[本編] 黒木 忠生 編
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―――――それからさらに3カ月たった。
相変わらず黒木はリハビリを続けていて、俺はそれに付き添う毎日が続いている。
必死に頑張ったこの3カ月の成果は、着実に黒木の動作にあらわれていた。
【黒木】
「……っ……ふぅ………」
【ハク】
「黒木…もう少し……あともう少しだ……っ」
【黒木】
「……ふぅ…………あ…歩けた……?」
【ハク】
「やった…!黒木、やったな…っ!」
【黒木】
「ハク……」
ある日、とうとう黒木は、バーの端から端まで歩くことに成功した。今までそれが最後までできなかったのだ。
黒木の顔に、じわじわと笑みが浮かんでいく。
それを見たら俺まで嬉しくなってしまった。
【ハク】
「じゃあ今日は…最後まで歩けた記念日だな…!せっかくだから、夕飯は黒木の好きなものにしようか」
【黒木】
「えぇ?嬉しいなぁ……それ、ハクが作ってくれるの?」
【ハク】
「え!?…お、俺っ?…いや、料理には自信がないけど…………黒木がどうしてもっていうなら頑張るけど………」
【黒木】
「ウソ。ウソだよ、ハク。ハクと一緒に食べられるなら、俺にはなんだって美味しいからね…」
黒木が笑って、俺も笑う。
黒木がたどたどしく歩いて、俺が手を差し伸べる。
全ては順調だった。――――そのはずだった……。
【ハク】
「それにしてもよかったよなあ。あそこまで回復したら、あとはもう少しだよ。頑張ろうな、黒木」
【黒木】
「ああ、そうだね」
その日の夕飯は、結局出来合いのものを買ってきて、二人で食べた。
一応、これでも黒木の好きなものを選んだつもりだ。
TVはついていたけれど、話題の中心はなんといっても黒木のリハビリについてだった。
【ハク】
「バーを掴まなくてもなんとか歩けるようになったら……もうそろそろ俺の補助も必要なくなりそうかな?」
【黒木】
「…ハク……」
【ハク】
「早く、俺がついてなくても問題なく歩けるようになるといいよな」
【黒木】
「…………そうだね」
俺は黒木の回復が純粋に嬉しくて、夕飯を頬張りながらそんな話題を黒木にふりかけた。
黒木は俺の言葉に頷いていたものの、どこか表情が暗くなっていく。
【ハク】
(?……黒木、やっぱりまだ思い通りにできないことがもどかしいのかな……?)
俺は、リハビリ初日に黒木が取り乱したことを思い出した。
思い通りにならない身体にもどかしさを感じて、叫んでいた黒木………
きっと今も、それは変わらないのだろう。
俺はそう思っていた。
【ハク】
「明日はもっと歩けるようになってるといいよな」
【黒木】
「そうだね、ハク………」
そんな会話をした――――――その数日後。
黒木はバーを伝って、倒れず歩けるようになるまで回復していた。
何度も何度も繰り返し、それは大体もう問題ないほどまでになってきている。
リハビリの医師にも順調だと言われ、俺は思わずホッと胸をなでおろす。
【ハク】
「先生にも順調だって言われたよ。良かったな、黒木!」
【黒木】
「あぁ…うん…」
【ハク】
「あとはさ、バーを使わなくても歩けるようになれば完璧だよな」
【ハク】
「まあ、そんなにすぐには無理かもしれないけど……」
【黒木】
「そうだね……」
【ハク】
「どうしたんだよ、黒木……なんだか浮かない顔、してるけど……」
【黒木】
「そう?気のせいだろ……」
【ハク】
「………」
【ハク】
(まだ完全に思い通りにいかないのが引っかかってるのか……?)
【ハク】
(でも………)
そういえば最近の黒木は、俺の励ましの言葉に同じ言葉ばかりを返していた。
リハビリに関しては積極的に何かを話すでもなく、俺の言葉にうなずくばかり……。
思えば、黒木の様子は徐々におかしくなり始めていたのだ………。
――――それは、ある日の夜に、俺の目にも明らかになった…。
【ハク】
「そうだ、黒木。俺、明日、ちょっと買い物しようと思うんだ」
【黒木】
「本当に?わかったよ。じゃあ、まずはいつもの時間に病院に行って………」
【ハク】
「ああ、黒木はもう良くなってるから、病院の人に付き添ってもらって先にリハビリしててくれよ」
【ハク】
「俺、終わり次第向かうから―――」
【黒木】
「………っく!」
ガシャン―――!
