[期間限定イベント"2人のバレンタインmini"] 黒木 忠生 編
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【水野】
「兄貴ー!」
後ろから赤屋に声をかける大声が聞こえる。
振りかえるとそこには、赤屋の部下らしき水野の姿があった。
【水野】
「兄貴ー、もう腹減っちまって我慢できないっすよ…」
【赤屋】
「そうだな…無事にお前の唐揚げ弁当も手に入れたし…」
【水野】
「さっすが兄貴!兄貴の分の弁当は?」
【赤屋】
「おう、俺はこれで頼む…」
そう言って赤屋は棚にあっ海苔弁当を手に取り二つの弁当を水野に渡すと、そのままレジの方へと足を向けた。
【ハク】
「そっか…あの弁当アイツの為だったんだ…」
そう思うとなんだか少しムカムカする。
と言っても一度譲ったものを返せとは言えない俺は、そのままコンビニを後にした。
結局弁当を買いそびれた俺は、腹を満たせる場所を探してそのまま街をぶらつき、適当なオープンカフェを見つけて入る事にした。
テーブルに着くと、さっそくとばかりに店員が近づいてくる。
【店員】
「いらっしゃいませ」
俺は店員に差し出されたメニューを見て、すぐにサンドイッチとコーヒーを注文した。
店員はその場で注文を大声で他の店員に伝えると、そのまま席をはずした。
席に座りぼっーっと店の外を眺めているとテラス席が見える。
だがさすがにこの季節は利用者はいないようだ。
俺はそのまま視線を右の方へ向けると、長身が目立つ2人の男の姿が目に付いた。
2人ともすらりとしたスタイルで、さながらモデルに見える。
【ハク】
(モデル…さん…かな?)
【ハク】
(でも…一人はスーツだしな…)
気付くと俺は2人の会話に耳を傾けていた。
店のBGMもさほど大きくないし、その2人との距離も離れていないから、会話はほぼ聞こえる状態だ。
【桃島】
「緑川先輩ー今夜のバレンタインイベント、どれぐらいの人がくる感じなんですか?」
【緑川】
「あれ?桃島って去年のイベントって出勤してなかったんだっけ?」
【桃島】
「やだなぁ、先輩。意地悪なんだからー」
【桃島】
「俺が店に入ったのって、去年の5月ですよー?」
【ハク】
(ん?イベント?…店?一体何のことだ?)
俺はその会話から耳が離せなくなってしまった。
【緑川】
「あれ?そうだったっけ?俺の記憶違いか…」
【緑川】
「っていうかお前、存在感ありすぎんだよ」
そう言って笑いながら桃島と呼ばれた男に話しかける。
【桃島】
「先輩うちの店No.1だからなぁ。すげぇ数もらうんでしょうね」
傍で見ていても、桃島が憧れの目線で先輩を見ているのがわかる。
【緑川】
「そんなお前だって店トップ10に入ってるんだぞ?」
【緑川】
「それなりの数もらえんだろうに」
すると桃島は急にムスッとした表情になって、少しさびしそうな口調でこう言った。
【桃島】
「俺はいいんです…」
【桃島】
「それより先輩…」
【桃島】
「コレ俺からのチョコです。もらってくれますよね?」
桃島が懐からラッピングされた箱を取り出す所が見える。
それを渡された緑川は、ため息をつきながら言った。
【緑川】
「はぁ…お前は何を言ってるんだ…?」
【緑川】
「俺に気を使うんじゃなくてその分店に来る指名客に気を使えば、もっと売り上がるのに…」
【桃島】
「いいんですよ、俺は…。先輩のことが…」
【店員】
「お待たせいたしました」
2人の会話の間に入るようにして、店員が注文していたサンドイッチとコーヒーを持ってくる。
【ハク】
「あ、どうも…」
俺はそっけない返事をして商品を受け取りもう一度聞き耳を立てるが、2人はすでに帰り支度を始めたらしく、肝心な言葉を聞くことができなかった。
【ハク】
(あれってやっぱり…)
それはそんな事を考えていると、聞き耳を立ててる間には気にならなかった空腹が気になりだし、
サンドイッチとコーヒーで少し遅い昼食を取ることにした。
遅い昼食を終えて、俺はそのまま駅前のデパートを訪れた。
デパートの1階はいわゆるケーキやチョコレートなどの洋菓子を取り扱う店がが多いのだが、
その多くの店舗はバレンタインデー商戦の商品をこれ見よがしに宣伝している。
そんな女性でごった返している売り場をフラフラと歩いていると、一枚のポスターが目に入る。
【ハク】
(彼女への日頃の感謝をこめて…?)
