[本編] 藍建 仁 編
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【藍建】
「銀……あんた、自分がやったことはわかっているだろう」
【藍建】
「もう一度だけ言う……自首してくれ」
懇願のようにも聞こえるその言葉に、ナツは笑いだす。
【銀】
「っく、はははは……ああ、そうだ」
【銀】
「オレはどんな手を使ってでも『ハク』が欲しかった。どんな手を使ってもだ……」
【銀】
「オレは自分のしたことを反省なんてしていないぞ」
【銀】
「それに、お前に近づいたのも、その立場が利用できると思ったからだ」
ナツは何がおかしいのか、笑い続ける。
そんなナツを見ながら藍建さんは哀れむようにぽつりと呟いた。
【藍建】
「あんたは可哀相な人だ……」
【藍建】
「本当は寂しくて寂しくて仕方ないのに、強がっている……」
そう言った藍建さん自身もまた、少し寂しそうだった。
その後は、藍建さんがトランシーバーで連絡を入れるとすぐに警察の人が何人もやって来て、
ナツと黒木は連行されて行った。
連行されながらもナツが俺を見て「お前は俺のものだ」と呟いていたのが忘れられない。
リュウは、いつのまにか部屋からいなくなっていた。
俺も藍建さんの手によって拘束を解かれ、やっと自由の身だ。
こうしてやっと、この事件は終焉を迎えたのだった……。
結局、俺の不当解雇に関わっていたナツと、俺の家に放火したと言っていた黒木は警察に連行された。
リュウは逮捕のどさくさに紛れて帰ったようだ。
そして警察の人も撤収して、俺と藍建さんは誰もいなくなったナツの部屋に二人で残されている。
【藍建】
「ハクくんが無事で良かった……本当に……」
噛み締めるように言う藍建さんの言葉に、目まぐるしすぎたこの事件が、もうすべて終わったんだと思えた。
【ハク】
「何もかも全部、藍建さんのおかげです。ありがとうございます……」
【藍建】
「いや……実はキミに謝らなきゃならないことがあるんだ」
黒木によってバルコニーから突き落とされそうになった俺を助けてくれたのは藍建さんだ。
【ハク】
その言葉に俺は首を傾げこう言った。
【ハク】
「謝る……?」
俺は藍建さんの言葉を待った。
【藍建】
「……キミが部屋を飛び出したときのことだ」
【藍建】
「普段理性的な銀もハクくんと対峙すると感情的になってボロが出るに違いない……」
【藍建】
「そう思ってオレは銀のところに向かったキミを敢えて止めなかった」
【藍建】
「それがこうして、ハクくんを危険な目に遭わせてしまうことになって……」
【藍建】
「本当に、すまない!」
藍建さんが俺に向かって頭を下げる。
だが藍建さんに止められていたとしても、結局俺は飛び出していたに違いない。
【ハク】
「そんな……謝らないでください。俺は自分の意志でここに来たんです」
【ハク】
「それに、藍建さんはさっきも俺のこと助けてくれて、感謝してもしきれないくらいなんですから!」
【ハク】
「ホントに俺、藍建さんがいなかったらどうなってたか……」
一生懸命、思いが伝わるように藍建さんの目を見て告げる。
すると、藍建さんは伏せていた顔を上げた。
【藍建】
「キミはこんな駄目な俺でも、そんな風に言ってくれるのか……」
【ハク】
「藍建さんは駄目なんかじゃないですよ。俺のために一生懸命になってくれて……」
【ハク】
「それに、もし駄目なところがあっても、俺はそんなところも全部好きです」
【藍建】
「ハクくん……」
【藍建】
「そうか……ありがとう」
くしゃりと笑った藍建さんの笑顔は、彼の表情の中でも俺が一番好きなものだった。
ナツや黒木も警察に連行され、もうナツのマンションに用のなくなった俺たちは藍建さんの運転する車で家へと戻る。
その道すがら、車を運転しながら藍建さんが口を開いた。
【藍建】
「俺はね、銀への未練とかそういうものが、ここ数日で完全になくなった」
【藍建】
「……ハクくんのおかげだよ」
そう言った藍建さんは、確かにやけにすっきりした表情をしていた。
【ハク】
「そんな、俺は何もしてないです。本当に何も、できなくて……」
言葉にしながら、少し自己嫌悪に陥る。
ナツに直談判しに行った時も、今日だって勝手に飛び出して掴まって、藍建さんに迷惑をかけてしまった。
【藍建】
「そんなことないさ。俺のために銀に怒ってくれた時だって、嬉しかったよ」
【藍建】
「それに、ハクくんがいなければ何が大事なものなのか、気付けなかった。ありがとう」
噛み締めるように言う藍建さんに、俺も自然と口を開いていた。
【ハク】
「俺だって……」
【ハク】
「ナツに掴まったとき、藍建さんが助けに来てくれたらって思ってました」
【ハク】
「だから、藍建さんが助けに来てくれた時、本当にうれしかった。ありがとうございます……」
【藍建】
「……自分が言われると、照れるもんだな」
そう言って藍建さんははにかみながら照れ隠しのように頬を掻く。
