夏目と交際一年目
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【夏目】
「浮かない顔をしているな。なにか心配事か?睡眠はとっているか?」
驚いて顔をあげると、夏目さんが心配そうな瞳で見つめていた
【宮沢】
「いえ!その……次の演技構成を考えてちょっと煮詰まっていただけで……」
【宮沢】
「夏目さんこそ、お疲れではないですか?」
誤魔化すように笑顔で首を振りなが
ら、夏目さんに駆け寄る
【夏目】
「さすがに連日休み無しは少しきついが、その分やりがいは感じてるよ」
【宮沢】
「そうですか。あ!もし宜しければレモンの蜂蜜漬け持っていかれません
か?昨日作ってきたんです」
練習の後にと持ってきていた小さな
タッパーを差し出す
口にこそださなかったが、夏目さんは目の下にうっすらクマが出来ていて、激務の様子が伺えた
【夏目】
「お前のこれは疲れがよく取れるからな。ありがたくいただこう」
夏目さんが嬉しそうに微笑んでくれ
て、それだけで寂しかった気持ちがほんのりと温かさに包まれる
【夏目】
「宮沢の方は変わりないか?
」
【宮沢】
「俺は、大丈夫です。これから潤司と打ち合わで、新メニューをいくつか考えようと思って!」
出来る限り明るい様子でそう答える
大変そうな様子の夏目さんに、余計な心配をかけるわけにはいかない
【夏目】
「そうか、お前も頑張っているんだな」
【夏目】
「それじゃあもう時間だから本社に戻らなくては」
【宮沢】
「はい、お気をつけて」
【宮沢】
「…あっ」
突然、夏目さんは俺の腰を引き寄せると、唇を啄むように軽くキスをしてきた
【夏目】
「エネルギーチャージだ。愛しているぞ」
【宮沢】
「お、俺もです!」
夏目さんはニッと笑顔を返して、足早にミーティングルームを後にしたのだった
夏目さんと会話が出来たのは、あの
ミーティングルームの時だけで、それ以降全く会えない日が続いていた
【宮沢】
「ここまで夏目さんに会えないと、
やっぱり辛い……」
普段は意識しない様にしているが、ふとした時に寂しく感じてしまう
【宮沢】
(夏目さんが少しいないだけでこうなんて……俺って本当にダメだな)
自分の不甲斐なさに情けなくなりながら、クラブ内を当てもなく歩いていた
【宮沢】
「そろそろシンクロのレッスンの時間だから、戻らなくちゃ」
俺は気持ちを切り替えようと気合を入れるために、自分の両頬を叩いた
【宮沢】
「よし!頑張ろうっ」
プールの方に行こうとしたとき、会議室から見慣れた姿が出てくるのが見えた
【宮沢】
(あれは……夏目さん?)
久しぶりに見る夏目さんに、俺は嬉しくなって駆け寄ろうとしたのだが……
【井伏】
「じゃあ、一度この方向で会社に持ち帰ってみますんで」
【夏目】
「ああ、よろしく頼む」
夏目さんの後に続いて出てきた井伏さんの姿に、俺は思わず足を止めた
【井伏】
「美味しい案件ですからね!馴染のツテってことで絶対取らせていただきますよ!」
【夏目】
「今から俺も本社に戻るので、16時
までには正式な打ち合わせの日程を
2,3送らせてもらおう」
【井伏】
「俺も今日中にいくつかプラン考えて見積り送るんで、事前にご検討お願いします」
二人の立ち話が聞こえてくる
どうやら、夏目さんの仕事に関わる内容のようだ
【宮沢】
(当たり前だけど、俺には全然ついていけない話だな……)
ビジネスの話なのだから、仕方のないことなのだとわかってはいるのだが
今の俺には、余計に心に重くのしかかってくる
【宮沢】
(夏目さんに井伏さん…)
【宮沢】
(それに志賀助教や梶井さんも。
俺がどんなに頑張っても追いつけない人ばかりだ)
学生のうちは勉強が本分だし、俺はシンクロコーチになる夢を追っている途中だ
だけれども、どうにも気持ちに焦りが生まれてしまう
【宮沢】
(俺、こんなふうに落ち込むタイプ
じゃなかった筈なんだけどな)
夏目さんとすれ違う日々が続いてからというもの、
気が付くとネガティブなことばっかり考えてる気がする
【宮沢】
(駄目だ駄目だ!暗くなってても何にもならない)
