[本編] プロローグ
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今日は高校の入学式だ。オレ、菊崎亘は、お金持ちのご子息ばかりが通うと言われている
碩英学園(せきえいがくえん)に登校する最中である。
と言っても、エスカレーター式に進級したので期待に胸が高鳴ることなんてなく。
同級生の顔ぶれが変わるわけではないし……強いて言えば高等部から全寮制になることぐらいだ。
【亘】
(まあ、そんなもんだよなぁ……)
高校になったとしても、今までと変わりない平凡な日常が続いていく。
孤児だったオレは、小学校のときに突然養子として引き取られセレブの仲間入りをした。
最初は孤児院とは違うハイクラスな暮らしに戸惑ったけど、豪遊する気分にもなれないし……。
庶民生活が染み付いているから、平凡な日々は変わらない。別に平凡を嘆きたいわけじゃなくて。
むしろ………オレは逆に平穏な日々を望んでいる。なぜなら―…
【???】
「ワンワンワンワンッ」
【主婦】
「待ちなさぁいっ! クリスティーヌちゃぁああんっ」
【主婦】
「ちょっとそこの学生さんっ! うちの子捕まえてくださるーっ!?」
【亘】
「えええっ!?」
声がする方を振り向くと、リードを離してしまったのであろう飼い主がこちらに向かって叫んでいる。
そして、その飼い主の前には…ものすごい勢いでこちらに向かってくる大型犬が!
ヤバい!と思ったときには大型犬が飛び上がっていた。
【クリスティーヌ】
「ワンワンッ!」
【亘】
「うわあああぁっ!?」
見事、飛びかかられて地面に押し倒されてしまった。
そして、鼻先を擦り付けられては顔中をベロベロと舐められる。
【クリスティーヌ】
「クゥーン」
【亘】
「うわああっ、やめ……っ、ぷは」
【主婦】
「あらやだ、ウチの子いつも大人しいのよ?」
【主婦】
「それが貴方を見た瞬間飛びついちゃって……もうっ、いい子だから離れなさいっ」
【クリスティーヌ】
「わふわふっ……!」
【主婦】
「もうクリスティーヌちゃんたらっ……!いい子だから止めなさいっ」
ようやく飼い主が駆けつけたしなめても、クリスティーヌちゃんは離れることはなく……。
【亘】
(まぁ……慣れてるんだけど……)
【亘】
(こうなったら長いんだよなぁ……)
仰向けになって未だべろべろと顔中を舐められたまま、青空をぼんやり眺める。
そう、オレが平穏を望むのには一つのわけがある。
それは、物心ついたときから、『人間マタタビ体質』に悩まされていたからだ。
『人間マタタビ体質』
自分で勝手につけた名称だが、要は動物に好かれすぎてしまうってこと。
ただちょっと好かれるぐらいならいいんだけど……猫がマタタビを嗅いだように、どんな動物もメロメロにしてしまうのだ。
……モテる男は辛いな。※ただし動物に限る
【亘】
(しかしこの状況はどうしようか……)
ぼんやりと考えていると遠くから聞きなれた声が聞こえてくる。
【柊木】
「亘!」
【萩山】
「亘ーっ!」
【亘】
「郁哉とソウだ!」
【亘】
(よかった、助かった―…)
あの二人ならクリスティーヌちゃんを引き離してくれるだろう。
オレは安心してゆっくりと目を閉じた。
あれから無事二人に救出され、今は入学式を終えて教室に向かっているところだ。
【萩山】
「いやー、久しぶりに見たな。『人間マタタビ体質』効果!ずっと動物避けてきたのに」
【柊木】
「最近動物に襲われることがなかったからって油断したな…。大丈夫か?」
【亘】
「大丈夫。二人とも助けてくれてありがとう」
オレを助けてくれた郁哉とソウは、小等部からの友達だ。
突然お金持ち学校に転校してきたオレを偏見なく付き合ってくれていて、ずっと仲良くしている。
こいつは柊木 郁哉(ひいらぎ いくや)
偏差値が高いウチの学校の中でも群を抜いて頭が良くて学年主席だ。
おまけにイケメンでスポーツも万能って神様は平等じゃないよな……。
仏頂面ではあるけど、そこがまたクールでいいという隣の女子高からの風の噂だ。
もう一人は萩山 ソウ(はぎやま そう)
ソウも頭が悪いわけではないけど少しサボり癖があるんだよな。
しょっちゅうからかったりしてくるんだけど、最近軽くそれを流すと拗ねている。
ちなみにソウはやんちゃっぽいところがかわいいという風の噂。
……そういえばオレの噂は隣の女子高から流れてこないんだけど……。
郁哉は現役で剣道、ソウは昔空手をやっていたから二人とも喧嘩も強い。
なんなのお前ら。ぼっちゃんは武道も嗜みなのか?
