[本編] 銀 夏生 編
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【銀】
「……。……ハク」
【ハク】
「…んん……っ?」
ナツの呼びかける声で、俺はハッ!と目覚めた。
気付くと、どうやら俺は朝会社に来たときのままの服装で、デスクで突っ伏して寝ていたらしい。
目の前にはナツが立っている。
【ハク】
(…って。ヤバイ、社長の前で居眠りなんて!)
俺はバッと飛び起きた。
でも……確かさっきまで俺は…………。
【ハク】
「あ、れ…?俺、確か…………あっ!」
俺は、さっきの行為を思い出して、とたんに顔がカアアッと赤くなった。
俺の表情を見たナツは、不思議そうな顔をしている。
【ハク】
(ゆ、夢でもみてたのか……?だとしたら、すごい夢だな……)
【ハク】
(でも…そうとしか考えられない。だって今俺は普通にデスクにいるわけだし……)
まるでキツネにでもつままれた気分だ。
それにしても……まるで欲求不満なのかと思うような夢だった……あんな夢……。
でも夢にしては随分と生々しかったような気もする―――。
俺は、チラッとナツの顔を見た。
【ハク】
(いや…、ない、ないって!ナツはあんなことするようなやつじゃないだろ…!大体、そんなふうには見えないし……)
やはり―――あれは夢だったのか?
そうとしか思えないのに、俺の心はなんだかモヤモヤしていた………。
―――その日の晩。
俺は、ナツに連れられて、例のあのバーにいた。
例のバーというのは、ナツと再会したあのバーのことだ。
あれ以来初めて来たけど、思えばあの日の夜は散々だったなということを思い出す。
【和久井】
「あれー?夏生さん、ひさしぶりですね」
バーテンダーの和久井は、ナツの姿を見ると人懐っこく話しかけてきた。
和久井は、明るく見たまんまの人懐っこい人で、ナツとは随分親しい感じだった。
今も、何だか級友と話すみたいに柔らかい雰囲気だ。
まあ、本当の旧友は俺の方なんだけど……。
【和久井】
「前は毎日のように来てくれたのに、つれないのー」
【銀】
「まぁな。いろいろ忙しくてな」
実際、ナツは忙しい。
会社では常に会議に出ているか、来客対応している。さすがは社長だなあと、ナツを見ていてつくづく思う。
ま、そのおかげで俺も忙しいんだけど……。
【銀】
「たまには息抜きしないとな」
【和久井】
「そうそう。それ、大切ですよ」
俺とナツは、店内のボックス席に肩を並べて座っていた。
【ハク】
(相変わらず洒落た店だよなぁ……)
【ハク】
(でもまぁ、ナツが出入りするんだから、このくらいが普通なのかもな)
俺は、オーダーしたビールをぐいっと飲み込む。
俺のよく知らない銘柄のビールだけど、とりあえず美味いのだけは分かった。
カクテルと同じ逆三角形のグラスに入ってきて、いかにも洒落ている。
【ハク】
(こういうのが似合う客が多いんだろうな…ナツみたいに)
俺は店内をぐるりと見渡してみる。
―――と。
【ハク】
(………ん?)