突然、夕飯のテーブルの上から皿が飛んだ。………黒木が飛ばしたのだ。
【ハク】
「……く、黒木……っ!?」
【黒木】
「……ああ、そう。……わかったよ」
【ハク】
「ちょ…黒木、一体どうしたんだよ……?」
【黒木】
「別に?………悪いけど、もう夕飯いらないから」
【ハク】
「え……」
呆然とする俺を前に、黒木はなんとか自力でテーブルの前を去っていく。
俺はその姿を見て、心苦しく思った。
【ハク】
(なんで……一体どうしたっていうんだよ………黒木………)
黒木のそんな態度はどんどんと顕著になっていく。
リハビリ中の病院でも、家の中でも、黒木はイライラした様子を見せては、物にあたった。
【ハク】
(折角、足が回復に向かっているっていうのに……なんでなんだ……?)
回復に向かえば向かうほど、自分の思い通りに身体を動かせるようになるはずだ。
それなのに黒木は、回復に向かうにつれて、イライラ感を増大させていく。
俺にはその理由など、まるで分からなかった。
だから、俺はとにかくそんな黒木を励まし続ける。
【ハク】
「もう少しなんだから…な、黒木?もう少し、一緒に頑張ろう……」
【黒木】
「もうそんなのどうでも良いよ」
【ハク】
「何言ってるんだよ、どうでもいいわけないだろ…っ」
俺が必死で励ませば励ますほど、黒木は投げやりな態度をとるようになっていった。
ぶっきらぼうな様子でさもどうでもいいというふうに言う。
【ハク】
(でも…ここで投げ出すわけにはいかない……!)
そう思っていた俺は、それで必死に黒木を励まし続けた。
もう少し、もう少し、もう少しだから―――――そう言い続けた。
でも…………ある日とうとう黒木は、爆発してしまった……。
【ハク】
「少し落ち着けよ、黒木」
【ハク】
「もう少しなんだから……ほら、ちゃんと治して、早く一人で歩けるようになってさ―――」
【黒木】
「もう良い!!」
【ハク】
「なっ……黒木…!?」
相変わらず黒木はリハビリを続けていて、俺はそれに付き添う毎日が続いている。
必死に頑張ったこの3カ月の成果は、着実に黒木の動作にあらわれていた。
【黒木】
「……っ……ふぅ………」
【ハク】
「黒木…もう少し……あともう少しだ……っ」
【黒木】
「……ふぅ…………あ…歩けた……?」
【ハク】
「やった…!黒木、やったな…っ!」
【黒木】
「ハク……」
ある日、とうとう黒木は、バーの端から端まで歩くことに成功した。今までそれが最後までできなかったのだ。
黒木の顔に、じわじわと笑みが浮かんでいく。
それを見たら俺まで嬉しくなってしまった。
【ハク】
「じゃあ今日は…最後まで歩けた記念日だな…!せっかくだから、夕飯は黒木の好きなものにしようか」
【黒木】
「えぇ?嬉しいなぁ……それ、ハクが作ってくれるの?」
【ハク】
「え!?…お、俺っ?…いや、料理には自信がないけど…………黒木がどうしてもっていうなら頑張るけど………」
【黒木】
「ウソ。ウソだよ、ハク。ハクと一緒に食べられるなら、俺にはなんだって美味しいからね…」
黒木が笑って、俺も笑う。
黒木がたどたどしく歩いて、俺が手を差し伸べる。
全ては順調だった。――――そのはずだった……。
【ハク】
「それにしてもよかったよなあ。あそこまで回復したら、あとはもう少しだよ。頑張ろうな、黒木」
【黒木】
「ああ、そうだね」
その日の夕飯は、結局出来合いのものを買ってきて、二人で食べた。
一応、これでも黒木の好きなものを選んだつもりだ。
TVはついていたけれど、話題の中心はなんといっても黒木のリハビリについてだった。
【ハク】
「バーを掴まなくてもなんとか歩けるようになったら……もうそろそろ俺の補助も必要なくなりそうかな?」
【黒木】
「…ハク……」
【ハク】
「早く、俺がついてなくても問題なく歩けるようになるといいよな」
【黒木】
「…………そうだね」
俺は黒木の回復が純粋に嬉しくて、夕飯を頬張りながらそんな話題を黒木にふりかけた。
黒木は俺の言葉に頷いていたものの、どこか表情が暗くなっていく。
【ハク】
(?……黒木、やっぱりまだ思い通りにできないことがもどかしいのかな……?)
