[期間限定イベント"2人のバレンタインmini"] 銀 夏生 編
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今日は2月14日。
2月14日のイベントといえば、誰もが知っているバレンタインデーである。
と言っても普通の社会人だったらそんなものは関係なく、仕事があるわけで…
例にも漏れず俺も、変わらずナツの会社で仕事をしていたりする。
だが、そこはやっぱりイベントだけあって、朝から社内はソワソワした雰囲気に包まれていた。
【ハク】
(前の会社でもそうだったけど、やっぱりこういう雰囲気になるよな…)
俺だって今までチョコレートをもらったことが無い訳ではない。
中高生の時には女の子から何度かチョコレートをもらったこともある。
ただ、自分が気になる相手からもらったことはなかったわけだけど…。
高校時代、俺とは反対にナツは、数多くのチョコレートをもらっていたのを思い出す。
まぁスポーツ万能、成績優秀の生徒会長で、顔もカッコいいからモテないわけもなく、
俺の記憶がたしかだとしたら、2年間だけでもかなりの数のチョコレートをもらっていたはずだ。
【ハク】
(そのチョコのおこぼれを喜んでもらって食べてわけだけど…)
そんな事を思っていた午前中、社長席に座っていたナツが咳をし、俺に話しかけてきた。
【銀】
「ハク…君。今日の外出用の資料はもう完成しているのか」
【ハク】
「あ…はい。もうほとんど終わってメールで送付済みです」
【銀】
「…よろしい。あと例の件頼むな…」
【ハク】
「はい、承知致しました」
俺は半信半疑で昨日家でナツ言われたことを思い出していた。
【銀】
「明日は2月14日か………ふぅ…」
何か思いつめたようにナツが呟く。
珍しい。
基本的にはポジティブシンキングのナツがこんな風にため息をつくなんて。
【ハク】
「バレンタインデーがどうかしたの?」
【銀】
「そのバレンタインデーが問題なんだ」
俺は首をかしげてナツを見ると、頭を抱えて悩んでいるのがわかる。
その姿を見て俺は、なんとなくナツの悩みがわかった気がした。
【ハク】
「わかった! もらったチョコの食べ過ぎでおなかを壊す…とか?」
その答えを聞いたナツが呆れた顔で俺を見て言う。
【銀】
「だったら食べなければいいだろうに…」
【ハク】
(そりゃそーだけどさ……)
【銀】
「そんなくだらない理由で俺が落ち込むと思うのか?」
【ハク】
「じゃあ一体何があるっていうのさ?」
腑に落ちない感じで、俺は逆にナツに訪ねる。
【銀】
「女性社員…特に若い女性社員の対応にな…」
ナツに憧れている女性社員は多い。
特に独身の女性社員の半数近くは、ナツに対して憧れを思っているのは、恋愛に鈍い俺でも気付いていた。
普段のナツならそんなことを気にはしないらしいが、バレンタインデーは勝手が異なるらしい。
社内を歩くだけで気軽に『社長!』と声をかけられては、チョコを渡される。
【ハク】
「別にそれぐらいいいじゃないか」
俺は大した事ないつもりでそう言ったが、ナツは恨めしい顔をして俺の顔を睨む。
【銀】
「それが1つ2つだったらわかるが、何十回と繰り返されてみろ…」
【銀】
「それだけで貴重な時間が何分失われると思ってるんだ」
まぁ、そう言われてみればそうだが…。
【ハク】
(でも、チョコを渡すってことは…)
【ハク】
(少なからず好意を持っているってことなんだけどな)
俺はそんな事を思いながら、ナツの話を聞く。
ちなみに去年まではどうしていたかと言うと、一人一人受け取り愛想笑いを振りまいていたらしい。
それがどうもナツには苦痛でしょうがないらしい。
【ハク】
「じゃあ、全部受け取りを拒否するか誰かに受け取ってもらえば…?」
【銀】
「それができたら…どんなに苦労しないか……まて!」
ニヤリとナツがうすら笑いを浮かべる。
【銀】
「…いい事を思いついた」
【ハク】
(!!!!!)