良く見ると、そのポスターには女性にチョコレートを贈る男性の姿が描かれていた。
【ハク】
(そっか…感謝の気持ちをチョコであげるって手もあるのか…)
俺は最初からバレンタイン=女性が男性にチョコレートを贈る日と思いこんでいたが、
本来の意味は違うらしく、男女関係なく贈り物を恋人や親しい人に贈ることがある日というのが由来らしいのだ。
【ハク】
(じゃあ、俺が感謝の気持ちを表すために黒木に贈ってもいいのか…)
そうは言っても、バレンタインデー当日に男が女性にまぎれてチョコレートを買うのは少し恥ずかしい。
俺は、一番当たり障りのなさそうな、さっきのポスターが張っている店を選び、店員に話しかけた。
【ハク】
「すみません…そのチョコレート一箱もらえますか」
女性店員はにっこりした笑顔で俺の方を見ると、先ほどまでの女性客と変わらない態度で対応してくれる。
変に意識してしまった自分の方が恥ずかしくなる。
【女性店員】
「彼女さんへ…ですか?」
俺が購入したチョコレートの詰め合わせを放送しに包みながら、女性店員が話しかけてきた。
【ハク】
「あ…はい」
【女性店員】
「じゃあ…サプライズですね。きっと喜ばれますよ!」
にっこりとした笑顔を見せた女性店員は、包装の終わった箱を袋に詰め俺に手渡す。
【ハク】
「ありがとうございます」
俺は店員に軽く会釈をすると、デパートを出て家へ帰ることにした。
デパートからの帰り道、ふと高校時代の黒木の事を思い出す。
そういえば高校時代の黒木も今と変わらずイケメンで…
要領が良かった分、他クラスや上級生、下級生にも人気があった。
もちろんバレンタインデー当日ともなると下駄箱や机の中。
教室まで直接渡しに来る女子もいたぐらいだ。
当時…俺がちょっと憧れていた女生徒も黒木の事が好きだったらしく、
当日に黒木に渡してくれとチョコを託されたっけ…。
黒木は黒木で、俺がその子の事を気になっている事を知っていたからなのか、
その場でそのチョコを2人で食べたっけか。
今となってはもう、淡い思い出でしかないけれど。
そんな昔の話を思い出しながら俺は黒木の家のマンションの入り口まで帰ってきた。
いつものように入口の扉を開けるために鍵を鍵穴に鍵を入れ、ドアを開けようと鍵をポケットから取り出した時だった。
【???】
「ハクさんですね…」
後ろから見知らぬ声の主に声を掛けられる。
俺は不用心に振りかえってその時だった。
相手は俺が振り返るよりも早く頭に黒いビニールのようなものを被せてきた。
【ハク】
「!!!!!!」
俺はそれが何か分からず取り乱し、焦って息が荒くなる。
【ハク】
「うぁあああ!」
【ハク】
「何するんだよ!やめろ!!」
「兄貴ー!」
後ろから赤屋に声をかける大声が聞こえる。
振りかえるとそこには、赤屋の部下らしき水野の姿があった。
【水野】
「兄貴ー、もう腹減っちまって我慢できないっすよ…」
【赤屋】
「そうだな…無事にお前の唐揚げ弁当も手に入れたし…」
【水野】
「さっすが兄貴!兄貴の分の弁当は?」
【赤屋】
「おう、俺はこれで頼む…」
そう言って赤屋は棚にあっ海苔弁当を手に取り二つの弁当を水野に渡すと、そのままレジの方へと足を向けた。
【ハク】
「そっか…あの弁当アイツの為だったんだ…」
そう思うとなんだか少しムカムカする。
と言っても一度譲ったものを返せとは言えない俺は、そのままコンビニを後にした。
結局弁当を買いそびれた俺は、腹を満たせる場所を探してそのまま街をぶらつき、適当なオープンカフェを見つけて入る事にした。
テーブルに着くと、さっそくとばかりに店員が近づいてくる。
【店員】
「いらっしゃいませ」
俺は店員に差し出されたメニューを見て、すぐにサンドイッチとコーヒーを注文した。
店員はその場で注文を大声で他の店員に伝えると、そのまま席をはずした。
席に座りぼっーっと店の外を眺めているとテラス席が見える。
だがさすがにこの季節は利用者はいないようだ。
俺はそのまま視線を右の方へ向けると、長身が目立つ2人の男の姿が目に付いた。
2人ともすらりとしたスタイルで、さながらモデルに見える。
【ハク】
(モデル…さん…かな?)
【ハク】
(でも…一人はスーツだしな…)
気付くと俺は2人の会話に耳を傾けていた。
店のBGMもさほど大きくないし、その2人との距離も離れていないから、会話はほぼ聞こえる状態だ。
【桃島】
「緑川先輩ー今夜のバレンタインイベント、どれぐらいの人がくる感じなんですか?」
【緑川】
「あれ?桃島って去年のイベントって出勤してなかったんだっけ?」
【桃島】
「やだなぁ、先輩。意地悪なんだからー」
【桃島】
「俺が店に入ったのって、去年の5月ですよー?」
【ハク】
(ん?イベント?…店?一体何のことだ?)
