夏目と交際一年目
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【夏目】
「会えない間、辛い思いをさせたようだな」
【宮沢】
「そんな!辛い事なんて全然です!」
頬に手を寄せて囁くと、宮沢は途端に笑顔になって否定した
しかし、俺にはそれが本当の笑顔には到底感じられなかった
【夏目】
「そうなのか?俺は会えない間、寂しすぎて仕方がなかったんだがな」
わざと拗ねたような口調で言うと、
宮沢が驚きで目を見開く
【夏目】
「ずっとお前のことを考えていた」
【夏目】
「時折見かけるお前の、いつもと変わらずしっかり働いている姿が頼もしくもあり、同時に少々寂しくもあった」
【夏目】
「たまに言葉を交わせるときに、
宮沢は俺をさっぱり恋しがっ
てくれんしな」
それが宮沢の強さなのだと思
いつつも、少しぐらい我儘を言って欲しいというのが、身勝手な本音だった
【宮沢】
「だって、夏目さんが頑張ってらっ
しゃるのに、困らせるようなこと…できません」
【宮沢】
「それに……」
【夏目】
「それに、谷崎や吉川のような、同年代の仲間が支えてくれるから、俺が居なくても大丈夫―か?」
宮沢を素直にさせるために、
少しだけ意地悪を言ってみる
【宮沢】
「そっ!そんなこと……」
大きな声を上げて、宮沢がガ
バっと起き上がった
【宮沢】
「いやあの!潤司たちはすごく頼りになって、特に潤司は親友だし…、その…」
【宮沢】
「だけど夏目さんが居なくて平気かっていうと、その寂しさは別っていうか…」
ようやく、宮沢の口から聞き
たかった本音が飛び出した
【夏目】
「つまりはお前も寂しかったということだな?」
【宮沢】
「あ…っ!」
【宮沢】
「……あう。
は……はい。ごめんなさい…」
言うつもりのなかった真実を、うっかり告げてしまったことを恥じる様子で、宮沢が俯く
【夏目】
「罠にかけたみたいですまんな」
【夏目】
「嫉妬心からつい意地の悪いことを言ってしまった」
俺がそう謝ると、宮沢は先程
よりももっと目を丸くした
【宮沢】
「そんな…。夏目さんが俺に嫉妬なんて……」
【夏目】
「しないように見えるか?」
【夏目】
「お前のことに関しては、俺はそれほど心は広くないぞ」
【夏目】
「いつ同年代の相手と付き合いたいと言われるか、内心ヒヤヒヤし通しだ」
俺がそう言って笑うと、宮沢は勢いよく首を横に振った
【宮沢】
「夏目さん以外に目を向けるなんてありません!俺の方こそ、夏目さんに全然釣り合ってなくて…」
【宮沢】
「完璧な大人な夏目さんに、早く追いつきたくて…。何でもいいから力になれるようにって……」
宮沢の瞳から、パタパタと涙
が零れ落ちる
【夏目】
「何度も言っているが、お前は今のままで誰よりも俺の支えになっている
し、そのままで充分すぎるほどだ」
【宮沢】
「な…、夏目ひゃん……」
親指で、宮沢の涙を拭う
【夏目】
「お前が思っている以上に、俺はお前が好きだし。お前が居ない人生など想像もしたくない程だ」
【宮沢】
「……俺も、夏目…さ、…が、居な…と、…駄目、で…」
【宮沢】
「で、でも……そんなこと言ったら、困らせるだけだ…、て……ぅくっ」
【夏目】
「俺が宮沢を迷惑に思ったこ
となど、一度もない」
しゃくりあげる宮沢の背中
を、優しく抱き寄せる
【夏目】
「しかし……そんなに不安にさせていることに気付かなかったとは、すまなかった」
【宮沢】
「うぐっ……ちがっ、俺……が、勝手に……っ」
俺は、赤くなった宮沢の目元
にチュッと口づけを落とした
【夏目】
「俺がそばにいてほしいと思うのは、宮沢だけだ」
【宮沢】
「俺も、夏……惣一さんだけです」
くしゃりと笑う宮沢の額に、
もう一度口づけをした
【夏目】
「ありがとう、宮沢。もう少
しだけ寂しい思いをさせてしまうかもしれないが……」
本当なら宮沢と離れるのは心
苦しいが、まだやらなければならないことが残っている
【宮沢】
「大丈夫です。もう、不安になったりしませんから」
宮沢は俺の胸元に顔を寄せな
がら、自分にも言い聞かせるように言った
俺はそんな宮沢を強く抱きし
める
【夏目】
「今週末にはひと段落すると思う。だから、終わったら少し遠くへ旅行に行かないか?」
【宮沢】
「旅行……ですか?」
【夏目】
「ああ。今まで一緒に居られなかった分、お前と二人きりで過ごしたいん
だ」
耳元で囁くようにして言うと、
宮沢は途端に顔を赤くした
【宮沢】
「は、はい……。すごく嬉しい…で
す」
【夏目】
「決まりだな」
【夏目】
「とりあえず、今日はこのまま、なにも考えずに休め」
【夏目】
「お前が寝るまで、ずっとここに居るから、な?」
【宮沢】
「はい。ありがとうございます」
俺の言葉に、宮沢は曇りのな
