交際半年 夏目編
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―時々、どうして夏目さんが俺を恋人に選んでくれたのか、不思議な気持ちになる
格好良いし、すごく仕事が出来るし、優しいし、紳士だし、強いし、逞しいし……
対して俺は、ただの大学生で、シンクロ馬鹿で、見た目も貧弱で、変なアホ毛で…
それより何より
そんなこと以前に、俺の性別は『男』で………
【宮沢】
(……俺、夏目さんのこと大好きで、本当に好きで……だけど)
着替え終わって、スタッフ用更衣室のロッカーを閉める
―コンコン
【夏目】
「宮沢、支度は終わったか?
」
【宮沢】
「はーい、いま行きます」
―ロッカーの前を後にして、夏目さんの元へと向かう
夏目さんは、2人きりの時は下の名前で呼んでくれるのに、俺は…それすらも満足にできない
夜、夏目さんをもっと満足させたいのに、俺は3ヶ月経っても、行為に慣れないでいる……
夏目さんの後ろを歩きながら、そんなことをぐるぐると考え続けた
―その日の夕方
【永井】
「宮沢ぁ、今日は川端は出勤なしだっけか?」
【宮沢】
「川端さんなら今日明日はお休みですが、どうかされたんですか?」
【永井】
「それがさあ、昨日あいつにアスクルックーで、消耗品の発注頼んだんだけどさ」
【永井】
「到着した中に、製本テープが見当たらないんだよな」
【宮沢】
「……ちょっと待って下さいね」
そう言って、川端さんのデスクへ近寄る
川端さんは、アスクルックーに発注する際、依頼品を卓上メモに書き写す癖があるのだ
【宮沢】
「スティックのり、ホチキスの芯、ボックスティッシュ、カードホルダー……」
【宮沢】
「あ……、製本テープないですね」
…メモの端に、『晶子ちゃんとデートむふー!』と書いてあるのは、見ないふりをしておいた
【永井】
「あちゃー。今夜契約書と報告資料作成で大量に必要なんだよなあ……」
【宮沢】
「俺、今から買ってきますよ。ナイトコースまでレッスンもないですし、文鳥堂なら箱買いも出来ますから」
【永井】
「マジで!?助かるわー」
【永井】
「領収書俺に渡してくれたら経理の処理はやるからさ、とりあえずコレで払っといて」
永井さんが自分の財布から、俺に5千札を一枚手渡す
【永井】
「A4用の白を50枚入り×2な」
【宮沢】
「はい、急いで戻りますので!」
スタッフ用の出入り口から出て、駅前の大型文具店へと向かう
【宮沢】
(結局、今日の朝練…何だか変な感じで終わっちゃったなあ……)
走りながらも、朝の出来事に思いを馳せる
今朝、『どうして夏目さんは俺を…』と考え出したら止まらなくなってしまい
【夏目】
「昨夜の痛みも引いていないだろうし、今朝は早めに上がるか」
個人レッスンの間中、なんとなくそれが心にひっかかり続けていたおかげで、
夏目さんにまで心配をかけてしまったのだ
【宮沢】
(夏目さんは、夜の所為じゃないって知ってて、優しいからああ言ってくれたんだろうな…)
【宮沢】
(俺が1人で悶々としてた所為で、貴重な練習時間に集中できずに、申し訳ないな…)
―練習終了後、朝礼を済ませた夏目さんは、そのまま本社の会議のために外出して、今も戻って来ていない
【宮沢】
(ダメだダメだ!)
【宮沢】
(いつまでも1人で考えて落ち込んでても、夏目さんを困らせちゃうだけだ!)
【宮沢】
(よし!夏目さんが帰ってきたら、笑顔でお疲れ様ですって言うぞ!)
