[本編] 銀 夏生 編
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【ハク】
(や、やば…ぃ……)
二人の吐息が、激しくなる。
それと同時に、ズッ、ズッと擦れる音が早くなっていく。
隣の個室が快感と興奮で充満しているのが分かり、俺はますます昂ぶっていく。
身体が、熱い。
【銀】
「もう耐えられないのか?あーあぁ、そんなに腰をくねらせて…淫乱な刑事さんですねぇ」
【藍建】
「あぁ、はっ……いい…すご、…くっぃ…っ!」
二人の息遣いが格段に荒くなり、絶頂が近いことが分かる。
俺も、もうそんな状態だった。
【ハク】
「…っ…ん、…んん…っ」
【ハク】
(あ、もう……ムリ……ぁ、…っちゃ…う…)
【ハク】
「ぅう……――――!」
唇を食いしばって、声を出さないように肩を震わせながら、俺は果てた。
はぁ、はぁ、と身体で息をする。
一気にぐったりとしてしまい、俺はべったりと背中を便器にくっつけた。
隣では、俺より少し後に果てたらしい二人が、身支度を整えて個室を出て行った。
二人はまるで何もなかったみたいにしっかりした歩調で歩いている。それとハッキリと分かる足音を立てているのだ。
【ハク】
「はぁ……」
二人が出て行ったあと、トイレの中は一気に、シン…と静けさを取り戻した。
そんなトイレの個室の床に座り込んで、便器にもたれかかって、すっかり萎えた下半身を外気に晒している俺…。
興奮の内に吐き出した体液が、腹の辺りにぺちょっ…と、へばりついている。
それを見て、俺は深いため息をついた。
――完璧に自己嫌悪だ…。
【ハク】
「……なにやってんだろ、俺…」
正気に返ると、後悔しか出てこない。
何しろここは会社だ。その上、他人の情事の音に興奮して、聞き耳を立てながらしてしまうなんて――。
【ハク】
「どんな顔して戻ればいいんだよ……」
俺はもう一度溜息をついた。
社長室に戻ると、すでにナツは席について仕事をしていた。
どうやら藍建は帰ったらしい。
俺はさっきの音や声を思い出すとドキドキしてしまい、ナツの顔を直視できなかった。
ギクシャクしながらナツのデスクの前を通り過ぎる。
いつもの俺と比べたら、明らかに挙動不審だ。
ナツが、俺をじっと見ているのが分かる…。
俺がそれをわざと無視すると、ナツはすっと視線を外した。
【ハク】
(お、落ち着け…)
【ハク】
(とりあえず仕事しよう。そうすればその内落ち着いて…)
俺は、やりかけだった書類に手を伸ばした。
……が。
どうやらナツに確認を貰わないといけないところだったらしい。
つまり…ナツの顔をみて話さなくてはいけない。
【ハク】
(無理だって、こんなの!今は話せない…っ)
俺は焦ってパサッと書類を脇に置いた。
すると、そのちょっとした風圧で脇に置いてあったメモがひらりと宙に舞う。
やばい、と思ってそれをキャッチしようと立ち上がると、膝がデスクに当たり、その衝撃でデスクの上の事務用品がゴロンと床に落ちた。
【ハク】
(あぁ~もう!踏んだり蹴ったりだ…っ)
そんな行動を見ていたらしいナツが、突然、声をかけてくる。
俺は瞬時にして心臓が飛び上がった。
ドキドキと早鳴る心臓がおさまらない。
【銀】
「どうした?」
【ハク】
「な、何でもない…っ」
俺は平常を装って、いつも通りの表情でそう言った。
…つもりだった。
それなのにナツは、すかさずこんなことを言ってくる。
【銀】
「――でも、聞き耳は感心しないなぁ。『ハク君』?」
【ハク】
「……っ!」
【ハク】
(うそだろ…!?なんで知って……!)
俺は思わずナツの顔を見てしまった。
が、すぐに目を逸らすと、ドキドキが止まらない中で何とかシラをきってみせる。まさか、認めるわけにはいかない…。
でも、俺の挙動は明らかにおかしかった。
我を失っているみたいだった。
俺は思わず…な…な、なんの話ですか?と答える。
【銀】
「ふうん?なんの話か、だと?」
ガタッ。
おもむろにナツが立ち上がって、デスクを離れ、こちらに歩いてくる。
俺はそれでも何とかシラを切ろうとして、デスク上の書類を無意味に揃えたりなんかして、わざと仕事に忙しいフリをした。
――でも…。
【ハク】
「…う、わっ!」
突然、ナツの左手が俺の顎を押えた。
そして、クイッと持ち上げられて……強制的にナツの方を向かせられる。
俺がドギマギしていると、ナツは顔を近づけてきて、俺の耳元でそっと囁いた。
【銀】
「…悪い子だな、ハク」
【ハク】
「ひぁ…っ…」
【ハク】
(ば、かっ…!俺、なんて声…!)
