[本編] 黒木 忠生 編
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ヤクザの事務所に連れてこられ、目隠しと耳栓をされていた俺は、この先どうなることかと気が気じゃなくなっていた。
――――が、新たな展開は、意外と早くやってきた。
俺は、拘束から解放されたのだ……。
【ハク】
「……!?」
俺は突然のその事態を飲み込めないでいた。
とりあえず解放されたのだということだけは理解する。
そんな俺の目の前には、ヤクザの親分だという久々津という男が立っていた。
【久々津】
「きみがハク君か。ウチの若いモンが乱暴な真似をしてすまなかったな……申し訳ない。このとおり――――謝る」
【ハク】
「あ……はあ……」
久々津は、丁寧な所作で、深々と頭を下げて詫びてきた。
俺はその態度にも、突然の解放にも、呆然としてしまう……。
【ハク】
(俺……なんで解放されたんだ……?まさか…黒木がどうにかなった、ってワケじゃ…ないよな………?)
久々津の態度からして、黒木が捕まっただとか、そういうわけではなさそうだ。
でも、じゃあ何で………?
そんな放心状態の俺の前で、久々津は構成員を呼び寄せた。
【久々津】
「ウチのモンに家までおくらせよう――――……リュウ」
【赤屋】
「はい」
【久々津】
「ハク君を自宅まで送ってやってくれ」
【赤屋】
「はい、分かりました」
【ハク】
「あ、あの……っ!大丈夫です…俺、一人で帰れますから…っ」
俺を抜かしてどんどんと進んでいく会話に、俺は慌ててストップをかけた。
まさか、黒塗りの高級車で黒木の家に乗り付けるよりは、自分の足で帰ったほうがいくらかはマトモだろう……。
しかし、そんな俺の申し出を相手はうまく懐柔してくる。
【赤屋】
「好意に甘えておけ、ハク。……俺がお前を送る」
【ハク】
「え………?」
俺は、目が点になった。
見ると、目の前には久々津がリュウと呼んだ構成員が立っている。
その男は………俺のことを「ハク」と呼んだのだ……。
しかしよくよくその顔を間近で見てみると―
どうもその顔には見覚えがあった。
【ハク】
「あ、赤屋……?…リュウ?」
【赤屋】
「…そうだ。久しぶりだな。まさかこんなところで再会するとは思わなかったがな」
【ハク】
「え……な、なに……あ、赤屋って………」
【ハク】
(ヤクザになってたのか……!?……まさか、そんなことになってるとは思わなかった………!)
黒木といい、赤屋といい、思いもよらなかった世界に入っている……。
そういえばいつだったか黒木に、赤屋のことを覚えているかどうかと問われたことを思い出す。
【ハク】
(そうか……黒木は、知ってたんだな……。赤屋が、この組の構成員だってこと………)
俺は今更ながらに納得をして赤屋を見た。
詳しいことはわからないが、とにかく赤屋はずいぶんと堂々としていて硬派な感じに見える。
もしかしたら組の中でも上の方の立場なのかもしれない………。
【赤屋】
「……覚えてるか、ガキの頃の事。お前はよく黒木とつるんでたな…」
【赤屋】
「俺を怖がるでもなく、臆面もなく話しかけてきて……今思えば懐かしい」
【ハク】
「ああ……そうだな」
【赤屋】
「……思えばあの頃、お前が何かにつけ俺に寄ってくるのが、結構気に入っていたんだがな」
【赤屋】
「お前の側にはいつも黒木がいて、そういうわけにもいかなかったが……」
【ハク】
「え…?」
【赤屋】
「……いや、なんでもない。気にするな」
【ハク】
「赤屋……」
【赤屋】
「…とにかく、お前のことは送り届ける。反論はするな。いいな?」
赤屋はそれきり口を閉ざすと、久々津に何かをジェスチャーした。
赤屋の言葉が何だか引っかかるけれど………それを聞く余裕も、考える余裕も、与えてはくれないらしい。
【久々津】
「君のことは、ウチのリュウが責任をもって送るから心配しないでくれ」
【ハク】
「は、はあ……でも」
【久々津】
「いや――頼む。送らせてくれ。それでなければ示しがつかない」
【ハク】
「……わかりました」
【ハク】
(ここまで言われたら断れないよな………)
結局、俺はその熱意に負けて、赤屋に送ってもらうことにした。
【赤屋】
「……車を回してくる。門前で待っていてくれ」
俺は、赤屋に言われたとおりに玄関である門前へと移動することにした。
俺の隣には、久々津が静かに添って歩いていた。
門前に着くと、俺は久々津と共に、赤屋の回してくる車を待った。
とりあえずこれで帰ることにはなるんだ………そう思うと、やはりホッとする。
――――と、そんな時だった。
【ハク】
「あれ……?」
門外に何者かの影が現れて、俺は目をこらす。
見るとそれは――――――黒木だった。
【ハク】
「黒……っ」
【久々津】
「―――待て」
咄嗟に黒木の名前を呼ぼうとした俺を、隣にいた久々津が強い一言で止めてくる。
【ハク】
(な……まさか、まだ黒木を捉えようとしているわけじゃないよな……?)
