[本編] 赤屋 竜次 編
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リュウの部屋を飛び出し、行くあてもない俺は繁華街を無気力に歩く。
まだ本格的に夜になっていない街は人もまばらだ。
【ハク】
(俺はバカだ……)
せっかくリュウが与えてくれた居場所からも自ら逃げてきてしまった。
リュウがそんなつもりで言ったんじゃないことくらい、わかっていたはずなのに……。
ふらふらと目的もなくうろついて頭は冷えてきたけど、今更どんな顔をしてリュウのところに戻っていいのかわからない。
【ハク】
(リュウ、怒ってる……よな)
本当に俺はもう、帰る場所を失くしてしまったのだ。
あのまま、何も持たずに飛び出してきたせいで適当な店に入ることもできない。
もうどうにでもなれ、という気持ちで足早に歩みを進めしかなかった。
ただ、どこか少しでも遠くに行きたかった。
【???】
「ねえ、ちょっと」
俺の顔のすぐ近くで声がする。
今の俺には、こんな風に声をかけてくれる人すらいないんだ……。
【???】
「ちょっとってば!」
【ハク】
「え、俺?」
【???】
「そうそう。久しぶりじゃん。俺だよ、オレオレ」
なんだそれ。詐欺か?
俺にいきなり声をかけてきた男は、思わず二度見をしてしまうぐらいのイケメンだった。
年は…同年代ぐらいか…。
しかし、こんなイケメンに声をかけられる覚えはない。
【ハク】
「……すみませんが、どちらさまでしょう?」
【???】
「ひどいなぁ、覚えてないの?ハク」
【ハク】
(ハ…ク……?)
その呼び方……。
俺をそう呼ぶ人物に、一人だけ心当たりがあった。
おぼろげな記憶からそれを引っ張り出す。
【ハク】
「もしかして、黒…木……?」
【黒木】
「お、思い出した?」
リュウと同じように高校時代につるんだ仲間、黒木忠生。少し陰のあるその笑顔が、記憶の中の面影と重なった。
【ハク】
「懐かしいな…」
【黒木】
「いやぁ、こんな所で会うなんて偶然だなぁ。ハクは今、何やってるの?」
【ハク】
「俺は……」
懐かしい仲間に出会って、俺は家が火事に遭ったこと、いまはリュウの家で世話になっていることなどを吐き出した。
黒木は頷きながら聞いてくれて、少し話しだすと止まらなかった。
【黒木】
「……ふーん、今は赤屋のところにいるのか……」
【黒木】
「で、ハク、こんなとこで何してたの」
【ハク】
「なんか……リュウと、ケンカっていうか」
【黒木】
「は?ケンカ?なんでケンカしたの?」
さすがに原因のことは黒木には話せない。
言葉を濁すと黒木は少し考えるような顔をしたが、とくに気にならなかったようだ。
【黒木】
「まぁいいや。せっかくだしお茶でもする?俺ももっとハクと話したいし」
黒木は傍に停まっていたワンボックスカーのドアを開けて促す。
俺は再会したばかりだというのに、この時点ですっかり黒木のことを信頼していた。
昔の仲間に思いがけないところで会えたこともそうだが、何よりも、俺にはリュウだけじゃないって気がしてうれしかった。
【ハク】
「あ、でも俺、あわてて出てきて、財布持ってないんだった…」
俺はリュウの家を着の身着のまま出てきたことを思い出した。
【黒木】
「アハハハハハ。気にすんなよ!茶ぐらい俺が奢ってやるって」
【ハク】
「…そっかわりいな」
【ハク】
「じゃあ……頼む」
そう言って俺は黒木のワンボックスの助手席に乗り込もうとしたが、足を踏み入れた瞬間に後ろから伸びてきた手で口元を覆われる。
【ハク】
「!?……むぐっ……」
【ハク】
(なんだ……?こ…れ…。力が抜ける……)
その手は何か薬品のようなものを沁み込ませた布を俺の鼻と口に押し付けてくる。
俺は必死でもがくが、いつのまにか両腕をガッチリ抑えられていて身動きが取れない。
【ハク】
「や…ヤバい…意識が…」
しばらくすると、グニャリと視界がゆがむ…。
すると徐々に視界がブラックアウトし、それと同時に俺の意識もだんだんと遠のいていった……。
【ハク】
「ん……ここは……」
俺は意識を取り戻したが、視界は真っ暗で何も見えない。
どうやら、どこかに寝かされているようだ。
【ハク】
「俺は一体……痛っ……!」
おまけに頭がガンガンと痛む。
怪我でもしているのかと頭に手をやろうとしたとき、そこで俺は初めて両手が手錠のようなもので戒められていることに気付いた。目の周りも布か何かで覆われている。
【ハク】
「くそっ……なんだよ、これ……」
どうにか手の拘束を外そうと暴れるが、重みのあるそれはガチャガチャと鳴るばかりで外れる様子はなかった。
【???】
「気がついたようだね」
【ハク】
「だ、誰だ?」
暗闇の中、人の気配を感じたと思ったらすぐ近くで男の声がした。
俺を眠らせて手錠を嵌めた奴の声だと思うと、ぞっとする。
【ハク】
「お、俺に何する気だ!今すぐこれを外せ!」
ガチャガチャと手錠を鳴らしながら、精一杯の声で威嚇するが、その声は動揺からか恐怖心からか、震えていた。
【???】
「ハハッ、そんな恰好で言っても可愛いだけだなぁ」
男がさらにグッと近づいてくる気配がする。
逃避しようとする意識をどうにか奮い立たせ、考える。なぜ俺はこんなことに……?