俺の目に飛び込んできたのは、若い男の二人組だった。
二人はカウンターで飲んでいたが、興奮しているのか声が大きい。そのせいで、会話がまる聞こえになっている。
【緑川】
「だからよ、仕事だって割り切って接しないとダメな場合もあるんだよ」
【桃島】
「へーい、わかってますよ」
【緑川】
「まったく、お前はムラがあるからなぁ…それさえなきゃ全然大丈夫なのに」
【緑川】
「ま、客商売はお客が神様なんだから、ちゃんとエスコートしろよ?」
【桃島】
「へーい」
【緑川】
「へーいじゃねぇ!たのむよ……。オレもお前を庇いきれなくなるじゃんか」
【桃島】
「……。わかりました」
【ハク】
(なんだ、あれ……?仕事の話か……)
【銀】
「……ハク」
【ハク】
「………」
【銀】
「おい、ハク。俺の話、ちゃんと聞いてたか?」
【ハク】
「……えっ!」
俺はハッとしてナツを振り返った。
【ハク】
(まずい……いつの間にか2人の会話に聞き耳を立ててぼんやりしてた……)
俺はナツにごめんと謝ると、もう一度話をしてくれるように頼んだ。
ナツが、仕方なさそうに溜息をついて口を開く。
【銀】
「まったく。よく聞いとけ」
【ハク】
「は、はい…」
【銀】
「俺は明日から出張に出る。だから、留守の間の仕事、たのんだぞ」
【ハク】
「あ、はい」
【銀】
「よし。じゃ、宜しくな。社長代理」
【ハク】
「ぶっっ!!!」
俺は思わず、飲んでいたビールを派手に噴き出した。
な、なんだそれは―――!
【ハク】
「ちょ……っと!社長代理ってなんだよ!?」
【銀】
「そのままの意味だ」
【ハク】
「って…全然聞いてなかったぞ!?」
【銀】
「たった今、伝えた」
俺は銀の目を見つめてその真意を読み取ろうとするが、逆に諭される。
【銀】
「なんだ。また異論が?」
【ハク】
「いやいや…だってそんな大層なこと俺にできるわけ……」
【銀】
「できない、とでも?」
【ハク】
「うっ……」
【銀】
「――まあ。それは冗談としても、お前には社長秘書としてそれなりの権限を与えてるんだからな」
【銀】
「分ってるだろう?その分、しっかり働いてくれよ」
【ハク】
「は、はい…」
【ハク】
(社長代理、か……)
秘書と社長代理の間に大きな差があるように思えてしまうのは俺だけなんだろうか……。
でも確かに俺は、社長秘書として特別待遇を受けているわけで……。
その中にはナツが言ったような権限というのも絡んでいる。
ナツの言うとおりだ。
「……。……ハク」
【ハク】
「…んん……っ?」
ナツの呼びかける声で、俺はハッ!と目覚めた。
気付くと、どうやら俺は朝会社に来たときのままの服装で、デスクで突っ伏して寝ていたらしい。
目の前にはナツが立っている。
【ハク】
(…って。ヤバイ、社長の前で居眠りなんて!)
俺はバッと飛び起きた。
でも……確かさっきまで俺は…………。
【ハク】
「あ、れ…?俺、確か…………あっ!」
俺は、さっきの行為を思い出して、とたんに顔がカアアッと赤くなった。
俺の表情を見たナツは、不思議そうな顔をしている。
【ハク】
(ゆ、夢でもみてたのか……?だとしたら、すごい夢だな……)
【ハク】
(でも…そうとしか考えられない。だって今俺は普通にデスクにいるわけだし……)
まるでキツネにでもつままれた気分だ。
それにしても……まるで欲求不満なのかと思うような夢だった……あんな夢……。
でも夢にしては随分と生々しかったような気もする―――。
俺は、チラッとナツの顔を見た。
【ハク】
(いや…、ない、ないって!ナツはあんなことするようなやつじゃないだろ…!大体、そんなふうには見えないし……)
やはり―――あれは夢だったのか?
