[本編] 緑川 彰一 編
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いくらなんでも高すぎる。
それに、ナンバー1ホストとはいえ……緑川さんだってそこまでの金額、支払えないだろう。
【緑川】
「1億……」
【香月】
「払う意思はあるのか?」
【緑川】
「5000万」
【香月】
「値切ろうってのか?」
【緑川】
「5000万なら払える。でもそれ以上は……無理だ」
【香月】
「はぁ? そんなこと言える立場かよ」
【緑川】
「俺にだって考えがある」
【緑川】
「それに、他にその写真で金を捻出できる手段でもあるのか?」
【緑川】
「欲張るよりは確実な金を取る方が賢明だと思うけどな」
【香月】
「緑川のおぼっちゃまはそこまでして守らねぇとってワケか。ハハッ、面白い」
【緑川】
「……」
【香月】
「水野、取ってやれ」
【水野】
「はいっ」
うしろで見張っていた水野が言われた通り、緑川さんの手錠を外す。
【香月】
「のちほど請求書送らせてもらいまァーす」
厭味ったらしく香月はそう言い、緑川さんの頭に写真を破いて振りかけ、倉庫裏を離れていった。
【ハク】
「緑川さん!」
香月たちがいなくなってようやく俺は緑川さんのもとに駆け寄った。
【ハク】
「大丈夫ですか?」
【緑川】
「……ユキ……」
緑川さんは動かなかった。
けれど、俺は彼の異常に気付く。
【ハク】
(緑川さん……!)
凛としている様子だったけれど、よく見ると緑川さんの手が震えていた。
【緑川】
「ユキ……」
【緑川】
「大丈夫、心配いらないよ」
【ハク】
(こんな時まで、我慢しなくていいのに……!)
こんな時でさえ強くあろうとする緑川さんに感極まってしまい、俺は緑川さんに抱きついた。
……そのとき。
―――カシャ!
シャッター音が真っ暗な倉庫裏に響いた。
【ハク】
「なっ!?」
振り返るとそこにいたのは……先ほどここを離れたはずの、水野だった。
【水野】
「やー、ホストなあげく男好きですか」
【水野】
「いい写真がとれた」
人の悪い笑みというのはここまで嫌悪をもよおさせるものかと実感する。
【ハク】
「お前っ……!」
【水野】
「安心してください、香月さんには渡しませんよ」
【水野】
「このヤバい写真は俺の」
【ハク】
「どうするつもりだ、それ!」
【水野】
「決まってるじゃないですか、緑川さんに買ってもらうんですよ」
【緑川】
「……!」
【水野】
「実家にバレたくないんでしょ?」
【ハク】
「いいかげんにしろ!」
【水野】
「……ま、この取引はおいおい」
【水野】
「俺、ここにケータイ落としたことになってるんで早く戻らないと怒られるし」
そう言って地面に置きっぱなしになっていたケータイを拾い上げる水野。
……これは……どういうつもりかわからないけれど……水野にも嵌められたのかもしれない……。
【水野】
「じゃーね、緑川さん」
【水野】
「『またね』」
【緑川】
「……!」
水野はそう言って去って行った。
緑川さんの顔には、暗い影が落ちていた。
【ハク】
「緑川さんっ……!」
【緑川】
「……」
【緑川】
「とりあえずマンションに戻ろう」
【ハク】
「でもっ……」
動揺する俺をタクシーに乗せ、ひとまずマンションに戻ることになった―――。
続く…
それに、ナンバー1ホストとはいえ……緑川さんだってそこまでの金額、支払えないだろう。
【緑川】
「1億……」
【香月】
「払う意思はあるのか?」
【緑川】
「5000万」
【香月】
「値切ろうってのか?」
【緑川】
「5000万なら払える。でもそれ以上は……無理だ」
【香月】
「はぁ? そんなこと言える立場かよ」
【緑川】
「俺にだって考えがある」
【緑川】
「それに、他にその写真で金を捻出できる手段でもあるのか?」
【緑川】
「欲張るよりは確実な金を取る方が賢明だと思うけどな」
【香月】
「緑川のおぼっちゃまはそこまでして守らねぇとってワケか。ハハッ、面白い」
【緑川】
「……」
【香月】
「水野、取ってやれ」
【水野】
「はいっ」
うしろで見張っていた水野が言われた通り、緑川さんの手錠を外す。
【香月】
「のちほど請求書送らせてもらいまァーす」
厭味ったらしく香月はそう言い、緑川さんの頭に写真を破いて振りかけ、倉庫裏を離れていった。
【ハク】
「緑川さん!」
香月たちがいなくなってようやく俺は緑川さんのもとに駆け寄った。
【ハク】
「大丈夫ですか?」
【緑川】
「……ユキ……」
緑川さんは動かなかった。
けれど、俺は彼の異常に気付く。
【ハク】
(緑川さん……!)
凛としている様子だったけれど、よく見ると緑川さんの手が震えていた。
【緑川】
「ユキ……」
【緑川】
「大丈夫、心配いらないよ」
【ハク】
(こんな時まで、我慢しなくていいのに……!)
こんな時でさえ強くあろうとする緑川さんに感極まってしまい、俺は緑川さんに抱きついた。
……そのとき。
―――カシャ!
シャッター音が真っ暗な倉庫裏に響いた。
【ハク】
「なっ!?」
振り返るとそこにいたのは……先ほどここを離れたはずの、水野だった。
【水野】
「やー、ホストなあげく男好きですか」
【水野】
「いい写真がとれた」
人の悪い笑みというのはここまで嫌悪をもよおさせるものかと実感する。
【ハク】
「お前っ……!」
【水野】
「安心してください、香月さんには渡しませんよ」
【水野】
「このヤバい写真は俺の」
【ハク】
「どうするつもりだ、それ!」
【水野】
「決まってるじゃないですか、緑川さんに買ってもらうんですよ」
【緑川】
「……!」
【水野】
「実家にバレたくないんでしょ?」
【ハク】
「いいかげんにしろ!」
【水野】
「……ま、この取引はおいおい」
【水野】
「俺、ここにケータイ落としたことになってるんで早く戻らないと怒られるし」
そう言って地面に置きっぱなしになっていたケータイを拾い上げる水野。
……これは……どういうつもりかわからないけれど……水野にも嵌められたのかもしれない……。
【水野】
「じゃーね、緑川さん」
【水野】
「『またね』」
【緑川】
「……!」
水野はそう言って去って行った。
緑川さんの顔には、暗い影が落ちていた。
【ハク】
「緑川さんっ……!」
【緑川】
「……」
【緑川】
「とりあえずマンションに戻ろう」
【ハク】
「でもっ……」
動揺する俺をタクシーに乗せ、ひとまずマンションに戻ることになった―――。
続く…
