[本編] 緑川 彰一 編
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【ハク】
「ありがとうございました!」
【女性客1】
「また来るね、ユキくん!」
【女性客2】
「ユキくんとお話しできて楽しかったー」
ばいばーい、と手を振ってお客さんが店を去って行く。
体験入店を終え、俺は結局この仕事をやめることなく、本当のホストとして働いていた。
とはいっても寮の部屋が空いたわけでもないので、相変わらず緑川さんの部屋に居候したまま。
こんな状態の俺を桃島さんはすごく嫌がっていたけれど……仕方ない。
【ハク】
(緑川さんや他の先輩たちが助けてくれてるおかげで)
【ハク】
(こんな俺でもまさかのホストをなんとかやっていけてしまっている……)
絶対に適性のない職業だと思っていたので自分の方がびっくりしているほどだ。
【緑川】
「ユキ、お疲れ」
【ハク】
「あっ、緑川さん! お疲れ様です」
【緑川】
「さっきの接客、すごく良かったよ。その証拠に……ほら」
緑川さんが何やら名簿のようなものを見せてくれる。
【ハク】
「……それ、なんですか?」
【緑川】
「指名表。さっきのお客さんたち、次のユキの出勤日を聞いて予約いれてくれたんだ」
【ハク】
「ほんとですか!」
【緑川】
「たぶん次お店に来たら、ユキを指名してくれると思うよ」
【ハク】
「わぁっ……嬉しいです、ありがとうございます!」
【緑川】
「ユキが頑張ったからだよ」
【ハク】
「そんな……緑川さんがいろいろ教えてくれたおかげです」
【緑川】
「言っただろ、ユキにはホストの素質があるって」
【ハク】
「素質……」
【ハク】
(ホストの素質なんて喜んでいいのかわかんないけど……)
【ハク】
(でもすごく嬉しい!)
ひとり浮かれる俺を、笑顔で褒めてくれる緑川さん。
【桃島】
「……」
【ハク】
「……あっ……」
そしてそんな俺たちを見ている桃島さんの視線に気づくのも……もう何度目だろう。
【桃島】
「っ……」
舌打ちしながら桃島さんが俺たちの方に寄ってきた。
【ハク】
「もっ、桃島さん! お疲れ様です!」
【桃島】
「店の中ではモモって呼べっつっただろ」
【ハク】
「あっ、すみません!」
【桃島】
「……ひとり指名ついたくらいで浮かれてんなよ」
【桃島】
「そんなの、この店では当たり前のことだから」
【桃島】
「むしろ接客した客は全部次に指名させてナンボだろ」
【桃島】
「調子、乗ってんなよ?」
【緑川】
「モモっ……」
【ハク】
「気を付けます……」
相変わらず桃島さんは俺に対して攻撃的だ。
【緑川】
「……」
そしてそんな様子の桃島さんに何も言わない緑川さん……。
【ハク】
(桃島さんは緑川さんのことが……その、きっと好きなんだろうけど……)
【ハク】
(だから新人の俺がジャマで、冷たく当たってるんだろうなぁ……)
緑川さんのマンションに居候する日々が続くほど、桃島さんの態度はきつくなっていく。
【ハク】
(……和解は、できそうにないな……)
桃島さんと和解するためにはきっと緑川さんの家を出て行かなければならない。
かといって俺にはまだ引越しをするほどの貯金もなく……
寮の部屋だってまだ空きそうにない。
【ハク】
(俺だってなるべく緑川さんに迷惑かけないようにしようと思ってるけど……)
こればっかりは仕方のないことだ。
【ハク】
(ホストとしてお客さんとうまくやってくのももちろん課題だけど……)
【ハク】
(この店の人たちともうまくやって行かなくちゃな)
今はまだ我慢のときだ。
言いたい言葉は全部胸に押し込んで、俺はテーブルを片付けに客席の方に戻って行った。
【桃島】
「…………」
【桃島】
「……ユキ……いい加減にしろよっ……」
―――ホストクラブで働くのももう慣れてきたある日のこと。
【緑川】
「それじゃ、お疲れ様。ユキは掃除頑張ってね、今日は閉店」
閉店後のミーティングを終え、俺は一番後輩の仕事である店の玄関の掃除を任命される。
これが終われば俺も晴れて帰宅なのだが。
【桃島】
「……ユキ」
【ハク】
「モモさん! お疲れ様です」
【桃島】
「うん、お疲れ」
【ハク】
(……?)
桃島さんがめずらしく俺に突っかかってこない。
それどころか、妙に優しげな笑顔まで浮かべている。
【ハク】
(どうしたんだろう……桃島さん)
【ハク】
(俺に用かな……?)
少し怯えつつ桃島さんの言葉を待つ。
【桃島】
「悪いんだけどさ、さっきキッチンの方で汚れてる場所見つけちゃって」
【桃島】
「まだ掃除用具持ってるのユキだけでしょ?」
【ハク】
「はい……」
【桃島】
「そこだけちょっと拭いてもらいたくて」
【ハク】
「わかりました」
【ハク】
(掃除用具出すのめんどくさかったのかな?)
