[期間限定イベント"ハロウィンナイト"] 赤屋 竜次 編
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【ハク】
「……うわっ」
【男】
「か、金を出せっ!こいつがどうなってもいいのか!!」
レジの前で突っ立っていた俺は、いつのまにか男に肩を掴まれ包丁を突きつけられていた……。
【店員】
「ひいいいい!強盗ううううう!!」
店内に店員の悲鳴が響き渡る。
なんと、ジャックオーランタンはハロウィンの仮装パレードに紛れた強盗だったのだ。
【ハク】
(俺、どうなっちゃうんだろう……)
【赤屋】
「……なぁ、ハクの奴遅くねぇか?」
【水野】
「そう言えばそうっすね。ハクさん、すぐ戻って来るって言ってたのに」
赤屋と水野は道の端でハクのことを待っていた。
ハクはハロウィンパレードの途中で飲み物を買ってくるとコンビニに行ったきり、なかなか帰って来ない。
そのハクから『二人は仮装が本格的すぎて怖いから外で待っていろ』と言われて、二人して大人しく待っていたのだ。
【水野】
「……なんかあったんスかね」
【赤屋】
「なんか、ってなんだよ」
【水野】
「例えば、ガラの悪い奴に絡まれたりとか……ハクさんてそういうのに巻き込まれること多いじゃないスか」
【赤屋】
「…………」
【水野】
「って、例えばの話っす!アニキ、そんな睨まないで下さいよ!」
水野の言葉に、赤屋は険しい顔で黙り込む。
そして、一瞬の間を置いて歩き出した。
【赤屋】
「……俺らもコンビニに行くぞ、ヤス」
【水野】
「あ、アニキ待って下さいよ~!」
ほどなく、二人はコンビニの前に辿り着く。
道路に面したガラス越しに店内をうかがうと、でかいカボチャを被った人物の姿が見える。
【水野】
「あれ?コンビニでもハロウィンのイベントか何かやってるんスかね?」
【赤屋】
「いや……見てみろ、アイツの手元」
【水野】
「ゲッ、包丁……!?」
呑気な水野の言葉に、赤屋は首を振った。
そして男の手元に目をやると、そこには包丁が握られており、その刃先は男の隣に立っているハクに向いている。
【水野】
「うわ、やっぱりハクさんが……」
【水野】
「どうします?アニキ」
【赤屋】
「……決まってんだろ、行くぞ、ヤス!」
【ハク】
(一体、どうしてこんなことになったんだろう……)
現在俺はコンビニで、ジャックオーランタンの被り物をした強盗に包丁を突きつけられている。
指が食い込むほどに掴まれている肩が痛い。
【ハク】
(俺はコンビニに飲み物を買いに来て、レジに置いたところでジャックオーランタンが入ってきて……)
【ハク】
(実は強盗だったジャックオーランタンに人質にされている……なんだよ、この状況は)
【ハク】
(しかし……割と落ち着いてるな、俺)
今の状況を整理してみると、意外に冷静な自分に気付く。
近ごろ修羅場に遭遇しすぎて、もう慣れっこになりつつあるのかもしれない。
【ハク】
「あの……ちょっと、落ち着きませんか?」
【店員】
「そ、そうだ!バカなことはやめて……」
とりあえず、俺は今まさに包丁を突き付けている張本人に話しかけてみた。
コンビニの店員もそれに同調する。
【男】
「黙れ!俺は金が必要なんだ!さっさと金を寄越せ!!」
【店員】
「ひいいいい」
しかし男は聞く耳を持たない。
男が包丁を向けて凄むと、店員はまた悲鳴をあげる。
【ハク】
「でも、こんなところで強盗をしたってすぐに警察に捕まっちゃいますよ。日本の警察って優秀だし」
【店員】
「その通りです。いいから、包丁を下ろして……」
【男】
