[本編] 緑川 彰一 編
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【緑川】
「大丈夫? ユキ……モモも」
【桃島】
「……大丈夫です……」
桃島さんは視線も合わせないまま、緑川さんの質問にぶっきらぼうに答えた。
【ハク】
「俺も大丈夫です」
そう答えた俺の瞳を、緑川さんが確認するようにじっと見つめた。
【緑川】
「……なら良かった」
それだけ言って、緑川さんも控え室の方に行ってしまった。
―――その場に俺と桃島さん、ふたりだけが取り残される。
【桃島】
「……なんで俺のこと庇うんだよ」
【ハク】
「桃島さんは今の件で完全に被害者じゃないですか。……脅されて、強請られて」
【桃島】
「だからって俺のこと助ける必要ないだろ」
【ハク】
「見過ごせなかった」
二人の間に、少しの沈黙が訪れる。
【ハク】
「俺は……」
【ハク】
「俺は、あの人たちの味方をする気はないです」
【ハク】
「俺にとってはあの人たちも桃島さんも同じように先輩のホストで」
【ハク】
「でも、悪い方に協力する意味がありません」
【ハク】
「それに……昨日のことだって、俺はひどい怪我もしてないし……」
【ハク】
「桃島さんに対して怒ったりとか、してないですから」
【桃島】
「ユキ……」
一息にそう言い切った俺に、桃島さんは驚いていた。
【ハク】
「あの写真がお客さんの手に渡ったらちゃんと弁明しますから」
【桃島】
「……ハハッ」
【ハク】
「……桃島さん?」
【桃島】
「……あんたの性格には恐れ入るよ」
【ハク】
「そうですか?」
【桃島】
「昨日の今日でそう言えるヤツ……なかなかいない」
【ハク】
「そうでしょうか……」
【桃島】
「……」
急に黙り込む桃島さんは、何かを考えこんでいるようだ。
【ハク】
「……どうかしましたか?」
【桃島】
「……いや……俺がアンタみたいなヤツだったら……」
【桃島】
「緑川さんの本音、見せてもらえたかもって」
【ハク】
「緑川さんの本音……?」
【桃島】
「や、こっちの話」
【桃島】
「とにかく助けてくれてありがと。それから……」
【桃島】
「昨日はごめん、悪かった」
【桃島】
「ただの八つ当たりだった」
【ハク】
「いえ……俺はそんな、本当にただ緑川さんのお部屋に居候してるだけですから」
【桃島】
「でも緑川さんが誰かを部屋に入れてるとこ……」
【桃島】
「俺はこの店に来てから初めて見た」
【ハク】
「そうなんですか……?」
【桃島】
「アンタなら……いや……」
【桃島】
「とにかく謝る。……これからは、変なことしない。ちゃんと先輩として接するから」
【ハク】
「ありがとうございます」
【桃島】
「……よろしく」
【ハク】
「はい、こちらこそ!」
―――こうして、俺と桃島さんの関係は
『正常化』への一歩を踏み出すことになった―――。
―――数日後。
俺はだいぶホストの仕事にも慣れて、初めての給料ももらうことができた。
新人でまだまだ覚えることがいっぱいの立場だが……。
【ハク】
(これなら脱居候も早いうちにできそうだな)
そんなことを考えながらうきうき仕事に励んでいた、そんなさなかだった。
ドカッ! と―――誰かがドアを足蹴にして店に入ってきた。
うちの店に来る客でこんなマナーの悪い人はいない。
そもそも女の子にそんな力があるわけもない。
乱暴な音のせいで、一気に店内に緊張が走った。
【香月】
「緑川はいるか」
【桃島】
「……!」
【桃島】
「香月っ……!?」
【ハク】
(誰だこの人っ……!)