そうだ、俺はリュウの家を出た後、繁華街で黒木と再会して、車に乗るように言われて……そこで意識は途切れている。
【ハク】
(じゃあ、この男は……黒木……なのか?)
導き出た結論は残酷だった。
俺には久しぶりに再会した友人がこんなことをするなんて信じられないし、信じたくなかった。
しかし、そんなことを考えている間も事態は待ってはくれない。
【黒木】
「……先に服も脱がせておけばよかった」
黒木はそう言うと、俺の服に手をかける。
剥かれたシャツは両手の手錠に引っ掛かって止まり、次は脚を抑えつけられてベルトを外された。
もちろん必死で抵抗をした。繋がれた両手を振り回して、逃れようとした。
頬に衝撃が走り、平手で打たれたのだとわかる。
【黒木】
「……暴れるなら、怪我しても知らないよ?」
一瞬動きが止まった俺の脇腹あたりに、硬く冷たい何かが押し当てられた。
【黒木】
「これ、なーんだ?」
冷たい感覚とは裏腹に、楽しげな声が降ってくる。
そのまま、じょきじょきと音をたてて履いていたスラックスが切り裂かれてゆく。
素肌に刃物が触れる感覚に、背筋が凍る。
シャツもスラックスも切り裂かれ、とうとうその刃は下着にまで及ぼうとしていた。
【ハク】
「そ、そこは……!」
【黒木】
「じっとしてろって言っただろ?手元が狂ってコレ、切り落としちゃうかもしれないぜ」
【ハク】
「っ……!」
まだ本格的に夜になっていない街は人もまばらだ。
【ハク】
(俺はバカだ……)
せっかくリュウが与えてくれた居場所からも自ら逃げてきてしまった。
リュウがそんなつもりで言ったんじゃないことくらい、わかっていたはずなのに……。
ふらふらと目的もなくうろついて頭は冷えてきたけど、今更どんな顔をしてリュウのところに戻っていいのかわからない。
【ハク】
(リュウ、怒ってる……よな)
本当に俺はもう、帰る場所を失くしてしまったのだ。
あのまま、何も持たずに飛び出してきたせいで適当な店に入ることもできない。
もうどうにでもなれ、という気持ちで足早に歩みを進めしかなかった。
ただ、どこか少しでも遠くに行きたかった。
【???】
「ねえ、ちょっと」
俺の顔のすぐ近くで声がする。
今の俺には、こんな風に声をかけてくれる人すらいないんだ……。
【???】
「ちょっとってば!」
【ハク】
「え、俺?」
【???】
「そうそう。久しぶりじゃん。俺だよ、オレオレ」
なんだそれ。詐欺か?
俺にいきなり声をかけてきた男は、思わず二度見をしてしまうぐらいのイケメンだった。
年は…同年代ぐらいか…。
しかし、こんなイケメンに声をかけられる覚えはない。
【ハク】
「……すみませんが、どちらさまでしょう?」
【???】
「ひどいなぁ、覚えてないの?ハク」
【ハク】
(ハ…ク……?)