変な声を出してしまい、俺はすっかり顔が赤くなってしまう。
なに動揺してるんだよ、俺…!
余裕がなくなっていく俺とは対照的に、ナツはやはり俺の耳元で、熱っぽく囁いた。
それを囁く唇がわずかに耳たぶにかする。
俺は思わずドキンっ、としてしまう。
【銀】
「してほしいなら…してほしい、と言えばいいだろう?」
【ハク】
「あ……な、ナツ…っ」
【ハク】
(ち、近い……っ)
至近距離にナツの頬を感じて、俺はドキドキが止まらなかった。
恥ずかしくなり、必死の思いで顔を背ける。
【銀】
「それとも、嫉妬…か?」
【ハク】
「ば、バカヤロっ!そんなんじゃ、ない」
俺は、その言葉に慌てた。
嫉妬なんて、そんな馬鹿なことあるわけないじゃないか。
心の中でそう罵倒したけど――……でも……。
【ハク】
(あの刑事……藍建は、ナツの相手…なんだよな……あんなこと、してたんだから…)
【ハク】
(ってことは…ナツはアイツのこと……)
さっきまでは、あの情事が衝撃的すぎて、そんなことはまるで考えられなかった。でも、そういうことなんだろう。
【ハク】
(――ナツは、藍建のことが好き……なのか)
俺は、いつだったか女性社員に言われた言葉を思い出していた。
俺はナツにとって特別だと、そう言われたことを…。
【ハク】
(なんだよ…やっぱり俺、特別なんかじゃないんじゃないかよ…)
あの時は、そんなことはないだろうと思っていた。
でも多分、無意識に俺自身もそんなふうに考えていたんだろう。
ナツにとって俺は特別な存在なんだ……って。
過去に気に入った秘書がいたといっても、今は俺が秘書なんだし……って。
少なくとも今は俺が好きだからそんなふうに特別扱いしてくれるんだろう、って……。
多分俺は、そう思っていたんだ。心のどこかで。
【ハク】
(でも、違ったんだな……俺なんか別に、好きじゃなかったんだ……)
俺は、むくむくと湧き上がってきた、そのモヤっとした感情に唇を噛んだ。
なんなんだろう、この気持ち――。
【ハク】
(なんでこんな気持ちになるんだよ…)
なんだか、胸が苦しかった…………。
続く…
(や、やば…ぃ……)
二人の吐息が、激しくなる。
それと同時に、ズッ、ズッと擦れる音が早くなっていく。
隣の個室が快感と興奮で充満しているのが分かり、俺はますます昂ぶっていく。
身体が、熱い。
【銀】
「もう耐えられないのか?あーあぁ、そんなに腰をくねらせて…淫乱な刑事さんですねぇ」
【藍建】
「あぁ、はっ……いい…すご、…くっぃ…っ!」
二人の息遣いが格段に荒くなり、絶頂が近いことが分かる。
俺も、もうそんな状態だった。
【ハク】
「…っ…ん、…んん…っ」
【ハク】
(あ、もう……ムリ……ぁ、…っちゃ…う…)
【ハク】
「ぅう……――――!」
唇を食いしばって、声を出さないように肩を震わせながら、俺は果てた。
はぁ、はぁ、と身体で息をする。
一気にぐったりとしてしまい、俺はべったりと背中を便器にくっつけた。
隣では、俺より少し後に果てたらしい二人が、身支度を整えて個室を出て行った。
二人はまるで何もなかったみたいにしっかりした歩調で歩いている。それとハッキリと分かる足音を立てているのだ。
【ハク】
「はぁ……」
二人が出て行ったあと、トイレの中は一気に、シン…と静けさを取り戻した。
そんなトイレの個室の床に座り込んで、便器にもたれかかって、すっかり萎えた下半身を外気に晒している俺…。
興奮の内に吐き出した体液が、腹の辺りにぺちょっ…と、へばりついている。
それを見て、俺は深いため息をついた。
――完璧に自己嫌悪だ…。
【ハク】
「……なにやってんだろ、俺…」
正気に返ると、後悔しか出てこない。
何しろここは会社だ。その上、他人の情事の音に興奮して、聞き耳を立てながらしてしまうなんて――。
【ハク】
「どんな顔して戻ればいいんだよ……」
俺はもう一度溜息をついた。
社長室に戻ると、すでにナツは席について仕事をしていた。
どうやら藍建は帰ったらしい。
俺はさっきの音や声を思い出すとドキドキしてしまい、ナツの顔を直視できなかった。
ギクシャクしながらナツのデスクの前を通り過ぎる。
いつもの俺と比べたら、明らかに挙動不審だ。
ナツが、俺をじっと見ているのが分かる…。
俺がそれをわざと無視すると、ナツはすっと視線を外した。
【ハク】
(お、落ち着け…)
【ハク】
(とりあえず仕事しよう。そうすればその内落ち着いて…)
俺は、やりかけだった書類に手を伸ばした。
……が。
どうやらナツに確認を貰わないといけないところだったらしい。
つまり…ナツの顔をみて話さなくてはいけない。
【ハク】
(無理だって、こんなの!今は話せない…っ)
俺は焦ってパサッと書類を脇に置いた。
すると、そのちょっとした風圧で脇に置いてあったメモがひらりと宙に舞う。
やばい、と思ってそれをキャッチしようと立ち上がると、膝がデスクに当たり、その衝撃でデスクの上の事務用品がゴロンと床に落ちた。
【ハク】
(あぁ~もう!踏んだり蹴ったりだ…っ)
そんな行動を見ていたらしいナツが、突然、声をかけてくる。
俺は瞬時にして心臓が飛び上がった。
ドキドキと早鳴る心臓がおさまらない。
【銀】
「どうした?」
【ハク】
「な、何でもない…っ」
俺は平常を装って、いつも通りの表情でそう言った。
…つもりだった。
それなのにナツは、すかさずこんなことを言ってくる。
【銀】
「――でも、聞き耳は感心しないなぁ。『ハク君』?」
【ハク】
「……っ!」
【ハク】
(うそだろ…!?なんで知って……!)