一体何かと思って久々津の顔を見ると、その視線はまっすぐに黒木に注がれていた。
いや……正確には、黒木の手元に――――――。
【ハク】
「……っ……!」
俺は思わず息を飲んだ。
【ハク】
(あ……あれ、は………銃………!?)
見ると、黒木の手は、銃を構えるようにスっと伸びていた。
ただし、布がかぶせてあり、それが本物の銃かどうかは分からない。
分かったのは、その手が狙っているのは俺の隣だということ………
つまり、久々津に向けられているということだった………。
【ハク】
「あ、あの……」
【久々津】
「――――君は気にしなくてよろしい」
【ハク】
「でも………」
俺はどうしていいか分からず、思わず隣の久々津を見てしまった。
しかし当の久々津はまったく動じていない。
【ハク】
(だ、だってこのままじゃ……いつ事件がおこってもおかしくないじゃないか……っ)
焦る俺をよそに、久々津は毅然とした態度で黒木を見つめている。
黒木は、今まで見たことがないくらいにイライラした様子だった。
せわしなく足で貧乏ゆすりをしている。
【ハク】
(黒木……何でそんな物騒なもの………っ……)
そうこうしている内に、黒木の姿を見た人が、驚いて騒ぎ始めた。
それがだんだんと大きな騒ぎになり、周りにヤジがあつまり始める。
下っ端の構成員達がヤジを追い払おうとするが、どうもうまくいかない。
収拾がつかずに慌てふためいている。
――――が、新たな展開は、意外と早くやってきた。
俺は、拘束から解放されたのだ……。
【ハク】
「……!?」
俺は突然のその事態を飲み込めないでいた。
とりあえず解放されたのだということだけは理解する。
そんな俺の目の前には、ヤクザの親分だという久々津という男が立っていた。
【久々津】
「きみがハク君か。ウチの若いモンが乱暴な真似をしてすまなかったな……申し訳ない。このとおり――――謝る」
【ハク】
「あ……はあ……」
久々津は、丁寧な所作で、深々と頭を下げて詫びてきた。
俺はその態度にも、突然の解放にも、呆然としてしまう……。
【ハク】
(俺……なんで解放されたんだ……?まさか…黒木がどうにかなった、ってワケじゃ…ないよな………?)
久々津の態度からして、黒木が捕まっただとか、そういうわけではなさそうだ。
でも、じゃあ何で………?
そんな放心状態の俺の前で、久々津は構成員を呼び寄せた。
【久々津】
「ウチのモンに家までおくらせよう――――……リュウ」
【赤屋】
「はい」
【久々津】
「ハク君を自宅まで送ってやってくれ」
【赤屋】
「はい、分かりました」
【ハク】
「あ、あの……っ!大丈夫です…俺、一人で帰れますから…っ」
俺を抜かしてどんどんと進んでいく会話に、俺は慌ててストップをかけた。
まさか、黒塗りの高級車で黒木の家に乗り付けるよりは、自分の足で帰ったほうがいくらかはマトモだろう……。
しかし、そんな俺の申し出を相手はうまく懐柔してくる。
【赤屋】
「好意に甘えておけ、ハク。……俺がお前を送る」
【ハク】
「え………?」
俺は、目が点になった。
見ると、目の前には久々津がリュウと呼んだ構成員が立っている。
その男は………俺のことを「ハク」と呼んだのだ……。
しかしよくよくその顔を間近で見てみると―
どうもその顔には見覚えがあった。
【ハク】
「あ、赤屋……?…リュウ?」
【赤屋】
「…そうだ。久しぶりだな。まさかこんなところで再会するとは思わなかったがな」
【ハク】
「え……な、なに……あ、赤屋って………」
【ハク】
(ヤクザになってたのか……!?……まさか、そんなことになってるとは思わなかった………!)