その呼び方……。
俺をそう呼ぶ人物に、一人だけ心当たりがあった。
おぼろげな記憶からそれを引っ張り出す。
【ハク】
「もしかして、黒…木……?」
【黒木】
「お、思い出した?」
リュウと同じように高校時代につるんだ仲間、黒木忠生。少し陰のあるその笑顔が、記憶の中の面影と重なった。
【ハク】
「懐かしいな…」
【黒木】
「いやぁ、こんな所で会うなんて偶然だなぁ。ハクは今、何やってるの?」
【ハク】
「俺は……」
懐かしい仲間に出会って、俺は家が火事に遭ったこと、いまはリュウの家で世話になっていることなどを吐き出した。
黒木は頷きながら聞いてくれて、少し話しだすと止まらなかった。
【黒木】
「……ふーん、今は赤屋のところにいるのか……」
【黒木】
「で、ハク、こんなとこで何してたの」
【ハク】
「なんか……リュウと、ケンカっていうか」
【黒木】
「は?ケンカ?なんでケンカしたの?」
さすがに原因のことは黒木には話せない。
言葉を濁すと黒木は少し考えるような顔をしたが、とくに気にならなかったようだ。
【黒木】
「まぁいいや。せっかくだしお茶でもする?俺ももっとハクと話したいし」
黒木は傍に停まっていたワンボックスカーのドアを開けて促す。
俺は再会したばかりだというのに、この時点ですっかり黒木のことを信頼していた。
昔の仲間に思いがけないところで会えたこともそうだが、何よりも、俺にはリュウだけじゃないって気がしてうれしかった。
【ハク】
「あ、でも俺、あわてて出てきて、財布持ってないんだった…」
俺はリュウの家を着の身着のまま出てきたことを思い出した。
【黒木】
「アハハハハハ。気にすんなよ!茶ぐらい俺が奢ってやるって」
【ハク】
「…そっかわりいな」
【ハク】
「じゃあ……頼む」
そう言って俺は黒木のワンボックスの助手席に乗り込もうとしたが、足を踏み入れた瞬間に後ろから伸びてきた手で口元を覆われる。
【ハク】
「!?……むぐっ……」
【ハク】
(なんだ……?こ…れ…。力が抜ける……)
その手は何か薬品のようなものを沁み込ませた布を俺の鼻と口に押し付けてくる。
俺は必死でもがくが、いつのまにか両腕をガッチリ抑えられていて身動きが取れない。
【ハク】
「や…ヤバい…意識が…」
しばらくすると、グニャリと視界がゆがむ…。
すると徐々に視界がブラックアウトし、それと同時に俺の意識もだんだんと遠のいていった……。
【ハク】
「ん……ここは……」
俺は意識を取り戻したが、視界は真っ暗で何も見えない。
どうやら、どこかに寝かされているようだ。
【ハク】
「俺は一体……痛っ……!」
おまけに頭がガンガンと痛む。
怪我でもしているのかと頭に手をやろうとしたとき、そこで俺は初めて両手が手錠のようなもので戒められていることに気付いた。目の周りも布か何かで覆われている。
【ハク】
「くそっ……なんだよ、これ……」
どうにか手の拘束を外そうと暴れるが、重みのあるそれはガチャガチャと鳴るばかりで外れる様子はなかった。
【???】
「気がついたようだね」
【ハク】
「だ、誰だ?」
暗闇の中、人の気配を感じたと思ったらすぐ近くで男の声がした。
俺を眠らせて手錠を嵌めた奴の声だと思うと、ぞっとする。
【ハク】
「お、俺に何する気だ!今すぐこれを外せ!」
ガチャガチャと手錠を鳴らしながら、精一杯の声で威嚇するが、その声は動揺からか恐怖心からか、震えていた。
【???】
「ハハッ、そんな恰好で言っても可愛いだけだなぁ」
男がさらにグッと近づいてくる気配がする。
逃避しようとする意識をどうにか奮い立たせ、考える。なぜ俺はこんなことに……?
そうだ、俺はリュウの家を出た後、繁華街で黒木と再会して、車に乗るように言われて……そこで意識は途切れている。
【ハク】
(じゃあ、この男は……黒木……なのか?)
導き出た結論は残酷だった。
俺には久しぶりに再会した友人がこんなことをするなんて信じられないし、信じたくなかった。
しかし、そんなことを考えている間も事態は待ってはくれない。
【黒木】
「……先に服も脱がせておけばよかった」
黒木はそう言うと、俺の服に手をかける。
剥かれたシャツは両手の手錠に引っ掛かって止まり、次は脚を抑えつけられてベルトを外された。
もちろん必死で抵抗をした。繋がれた両手を振り回して、逃れようとした。
頬に衝撃が走り、平手で打たれたのだとわかる。
【黒木】
「……暴れるなら、怪我しても知らないよ?」
一瞬動きが止まった俺の脇腹あたりに、硬く冷たい何かが押し当てられた。
【黒木】
「これ、なーんだ?」
冷たい感覚とは裏腹に、楽しげな声が降ってくる。
そのまま、じょきじょきと音をたてて履いていたスラックスが切り裂かれてゆく。
素肌に刃物が触れる感覚に、背筋が凍る。
シャツもスラックスも切り裂かれ、とうとうその刃は下着にまで及ぼうとしていた。
【ハク】
「そ、そこは……!」
【黒木】
「じっとしてろって言っただろ?手元が狂ってコレ、切り落としちゃうかもしれないぜ」
【ハク】
「っ……!」