そうとしか思えないのに、俺の心はなんだかモヤモヤしていた………。
―――その日の晩。
俺は、ナツに連れられて、例のあのバーにいた。
例のバーというのは、ナツと再会したあのバーのことだ。
あれ以来初めて来たけど、思えばあの日の夜は散々だったなということを思い出す。
【和久井】
「あれー?夏生さん、ひさしぶりですね」
バーテンダーの和久井は、ナツの姿を見ると人懐っこく話しかけてきた。
和久井は、明るく見たまんまの人懐っこい人で、ナツとは随分親しい感じだった。
今も、何だか級友と話すみたいに柔らかい雰囲気だ。
まあ、本当の旧友は俺の方なんだけど……。
【和久井】
「前は毎日のように来てくれたのに、つれないのー」
【銀】
「まぁな。いろいろ忙しくてな」
実際、ナツは忙しい。
会社では常に会議に出ているか、来客対応している。さすがは社長だなあと、ナツを見ていてつくづく思う。
ま、そのおかげで俺も忙しいんだけど……。
【銀】
「たまには息抜きしないとな」
【和久井】
「そうそう。それ、大切ですよ」
俺とナツは、店内のボックス席に肩を並べて座っていた。
【ハク】
(相変わらず洒落た店だよなぁ……)
【ハク】
(でもまぁ、ナツが出入りするんだから、このくらいが普通なのかもな)
俺は、オーダーしたビールをぐいっと飲み込む。
俺のよく知らない銘柄のビールだけど、とりあえず美味いのだけは分かった。
カクテルと同じ逆三角形のグラスに入ってきて、いかにも洒落ている。
【ハク】
(こういうのが似合う客が多いんだろうな…ナツみたいに)
俺は店内をぐるりと見渡してみる。
―――と。
【ハク】
(………ん?)
俺の目に飛び込んできたのは、若い男の二人組だった。
二人はカウンターで飲んでいたが、興奮しているのか声が大きい。そのせいで、会話がまる聞こえになっている。
【緑川】
「だからよ、仕事だって割り切って接しないとダメな場合もあるんだよ」
【桃島】
「へーい、わかってますよ」
【緑川】
「まったく、お前はムラがあるからなぁ…それさえなきゃ全然大丈夫なのに」
【緑川】
「ま、客商売はお客が神様なんだから、ちゃんとエスコートしろよ?」
【桃島】
「へーい」
【緑川】
「へーいじゃねぇ!たのむよ……。オレもお前を庇いきれなくなるじゃんか」
【桃島】
「……。わかりました」
【ハク】
(なんだ、あれ……?仕事の話か……)
【銀】
「……ハク」
【ハク】
「………」
【銀】
「おい、ハク。俺の話、ちゃんと聞いてたか?」
【ハク】
「……えっ!」
俺はハッとしてナツを振り返った。
【ハク】
(まずい……いつの間にか2人の会話に聞き耳を立ててぼんやりしてた……)
俺はナツにごめんと謝ると、もう一度話をしてくれるように頼んだ。
ナツが、仕方なさそうに溜息をついて口を開く。
【銀】
「まったく。よく聞いとけ」
【ハク】
「は、はい…」
【銀】
「俺は明日から出張に出る。だから、留守の間の仕事、たのんだぞ」
【ハク】
「あ、はい」
【銀】
「よし。じゃ、宜しくな。社長代理」
【ハク】
「ぶっっ!!!」
俺は思わず、飲んでいたビールを派手に噴き出した。
な、なんだそれは―――!
【ハク】
「ちょ……っと!社長代理ってなんだよ!?」
【銀】
「そのままの意味だ」
【ハク】
「って…全然聞いてなかったぞ!?」
【銀】
「たった今、伝えた」
俺は銀の目を見つめてその真意を読み取ろうとするが、逆に諭される。
【銀】
「なんだ。また異論が?」
【ハク】
「いやいや…だってそんな大層なこと俺にできるわけ……」
【銀】
「できない、とでも?」
【ハク】
「うっ……」
【銀】
「――まあ。それは冗談としても、お前には社長秘書としてそれなりの権限を与えてるんだからな」
【銀】
「分ってるだろう?その分、しっかり働いてくれよ」
【ハク】
「は、はい…」
【ハク】
(社長代理、か……)
秘書と社長代理の間に大きな差があるように思えてしまうのは俺だけなんだろうか……。
でも確かに俺は、社長秘書として特別待遇を受けているわけで……。
その中にはナツが言ったような権限というのも絡んでいる。
ナツの言うとおりだ。