明らかにカタギではない、そのスジの者だとわかる格好。
【ハク】
「お客様はあちらへ!」
慌ててホストたちは奥の大部屋にお客さんたちを案内する。
【香月】
「べぇーつに客になんか手出さねぇよ」
【香月】
「そんなことしたって面白くもなんともねぇ」
【香月】
「……な?」
【桃島】
「っ……!」
香月というらしいその男は桃島さんに意味ありげな視線を送る。
【香月】
「……ま、俺がここに来たのは完全なる八つ当たりなんだけど」
【香月】
「おい、緑川!」
香月さんが大声を上げると、奥から緑川さんが神妙な面持ちで出てきた。
【緑川】
「……迷惑なんだけども」
【香月】
「迷惑かけにきてやってんだよ」
【緑川】
「どうして」
【香月】
「お前、緑川って『緑川商事』の緑川だろう?」
「大丈夫? ユキ……モモも」
【桃島】
「……大丈夫です……」
桃島さんは視線も合わせないまま、緑川さんの質問にぶっきらぼうに答えた。
【ハク】
「俺も大丈夫です」
そう答えた俺の瞳を、緑川さんが確認するようにじっと見つめた。
【緑川】
「……なら良かった」
それだけ言って、緑川さんも控え室の方に行ってしまった。
―――その場に俺と桃島さん、ふたりだけが取り残される。
【桃島】
「……なんで俺のこと庇うんだよ」
【ハク】
「桃島さんは今の件で完全に被害者じゃないですか。……脅されて、強請られて」
【桃島】
「だからって俺のこと助ける必要ないだろ」
【ハク】
「見過ごせなかった」
二人の間に、少しの沈黙が訪れる。
【ハク】
「俺は……」
【ハク】
「俺は、あの人たちの味方をする気はないです」
【ハク】
「俺にとってはあの人たちも桃島さんも同じように先輩のホストで」
【ハク】
「でも、悪い方に協力する意味がありません」
【ハク】
「それに……昨日のことだって、俺はひどい怪我もしてないし……」
【ハク】
「桃島さんに対して怒ったりとか、してないですから」
【桃島】
「ユキ……」
一息にそう言い切った俺に、桃島さんは驚いていた。
【ハク】
「あの写真がお客さんの手に渡ったらちゃんと弁明しますから」
【桃島】
「……ハハッ」
【ハク】
「……桃島さん?」
【桃島】
「……あんたの性格には恐れ入るよ」
【ハク】
「そうですか?」
【桃島】
「昨日の今日でそう言えるヤツ……なかなかいない」
【ハク】
「そうでしょうか……」
【桃島】
「……」
急に黙り込む桃島さんは、何かを考えこんでいるようだ。
【ハク】
「……どうかしましたか?」
【桃島】
「……いや……俺がアンタみたいなヤツだったら……」
【桃島】
「緑川さんの本音、見せてもらえたかもって」
【ハク】
「緑川さんの本音……?」
【桃島】
「や、こっちの話」
【桃島】
「とにかく助けてくれてありがと。それから……」
【桃島】
「昨日はごめん、悪かった」
【桃島】
「ただの八つ当たりだった」
【ハク】
「いえ……俺はそんな、本当にただ緑川さんのお部屋に居候してるだけですから」
【桃島】
「でも緑川さんが誰かを部屋に入れてるとこ……」
【桃島】
「俺はこの店に来てから初めて見た」
【ハク】
「そうなんですか……?」
【桃島】
「アンタなら……いや……」
【桃島】
「とにかく謝る。……これからは、変なことしない。ちゃんと先輩として接するから」
【ハク】
「ありがとうございます」
【桃島】
「……よろしく」
【ハク】
「はい、こちらこそ!」
―――こうして、俺と桃島さんの関係は
『正常化』への一歩を踏み出すことになった―――。
―――数日後。
俺はだいぶホストの仕事にも慣れて、初めての給料ももらうことができた。
新人でまだまだ覚えることがいっぱいの立場だが……。
【ハク】
(これなら脱居候も早いうちにできそうだな)
そんなことを考えながらうきうき仕事に励んでいた、そんなさなかだった。
ドカッ! と―――誰かがドアを足蹴にして店に入ってきた。
うちの店に来る客でこんなマナーの悪い人はいない。
そもそも女の子にそんな力があるわけもない。
乱暴な音のせいで、一気に店内に緊張が走った。
【香月】
「緑川はいるか」
【桃島】
「……!」
【桃島】
「香月っ……!?」
【ハク】
(誰だこの人っ……!)
明らかにカタギではない、そのスジの者だとわかる格好。
【ハク】
「お客様はあちらへ!」
慌ててホストたちは奥の大部屋にお客さんたちを案内する。
【香月】
「べぇーつに客になんか手出さねぇよ」
【香月】
「そんなことしたって面白くもなんともねぇ」
【香月】
「……な?」
【桃島】
「っ……!」
香月というらしいその男は桃島さんに意味ありげな視線を送る。
【香月】
「……ま、俺がここに来たのは完全なる八つ当たりなんだけど」
【香月】
「おい、緑川!」
香月さんが大声を上げると、奥から緑川さんが神妙な面持ちで出てきた。
【緑川】
「……迷惑なんだけども」
【香月】
「迷惑かけにきてやってんだよ」
【緑川】
「どうして」
【香月】
「お前、緑川って『緑川商事』の緑川だろう?」