そう決心して、赤味が差してきた空を見上げた俺だったが…
―これから1時間もしない内に発生する事態など、この時はまだ…知る由もなかった
―第2話―
『夏目と通り雨』
【夏目】
(―早めに打合せが終わって良かった)
窓の外の―、
まさにバケツをひっくり返したという表現がぴったりな天気に目を向けながら、ネクタイを緩めて一息つく
この豪雨に巻き込まれたら、視界が遮られて、車も出せずに足止めを食らっていただろう
【夏目】
「………」
窓際にもたれ…ぼんやりと室内を見渡しながらも、宮沢のことへ思
いを巡らせる
―本社から帰って来てからはまだ、
宮沢の姿を見かけていない
【夏目】
(しかしあいつ、また何かおかしなことを考えて悩み始めたようだな…)
今朝…ここに到着してからの
宮沢の様子を思い出し、苦笑
を漏らす
明るく楽天的なのに、恋に関しては、途端に自信なさげな様子でまごまごとしだす宮沢【夏目】
(自信なんて付けたくて付くものでもないし、あれはあれで愛しいんだが、な)
付き合って半年経つというのに、未だに下の名前を呼ぶことさえ恥ずかしがり
行為の最中も、必死にこちらに気を遣おうとするものの…、
最終的に抗えずに達し、そのまま眠りにつく事もしばしばだ
何もかも不慣れな、俺の恋人
【夏目】
(今日も随分と慌てて、ベッドから転げ落ちていたな…)
ク・ク・ク…
噛み殺しきれない思い出し笑いが、外へと漏れてしまう
【夏目】
「…ふむ」
時計を見ると、ちょうど18時を回ったところだ
宮沢が今日の受け持っている
残りの担当は、20:30からのナイトコースの筈だ
きっかりまでのコースなの
で、その後はすぐ閉館準備に入ることになる
【夏目】
(それまでに、書類とメールの処理を済ませておくか)
―ガチャ
そう思って、コーヒーでも淹れてこようと、部屋のドアを開けた―その時
パタパタパタパタ…
【夏目】
「ん…?」
廊下の曲がり角の向こうから、小走りの足音が響いてきた
パタパタパタパタ…
【宮沢】
「あっ、オーナー。お疲れ様です、お帰りだったんですね」
【夏目】
「どうした宮沢、ずぶ濡れじゃないか。何があった!?」
【宮沢】
「―それが、急ぎで必要な備品を頼まれて、買いに出たんですけど、ちょうど夕立に降られてしまって…」
【宮沢】
「頼まれた物は渡せたので、とにかく予備のジャージに着替えようと……」
【宮沢】
「くしゅっ!!」
【夏目】
「とりあえず、中に入れ」
格好良いし、すごく仕事が出来るし、優しいし、紳士だし、強いし、逞しいし……
対して俺は、ただの大学生で、シンクロ馬鹿で、見た目も貧弱で、変なアホ毛で…
それより何より
そんなこと以前に、俺の性別は『男』で………
【宮沢】
(……俺、夏目さんのこと大好きで、本当に好きで……だけど)
着替え終わって、スタッフ用更衣室のロッカーを閉める
―コンコン
【夏目】
「宮沢、支度は終わったか?
」
【宮沢】
「はーい、いま行きます」
―ロッカーの前を後にして、夏目さんの元へと向かう
夏目さんは、2人きりの時は下の名前で呼んでくれるのに、俺は…それすらも満足にできない
夜、夏目さんをもっと満足させたいのに、俺は3ヶ月経っても、行為に慣れないでいる……
夏目さんの後ろを歩きながら、そんなことをぐるぐると考え続けた
―その日の夕方
【永井】
「宮沢ぁ、今日は川端は出勤なしだっけか?」
【宮沢】
「川端さんなら今日明日はお休みですが、どうかされたんですか?」
【永井】
「それがさあ、昨日あいつにアスクルックーで、消耗品の発注頼んだんだけどさ」
【永井】
「到着した中に、製本テープが見当たらないんだよな」
【宮沢】
「……ちょっと待って下さいね」
そう言って、川端さんのデスクへ近寄る
川端さんは、アスクルックーに発注する際、依頼品を卓上メモに書き写す癖があるのだ
【宮沢】
「スティックのり、ホチキスの芯、ボックスティッシュ、カードホルダー……」
【宮沢】
「あ……、製本テープないですね」
…メモの端に、『晶子ちゃんとデートむふー!』と書いてあるのは、見ないふりをしておいた
