[本編] 藍建 仁 編
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たかが一度の失敗……
だが許されないその失敗で降格人事を受けてからと言うもの、
俺、藍建仁は酒に逃避する生活を送っていた。
ここのところ、帰りがけに酒を買って家で一人で飲んでいたが、
その日はなんとなくバーへ行くことを選んでいた。
【和久井】
「いらっしゃいませ」
【藍建】
「どうも」
店の扉をくぐると、オーナーの和久井さんが笑顔で声をかけてくる。
実はこのバーには前の恋人と何度か来たことがあった。
だが、一人で来るのは今日が初めてだ。
【藍建】
(……何度か来ただけの客なんて覚えてないだろうな)
そう思いながら、カウンターに座る。
とりあえず最初の一杯を注文しようと思って声をかけようとするが、
意外なことに話しかけてきたのは向こうだった。
【和久井】
「藍建さん、お久しぶりです。本日はお一人ですか?」
【藍建】
「あ……うん」
どうせ覚えていないだろうと思った矢先に気さくに話しかけられ、思わずぽかんとしてしまう。
だがそれはなんだか心地よく、オレは誰かに話したい気持ちがあったからここに来たのだと思えた。
【藍建】
「実は、ツレに振られちゃってね」
【和久井】
「そうだったんですか……」
【和久井】
「すみません、余計なことを訊いてしまいましたね」
【藍建】
「ううん、いいんだ」
……その後、酒の力もあってオレは和久井さんに仕事の失敗や、それで降格されたことなどを打ち明けた。
おもしろくもないだろう話に和久井さんはいちいち相槌を打ちながら、
時に慰めてくれて、一人で飲むよりもずいぶん気持ちが良い。
【藍建】
「だぁからさ、上のヤツも頭固いんだよ……」
【和久井】
「もう、その辺にしておいたらどうですか」
【藍建】
「いやだ!まだ飲む……」
おかげでアルコールの回りもいつもより早い。
和久井さん相手に愚痴を並べて酒を飲んでいると、いつのまにか俺はすっかり出来上がっていた。
そんな中、バーの隅に座ってオレの話を聞いていたのが、身なりの良いスーツ姿の男……
それが銀だった。
【銀】
「……話は聞いていた。お前、だいぶ苦労しているみたいだな」
銀はカウンターの俺の席までやってきて、そんなことを言う。
訝しんで見上げると、そいつはさらに話を続けた。
【銀】
「オレは何もお前に同情しているんじゃない」
【銀】
「ただ……どうせなら落ちるところまで落ちてみるのはどうだ?」
【藍建】
「……は?」
オレは目の前の男がなぜ急にそんなことを言うのか、理解できなかった。
酒のせいで頭が回らない、と言うのもある。
だがそいつはオレのことなんておかまいなしに財布を取り出した。
【銀】
「マスター、会計。こいつの分もだ」
言いながら、財布から何枚か札を抜き出すと和久井さんに押し付ける。
【藍建】
「何なんだ?あんた」
【銀】
「オレが聞いてるのはひとつだ。オレと一緒に来るか。どうなんだ?」
【藍建】
「……あー、行くよ!行けばいいんだろ!もう今更どんな地獄に落ちたってかまわないさ」
【銀】
「それは良い心がけだな」
そうして、酒のせいもあり半ば自暴自棄になっていた俺は、銀に誘われるまま付いて行った。
銀の向かう、そのホテルに……。
ホテルの部屋に入るとすぐに、オレは乱暴にベッドへと放り出された。
バーで出会った男……銀に誘われるまま付いてきたホテルの部屋は、ベッドの他はほとんど物がない。
銀はうつぶせの俺を押さえつけ、背中で両腕を束ねると俺のズボンに手を掛けた。
酒で潰れた今のオレは、こいつにとって随分と楽に組み伏せることができただろう。
【藍建】
「な、何を……!」
【銀】
「どんな地獄でも良いと言ったのはお前のはずだが?」
【藍建】
「それは……っ」
抵抗が緩んだ隙に器用にベルトを外され、着ていたものも剥ぎ取られる。
こっちは刑事で、もちろん武道の訓練も受けている身だ。
だが、バーで深酒をしすぎたせいで思うように体に力が入らない。
【藍建】
(こんな奴に……っ!)
