[本編] 雨宮 椿 編
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アラさんに言われて、オレが捜査する際の相方……バディを連れて来いと言われた。
けれど……
【亘】
「……結局、どっちにも相談できなかった……」
一番に思いついたのは郁哉とソウのふたり。
オレがこの学園に来た時から仲良くしてる同級生のふたりだ。
【亘】
(でもどっちかなんて選べないし……)
【亘】
(しかもこんなヤバいことに巻き込むなんて……どっちにも申し訳ない……)
オレは自室を楽しげに探索しているアラさんを見る。
【アラさん】
「なんで亘ひとりで戻ってきちゃったんだよ」
【アラさん】
「バディの相手を連れて来いって言っただろー?」
【亘】
「そんなこと言ったっておいそれと友達を巻き込めるかよ……」
【亘】
「こんな……ただでさえ怪しい話の上に、郁哉やソウにアラさんを紹介するなんて……」
【アラさん】
「なんだって? このチャーミングな俺を紹介できないっていうのかぁ!?」
【亘】
「チャーミングとかそういう問題じゃないって」
【亘】
「しゃべるアライグマってとこが問題っていうか……」
まずオレ自身がこの状況を理解できていないのに、人に上手く説明できる気がしないのだ。
きっと相談したら親身に乗ってくれると思うけど……。
二人なら、オレの『人間マタタビ体質』が悪化して変な幻覚を見るようになったんだ、とかは言われないと思う。
それでも……。
【亘】
「ねぇ、アラさん?」
【アラさん】
「なんだー?」
【亘】
「その捜査……どうしてもオレひとりでやるんじゃダメかな?」
【アラさん】
「んー」
アラさんは快い返事をしてくれない。
【亘】
「……ダメかな?」
【アラさん】
「ダメってことはないが、aドロップを舐めるわけだしなぁ……」
【亘】
「ひとりじゃできないの?」
【アラさん】
「ちっと負担が重くなると思うんだよ」
【亘】
「そうなのか……」
【アラさん】
「何より万が一ドロップを舐めたときのフォロー役がいないと……」
【亘】
「フォロー役?」
【アラさん】
「そう。なんてったってaドロップは……」
【アラさん】
「まぁこの話はいいか」
【亘】
「よくないし!」
【アラさん】
「今はとりあえずいいんだよっ。とにかくっ、バディを連れてきてから詳しい話をする!」
【アラさん】
「単独捜査は心配だし、何より俺が燃えない!」
【亘】
「結局そこかよ……?」
【アラさん】
「もう少しバディ相手を探してみたらどうだ?」
【亘】
「うーん……」
【亘】
(でもなおさら、こんなことに人を巻き込めない)
そしてオレは、ある一つの結論にたどり着く。
【亘】
「なぁ、アラさん」
【アラさん】
「なんだ?」
【亘】
「人間マタタビ体質を治してくれるっていうのはありがたいし」
【亘】
「オレにはすごーく魅力的、なんだけど……」
【アラさん】
「なんだけど、何だよ?」
【亘】
「その捜査って、本当にオレがやらなきゃダメな使命ってやつなのか?」
【亘】
「うちの学校にはもっと優秀な人、いっぱいいるんだぞ?」
【アラさん】
「何だその言い方は。自信なくなったのか?」
【亘】
「自信というか、危険なことになるならオレ一人の問題じゃなくなるから難しいって」
【アラさん】
「亘だから選ばれたんだと思うんだよな、俺は」
【アラさん】
「それにな、誰か自分のことを任せられるほどの……」
【アラさん】
「そして、そんな自分を受け止めてくれるって奴は一人ぐらい必要だぞ?」
【亘】
「そりゃそうかもしれないけど……」
【亘】
「ごめん、ちょっと考えさせてくれ」
【亘】
「それまではオレの部屋で寝泊まりしていいからさ」
【アラさん】
「お、おう……」
そういうわけでaドロップの密売人捜し……は一旦保留にさせてもらうことにした。
―――翌日の放課後。
【亘】
(新学期早々とんでもないことに巻き込まれたな……)
密売人捜しをどうするか。
ぼんやり考えながら教室を出ようとすると、クラスメイトの雨宮がゴミをまとめている姿を見た。
【雨宮】
「よいしょ、っと……」
【亘】
(あれ、雨宮……)
雨宮はエスカレーター式のこの学園で、ずっと同級生だが……
実はオレはあまり雨宮のことを知らなかった。
それもそのはず、雨宮は病気がちで、あまり学校に来ていない時期があったのだ。
身体が弱いせいもあって、よく欠席している。
そのせいで、何年も同級生でありながら、オレは雨宮とそんなに親しくなれていない。
【亘】
(高校に入ってから、結構出席してるってことは……具合が良くなったのか?)
【亘】
(っつーか、あのゴミ袋重そー……)
入学式のあとに大掃除があったせいで、ゴミ箱はかなりいっぱいになっていた。
【亘】
(雨宮……あれ持つのつらいんじゃないかな)
ふと雨宮のことが心配になって……オレは雨宮に声をかけた。
【亘】
「なあ、手伝うよ」
【雨宮】
「……菊崎くん……?」
【亘】
「大変だろ? 量も多いしさ」
【雨宮】
「いえ……大丈夫です」
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