俺はその会話から耳が離せなくなってしまった。
【緑川】
「あれ?そうだったっけ?俺の記憶違いか…」
【緑川】
「っていうかお前、存在感ありすぎんだよ」
そう言って笑いながら桃島と呼ばれた男に話しかける。
【桃島】
「先輩うちの店No.1だからなぁ。すげぇ数もらうんでしょうね」
傍で見ていても、桃島が憧れの目線で先輩を見ているのがわかる。
【緑川】
「そんなお前だって店トップ10に入ってるんだぞ?」
【緑川】
「それなりの数もらえんだろうに」
すると桃島は急にムスッとした表情になって、少しさびしそうな口調でこう言った。
【桃島】
「俺はいいんです…」
【桃島】
「それより先輩…」
【桃島】
「コレ俺からのチョコです。もらってくれますよね?」
桃島が懐からラッピングされた箱を取り出す所が見える。
それを渡された緑川は、ため息をつきながら言った。
【緑川】
「はぁ…お前は何を言ってるんだ…?」
【緑川】
「俺に気を使うんじゃなくてその分店に来る指名客に気を使えば、もっと売り上がるのに…」
【桃島】
「いいんですよ、俺は…。先輩のことが…」
【店員】
「お待たせいたしました」
2人の会話の間に入るようにして、店員が注文していたサンドイッチとコーヒーを持ってくる。
【ハク】
「あ、どうも…」
俺はそっけない返事をして商品を受け取りもう一度聞き耳を立てるが、2人はすでに帰り支度を始めたらしく、肝心な言葉を聞くことができなかった。
【ハク】
(あれってやっぱり…)
それはそんな事を考えていると、聞き耳を立ててる間には気にならなかった空腹が気になりだし、
サンドイッチとコーヒーで少し遅い昼食を取ることにした。
遅い昼食を終えて、俺はそのまま駅前のデパートを訪れた。
デパートの1階はいわゆるケーキやチョコレートなどの洋菓子を取り扱う店がが多いのだが、
その多くの店舗はバレンタインデー商戦の商品をこれ見よがしに宣伝している。
そんな女性でごった返している売り場をフラフラと歩いていると、一枚のポスターが目に入る。
【ハク】
(彼女への日頃の感謝をこめて…?)
良く見ると、そのポスターには女性にチョコレートを贈る男性の姿が描かれていた。
【ハク】
(そっか…感謝の気持ちをチョコであげるって手もあるのか…)
俺は最初からバレンタイン=女性が男性にチョコレートを贈る日と思いこんでいたが、
本来の意味は違うらしく、男女関係なく贈り物を恋人や親しい人に贈ることがある日というのが由来らしいのだ。
【ハク】
(じゃあ、俺が感謝の気持ちを表すために黒木に贈ってもいいのか…)
そうは言っても、バレンタインデー当日に男が女性にまぎれてチョコレートを買うのは少し恥ずかしい。
俺は、一番当たり障りのなさそうな、さっきのポスターが張っている店を選び、店員に話しかけた。
【ハク】
「すみません…そのチョコレート一箱もらえますか」
女性店員はにっこりした笑顔で俺の方を見ると、先ほどまでの女性客と変わらない態度で対応してくれる。
変に意識してしまった自分の方が恥ずかしくなる。
【女性店員】
「彼女さんへ…ですか?」
俺が購入したチョコレートの詰め合わせを放送しに包みながら、女性店員が話しかけてきた。
【ハク】
「あ…はい」
【女性店員】
「じゃあ…サプライズですね。きっと喜ばれますよ!」
にっこりとした笑顔を見せた女性店員は、包装の終わった箱を袋に詰め俺に手渡す。
【ハク】
「ありがとうございます」
俺は店員に軽く会釈をすると、デパートを出て家へ帰ることにした。
デパートからの帰り道、ふと高校時代の黒木の事を思い出す。
そういえば高校時代の黒木も今と変わらずイケメンで…
要領が良かった分、他クラスや上級生、下級生にも人気があった。
もちろんバレンタインデー当日ともなると下駄箱や机の中。
教室まで直接渡しに来る女子もいたぐらいだ。
当時…俺がちょっと憧れていた女生徒も黒木の事が好きだったらしく、
当日に黒木に渡してくれとチョコを託されたっけ…。
黒木は黒木で、俺がその子の事を気になっている事を知っていたからなのか、
その場でそのチョコを2人で食べたっけか。
今となってはもう、淡い思い出でしかないけれど。
そんな昔の話を思い出しながら俺は黒木の家のマンションの入り口まで帰ってきた。
いつものように入口の扉を開けるために鍵を鍵穴に鍵を入れ、ドアを開けようと鍵をポケットから取り出した時だった。
【???】
「ハクさんですね…」
後ろから見知らぬ声の主に声を掛けられる。
俺は不用心に振りかえってその時だった。
相手は俺が振り返るよりも早く頭に黒いビニールのようなものを被せてきた。
【ハク】
「!!!!!!」
俺はそれが何か分からず取り乱し、焦って息が荒くなる。
【ハク】
「うぁあああ!」
【ハク】
「何するんだよ!やめろ!!」