「うるさい!!」
【男】
「俺は……俺は……」
男は包丁を下ろすそぶりは見せなかったが、少し語気が弱まる。
そして、何やら身の上話を始めた。
【男】
「俺はずっと不幸だった……大学受験に失敗して……」
【男】
「二浪して入った第三志望の大学でも友達もできないし、人生のどん底……そのうえ……っ!」
【男】
「とにかく!これぐらいしないと気がおさまらないんだよ!!」
男はジャックオーランタンを被ったまま絶叫する。
だが俺は、男の勝手な言い分にいい加減腹が立ってきていた……。
【ハク】
「そのぐらいで……」
【男】
「は?」
【ハク】
「その程度で強盗なんてしてるのかよ!」
【男】
「なっ……」
【ハク】
「俺なんて……横領の罪を着せられて会社をクビになった上に、その直後に今度は住んでたアパートが火事で全焼したんだぞ!?」
【ハク】
「自分が世界で一番不幸みたいなこと言ってんなよ!!」
つい、包丁を突きつける強盗相手に怒鳴ってしまった……。
【男】「そんな……俺より不幸なやつがいるなんて……」
しかし男は俺に同情したかのように、包丁を持っていた手を下ろす。
俺の肩を掴んでいた手からも力が抜けた。
そのとき……。
【赤屋】
「そこまでだ!!」
【水野】
「ハクさん、大丈夫っすか!?」
ジャックオーランタンの姿をした強盗が力を緩めたそのとき、コンビニのドアが開く。
入ってきたのはリュウと水野さんの二人だ。
【ハク】
「リュウ、水野さん……!」
【男】
「なんだ、お前らは!?」
【店員】
「ひいい、今度はオバケ……!?」
それぞれ気合の入ったゾンビとドラキュラの仮装をした二人の登場に、店員がまたもや悲鳴をあげる。
だがすぐにハロウィンの仮装だと気付いたようで、静かになった。
【赤屋】
「テメエ……」
【男】
「…………」
包丁を持った男とリュウが睨み合う。
【ハク】
(それにしても、すごい光景だ)
「……うわっ」
【男】
「か、金を出せっ!こいつがどうなってもいいのか!!」
レジの前で突っ立っていた俺は、いつのまにか男に肩を掴まれ包丁を突きつけられていた……。
【店員】
「ひいいいい!強盗ううううう!!」
店内に店員の悲鳴が響き渡る。
なんと、ジャックオーランタンはハロウィンの仮装パレードに紛れた強盗だったのだ。
【ハク】
(俺、どうなっちゃうんだろう……)
【赤屋】
「……なぁ、ハクの奴遅くねぇか?」
【水野】
「そう言えばそうっすね。ハクさん、すぐ戻って来るって言ってたのに」
赤屋と水野は道の端でハクのことを待っていた。
ハクはハロウィンパレードの途中で飲み物を買ってくるとコンビニに行ったきり、なかなか帰って来ない。
そのハクから『二人は仮装が本格的すぎて怖いから外で待っていろ』と言われて、二人して大人しく待っていたのだ。
【水野】
「……なんかあったんスかね」
【赤屋】
「なんか、ってなんだよ」
【水野】
「例えば、ガラの悪い奴に絡まれたりとか……ハクさんてそういうのに巻き込まれること多いじゃないスか」
【赤屋】
「…………」
【水野】
「って、例えばの話っす!アニキ、そんな睨まないで下さいよ!」
水野の言葉に、赤屋は険しい顔で黙り込む。
そして、一瞬の間を置いて歩き出した。
【赤屋】
「……俺らもコンビニに行くぞ、ヤス」
【水野】
「あ、アニキ待って下さいよ~!」
ほどなく、二人はコンビニの前に辿り着く。
道路に面したガラス越しに店内をうかがうと、でかいカボチャを被った人物の姿が見える。
【水野】
「あれ?コンビニでもハロウィンのイベントか何かやってるんスかね?」
【赤屋】
「いや……見てみろ、アイツの手元」