改めてレベルの高い二人と一緒にいる凡人のオレって……と少し凹んだが、気にしないことにする。
【亘】
「朝から散々な目に遭ったよホント……」
【柊木】
「まあ亘は人間マタタビ体質な上、巻き込まれ気質だからな……仕方ないだろ」
【亘】
「仕方ないで片付けるなよー…本人は大変なんだって」
【萩山】
「ともあれ!また三人同じクラスになれたなー」
【柊木】
「俺達の腐れ縁もここまで続くとは…」
【萩山】
「うっわ、ここで腐れ縁とか言うか」
【柊木】
「冗談も通じないのかお前は」
二人がすぐ言い合いになるのもじゃれてるようなものなので気にしない。
まぁ……最近ちょっと言い合いの頻度が高くなっているのは気になってるんだけど……。
【柊木】
「……俺も、また同じクラスでよかったと思ってるよ」
【亘】
「な!ほんと、オレも二人と一緒で安心したよ」
照れくさそうに言う郁哉を見て思わずオレも笑顔で続ける。すると……
【亘】
(ん!?あれ、何だ……?)
何気なく外を見上げたら、空から何か落ちてくるような影が見えた。
目を凝らして見ても、まだ遠くにあるようでよく見えない。
もう少し近づいてこないと─……
【萩山】
「亘?」
【柊木】
「どうしたんだ?」
呼びかけられてハッと我に返る。
振り向くと、二人が怪訝な顔をしてこちらを向いていた。
キーンコーン……
落ちてくるものが気になったけど、確かめているとHRに遅れてしまう。
【亘】
(でもなんだろう……すごく、気になる……)
今思うと、どうしてここで確かめようと思ってしまったんだろう。
無視していれば、あんなことにはならなかったのに―
つい、体が走り出してしまった。
【亘】
「悪い、トイレー! 先生にも言っておいてー!」
【萩山】
「わかった!緊急事態って言っとく」
【柊木】
「ウォシュレットで遊ぶなよ」
【亘】
「誰が遊ぶかっ!」
しっしっ、と手で追い払い二人が教室に向かった背中を確認すると……俺は空から振ってくるものが落下するであろう場所へ走った。
【亘】
(たぶん、この辺りのはず……)
空を見上げながら走っていくと校舎裏に落ち着いた。
段々近づいてきて大きくなって来ているけど…
物そのものは小さい、のかもしれない。
碩英学園(せきえいがくえん)に登校する最中である。
と言っても、エスカレーター式に進級したので期待に胸が高鳴ることなんてなく。
同級生の顔ぶれが変わるわけではないし……強いて言えば高等部から全寮制になることぐらいだ。
【亘】
(まあ、そんなもんだよなぁ……)
高校になったとしても、今までと変わりない平凡な日常が続いていく。
孤児だったオレは、小学校のときに突然養子として引き取られセレブの仲間入りをした。
最初は孤児院とは違うハイクラスな暮らしに戸惑ったけど、豪遊する気分にもなれないし……。
庶民生活が染み付いているから、平凡な日々は変わらない。別に平凡を嘆きたいわけじゃなくて。
むしろ………オレは逆に平穏な日々を望んでいる。なぜなら―…
【???】
「ワンワンワンワンッ」
【主婦】
「待ちなさぁいっ! クリスティーヌちゃぁああんっ」
【主婦】
「ちょっとそこの学生さんっ! うちの子捕まえてくださるーっ!?」
【亘】
「えええっ!?」
声がする方を振り向くと、リードを離してしまったのであろう飼い主がこちらに向かって叫んでいる。
そして、その飼い主の前には…ものすごい勢いでこちらに向かってくる大型犬が!