い笑顔で頷くのだった
―第4話―
夏目さんに旅行に誘われてから数日―
―
「会えない間、辛い思いをさせたようだな」
【宮沢】
「そんな!辛い事なんて全然です!」
頬に手を寄せて囁くと、宮沢は途端に笑顔になって否定した
しかし、俺にはそれが本当の笑顔には到底感じられなかった
【夏目】
「そうなのか?俺は会えない間、寂しすぎて仕方がなかったんだがな」
わざと拗ねたような口調で言うと、
宮沢が驚きで目を見開く
【夏目】
「ずっとお前のことを考えていた」
【夏目】
「時折見かけるお前の、いつもと変わらずしっかり働いている姿が頼もしくもあり、同時に少々寂しくもあった」
【夏目】
「たまに言葉を交わせるときに、
宮沢は俺をさっぱり恋しがっ
てくれんしな」
それが宮沢の強さなのだと思
いつつも、少しぐらい我儘を言って欲しいというのが、身勝手な本音だった
【宮沢】
「だって、夏目さんが頑張ってらっ
しゃるのに、困らせるようなこと…できません」
【宮沢】
「それに……」
【夏目】
「それに、谷崎や吉川のような、同年代の仲間が支えてくれるから、俺が居なくても大丈夫―か?」
宮沢を素直にさせるために、
少しだけ意地悪を言ってみる
【宮沢】
「そっ!そんなこと……」
大きな声を上げて、宮沢がガ
バっと起き上がった
【宮沢】
「いやあの!潤司たちはすごく頼りになって、特に潤司は親友だし…、その…」
【宮沢】
「だけど夏目さんが居なくて平気かっていうと、その寂しさは別っていうか…」
ようやく、宮沢の口から聞き
たかった本音が飛び出した
【夏目】
「つまりはお前も寂しかったということだな?」
【宮沢】
「あ…っ!」
【宮沢】
「……あう。
は……はい。ごめんなさい…」
言うつもりのなかった真実を、うっかり告げてしまったことを恥じる様子で、宮沢が俯く
【夏目】
「罠にかけたみたいですまんな」
【夏目】
「嫉妬心からつい意地の悪いことを言ってしまった」
俺がそう謝ると、宮沢は先程
よりももっと目を丸くした
【宮沢】
「そんな…。夏目さんが俺に嫉妬なんて……」
【夏目】
「しないように見えるか?」
【夏目】
「お前のことに関しては、俺はそれほど心は広くないぞ」
【夏目】
「いつ同年代の相手と付き合いたいと言われるか、内心ヒヤヒヤし通しだ」
俺がそう言って笑うと、宮沢は勢いよく首を横に振った
【宮沢】
「夏目さん以外に目を向けるなんてありません!俺の方こそ、夏目さんに全然釣り合ってなくて…」
【宮沢】
「完璧な大人な夏目さんに、早く追いつきたくて…。何でもいいから力になれるようにって……」
宮沢の瞳から、パタパタと涙
が零れ落ちる
【夏目】
「何度も言っているが、お前は今のままで誰よりも俺の支えになっている
し、そのままで充分すぎるほどだ」
【宮沢】
「な…、夏目ひゃん……」
親指で、宮沢の涙を拭う
【夏目】
「お前が思っている以上に、俺はお前が好きだし。お前が居ない人生など想像もしたくない程だ」
【宮沢】
「……俺も、夏目…さ、…が、居な…と、…駄目、で…」
【宮沢】
「で、でも……そんなこと言ったら、困らせるだけだ…、て……ぅくっ」
【夏目】
「俺が宮沢を迷惑に思ったこ
となど、一度もない」
しゃくりあげる宮沢の背中
を、優しく抱き寄せる
【夏目】
「しかし……そんなに不安にさせていることに気付かなかったとは、すまなかった」
【宮沢】
「うぐっ……ちがっ、俺……が、勝手に……っ」
俺は、赤くなった宮沢の目元
にチュッと口づけを落とした
【夏目】
「俺がそばにいてほしいと思うのは、宮沢だけだ」
【宮沢】
「俺も、夏……惣一さんだけです」
くしゃりと笑う宮沢の額に、
もう一度口づけをした
【夏目】
「ありがとう、宮沢。もう少
しだけ寂しい思いをさせてしまうかもしれないが……」
本当なら宮沢と離れるのは心
苦しいが、まだやらなければならないことが残っている
【宮沢】
「大丈夫です。もう、不安になったりしませんから」
宮沢は俺の胸元に顔を寄せな
がら、自分にも言い聞かせるように言った
俺はそんな宮沢を強く抱きし
める
【夏目】
「今週末にはひと段落すると思う。だから、終わったら少し遠くへ旅行に行かないか?」
【宮沢】
「旅行……ですか?」
【夏目】
「ああ。今まで一緒に居られなかった分、お前と二人きりで過ごしたいん
だ」
耳元で囁くようにして言うと、
宮沢は途端に顔を赤くした
【宮沢】
「は、はい……。すごく嬉しい…で
す」
【夏目】
「決まりだな」
【夏目】
「とりあえず、今日はこのまま、なにも考えずに休め」
【夏目】
「お前が寝るまで、ずっとここに居るから、な?」
【宮沢】
「はい。ありがとうございます」
俺の言葉に、宮沢は曇りのな
い笑顔で頷くのだった
―第4話―
夏目さんに旅行に誘われてから数日―
―