夏目さんが忙しいのだって永遠に続く訳じゃない
それに俺だって、ずっと学生のまま
じゃない
…だけど、夏目さんと俺の間に大きな壁が立ち塞がっているようで、
心に生まれた寂しさを拭い去ることができなかった
―その夜、夏目さんから一通のメールが届いた
『急な話だが今夜の便で札幌に飛ぶことになった。明後日には東京に戻る』
―第2話―
【宮沢】
「お、お邪魔します……」
フィットネスクラブから自宅に帰るつもりだったのに、俺は夏目さんの部屋にいた
いくら合鍵を渡されているとはいえ、本当なら勝手に部屋に入るつもりはなかったのだ
【宮沢】
(でも、今日だけは…)
一人で自室にいたら、いろいろ考え込んで不安になってしまうのは目に見えていた
だからこそ、少しでも夏目さんを感じて、落ち着きたかったのだ
【宮沢】
「やっぱり一人だと広く感じるな」
いつもはそんな気はしないのだが、心なしか寒いような気もしてくるから不思議だ
俺は自分の両腕で体を抱きしめるようにしながら、部屋を見渡した
【宮沢】
「……早く寝ちゃおう」
誰もいないとはわかっているが、なんとなく「失礼します」と言ってから布団に足を入れる
体を包む羽毛布団はひんやりとしていて、余計に一人だと感じてしまいそうになる
【宮沢】
(夏目さん、会いたいです…)
俺は布団にくるまりながら、夏目さんのことを考えた
【宮沢】
(いつもここで、俺の名前を呼んで、頭を撫でて、キスをして……)
声を、手を、唇を、夏目さんの全てを思い出すように、俺は枕に顔を埋めた
【宮沢】
(夏目さんの、匂いだ……)
こうしていると、夏目さんに抱きしめられているような気がしてくる
「浮かない顔をしているな。なにか心配事か?睡眠はとっているか?」
驚いて顔をあげると、夏目さんが心配そうな瞳で見つめていた
【宮沢】
「いえ!その……次の演技構成を考えてちょっと煮詰まっていただけで……」
【宮沢】
「夏目さんこそ、お疲れではないですか?」
誤魔化すように笑顔で首を振りなが
ら、夏目さんに駆け寄る
【夏目】
「さすがに連日休み無しは少しきついが、その分やりがいは感じてるよ」
【宮沢】
「そうですか。あ!もし宜しければレモンの蜂蜜漬け持っていかれません
か?昨日作ってきたんです」
練習の後にと持ってきていた小さな
タッパーを差し出す
口にこそださなかったが、夏目さんは目の下にうっすらクマが出来ていて、激務の様子が伺えた
【夏目】
「お前のこれは疲れがよく取れるからな。ありがたくいただこう」
夏目さんが嬉しそうに微笑んでくれ
て、それだけで寂しかった気持ちがほんのりと温かさに包まれる
【夏目】
「宮沢の方は変わりないか?
」
【宮沢】
「俺は、大丈夫です。これから潤司と打ち合わで、新メニューをいくつか考えようと思って!」
出来る限り明るい様子でそう答える
大変そうな様子の夏目さんに、余計な心配をかけるわけにはいかない
【夏目】
「そうか、お前も頑張っているんだな」
【夏目】
「それじゃあもう時間だから本社に戻らなくては」
【宮沢】
「はい、お気をつけて」
【宮沢】
「…あっ」
突然、夏目さんは俺の腰を引き寄せると、唇を啄むように軽くキスをしてきた
【夏目】
「エネルギーチャージだ。愛しているぞ」
【宮沢】
「お、俺もです!」
夏目さんはニッと笑顔を返して、足早にミーティングルームを後にしたのだった
夏目さんと会話が出来たのは、あの
ミーティングルームの時だけで、それ以降全く会えない日が続いていた
【宮沢】
「ここまで夏目さんに会えないと、
やっぱり辛い……」
普段は意識しない様にしているが、ふとした時に寂しく感じてしまう
【宮沢】
(夏目さんが少しいないだけでこうなんて……俺って本当にダメだな)
自分の不甲斐なさに情けなくなりながら、クラブ内を当てもなく歩いていた
【宮沢】
「そろそろシンクロのレッスンの時間だから、戻らなくちゃ」
俺は気持ちを切り替えようと気合を入れるために、自分の両頬を叩いた
【宮沢】
「よし!頑張ろうっ」
プールの方に行こうとしたとき、会議室から見慣れた姿が出てくるのが見えた
【宮沢】
(あれは……夏目さん?)