ヤバい!と思ったときには大型犬が飛び上がっていた。
【クリスティーヌ】
「ワンワンッ!」
【亘】
「うわあああぁっ!?」
見事、飛びかかられて地面に押し倒されてしまった。
そして、鼻先を擦り付けられては顔中をベロベロと舐められる。
【クリスティーヌ】
「クゥーン」
【亘】
「うわああっ、やめ……っ、ぷは」
【主婦】
「あらやだ、ウチの子いつも大人しいのよ?」
【主婦】
「それが貴方を見た瞬間飛びついちゃって……もうっ、いい子だから離れなさいっ」
【クリスティーヌ】
「わふわふっ……!」
【主婦】
「もうクリスティーヌちゃんたらっ……!いい子だから止めなさいっ」
ようやく飼い主が駆けつけたしなめても、クリスティーヌちゃんは離れることはなく……。
【亘】
(まぁ……慣れてるんだけど……)
【亘】
(こうなったら長いんだよなぁ……)
仰向けになって未だべろべろと顔中を舐められたまま、青空をぼんやり眺める。
そう、オレが平穏を望むのには一つのわけがある。
それは、物心ついたときから、『人間マタタビ体質』に悩まされていたからだ。
『人間マタタビ体質』
自分で勝手につけた名称だが、要は動物に好かれすぎてしまうってこと。
ただちょっと好かれるぐらいならいいんだけど……猫がマタタビを嗅いだように、どんな動物もメロメロにしてしまうのだ。
……モテる男は辛いな。※ただし動物に限る
【亘】
(しかしこの状況はどうしようか……)
ぼんやりと考えていると遠くから聞きなれた声が聞こえてくる。
【柊木】
「亘!」
【萩山】
「亘ーっ!」
【亘】
「郁哉とソウだ!」
【亘】
(よかった、助かった―…)
あの二人ならクリスティーヌちゃんを引き離してくれるだろう。
オレは安心してゆっくりと目を閉じた。
あれから無事二人に救出され、今は入学式を終えて教室に向かっているところだ。
【萩山】
「いやー、久しぶりに見たな。『人間マタタビ体質』効果!ずっと動物避けてきたのに」
【柊木】
「最近動物に襲われることがなかったからって油断したな…。大丈夫か?」
【亘】
「大丈夫。二人とも助けてくれてありがとう」
オレを助けてくれた郁哉とソウは、小等部からの友達だ。
突然お金持ち学校に転校してきたオレを偏見なく付き合ってくれていて、ずっと仲良くしている。
こいつは柊木 郁哉(ひいらぎ いくや)
偏差値が高いウチの学校の中でも群を抜いて頭が良くて学年主席だ。
おまけにイケメンでスポーツも万能って神様は平等じゃないよな……。
仏頂面ではあるけど、そこがまたクールでいいという隣の女子高からの風の噂だ。
もう一人は萩山 ソウ(はぎやま そう)
ソウも頭が悪いわけではないけど少しサボり癖があるんだよな。
しょっちゅうからかったりしてくるんだけど、最近軽くそれを流すと拗ねている。
ちなみにソウはやんちゃっぽいところがかわいいという風の噂。
……そういえばオレの噂は隣の女子高から流れてこないんだけど……。
郁哉は現役で剣道、ソウは昔空手をやっていたから二人とも喧嘩も強い。
なんなのお前ら。ぼっちゃんは武道も嗜みなのか?
改めてレベルの高い二人と一緒にいる凡人のオレって……と少し凹んだが、気にしないことにする。
【亘】
「朝から散々な目に遭ったよホント……」
【柊木】
「まあ亘は人間マタタビ体質な上、巻き込まれ気質だからな……仕方ないだろ」
【亘】
「仕方ないで片付けるなよー…本人は大変なんだって」
【萩山】
「ともあれ!また三人同じクラスになれたなー」
【柊木】
「俺達の腐れ縁もここまで続くとは…」
【萩山】
「うっわ、ここで腐れ縁とか言うか」
【柊木】
「冗談も通じないのかお前は」
二人がすぐ言い合いになるのもじゃれてるようなものなので気にしない。
まぁ……最近ちょっと言い合いの頻度が高くなっているのは気になってるんだけど……。
【柊木】
「……俺も、また同じクラスでよかったと思ってるよ」
【亘】
「な!ほんと、オレも二人と一緒で安心したよ」
照れくさそうに言う郁哉を見て思わずオレも笑顔で続ける。すると……
【亘】
(ん!?あれ、何だ……?)
何気なく外を見上げたら、空から何か落ちてくるような影が見えた。
目を凝らして見ても、まだ遠くにあるようでよく見えない。
もう少し近づいてこないと─……
【萩山】
「亘?」
【柊木】
「どうしたんだ?」
呼びかけられてハッと我に返る。
振り向くと、二人が怪訝な顔をしてこちらを向いていた。
キーンコーン……
落ちてくるものが気になったけど、確かめているとHRに遅れてしまう。
【亘】
(でもなんだろう……すごく、気になる……)
今思うと、どうしてここで確かめようと思ってしまったんだろう。
無視していれば、あんなことにはならなかったのに―
つい、体が走り出してしまった。
【亘】
「悪い、トイレー! 先生にも言っておいてー!」
【萩山】
「わかった!緊急事態って言っとく」
【柊木】
「ウォシュレットで遊ぶなよ」
【亘】
「誰が遊ぶかっ!」
しっしっ、と手で追い払い二人が教室に向かった背中を確認すると……俺は空から振ってくるものが落下するであろう場所へ走った。
【亘】
(たぶん、この辺りのはず……)
空を見上げながら走っていくと校舎裏に落ち着いた。
段々近づいてきて大きくなって来ているけど…
物そのものは小さい、のかもしれない。
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