しばらくして車はアパート近くの駐車場に着いた。
「銀……あんた、自分がやったことはわかっているだろう」
【藍建】
「もう一度だけ言う……自首してくれ」
懇願のようにも聞こえるその言葉に、ナツは笑いだす。
【銀】
「っく、はははは……ああ、そうだ」
【銀】
「オレはどんな手を使ってでも『ハク』が欲しかった。どんな手を使ってもだ……」
【銀】
「オレは自分のしたことを反省なんてしていないぞ」
【銀】
「それに、お前に近づいたのも、その立場が利用できると思ったからだ」
ナツは何がおかしいのか、笑い続ける。
そんなナツを見ながら藍建さんは哀れむようにぽつりと呟いた。
【藍建】
「あんたは可哀相な人だ……」
【藍建】
「本当は寂しくて寂しくて仕方ないのに、強がっている……」
そう言った藍建さん自身もまた、少し寂しそうだった。
その後は、藍建さんがトランシーバーで連絡を入れるとすぐに警察の人が何人もやって来て、
ナツと黒木は連行されて行った。
連行されながらもナツが俺を見て「お前は俺のものだ」と呟いていたのが忘れられない。
リュウは、いつのまにか部屋からいなくなっていた。
俺も藍建さんの手によって拘束を解かれ、やっと自由の身だ。
こうしてやっと、この事件は終焉を迎えたのだった……。
結局、俺の不当解雇に関わっていたナツと、俺の家に放火したと言っていた黒木は警察に連行された。
リュウは逮捕のどさくさに紛れて帰ったようだ。
そして警察の人も撤収して、俺と藍建さんは誰もいなくなったナツの部屋に二人で残されている。
【藍建】
「ハクくんが無事で良かった……本当に……」
噛み締めるように言う藍建さんの言葉に、目まぐるしすぎたこの事件が、もうすべて終わったんだと思えた。
【ハク】
「何もかも全部、藍建さんのおかげです。ありがとうございます……」
【藍建】
「いや……実はキミに謝らなきゃならないことがあるんだ」
黒木によってバルコニーから突き落とされそうになった俺を助けてくれたのは藍建さんだ。
【ハク】
その言葉に俺は首を傾げこう言った。
【ハク】
「謝る……?」
俺は藍建さんの言葉を待った。
【藍建】
「……キミが部屋を飛び出したときのことだ」
【藍建】
「普段理性的な銀もハクくんと対峙すると感情的になってボロが出るに違いない……」
【藍建】
「そう思ってオレは銀のところに向かったキミを敢えて止めなかった」
【藍建】
「それがこうして、ハクくんを危険な目に遭わせてしまうことになって……」
【藍建】
「本当に、すまない!」
藍建さんが俺に向かって頭を下げる。
だが藍建さんに止められていたとしても、結局俺は飛び出していたに違いない。
【ハク】
「そんな……謝らないでください。俺は自分の意志でここに来たんです」
【ハク】
「それに、藍建さんはさっきも俺のこと助けてくれて、感謝してもしきれないくらいなんですから!」
【ハク】
「ホントに俺、藍建さんがいなかったらどうなってたか……」
一生懸命、思いが伝わるように藍建さんの目を見て告げる。
すると、藍建さんは伏せていた顔を上げた。
【藍建】
「キミはこんな駄目な俺でも、そんな風に言ってくれるのか……」
【ハク】
「藍建さんは駄目なんかじゃないですよ。俺のために一生懸命になってくれて……」
【ハク】
「それに、もし駄目なところがあっても、俺はそんなところも全部好きです」
【藍建】
「ハクくん……」
【藍建】
「そうか……ありがとう」
くしゃりと笑った藍建さんの笑顔は、彼の表情の中でも俺が一番好きなものだった。
ナツや黒木も警察に連行され、もうナツのマンションに用のなくなった俺たちは藍建さんの運転する車で家へと戻る。
その道すがら、車を運転しながら藍建さんが口を開いた。
【藍建】
「俺はね、銀への未練とかそういうものが、ここ数日で完全になくなった」
【藍建】
「……ハクくんのおかげだよ」
そう言った藍建さんは、確かにやけにすっきりした表情をしていた。
【ハク】
「そんな、俺は何もしてないです。本当に何も、できなくて……」
言葉にしながら、少し自己嫌悪に陥る。
ナツに直談判しに行った時も、今日だって勝手に飛び出して掴まって、藍建さんに迷惑をかけてしまった。
【藍建】
「そんなことないさ。俺のために銀に怒ってくれた時だって、嬉しかったよ」
【藍建】
「それに、ハクくんがいなければ何が大事なものなのか、気付けなかった。ありがとう」
噛み締めるように言う藍建さんに、俺も自然と口を開いていた。
【ハク】
「俺だって……」
【ハク】
「ナツに掴まったとき、藍建さんが助けに来てくれたらって思ってました」
【ハク】
「だから、藍建さんが助けに来てくれた時、本当にうれしかった。ありがとうございます……」
【藍建】
「……自分が言われると、照れるもんだな」
そう言って藍建さんははにかみながら照れ隠しのように頬を掻く。
しばらくして車はアパート近くの駐車場に着いた。