【水野】
「ゲッ、包丁……!?」
呑気な水野の言葉に、赤屋は首を振った。
そして男の手元に目をやると、そこには包丁が握られており、その刃先は男の隣に立っているハクに向いている。
【水野】
「うわ、やっぱりハクさんが……」
【水野】
「どうします?アニキ」
【赤屋】
「……決まってんだろ、行くぞ、ヤス!」
【ハク】
(一体、どうしてこんなことになったんだろう……)
現在俺はコンビニで、ジャックオーランタンの被り物をした強盗に包丁を突きつけられている。
指が食い込むほどに掴まれている肩が痛い。
【ハク】
(俺はコンビニに飲み物を買いに来て、レジに置いたところでジャックオーランタンが入ってきて……)
【ハク】
(実は強盗だったジャックオーランタンに人質にされている……なんだよ、この状況は)
【ハク】
(しかし……割と落ち着いてるな、俺)
今の状況を整理してみると、意外に冷静な自分に気付く。
近ごろ修羅場に遭遇しすぎて、もう慣れっこになりつつあるのかもしれない。
【ハク】
「あの……ちょっと、落ち着きませんか?」
【店員】
「そ、そうだ!バカなことはやめて……」
とりあえず、俺は今まさに包丁を突き付けている張本人に話しかけてみた。
コンビニの店員もそれに同調する。
【男】
「黙れ!俺は金が必要なんだ!さっさと金を寄越せ!!」
【店員】
「ひいいいい」
しかし男は聞く耳を持たない。
男が包丁を向けて凄むと、店員はまた悲鳴をあげる。
【ハク】
「でも、こんなところで強盗をしたってすぐに警察に捕まっちゃいますよ。日本の警察って優秀だし」
【店員】
「その通りです。いいから、包丁を下ろして……」
【男】
「うるさい!!」
【男】
「俺は……俺は……」
男は包丁を下ろすそぶりは見せなかったが、少し語気が弱まる。
そして、何やら身の上話を始めた。
【男】
「俺はずっと不幸だった……大学受験に失敗して……」
【男】
「二浪して入った第三志望の大学でも友達もできないし、人生のどん底……そのうえ……っ!」
【男】
「とにかく!これぐらいしないと気がおさまらないんだよ!!」
男はジャックオーランタンを被ったまま絶叫する。
だが俺は、男の勝手な言い分にいい加減腹が立ってきていた……。
【ハク】
「そのぐらいで……」
【男】
「は?」
【ハク】
「その程度で強盗なんてしてるのかよ!」
【男】
「なっ……」
【ハク】
「俺なんて……横領の罪を着せられて会社をクビになった上に、その直後に今度は住んでたアパートが火事で全焼したんだぞ!?」
【ハク】
「自分が世界で一番不幸みたいなこと言ってんなよ!!」
つい、包丁を突きつける強盗相手に怒鳴ってしまった……。
【男】「そんな……俺より不幸なやつがいるなんて……」
しかし男は俺に同情したかのように、包丁を持っていた手を下ろす。
俺の肩を掴んでいた手からも力が抜けた。
そのとき……。
【赤屋】
「そこまでだ!!」
【水野】
「ハクさん、大丈夫っすか!?」
ジャックオーランタンの姿をした強盗が力を緩めたそのとき、コンビニのドアが開く。
入ってきたのはリュウと水野さんの二人だ。
【ハク】
「リュウ、水野さん……!」
【男】
「なんだ、お前らは!?」
【店員】
「ひいい、今度はオバケ……!?」
それぞれ気合の入ったゾンビとドラキュラの仮装をした二人の登場に、店員がまたもや悲鳴をあげる。
だがすぐにハロウィンの仮装だと気付いたようで、静かになった。
【赤屋】
「テメエ……」
【男】
「…………」
包丁を持った男とリュウが睨み合う。
【ハク】
(それにしても、すごい光景だ)