黒木といい、赤屋といい、思いもよらなかった世界に入っている……。
そういえばいつだったか黒木に、赤屋のことを覚えているかどうかと問われたことを思い出す。
【ハク】
(そうか……黒木は、知ってたんだな……。赤屋が、この組の構成員だってこと………)
俺は今更ながらに納得をして赤屋を見た。
詳しいことはわからないが、とにかく赤屋はずいぶんと堂々としていて硬派な感じに見える。
もしかしたら組の中でも上の方の立場なのかもしれない………。
【赤屋】
「……覚えてるか、ガキの頃の事。お前はよく黒木とつるんでたな…」
【赤屋】
「俺を怖がるでもなく、臆面もなく話しかけてきて……今思えば懐かしい」
【ハク】
「ああ……そうだな」
【赤屋】
「……思えばあの頃、お前が何かにつけ俺に寄ってくるのが、結構気に入っていたんだがな」
【赤屋】
「お前の側にはいつも黒木がいて、そういうわけにもいかなかったが……」
【ハク】
「え…?」
【赤屋】
「……いや、なんでもない。気にするな」
【ハク】
「赤屋……」
【赤屋】
「…とにかく、お前のことは送り届ける。反論はするな。いいな?」
赤屋はそれきり口を閉ざすと、久々津に何かをジェスチャーした。
赤屋の言葉が何だか引っかかるけれど………それを聞く余裕も、考える余裕も、与えてはくれないらしい。
【久々津】
「君のことは、ウチのリュウが責任をもって送るから心配しないでくれ」
【ハク】
「は、はあ……でも」
【久々津】
「いや――頼む。送らせてくれ。それでなければ示しがつかない」
【ハク】
「……わかりました」
【ハク】
(ここまで言われたら断れないよな………)
結局、俺はその熱意に負けて、赤屋に送ってもらうことにした。
【赤屋】
「……車を回してくる。門前で待っていてくれ」
俺は、赤屋に言われたとおりに玄関である門前へと移動することにした。
俺の隣には、久々津が静かに添って歩いていた。
門前に着くと、俺は久々津と共に、赤屋の回してくる車を待った。
とりあえずこれで帰ることにはなるんだ………そう思うと、やはりホッとする。
――――と、そんな時だった。
【ハク】
「あれ……?」
門外に何者かの影が現れて、俺は目をこらす。
見るとそれは――――――黒木だった。
【ハク】
「黒……っ」
【久々津】
「―――待て」
咄嗟に黒木の名前を呼ぼうとした俺を、隣にいた久々津が強い一言で止めてくる。
【ハク】
(な……まさか、まだ黒木を捉えようとしているわけじゃないよな……?)
一体何かと思って久々津の顔を見ると、その視線はまっすぐに黒木に注がれていた。
いや……正確には、黒木の手元に――――――。
【ハク】
「……っ……!」
俺は思わず息を飲んだ。
【ハク】
(あ……あれ、は………銃………!?)
見ると、黒木の手は、銃を構えるようにスっと伸びていた。
ただし、布がかぶせてあり、それが本物の銃かどうかは分からない。
分かったのは、その手が狙っているのは俺の隣だということ………
つまり、久々津に向けられているということだった………。
【ハク】
「あ、あの……」
【久々津】
「――――君は気にしなくてよろしい」
【ハク】
「でも………」
俺はどうしていいか分からず、思わず隣の久々津を見てしまった。
しかし当の久々津はまったく動じていない。
【ハク】
(だ、だってこのままじゃ……いつ事件がおこってもおかしくないじゃないか……っ)
焦る俺をよそに、久々津は毅然とした態度で黒木を見つめている。
黒木は、今まで見たことがないくらいにイライラした様子だった。
せわしなく足で貧乏ゆすりをしている。
【ハク】
(黒木……何でそんな物騒なもの………っ……)
そうこうしている内に、黒木の姿を見た人が、驚いて騒ぎ始めた。
それがだんだんと大きな騒ぎになり、周りにヤジがあつまり始める。
下っ端の構成員達がヤジを追い払おうとするが、どうもうまくいかない。
収拾がつかずに慌てふためいている。
