[本編] 柊木 郁哉 編
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【柊木】
「つなぎたい、って言ったら?」
【柊木】
「……なんてな。っつーかこれ開くぞ、ほら」
ガチャガチャとやっているうちにギィー……と音がして、一気に青空が開けた。
【亘】
「わっ、入れた!」
【柊木】
「立てつけが悪かっただけだな。カギはもともと開いてたんじゃないか?」
【萩山】
「なんだよ、ビビらせんなよっ……」
【柊木】
「なんだ、ソウ。結局ビビってたのか?」
【萩山】
「ちっげーよ!」
【柊木】
「……まあそういうことにしておいてやるよ」
【亘】
「すごいね、ここ。学園が全部見える」
【柊木】
「よく見るとシュミ悪いよな。生徒会長のブロンズ像とか」
【亘】
「あれ毎年建て替えてるっていうのがすごいよ」
【柊木】
「生徒会長自腹らしい」
【亘】
「えっマジ? じゃあ金持ちじゃないと生徒会長なれないんだ」
【柊木】
「…そうじゃなくて、現会長の思いつきだろ。まぁくだらないな」
【萩山】
「でもあれ磨くと御利益あるらしいぜ」
【柊木】
「マジか」
【柊木】
「よし、じゃあソウ磨いて来い」
【萩山】
「はぁ!? なんで俺が!」
【亘】
「はははっ」
そんな風に他愛ない話をする。
高等部に入ってもオレたちの関係は―――相変わらずだ。
【亘】
「でも、オレたちもう5年も一緒にいるんだよな」
【柊木】
「うちの学園は転入生とかなかなかいないから、亘が入ってきたときはびっくりした」
【萩山】
「そーそー。しかも養子とかどんだけラッキーボーイだって話しで」
【亘】
「オレだってびっくりしたよ。生活ガラッと変わったし」
【柊木】
「それでも人間マタタビ体質は相変わらずだったんだろ」
【亘】
「施設の食べ物のせいかと思ってたけど、カンケーなかったんだよな……」
【萩山】
「っつーかさ、うちの学園って……変な話だけど、まあボンボンばっかりじゃん?」
【柊木】
「そういうお前もそうだろ」
【萩山】
「それに馴染むのって怖くなかったのか?」
【亘】
「え……」
【亘】
(考えたこともなかった……)
確かにオレは生まれたときから両親がいなくて、施設育ち。
小4のときに今の両親―――驚くことに元財閥―――に引き取られて今に至るのだが。
【亘】
「うーん、確かに施設にいたときは制約もあったし、そんな悠々自適って感じじゃなかったけど」
【亘】
「学園に来るの……怖くはなかった、かなぁ?」
【萩山】
「どうしてだ?」
【亘】
(どうしてだろう……)
施設から今の家に引き取られて、この学園に編入することになった。
おぼっちゃま学園じゃ話は合わないだろうし、友達はうまく作れるのか。
そんな危惧もあるにはあった。……最初の頃は。
【亘】
(でも入ってみたら全然そんなの気にしなかったな……)
どうしてだっけ、と思い出す。
……そうだ。
【亘】
「郁哉とソウがいたからかな……」
【柊木】
「……!」
となりにいた郁哉の顔を見て思い出す。
【亘】
「郁哉、オレのこと気にかけてくれたし、ソウもいっぱい話しかけてくれたし」
【萩山】
「じゃあ俺のおかげってわけか!」
【柊木】
「お前だけじゃないだろ、ソウ」
そう文句を言いながらも、郁哉は少し嬉しそうだ。
もちろん、ソウもだけど。
【柊木】
「さて……と」
【亘】
「郁哉?」
【柊木】
「そろそろ行かないと」
【亘】
「どこに?」
【萩山】
「何か用事あんのか?」
【柊木】
「部活だよ」
【亘】
「部活!?」
【柊木】
「仮入部、今日からなんだ」
【亘】
「郁哉、何部入ったの」
【柊木】
「剣道」
【萩山】
「なんだ、中学のときと一緒かよ」
【柊木】
「文句あるのか?」
【萩山】
「ねーけどさっ」
【亘】
「じゃあオレもそろそろ戻ろうかな」
【萩山】
「俺もっ!」
