[本編] 赤屋 竜次 編
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調子のいいバーテンダーが俺達のテーブルにおかわりを持ってきた。
【和久井】
「おまたせしました」
【ハク】
「あ、ありがとうございます~」
【赤屋】
それを嬉しそう受け取った俺を見て、リュウはしみじみと言った。
【赤屋】
「ハク…お前…結構飲むんだな」
ふと口にした酒を味わいながら俺は
【ハク】
「…ん?そうか…?」
【赤屋】
「ま、12年振りだしな。今日はトコトン朝まで付き合うぜ」
その後俺は、さらに酔いつぶれるまで酒をあおった。
12年振りにリュウに会えたのも嬉しかったが、こうやって心から笑える相手と酒を交わしたのも久しぶりだったからだ。
だがその傍らで、俺たちを見知らぬ人影が見つめていたことには気づかなかった……。
【ハク】
「ん……っ」
ゆったりとした朝。
俺は心地よい布団につつまれている。
【ハク】
(起きないと……でも、体はだるいし、まだ寝ていたい)
【ハク】
(目覚まし時計は鳴らないし……ん?目覚まし?)
【ハク】
「や、やばい!会社……!」
【ハク】
「会社……はもうないのか」
ふと我に帰る。
【ハク】
「あれ?……ここ、どこだ?」
慌てて飛び起きた俺はリストラされたことを思い出し、布団に逆戻りした。
そこで、見慣れない天井に気づく。
天井だけじゃない。今寝ているベッドも、家具も、壁紙も。
俺の知らない部屋だ。おまけに、俺は裸だった。
【ハク】
(なんで何も着てないんだ?昨日は一体……)
【ハク】
(そうだ、バーで飲んでて……)
【ハク】
(その後は……覚えていない)
【ハク】
(とりあえず、着るもの探そう)
【赤屋】
「起きたのか」
俺がベッドを出ようとしたその時、部屋のドアが開いてリュウが入ってきた。
しかも……リュウまで裸だ。
【ハク】
(ど、どういうことだ…?)
【ハク】
(昨日はリュウと久しぶりに会って、酒を飲んで、それでなんでこの状況に……?)
【ハク】
(ま、まさか酒の勢いで一線を越えてしまった……のか?)
【赤屋】
「どうかしたか?」
【ハク】
「えっと、その……」
【ハク】
「俺たち何もしてない……よな?」
【赤屋】
「な……!」
リュウが口をぱくぱくさせている。心なしか顔も赤いようだ。
【赤屋】
「……つ、つまらん冗談はよせ。男同士だろうが」
【ハク】
「だ、だよな……」
【ハク】
「変なこと言って、ごめん」
【赤屋】
「……おう」
何を言ってるんだ、俺は。
リュウが俺に何かするとか、そんなことあるはずないのに。
【ハク】
(しかし、これは……)
何も着けていないリュウを改めて見ると、なんていうか男の俺でも思わず見惚れる。
浅黒い肌に、引き締まった身体。彫刻のように鍛えられた筋肉が無駄なくついている。
なんか同じ男として少しへこむよな……。
そんなことを思いながらじろじろ見ていると、ふと、その逞しい身体が傷だらけであることに気づいた。
大小さまざまな傷跡が無数についているのが痛々しくて…。
俺は…思わず手を伸ばした。
【赤屋】
「……っ!触るな!」
低い声で言われた短い言葉に、手が止まる。
【赤屋】
「…気にするな」
【ハク】
「……ごめん」
【赤屋】
「いや……」
【赤屋】
「酒…まだ残ってるだろ。水持ってくる」
言われてみれば頭が痛い……完全に二日酔いだ。
そう言うとリュウは、すぐに水の入ったコップを手に戻ってきた。
受け取って飲むと、少しましになった気がする。
【赤屋】
「昨夜はかなり酔ってたから俺の家に運んだんだが……覚えてないか?」
【ハク】
「……全然覚えてない」
【赤屋】
「そうか。これ、服。洗濯終わったぞ」
【ハク】
「ありがと……」
【ハク】
(ここ……リュウの家なんだ)
どうやら服の洗濯までしてくれたらしい。手渡されたそれを、もたつきながらも着る。
リュウの部屋を改めて見回すと、俺の部屋よりもだいぶ広くて、それなりに片付いていている。
けっこうバリバリ働いているんだろうか……想像がつかない。
【赤屋】
「昨日はすごかったぞ。まだ飲むんだーって強情でな。タクシーに乗せるのに苦労した」
【ハク】
「それは……ご迷惑を」
【赤屋】
「いいさ、気にするな」
【ハク】
(いくら久しぶりだったからって何やってんだ、俺……)
着替えも終わり、荷物を持ってリュウの部屋を後にする。すっかり長居してしまった。
【ハク】
「じゃあ、ホントに迷惑ばっかりかけたけど……お邪魔しました」
【赤屋】
「あ、待て、ハク」
【ハク】
「……?」
【赤屋】
「これ、俺の名刺」
【赤屋】
「また飲もうな」
【ハク】
「ああ」
そう言って俺は、赤屋のマンションを後にし自宅へと向かった。
「また飲もう」
あれだけ迷惑をかけたというのに、リュウはそんな言葉をかけてくれた。
高校時代から変わらず、優しい。
やっぱり行って良かった……。
いい気分のまま歩いていた俺に、突然驚くべき光景が飛び込んでくる。
【和久井】
「おまたせしました」
【ハク】
「あ、ありがとうございます~」
【赤屋】
それを嬉しそう受け取った俺を見て、リュウはしみじみと言った。
【赤屋】
「ハク…お前…結構飲むんだな」
ふと口にした酒を味わいながら俺は
【ハク】
「…ん?そうか…?」
【赤屋】
「ま、12年振りだしな。今日はトコトン朝まで付き合うぜ」
その後俺は、さらに酔いつぶれるまで酒をあおった。
12年振りにリュウに会えたのも嬉しかったが、こうやって心から笑える相手と酒を交わしたのも久しぶりだったからだ。
だがその傍らで、俺たちを見知らぬ人影が見つめていたことには気づかなかった……。
【ハク】
「ん……っ」
ゆったりとした朝。
俺は心地よい布団につつまれている。
【ハク】
(起きないと……でも、体はだるいし、まだ寝ていたい)
【ハク】
(目覚まし時計は鳴らないし……ん?目覚まし?)