久しぶりに見る夏目さんに、俺は嬉しくなって駆け寄ろうとしたのだが……
【井伏】
「じゃあ、一度この方向で会社に持ち帰ってみますんで」
【夏目】
「ああ、よろしく頼む」
夏目さんの後に続いて出てきた井伏さんの姿に、俺は思わず足を止めた
【井伏】
「美味しい案件ですからね!馴染のツテってことで絶対取らせていただきますよ!」
【夏目】
「今から俺も本社に戻るので、16時
までには正式な打ち合わせの日程を
2,3送らせてもらおう」
【井伏】
「俺も今日中にいくつかプラン考えて見積り送るんで、事前にご検討お願いします」
二人の立ち話が聞こえてくる
どうやら、夏目さんの仕事に関わる内容のようだ
【宮沢】
(当たり前だけど、俺には全然ついていけない話だな……)
ビジネスの話なのだから、仕方のないことなのだとわかってはいるのだが
今の俺には、余計に心に重くのしかかってくる
【宮沢】
(夏目さんに井伏さん…)
【宮沢】
(それに志賀助教や梶井さんも。
俺がどんなに頑張っても追いつけない人ばかりだ)
学生のうちは勉強が本分だし、俺はシンクロコーチになる夢を追っている途中だ
だけれども、どうにも気持ちに焦りが生まれてしまう
【宮沢】
(俺、こんなふうに落ち込むタイプ
じゃなかった筈なんだけどな)
夏目さんとすれ違う日々が続いてからというもの、
気が付くとネガティブなことばっかり考えてる気がする
【宮沢】
(駄目だ駄目だ!暗くなってても何にもならない)
夏目さんが忙しいのだって永遠に続く訳じゃない
それに俺だって、ずっと学生のまま
じゃない
…だけど、夏目さんと俺の間に大きな壁が立ち塞がっているようで、
心に生まれた寂しさを拭い去ることができなかった
―その夜、夏目さんから一通のメールが届いた
『急な話だが今夜の便で札幌に飛ぶことになった。明後日には東京に戻る』
―第2話―
【宮沢】
「お、お邪魔します……」
フィットネスクラブから自宅に帰るつもりだったのに、俺は夏目さんの部屋にいた
いくら合鍵を渡されているとはいえ、本当なら勝手に部屋に入るつもりはなかったのだ
【宮沢】
(でも、今日だけは…)
一人で自室にいたら、いろいろ考え込んで不安になってしまうのは目に見えていた
だからこそ、少しでも夏目さんを感じて、落ち着きたかったのだ
【宮沢】
「やっぱり一人だと広く感じるな」
いつもはそんな気はしないのだが、心なしか寒いような気もしてくるから不思議だ
俺は自分の両腕で体を抱きしめるようにしながら、部屋を見渡した
【宮沢】
「……早く寝ちゃおう」
誰もいないとはわかっているが、なんとなく「失礼します」と言ってから布団に足を入れる
体を包む羽毛布団はひんやりとしていて、余計に一人だと感じてしまいそうになる
【宮沢】
(夏目さん、会いたいです…)
俺は布団にくるまりながら、夏目さんのことを考えた
【宮沢】
(いつもここで、俺の名前を呼んで、頭を撫でて、キスをして……)
声を、手を、唇を、夏目さんの全てを思い出すように、俺は枕に顔を埋めた
【宮沢】
(夏目さんの、匂いだ……)
こうしていると、夏目さんに抱きしめられているような気がしてくる