俺は、リハビリ初日に黒木が取り乱したことを思い出した。
思い通りにならない身体にもどかしさを感じて、叫んでいた黒木………
きっと今も、それは変わらないのだろう。
俺はそう思っていた。
【ハク】
「明日はもっと歩けるようになってるといいよな」
【黒木】
「そうだね、ハク………」
そんな会話をした――――――その数日後。
黒木はバーを伝って、倒れず歩けるようになるまで回復していた。
何度も何度も繰り返し、それは大体もう問題ないほどまでになってきている。
リハビリの医師にも順調だと言われ、俺は思わずホッと胸をなでおろす。
【ハク】
「先生にも順調だって言われたよ。良かったな、黒木!」
【黒木】
「あぁ…うん…」
【ハク】
「あとはさ、バーを使わなくても歩けるようになれば完璧だよな」
【ハク】
「まあ、そんなにすぐには無理かもしれないけど……」
【黒木】
「そうだね……」
【ハク】
「どうしたんだよ、黒木……なんだか浮かない顔、してるけど……」
【黒木】
「そう?気のせいだろ……」
【ハク】
「………」
【ハク】
(まだ完全に思い通りにいかないのが引っかかってるのか……?)
【ハク】
(でも………)
そういえば最近の黒木は、俺の励ましの言葉に同じ言葉ばかりを返していた。
リハビリに関しては積極的に何かを話すでもなく、俺の言葉にうなずくばかり……。
思えば、黒木の様子は徐々におかしくなり始めていたのだ………。
――――それは、ある日の夜に、俺の目にも明らかになった…。
【ハク】
「そうだ、黒木。俺、明日、ちょっと買い物しようと思うんだ」
【黒木】
「本当に?わかったよ。じゃあ、まずはいつもの時間に病院に行って………」
【ハク】
「ああ、黒木はもう良くなってるから、病院の人に付き添ってもらって先にリハビリしててくれよ」
【ハク】
「俺、終わり次第向かうから―――」
【黒木】
「………っく!」
ガシャン―――!
突然、夕飯のテーブルの上から皿が飛んだ。………黒木が飛ばしたのだ。
【ハク】
「……く、黒木……っ!?」
【黒木】
「……ああ、そう。……わかったよ」
【ハク】
「ちょ…黒木、一体どうしたんだよ……?」
【黒木】
「別に?………悪いけど、もう夕飯いらないから」
【ハク】
「え……」
呆然とする俺を前に、黒木はなんとか自力でテーブルの前を去っていく。
俺はその姿を見て、心苦しく思った。
【ハク】
(なんで……一体どうしたっていうんだよ………黒木………)
黒木のそんな態度はどんどんと顕著になっていく。
リハビリ中の病院でも、家の中でも、黒木はイライラした様子を見せては、物にあたった。
【ハク】
(折角、足が回復に向かっているっていうのに……なんでなんだ……?)
回復に向かえば向かうほど、自分の思い通りに身体を動かせるようになるはずだ。
それなのに黒木は、回復に向かうにつれて、イライラ感を増大させていく。
俺にはその理由など、まるで分からなかった。
だから、俺はとにかくそんな黒木を励まし続ける。
【ハク】
「もう少しなんだから…な、黒木?もう少し、一緒に頑張ろう……」
【黒木】
「もうそんなのどうでも良いよ」
【ハク】
「何言ってるんだよ、どうでもいいわけないだろ…っ」
俺が必死で励ませば励ますほど、黒木は投げやりな態度をとるようになっていった。
ぶっきらぼうな様子でさもどうでもいいというふうに言う。
【ハク】
(でも…ここで投げ出すわけにはいかない……!)
そう思っていた俺は、それで必死に黒木を励まし続けた。
もう少し、もう少し、もう少しだから―――――そう言い続けた。
でも…………ある日とうとう黒木は、爆発してしまった……。
【ハク】
「少し落ち着けよ、黒木」
【ハク】
「もう少しなんだから……ほら、ちゃんと治して、早く一人で歩けるようになってさ―――」
【黒木】
「もう良い!!」
【ハク】
「なっ……黒木…!?」