俺は思わずナツの顔を見てしまった。
が、すぐに目を逸らすと、ドキドキが止まらない中で何とかシラをきってみせる。まさか、認めるわけにはいかない…。
でも、俺の挙動は明らかにおかしかった。
我を失っているみたいだった。
俺は思わず…な…な、なんの話ですか?と答える。
【銀】
「ふうん?なんの話か、だと?」
ガタッ。
おもむろにナツが立ち上がって、デスクを離れ、こちらに歩いてくる。
俺はそれでも何とかシラを切ろうとして、デスク上の書類を無意味に揃えたりなんかして、わざと仕事に忙しいフリをした。
――でも…。
【ハク】
「…う、わっ!」
突然、ナツの左手が俺の顎を押えた。
そして、クイッと持ち上げられて……強制的にナツの方を向かせられる。
俺がドギマギしていると、ナツは顔を近づけてきて、俺の耳元でそっと囁いた。
【銀】
「…悪い子だな、ハク」
【ハク】
「ひぁ…っ…」
【ハク】
(ば、かっ…!俺、なんて声…!)
変な声を出してしまい、俺はすっかり顔が赤くなってしまう。
なに動揺してるんだよ、俺…!
余裕がなくなっていく俺とは対照的に、ナツはやはり俺の耳元で、熱っぽく囁いた。
それを囁く唇がわずかに耳たぶにかする。
俺は思わずドキンっ、としてしまう。
【銀】
「してほしいなら…してほしい、と言えばいいだろう?」
【ハク】
「あ……な、ナツ…っ」
【ハク】
(ち、近い……っ)
至近距離にナツの頬を感じて、俺はドキドキが止まらなかった。
恥ずかしくなり、必死の思いで顔を背ける。
【銀】
「それとも、嫉妬…か?」
【ハク】
「ば、バカヤロっ!そんなんじゃ、ない」
俺は、その言葉に慌てた。
嫉妬なんて、そんな馬鹿なことあるわけないじゃないか。
心の中でそう罵倒したけど――……でも……。
【ハク】
(あの刑事……藍建は、ナツの相手…なんだよな……あんなこと、してたんだから…)
【ハク】
(ってことは…ナツはアイツのこと……)
さっきまでは、あの情事が衝撃的すぎて、そんなことはまるで考えられなかった。でも、そういうことなんだろう。
【ハク】
(――ナツは、藍建のことが好き……なのか)
俺は、いつだったか女性社員に言われた言葉を思い出していた。
俺はナツにとって特別だと、そう言われたことを…。
【ハク】
(なんだよ…やっぱり俺、特別なんかじゃないんじゃないかよ…)
あの時は、そんなことはないだろうと思っていた。
でも多分、無意識に俺自身もそんなふうに考えていたんだろう。
ナツにとって俺は特別な存在なんだ……って。
過去に気に入った秘書がいたといっても、今は俺が秘書なんだし……って。
少なくとも今は俺が好きだからそんなふうに特別扱いしてくれるんだろう、って……。
多分俺は、そう思っていたんだ。心のどこかで。
【ハク】
(でも、違ったんだな……俺なんか別に、好きじゃなかったんだ……)
俺は、むくむくと湧き上がってきた、そのモヤっとした感情に唇を噛んだ。
なんなんだろう、この気持ち――。
【ハク】
(なんでこんな気持ちになるんだよ…)
なんだか、胸が苦しかった…………。
続く…