【永井】
「あちゃー。今夜契約書と報告資料作成で大量に必要なんだよなあ……」
【宮沢】
「俺、今から買ってきますよ。ナイトコースまでレッスンもないですし、文鳥堂なら箱買いも出来ますから」
【永井】
「マジで!?助かるわー」
【永井】
「領収書俺に渡してくれたら経理の処理はやるからさ、とりあえずコレで払っといて」
永井さんが自分の財布から、俺に5千札を一枚手渡す
【永井】
「A4用の白を50枚入り×2な」
【宮沢】
「はい、急いで戻りますので!」
スタッフ用の出入り口から出て、駅前の大型文具店へと向かう
【宮沢】
(結局、今日の朝練…何だか変な感じで終わっちゃったなあ……)
走りながらも、朝の出来事に思いを馳せる
今朝、『どうして夏目さんは俺を…』と考え出したら止まらなくなってしまい
【夏目】
「昨夜の痛みも引いていないだろうし、今朝は早めに上がるか」
個人レッスンの間中、なんとなくそれが心にひっかかり続けていたおかげで、
夏目さんにまで心配をかけてしまったのだ
【宮沢】
(夏目さんは、夜の所為じゃないって知ってて、優しいからああ言ってくれたんだろうな…)
【宮沢】
(俺が1人で悶々としてた所為で、貴重な練習時間に集中できずに、申し訳ないな…)
―練習終了後、朝礼を済ませた夏目さんは、そのまま本社の会議のために外出して、今も戻って来ていない
【宮沢】
(ダメだダメだ!)
【宮沢】
(いつまでも1人で考えて落ち込んでても、夏目さんを困らせちゃうだけだ!)
【宮沢】
(よし!夏目さんが帰ってきたら、笑顔でお疲れ様ですって言うぞ!)
そう決心して、赤味が差してきた空を見上げた俺だったが…
―これから1時間もしない内に発生する事態など、この時はまだ…知る由もなかった
―第2話―
『夏目と通り雨』
【夏目】
(―早めに打合せが終わって良かった)
窓の外の―、
まさにバケツをひっくり返したという表現がぴったりな天気に目を向けながら、ネクタイを緩めて一息つく
この豪雨に巻き込まれたら、視界が遮られて、車も出せずに足止めを食らっていただろう
【夏目】
「………」
窓際にもたれ…ぼんやりと室内を見渡しながらも、宮沢のことへ思
いを巡らせる
―本社から帰って来てからはまだ、
宮沢の姿を見かけていない
【夏目】
(しかしあいつ、また何かおかしなことを考えて悩み始めたようだな…)
今朝…ここに到着してからの
宮沢の様子を思い出し、苦笑
を漏らす
明るく楽天的なのに、恋に関しては、途端に自信なさげな様子でまごまごとしだす宮沢【夏目】
(自信なんて付けたくて付くものでもないし、あれはあれで愛しいんだが、な)
付き合って半年経つというのに、未だに下の名前を呼ぶことさえ恥ずかしがり
行為の最中も、必死にこちらに気を遣おうとするものの…、
最終的に抗えずに達し、そのまま眠りにつく事もしばしばだ
何もかも不慣れな、俺の恋人
【夏目】
(今日も随分と慌てて、ベッドから転げ落ちていたな…)
ク・ク・ク…
噛み殺しきれない思い出し笑いが、外へと漏れてしまう
【夏目】
「…ふむ」
時計を見ると、ちょうど18時を回ったところだ
宮沢が今日の受け持っている
残りの担当は、20:30からのナイトコースの筈だ
きっかりまでのコースなの
で、その後はすぐ閉館準備に入ることになる
【夏目】
(それまでに、書類とメールの処理を済ませておくか)
―ガチャ
そう思って、コーヒーでも淹れてこようと、部屋のドアを開けた―その時
パタパタパタパタ…
【夏目】
「ん…?」
廊下の曲がり角の向こうから、小走りの足音が響いてきた
パタパタパタパタ…
【宮沢】
「あっ、オーナー。お疲れ様です、お帰りだったんですね」
【夏目】
「どうした宮沢、ずぶ濡れじゃないか。何があった!?」
【宮沢】
「―それが、急ぎで必要な備品を頼まれて、買いに出たんですけど、ちょうど夕立に降られてしまって…」
【宮沢】
「頼まれた物は渡せたので、とにかく予備のジャージに着替えようと……」
【宮沢】
「くしゅっ!!」
【夏目】
「とりあえず、中に入れ」