桃島さんの妙な優しさは俺に掃除をさせるためか……
と自分の中で納得しながら桃島さんのあとをついていく。
「ありがとうございました!」
【女性客1】
「また来るね、ユキくん!」
【女性客2】
「ユキくんとお話しできて楽しかったー」
ばいばーい、と手を振ってお客さんが店を去って行く。
体験入店を終え、俺は結局この仕事をやめることなく、本当のホストとして働いていた。
とはいっても寮の部屋が空いたわけでもないので、相変わらず緑川さんの部屋に居候したまま。
こんな状態の俺を桃島さんはすごく嫌がっていたけれど……仕方ない。
【ハク】
(緑川さんや他の先輩たちが助けてくれてるおかげで)
【ハク】
(こんな俺でもまさかのホストをなんとかやっていけてしまっている……)
絶対に適性のない職業だと思っていたので自分の方がびっくりしているほどだ。
【緑川】
「ユキ、お疲れ」
【ハク】
「あっ、緑川さん! お疲れ様です」
【緑川】
「さっきの接客、すごく良かったよ。その証拠に……ほら」
緑川さんが何やら名簿のようなものを見せてくれる。
【ハク】
「……それ、なんですか?」
【緑川】
「指名表。さっきのお客さんたち、次のユキの出勤日を聞いて予約いれてくれたんだ」
【ハク】
「ほんとですか!」
【緑川】
「たぶん次お店に来たら、ユキを指名してくれると思うよ」
【ハク】
「わぁっ……嬉しいです、ありがとうございます!」
【緑川】
「ユキが頑張ったからだよ」
【ハク】
「そんな……緑川さんがいろいろ教えてくれたおかげです」
【緑川】
「言っただろ、ユキにはホストの素質があるって」
【ハク】
「素質……」
【ハク】
(ホストの素質なんて喜んでいいのかわかんないけど……)
【ハク】
(でもすごく嬉しい!)
ひとり浮かれる俺を、笑顔で褒めてくれる緑川さん。
【桃島】
「……」
【ハク】
「……あっ……」
そしてそんな俺たちを見ている桃島さんの視線に気づくのも……もう何度目だろう。
【桃島】
「っ……」
舌打ちしながら桃島さんが俺たちの方に寄ってきた。
【ハク】
「もっ、桃島さん! お疲れ様です!」
【桃島】
「店の中ではモモって呼べっつっただろ」
【ハク】
「あっ、すみません!」
【桃島】
「……ひとり指名ついたくらいで浮かれてんなよ」
【桃島】
「そんなの、この店では当たり前のことだから」
【桃島】
「むしろ接客した客は全部次に指名させてナンボだろ」
【桃島】
「調子、乗ってんなよ?」
【緑川】
「モモっ……」
【ハク】
「気を付けます……」
相変わらず桃島さんは俺に対して攻撃的だ。
【緑川】
「……」
そしてそんな様子の桃島さんに何も言わない緑川さん……。
【ハク】
(桃島さんは緑川さんのことが……その、きっと好きなんだろうけど……)
【ハク】
(だから新人の俺がジャマで、冷たく当たってるんだろうなぁ……)
緑川さんのマンションに居候する日々が続くほど、桃島さんの態度はきつくなっていく。
【ハク】
(……和解は、できそうにないな……)
桃島さんと和解するためにはきっと緑川さんの家を出て行かなければならない。
かといって俺にはまだ引越しをするほどの貯金もなく……
寮の部屋だってまだ空きそうにない。
【ハク】
(俺だってなるべく緑川さんに迷惑かけないようにしようと思ってるけど……)
こればっかりは仕方のないことだ。
【ハク】
(ホストとしてお客さんとうまくやってくのももちろん課題だけど……)
【ハク】
(この店の人たちともうまくやって行かなくちゃな)
今はまだ我慢のときだ。
言いたい言葉は全部胸に押し込んで、俺はテーブルを片付けに客席の方に戻って行った。
【桃島】
「…………」
【桃島】
「……ユキ……いい加減にしろよっ……」
―――ホストクラブで働くのももう慣れてきたある日のこと。
【緑川】
「それじゃ、お疲れ様。ユキは掃除頑張ってね、今日は閉店」
閉店後のミーティングを終え、俺は一番後輩の仕事である店の玄関の掃除を任命される。
これが終われば俺も晴れて帰宅なのだが。
【桃島】
「……ユキ」
【ハク】
「モモさん! お疲れ様です」
【桃島】
「うん、お疲れ」
【ハク】
(……?)
桃島さんがめずらしく俺に突っかかってこない。
それどころか、妙に優しげな笑顔まで浮かべている。
【ハク】
(どうしたんだろう……桃島さん)
【ハク】
(俺に用かな……?)
少し怯えつつ桃島さんの言葉を待つ。
【桃島】
「悪いんだけどさ、さっきキッチンの方で汚れてる場所見つけちゃって」
【桃島】
「まだ掃除用具持ってるのユキだけでしょ?」
【ハク】
「はい……」
【桃島】
「そこだけちょっと拭いてもらいたくて」
【ハク】
「わかりました」
【ハク】
(掃除用具出すのめんどくさかったのかな?)
桃島さんの妙な優しさは俺に掃除をさせるためか……
と自分の中で納得しながら桃島さんのあとをついていく。