【ハク】
「や、やばい!会社……!」
【ハク】
「会社……はもうないのか」
ふと我に帰る。
【ハク】
「あれ?……ここ、どこだ?」
慌てて飛び起きた俺はリストラされたことを思い出し、布団に逆戻りした。
そこで、見慣れない天井に気づく。
天井だけじゃない。今寝ているベッドも、家具も、壁紙も。
俺の知らない部屋だ。おまけに、俺は裸だった。
【ハク】
(なんで何も着てないんだ?昨日は一体……)
【ハク】
(そうだ、バーで飲んでて……)
【ハク】
(その後は……覚えていない)
【ハク】
(とりあえず、着るもの探そう)
【赤屋】
「起きたのか」
俺がベッドを出ようとしたその時、部屋のドアが開いてリュウが入ってきた。
しかも……リュウまで裸だ。
【ハク】
(ど、どういうことだ…?)
【ハク】
(昨日はリュウと久しぶりに会って、酒を飲んで、それでなんでこの状況に……?)
【ハク】
(ま、まさか酒の勢いで一線を越えてしまった……のか?)
【赤屋】
「どうかしたか?」
【ハク】
「えっと、その……」
【ハク】
「俺たち何もしてない……よな?」
【赤屋】
「な……!」
リュウが口をぱくぱくさせている。心なしか顔も赤いようだ。
【赤屋】
「……つ、つまらん冗談はよせ。男同士だろうが」
【ハク】
「だ、だよな……」
【ハク】
「変なこと言って、ごめん」
【赤屋】
「……おう」
何を言ってるんだ、俺は。
リュウが俺に何かするとか、そんなことあるはずないのに。
【ハク】
(しかし、これは……)
何も着けていないリュウを改めて見ると、なんていうか男の俺でも思わず見惚れる。
浅黒い肌に、引き締まった身体。彫刻のように鍛えられた筋肉が無駄なくついている。
なんか同じ男として少しへこむよな……。
そんなことを思いながらじろじろ見ていると、ふと、その逞しい身体が傷だらけであることに気づいた。
大小さまざまな傷跡が無数についているのが痛々しくて…。
俺は…思わず手を伸ばした。
【赤屋】
「……っ!触るな!」
低い声で言われた短い言葉に、手が止まる。
【赤屋】
「…気にするな」
【ハク】
「……ごめん」
【赤屋】
「いや……」
【赤屋】
「酒…まだ残ってるだろ。水持ってくる」
言われてみれば頭が痛い……完全に二日酔いだ。
そう言うとリュウは、すぐに水の入ったコップを手に戻ってきた。
受け取って飲むと、少しましになった気がする。
【赤屋】
「昨夜はかなり酔ってたから俺の家に運んだんだが……覚えてないか?」
【ハク】
「……全然覚えてない」
【赤屋】
「そうか。これ、服。洗濯終わったぞ」
【ハク】
「ありがと……」
【ハク】
(ここ……リュウの家なんだ)
どうやら服の洗濯までしてくれたらしい。手渡されたそれを、もたつきながらも着る。
リュウの部屋を改めて見回すと、俺の部屋よりもだいぶ広くて、それなりに片付いていている。
けっこうバリバリ働いているんだろうか……想像がつかない。
【赤屋】
「昨日はすごかったぞ。まだ飲むんだーって強情でな。タクシーに乗せるのに苦労した」
【ハク】
「それは……ご迷惑を」
【赤屋】
「いいさ、気にするな」
【ハク】
(いくら久しぶりだったからって何やってんだ、俺……)
着替えも終わり、荷物を持ってリュウの部屋を後にする。すっかり長居してしまった。
【ハク】
「じゃあ、ホントに迷惑ばっかりかけたけど……お邪魔しました」
【赤屋】
「あ、待て、ハク」
【ハク】
「……?」
【赤屋】
「これ、俺の名刺」
【赤屋】
「また飲もうな」
【ハク】
「ああ」
そう言って俺は、赤屋のマンションを後にし自宅へと向かった。
「また飲もう」
あれだけ迷惑をかけたというのに、リュウはそんな言葉をかけてくれた。
高校時代から変わらず、優しい。
やっぱり行って良かった……。
いい気分のまま歩いていた俺に、突然驚くべき光景が飛び込んでくる。