――――嫌な予感がする。
自分で提案しておきながら、この状況を察知できなかった自分が恨めしい。
【銀】
「幸いにも俺にはハクという、優秀な秘書がいるしな」
【銀】
「喜べハク」
【銀】
「明日は特別任務をやろう」
【ハク】
(…ま……まさか…)
【銀】
「そうだ、ハクには明日1日、俺の代わりにチョコの受け取り係を命じる」
【ハク】
「ええー!」
【銀】
「口答えは許さん。これは命令だ」
【ハク】
(………やっぱりそうなったか…)
という具合に、チョコの受け取り役をしなくてはならなくなってしまったのだった。
【銀】
「書類、ありがとう。確認した」
【銀】
「じゃあこれを持って俺は外出して、夕方には戻れると思うから、後のことはまかせたぞ」
【ハク】
「はい…」
【銀】
「なんだ、あまり気乗りしていないな」
【ハク】
(そりゃそうでしょうに…)
【銀】
「たのんだぞ、ハク君」
内心ではめんどくさいと思ってはいたが、俺はナツの秘書という立場上、この命令を無視することはできなかった。
ナツが出かけるタイミングで、その場で見送ろうとしていた俺だったが、ちょいちょいと手招きされる。
【銀】
「チョコレートの回収が発生すると思うからな、駐車場までつきあえ」
【ハク】
「は…はい」
そう言って社長室を出て、エレベータに向かおうとした時だった。
廊下の柱の影から若い女性社員が3人現れ、ナツに近づいて声をかけてくる。
【女性社員1】
「銀社長。お出かけですか?」
【銀】
「ああ、ちょっと外出だ」
【女性社員2】
「じゃあこのバレンタインのチョコレート受け取ってもらえないんですかぁ?」
【銀】
「さすがにコレを持って外出はできないだろ」
【女性社員3】
「ええー!」
【銀】
「安心しろ、今年から俺へのチョコは、秘書のハク君が代わりに受け取ってくれる」
【銀】
「そうだろ?ハク君」
【ハク】
「…あ、はい。社長へのチョコレートは全て私が受け取らせて頂き、管理させて頂きます」
2月14日のイベントといえば、誰もが知っているバレンタインデーである。
と言っても普通の社会人だったらそんなものは関係なく、仕事があるわけで…
例にも漏れず俺も、変わらずナツの会社で仕事をしていたりする。
だが、そこはやっぱりイベントだけあって、朝から社内はソワソワした雰囲気に包まれていた。
【ハク】
(前の会社でもそうだったけど、やっぱりこういう雰囲気になるよな…)
俺だって今までチョコレートをもらったことが無い訳ではない。
中高生の時には女の子から何度かチョコレートをもらったこともある。
ただ、自分が気になる相手からもらったことはなかったわけだけど…。
高校時代、俺とは反対にナツは、数多くのチョコレートをもらっていたのを思い出す。
まぁスポーツ万能、成績優秀の生徒会長で、顔もカッコいいからモテないわけもなく、
俺の記憶がたしかだとしたら、2年間だけでもかなりの数のチョコレートをもらっていたはずだ。
【ハク】
(そのチョコのおこぼれを喜んでもらって食べてわけだけど…)
そんな事を思っていた午前中、社長席に座っていたナツが咳をし、俺に話しかけてきた。
【銀】
「ハク…君。今日の外出用の資料はもう完成しているのか」
【ハク】
「あ…はい。もうほとんど終わってメールで送付済みです」
【銀】
「…よろしい。あと例の件頼むな…」
【ハク】
「はい、承知致しました」
俺は半信半疑で昨日家でナツ言われたことを思い出していた。
【銀】
「明日は2月14日か………ふぅ…」
何か思いつめたようにナツが呟く。
珍しい。
基本的にはポジティブシンキングのナツがこんな風にため息をつくなんて。
【ハク】
「バレンタインデーがどうかしたの?」
【銀】
「そのバレンタインデーが問題なんだ」
俺は首をかしげてナツを見ると、頭を抱えて悩んでいるのがわかる。
その姿を見て俺は、なんとなくナツの悩みがわかった気がした。
【ハク】
