[本編] 緑川 彰一 編
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【桃島】
「アンタは誰だっていいんだろ……」
【桃島】
「俺にはっ……俺には!」
【桃島】
「俺にはこの人しかいないんだよっ……」
【ハク】
「……!」
縋るような声が切なく厨房に響いた。
【緑川】
「……」
【桃島】
「俺は、この人じゃないとダメなんだよっ……それにっ……」
【緑川】
「モモ」
緑川さんが名を呼んで制止する。
けれど桃島さんが言葉を止めることはなかった。
【桃島】
「アンタなんかにこの人の気持ちはわから」
【緑川】
「やめろ、モモ」
【桃島】
「!」
【ハク】
「緑川さん……?」
緑川さんが桃島さんをきつく睨みつけていた。
【緑川】
「どこで聞きつけてきたんだか知らないけど、それを他人に言うのはマナー違反でしょ」
【桃島】
「緑川さんっ……!」
緑川さんが桃島さんを見る瞳には、一切情というものが見えなかった。
【緑川】
「……俺が片付ける。モモは帰って」
【桃島】
「緑川さっ」
【緑川】
「帰れ」
【桃島】
「っ……!」
有無を言わさぬ口調で言い切る緑川さん。
桃島さんは息を呑んで……そのまま緑川さんの顔を見ることなく、逃げ出すようにその場を去って行った。
【緑川】
「……ごめんね、ユキ」
【ハク】
「あ、あの……いいんですか、桃島さん……」
緑川さんは桃島さんを追いかけるそぶりすら見せなかった。
【緑川】
「……追いかけても、俺にできることは何もないから」
そう言って緑川さんは悲しそうに微笑んだ。
【緑川】
「遅くなって悪いけど……ここ、着替えたら片付けるの手伝ってもらってもいいかな」
他のホストは帰ってしまって、桃島も出て行ってしまったので店内に残っているのは俺と緑川さんのふたりきり。
明日この惨状を見せたら、皆を驚かせてしまう。
【ハク】
「はい……」
【緑川】
「……モモ、ちょっと不安定なところがあるから」
【ハク】
「そう、なんですか……」
【ハク】
(不安定……)
【ハク】
(……でも……)
【ハク】
(緑川さんは桃島さんを支えるつもり、ないみたいだ……)
男性同士の親密な関係、なんて拒否感を示す人もいる。
けれど、いっぱいいっぱいの桃島さんを見ていたらそんなことを言及するのはナンセンスに感じられた。
【ハク】
(……でも……)
俺にはもうひとつ、気になっていることがあった。
桃島さんが言いかけて、緑川さんがきつく止めた言葉の先。
【ハク】
(……緑川さんにも、何かあるのかな……?)
家も会社も失って絶望したとき、俺は俺以上に不幸な人間なんていないと思っていた。
……荒れている桃島さん、そしてその桃島さんに対して理解を示している緑川さん。
桃島さんにも、絶望してしまうほどの何かがあるのだろうか。
そして、……緑川さんにも……。
【ハク】
(……って、何ぼーっとしてるんだ俺)
【ハク】
(俺が首を突っ込むことじゃない……)
【ハク】
(俺一人、生きていくだけで大変なんだから……!)
緑川さんのマンションに帰ると、申し訳なさそうに緑川さんが謝ってくれた。
【緑川】
「……ごめんね、ユキ」
【ハク】
「そんな、緑川さんが謝ることじゃないです」
【ハク】
「シャツは、ダメになっちゃいましたけど」
【緑川】
「それはすぐに代わりを用意するから。」
【ハク】
「ありがとうございます」
【緑川】
「疲れただろう? 先にシャワー浴びる?」
【緑川】
「あぁ、でもこの傷じゃ、頭も身体も洗えないか」
【ハク】
「あっ……」
【緑川】
「一緒に入ろうか?」
【ハク】
「えっ!?」
【緑川】
「遠慮しないでよ。……俺のせいなんだし」
【緑川】
「……モモはね」
緑川さんのほうから、彼の名前を口にした。
【緑川】
「……すごく、辛い思いをしてきた」
【緑川】
「今もしてる。……でも、俺にもどうすることもできなくて……」
【緑川】
「モモが幸せになれる道はあると思うんだけどね」
【ハク】
(そんな答えじゃ納得できない!)
