お茶なんかいいんで話聞いてもらえますか」
【亘】
「おい、雨宮っ……」
【葛貫】
「遠慮はいらないよ~」
【雨宮】
「……話が通じないのは相変わらずですね……」
【亘】
「すごいな……」
生徒会長もかなりアクの強い人だが、生徒会室にもその個性はじゅうぶんに表れている。
そういえば自腹で銅像立てたって言ってたっけ……。
【葛貫】
「さ、お茶どうぞ。はい、椿ちゃんにも」
【雨宮】
「……その椿ちゃんっていうのやめてください」
【葛貫】
「えぇ~、いまさら椿ちゃんのこと椿ちゃん以外で呼べないよ?」
【雨宮】
「これだから……」
【葛貫】
「今ちょっと生徒会の資料を取ってきます。ぜひ亘くんに読んでもらいたいので」
【亘】
「はぁ……」
【葛貫】
「それまでお茶を飲んで待っていてくださいね」
そう言って葛貫会長は奥の倉庫のようなところに資料を取りに行ってしまう。
【亘】
「どうも……おかまいなく……」
【雨宮】
「いいですよ、菊崎くん、帰りましょう。会長の話はいつまで聞いたって終わりませんよ」
【亘】
「まぁまぁ、落ち着けって雨宮」
【亘】
「せっかくお茶まで出してもらったんだし……せめてこれ飲む間ぐらいは話聞こうよ」
【亘】
「それから正式にちゃんと断ればいいじゃん」
【雨宮】
「……菊崎くん、巻き込まれ気質って言いますけど、自分から巻き込まれに行ってる自覚ありますか?」
【亘】
「あはは……」
……オレは、乾いた笑いしか返せなかった。
【雨宮】
「チッ……」
雨宮は葛貫会長に聞こえるようにわざとらしく舌打ちをする。
【葛貫】
「ありましたありました、あとそれからお茶菓子も。これおいしいんですよ、どうぞ」
【雨宮】
「……機嫌なんか取らなくていいです」
【葛貫】
「もう、椿ちゃんは相変わらずのツンデレさんですね」
【雨宮】
「僕のどこがツンデレなんですか。あなたを嫌っているだけです」
【葛貫】
「椿ちゃんは昔からそうなんですから……」
【亘】
「あ、あの……ふたりは昔から知り合いなんですか?」
【雨宮】
「腐れ縁、ですよ」
【葛貫】
「腐れ縁なんてそんな言い方……」
【亘】
「でも親戚なんだろ?」
【雨宮】
「親戚でも遠縁です。ただ同じ学校に入ったおかげで、腐れ縁のような状況になって……」
【葛貫】
「私は椿ちゃんがうちの学園に来てくれると知って嬉しかったけどね
【雨宮】
「そんなの、アンタだけです」
【雨宮】
「こっちは……人間離れしたアンタといつも比べられて窮屈な思いしてたってのに」
【亘】
(たしかにこの会長と比べられるのはな……)
見てくれや喋り方こそこんな感じだけど、その能力が認められて生徒会長に就任しているのは事実。
成績もスポーツも万能。人を統率する力もある。
ただでさえ休みがちでハンデのある雨宮が比べられたらキツいのはオレにも想像がつく……。
【雨宮】
「みじめになるんですよ、僕が」
【葛貫】
「どうしてですか? 椿ちゃんはすばらしい人間性を持っているでしょう」
【雨宮】
「そういうところもです!」
雨宮が声を荒げた。
【葛貫】
「……椿ちゃん……」
【雨宮】
「とにかく、生徒会には入りません。それを言いに来たんです。菊崎くんも同じです」
【亘】
「あっ、はい……」
【葛貫】
「……そうですか……」
【葛貫】
「残念ですが……気が向いたらいつでも来てくださいね」
【葛貫】
「生徒会は君たちを歓迎しますよ」
【雨宮】
「……っ……」
雨宮は何も言わず生徒会室を出て行く。
【亘】
「あっ雨宮、待って……!」
オレも追いかけるように、生徒会室を出て行った。
【雨宮】
「なんであの人は……僕にまとわりついてくるんだ……」
そういう雨宮の表情はとても苦しそうだった。
【雨宮】
「あの人にみじめなんて感情、一生わからない……」
そう言いながら雨宮は苦しそうに壁を叩いた。
【亘】
「雨宮……」
【亘】
(そうか……苦しかったんだな……)
なんとなく、雨宮と話してわかってきたような気がする。
雨宮は自分を下に見た行動をとられるのを何よりも嫌がるやつだ。
それほど自分の身体がコンプレックスなんだ。
ずっと床に伏せっていたら気持ちも鬱々としてくるんだと思う。
それで、少し卑屈になってしまうのかもしれない……。
【亘】
(まだオレの、憶測でしかないけれど……)
確かに……あの会長がそばにいるのは……苦しかっただろう……。
オレは雨宮に腕を回して軽く抱きしめ、背中を優しくぽんぽんと叩いて慰めた。
【雨宮】
「っ、亘……!」
【亘】
(雨宮も……きっと、つらいことがいっぱいあったんだ……)
文句を言って突き飛ばされるかと思ったけど、
雨宮は少し驚いただけで、何も言わなかった。
オレは特に声をかけたりはせず、少しでも心に抱えてるものが軽くなれば良いと……
ただ雨宮を抱きしめ続けた―――。