「わかった! もらったチョコの食べ過ぎでおなかを壊す…とか?」
その答えを聞いたナツが呆れた顔で俺を見て言う。
【銀】
「だったら食べなければいいだろうに…」
【ハク】
(そりゃそーだけどさ……)
【銀】
「そんなくだらない理由で俺が落ち込むと思うのか?」
【ハク】
「じゃあ一体何があるっていうのさ?」
腑に落ちない感じで、俺は逆にナツに訪ねる。
【銀】
「女性社員…特に若い女性社員の対応にな…」
ナツに憧れている女性社員は多い。
特に独身の女性社員の半数近くは、ナツに対して憧れを思っているのは、恋愛に鈍い俺でも気付いていた。
普段のナツならそんなことを気にはしないらしいが、バレンタインデーは勝手が異なるらしい。
社内を歩くだけで気軽に『社長!』と声をかけられては、チョコを渡される。
【ハク】
「別にそれぐらいいいじゃないか」
俺は大した事ないつもりでそう言ったが、ナツは恨めしい顔をして俺の顔を睨む。
【銀】
「それが1つ2つだったらわかるが、何十回と繰り返されてみろ…」
【銀】
「それだけで貴重な時間が何分失われると思ってるんだ」
まぁ、そう言われてみればそうだが…。
【ハク】
(でも、チョコを渡すってことは…)
【ハク】
(少なからず好意を持っているってことなんだけどな)
俺はそんな事を思いながら、ナツの話を聞く。
ちなみに去年まではどうしていたかと言うと、一人一人受け取り愛想笑いを振りまいていたらしい。
それがどうもナツには苦痛でしょうがないらしい。
【ハク】
「じゃあ、全部受け取りを拒否するか誰かに受け取ってもらえば…?」
【銀】
「それができたら…どんなに苦労しないか……まて!」
ニヤリとナツがうすら笑いを浮かべる。
【銀】
「…いい事を思いついた」
【ハク】
(!!!!!)
――――嫌な予感がする。
自分で提案しておきながら、この状況を察知できなかった自分が恨めしい。
【銀】
「幸いにも俺にはハクという、優秀な秘書がいるしな」
【銀】
「喜べハク」
【銀】
「明日は特別任務をやろう」
【ハク】
(…ま……まさか…)
【銀】
「そうだ、ハクには明日1日、俺の代わりにチョコの受け取り係を命じる」
【ハク】
「ええー!」
【銀】
「口答えは許さん。これは命令だ」
【ハク】
(………やっぱりそうなったか…)
という具合に、チョコの受け取り役をしなくてはならなくなってしまったのだった。
【銀】
「書類、ありがとう。確認した」
【銀】
「じゃあこれを持って俺は外出して、夕方には戻れると思うから、後のことはまかせたぞ」
【ハク】
「はい…」
【銀】
「なんだ、あまり気乗りしていないな」
【ハク】
(そりゃそうでしょうに…)
【銀】
「たのんだぞ、ハク君」
内心ではめんどくさいと思ってはいたが、俺はナツの秘書という立場上、この命令を無視することはできなかった。
ナツが出かけるタイミングで、その場で見送ろうとしていた俺だったが、ちょいちょいと手招きされる。
【銀】
「チョコレートの回収が発生すると思うからな、駐車場までつきあえ」
【ハク】
「は…はい」
そう言って社長室を出て、エレベータに向かおうとした時だった。
廊下の柱の影から若い女性社員が3人現れ、ナツに近づいて声をかけてくる。
【女性社員1】
「銀社長。お出かけですか?」
【銀】
「ああ、ちょっと外出だ」
【女性社員2】
「じゃあこのバレンタインのチョコレート受け取ってもらえないんですかぁ?」
【銀】
「さすがにコレを持って外出はできないだろ」
【女性社員3】
「ええー!」
【銀】
「安心しろ、今年から俺へのチョコは、秘書のハク君が代わりに受け取ってくれる」
【銀】
「そうだろ?ハク君」
【ハク】
「…あ、はい。社長へのチョコレートは全て私が受け取らせて頂き、管理させて頂きます」
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