【ハク】
(…………)
【ハク】
「……でも」
【緑川】
「ん?」
【ハク】
「……緑川さんと一緒にいたら、桃島さんはもっと幸せになれるんじゃないですか?」
【緑川】
「……ハハッ、ユキはすごいね」
【ハク】
「すごい?」
【緑川】
「ホストの素質、ちゃんとある」
急にそんなことを言って俺を褒めだすから、驚いた。
「アンタは誰だっていいんだろ……」
【桃島】
「俺にはっ……俺には!」
【桃島】
「俺にはこの人しかいないんだよっ……」
【ハク】
「……!」
縋るような声が切なく厨房に響いた。
【緑川】
「……」
【桃島】
「俺は、この人じゃないとダメなんだよっ……それにっ……」
【緑川】
「モモ」
緑川さんが名を呼んで制止する。
けれど桃島さんが言葉を止めることはなかった。
【桃島】
「アンタなんかにこの人の気持ちはわから」
【緑川】
「やめろ、モモ」
【桃島】
「!」
【ハク】
「緑川さん……?」
緑川さんが桃島さんをきつく睨みつけていた。
【緑川】
「どこで聞きつけてきたんだか知らないけど、それを他人に言うのはマナー違反でしょ」
【桃島】
「緑川さんっ……!」
緑川さんが桃島さんを見る瞳には、一切情というものが見えなかった。
【緑川】
「……俺が片付ける。モモは帰って」
【桃島】
「緑川さっ」
【緑川】
「帰れ」
【桃島】
「っ……!」
有無を言わさぬ口調で言い切る緑川さん。
桃島さんは息を呑んで……そのまま緑川さんの顔を見ることなく、逃げ出すようにその場を去って行った。
【緑川】
「……ごめんね、ユキ」
【ハク】
「あ、あの……いいんですか、桃島さん……」
緑川さんは桃島さんを追いかけるそぶりすら見せなかった。
【緑川】
「……追いかけても、俺にできることは何もないから」
そう言って緑川さんは悲しそうに微笑んだ。
【緑川】
「遅くなって悪いけど……ここ、着替えたら片付けるの手伝ってもらってもいいかな」
他のホストは帰ってしまって、桃島も出て行ってしまったので店内に残っているのは俺と緑川さんのふたりきり。
明日この惨状を見せたら、皆を驚かせてしまう。
【ハク】
「はい……」
【緑川】
「……モモ、ちょっと不安定なところがあるから」
【ハク】
「そう、なんですか……」
【ハク】
(不安定……)
【ハク】
(……でも……)
【ハク】
(緑川さんは桃島さんを支えるつもり、ないみたいだ……)
男性同士の親密な関係、なんて拒否感を示す人もいる。
けれど、いっぱいいっぱいの桃島さんを見ていたらそんなことを言及するのはナンセンスに感じられた。
【ハク】
(……でも……)
俺にはもうひとつ、気になっていることがあった。
桃島さんが言いかけて、緑川さんがきつく止めた言葉の先。
【ハク】
(……緑川さんにも、何かあるのかな……?)
家も会社も失って絶望したとき、俺は俺以上に不幸な人間なんていないと思っていた。
……荒れている桃島さん、そしてその桃島さんに対して理解を示している緑川さん。
桃島さんにも、絶望してしまうほどの何かがあるのだろうか。
そして、……緑川さんにも……。
【ハク】
(……って、何ぼーっとしてるんだ俺)
【ハク】
(俺が首を突っ込むことじゃない……)
【ハク】
(俺一人、生きていくだけで大変なんだから……!)
緑川さんのマンションに帰ると、申し訳なさそうに緑川さんが謝ってくれた。
【緑川】
「……ごめんね、ユキ」
【ハク】
「そんな、緑川さんが謝ることじゃないです」
【ハク】
「シャツは、ダメになっちゃいましたけど」
【緑川】
「それはすぐに代わりを用意するから。」
【ハク】
「ありがとうございます」
【緑川】
「疲れただろう? 先にシャワー浴びる?」
【緑川】
「あぁ、でもこの傷じゃ、頭も身体も洗えないか」
【ハク】
「あっ……」
【緑川】
「一緒に入ろうか?」
【ハク】
「えっ!?」
【緑川】
「遠慮しないでよ。……俺のせいなんだし」
【緑川】
「……モモはね」
緑川さんのほうから、彼の名前を口にした。
【緑川】
「……すごく、辛い思いをしてきた」
【緑川】
「今もしてる。……でも、俺にもどうすることもできなくて……」
【緑川】
「モモが幸せになれる道はあると思うんだけどね」
【ハク】
(そんな答えじゃ納得できない!)
【ハク】
(…………)
【ハク】
「……でも」
【緑川】
「ん?」
【ハク】
「……緑川さんと一緒にいたら、桃島さんはもっと幸せになれるんじゃないですか?」
【緑川】
「……ハハッ、ユキはすごいね」
【ハク】
「すごい?」
【緑川】
「ホストの素質、ちゃんとある」
急にそんなことを言って俺を褒めだすから、驚いた。