3人して、屋上を後にする。
【萩山】
「なぁ、これからこの屋上でご飯食べるってのはどうだ?」
【萩山】
「怖いウワサあるから、きっと他のヤツも来ないだろうし」
【柊木】
「あのウワサを信じているのがお前以外にもいればの話だけどな」
【萩山】
「それは忘れろっ! てか信じてねーし! ほんっとムカつくな、郁哉!」
そしてオレたちは下駄箱に向かい、郁哉は剣道場に向かって行った。
【萩山】
「……な、剣道部ってアセくさいんじゃないか」
【亘】
「中等部のときは厳しかったみたいだけど、高等部はどうなんだろ」
【萩山】
「……よし。汗だくの郁哉を笑ってやろう」
【萩山】
「さっき人のこと散々馬鹿にしてくれたからな……郁哉め……。行こう亘っ!」
【亘】
「え? あっ、ソウ!」
またも強引なソウに振り回され、今度は剣道場に向かう。
ソウに振り回されるのも、兄弟が居ないオレには弟が出来たみたいでちょっと嬉しいのは内緒だ。
【亘】
「ったく、もう!だからそんな引っ張ったら転んじまうって!」
剣道場へ行くと、着替え終わった郁哉の姿が見えた。
【亘】
「……!」
なんだかこうして見ると改めて背伸びてるな…とか、様になってるな…なんて
胴着姿の郁哉は、男のオレでも惚れ惚れしてしまうほどカッコよかった。
面を取った防具姿で、汗だくになりながら素振りをしているみたいだ。
【柊木】
「……58! 59! 60! ……」
【亘】
「郁哉……すごいな」
【萩山】
「……来るんじゃなかった」
ソウが小さく何かをつぶやいた気がして、問いかける。
【亘】
「え?」
【萩山】
「なんでもねーよっ。だいたい、剣道が何だよ。俺なんか二刀流だしー」
郁哉はオレらが来たことにも気づかず、一心不乱に素振りを続けている。
【柊木】
「……61! 62! 63! ……」
【萩山】
「おかしくね?ムサ苦しいどころか、汗が輝いてキラキラしてやがる…」
オレを連れてきたくせに悪態をつくソウに苦笑しながら、オレはしばらく郁哉に見とれていた―――。
「つなぎたい、って言ったら?」
【柊木】
「……なんてな。っつーかこれ開くぞ、ほら」
ガチャガチャとやっているうちにギィー……と音がして、一気に青空が開けた。
【亘】
「わっ、入れた!」
【柊木】
「立てつけが悪かっただけだな。カギはもともと開いてたんじゃないか?」
【萩山】
「なんだよ、ビビらせんなよっ……」
【柊木】
「なんだ、ソウ。結局ビビってたのか?」
【萩山】
「ちっげーよ!」
【柊木】
「……まあそういうことにしておいてやるよ」
【亘】
「すごいね、ここ。学園が全部見える」
【柊木】
「よく見るとシュミ悪いよな。生徒会長のブロンズ像とか」
【亘】
「あれ毎年建て替えてるっていうのがすごいよ」
【柊木】
「生徒会長自腹らしい」
【亘】
「えっマジ? じゃあ金持ちじゃないと生徒会長なれないんだ」
【柊木】
「…そうじゃなくて、現会長の思いつきだろ。まぁくだらないな」
【萩山】
「でもあれ磨くと御利益あるらしいぜ」
【柊木】
「マジか」
【柊木】
「よし、じゃあソウ磨いて来い」
【萩山】
「はぁ!? なんで俺が!」
【亘】
「はははっ」
そんな風に他愛ない話をする。
高等部に入ってもオレたちの関係は―――相変わらずだ。
【亘】
「でも、オレたちもう5年も一緒にいるんだよな」
【柊木】
「うちの学園は転入生とかなかなかいないから、亘が入ってきたときはびっくりした」
【萩山】
「そーそー。しかも養子とかどんだけラッキーボーイだって話しで」
【亘】
「オレだってびっくりしたよ。生活ガラッと変わったし」
【柊木】
「それでも人間マタタビ体質は相変わらずだったんだろ」
【亘】
「施設の食べ物のせいかと思ってたけど、カンケーなかったんだよな……」
【萩山】
「っつーかさ、うちの学園って……変な話だけど、まあボンボンばっかりじゃん?」
【柊木】
「そういうお前もそうだろ」
【萩山】
「それに馴染むのって怖くなかったのか?」
【亘】
「え……」
【亘】
(考えたこともなかった……)
確かにオレは生まれたときから両親がいなくて、施設育ち。
小4のときに今の両親―――驚くことに元財閥―――に引き取られて今に至るのだが。
【亘】
「うーん、確かに施設にいたときは制約もあったし、そんな悠々自適って感じじゃなかったけど」
【亘】
「学園に来るの……怖くはなかった、かなぁ?」
【萩山】
「どうしてだ?」
【亘】
(どうしてだろう……)
施設から今の家に引き取られて、この学園に編入することになった。
おぼっちゃま学園じゃ話は合わないだろうし、友達はうまく作れるのか。
そんな危惧もあるにはあった。……最初の頃は。
【亘】
(でも入ってみたら全然そんなの気にしなかったな……)
どうしてだっけ、と思い出す。
……そうだ。
【亘】
「郁哉とソウがいたからかな……」
【柊木】
「……!」
となりにいた郁哉の顔を見て思い出す。
【亘】
「郁哉、オレのこと気にかけてくれたし、ソウもいっぱい話しかけてくれたし」
【萩山】
「じゃあ俺のおかげってわけか!」
【柊木】
「お前だけじゃないだろ、ソウ」
そう文句を言いながらも、郁哉は少し嬉しそうだ。
もちろん、ソウもだけど。
【柊木】
「さて……と」
【亘】
「郁哉?」
【柊木】
「そろそろ行かないと」
【亘】
「どこに?」
【萩山】
「何か用事あんのか?」
【柊木】
「部活だよ」
【亘】
「部活!?」
【柊木】
「仮入部、今日からなんだ」
【亘】
「郁哉、何部入ったの」
【柊木】
「剣道」
【萩山】
「なんだ、中学のときと一緒かよ」
【柊木】
「文句あるのか?」
【萩山】
「ねーけどさっ」
【亘】
「じゃあオレもそろそろ戻ろうかな」
【萩山】
「俺もっ!」
3人して、屋上を後にする。
【萩山】
「なぁ、これからこの屋上でご飯食べるってのはどうだ?」
【萩山】
「怖いウワサあるから、きっと他のヤツも来ないだろうし」
【柊木】
「あのウワサを信じているのがお前以外にもいればの話だけどな」
【萩山】
「それは忘れろっ! てか信じてねーし! ほんっとムカつくな、郁哉!」
そしてオレたちは下駄箱に向かい、郁哉は剣道場に向かって行った。
【萩山】
「……な、剣道部ってアセくさいんじゃないか」
【亘】
「中等部のときは厳しかったみたいだけど、高等部はどうなんだろ」
【萩山】
「……よし。汗だくの郁哉を笑ってやろう」
【萩山】
「さっき人のこと散々馬鹿にしてくれたからな……郁哉め……。行こう亘っ!」
【亘】
「え? あっ、ソウ!」
またも強引なソウに振り回され、今度は剣道場に向かう。
ソウに振り回されるのも、兄弟が居ないオレには弟が出来たみたいでちょっと嬉しいのは内緒だ。
【亘】
「ったく、もう!だからそんな引っ張ったら転んじまうって!」
剣道場へ行くと、着替え終わった郁哉の姿が見えた。
【亘】
「……!」
なんだかこうして見ると改めて背伸びてるな…とか、様になってるな…なんて
胴着姿の郁哉は、男のオレでも惚れ惚れしてしまうほどカッコよかった。
面を取った防具姿で、汗だくになりながら素振りをしているみたいだ。
【柊木】
「……58! 59! 60! ……」
【亘】
「郁哉……すごいな」
【萩山】
「……来るんじゃなかった」
ソウが小さく何かをつぶやいた気がして、問いかける。
【亘】
「え?」
【萩山】
「なんでもねーよっ。だいたい、剣道が何だよ。俺なんか二刀流だしー」
郁哉はオレらが来たことにも気づかず、一心不乱に素振りを続けている。
【柊木】
「……61! 62! 63! ……」
【萩山】
「おかしくね?ムサ苦しいどころか、汗が輝いてキラキラしてやがる…」
オレを連れてきたくせに悪態をつくソウに苦笑しながら、オレはしばらく郁哉に見とれていた―――。