ろくな抵抗もできないまま、気が付くとオレは銀の手によって下半身も裸に剥かれている。
それどころか、こんな状態にもかかわらずオレの体は熱を持ち始めていた。
体を探るように触っていた銀もそのことに気付いたらしく、わざとらしく嘲笑する。
【銀】
「ふん、見られただけで感じるのか?随分と男の誘い方を知っているようだな」
【藍建】
「そんな……こんなこと、オレは今まで一度も……あぁっ!」
下半身に、冷たい何か……潤滑油のようなものが落とされる。
銀の細い指でそれを塗り広げられると、不思議と体の奥が疼くようだった。
【銀】
「それなら今日が初めてか?……相当素質があるんだな」
【藍建】
「何を……く、ぅ……!!」
ゆっくりと、銀の指が俺の中に這入ってくる。
オレは今までやる側専門で、ソッチは未経験の部類だ。
【藍建】
「ヒッ……あぁ……っ」
体の内側に感じる冷たい液体と、乱暴なようでいて丁寧な手付きに自然と体の奥が疼いた。
【藍建】
(おかしい、こんな……なぜ……?)
そう思いながらも、オレの口からはひっきりなしに吐息が漏れる。
苦しいからだけじゃなく、快感を拾って漏れ出る声だ。
【銀】
「ハッ……ずいぶん気持ちよさそうに鳴くんだな」
【藍建】
「ンっ……はぁ……」
銀の蔑むような笑い。
腹立たしいはずなのに、なぜかオレの体は反応を示していた。
うつ伏せの体勢でシーツに擦れる膨張したそれを、銀は見逃さなかった。
【銀】
「なんだ……ココを弄られてそんなに気持ち良かったのか?」
【藍建】
「やめ、ろ……っ、触るな……あっ!」
両腕を押さえつけていた手を離して、銀は猛るオレの中心へと手を伸ばした。
腕を解放されても刺激を与え続けられて、言葉の抵抗しかできない。
それすらも、嬌声の中へと消えようとしていた。
【銀】
「こっちはすっかりドロドロだな」
【藍建】
「言うな……っふ、ぁ……」
ゆるく握り込まれ、そのまま軽く扱かれる。
その間も後ろへの刺激は続けられていて、頭がおかしくなりそうだ。
だが、直接的な感触に絶頂を迎えそうになると中心に添えられていた手は離れて行く。
【藍建】
「あっ……あ、ふ……」
同時に、後ろを刺激していた指も埋め込まれたままで動きが止まる。
まるで急に何もない場所に放り出されたようだ。
【銀】
「どうした。物欲しそうな顔をして」
【藍建】
「っく……」
びくびくと震えるオレの体は、確かに銀を欲していた。
【藍建】
「……ぅ、あぁっ」
そのとき、銀の指が勢いよく引き抜かれ、思わず切ない声が出てしまう。
だが許されないその失敗で降格人事を受けてからと言うもの、
俺、藍建仁は酒に逃避する生活を送っていた。
ここのところ、帰りがけに酒を買って家で一人で飲んでいたが、
その日はなんとなくバーへ行くことを選んでいた。
【和久井】
「いらっしゃいませ」
【藍建】
「どうも」
店の扉をくぐると、オーナーの和久井さんが笑顔で声をかけてくる。
実はこのバーには前の恋人と何度か来たことがあった。
だが、一人で来るのは今日が初めてだ。
【藍建】
(……何度か来ただけの客なんて覚えてないだろうな)
そう思いながら、カウンターに座る。
とりあえず最初の一杯を注文しようと思って声をかけようとするが、
意外なことに話しかけてきたのは向こうだった。
【和久井】
「藍建さん、お久しぶりです。本日はお一人ですか?」
【藍建】
「あ……うん」
どうせ覚えていないだろうと思った矢先に気さくに話しかけられ、思わずぽかんとしてしまう。
だがそれはなんだか心地よく、オレは誰かに話したい気持ちがあったからここに来たのだと思えた。
【藍建】
「実は、ツレに振られちゃってね」
【和久井】
「そうだったんですか……」
【和久井】
「すみません、余計なことを訊いてしまいましたね」
【藍建】
「ううん、いいんだ」
……その後、酒の力もあってオレは和久井さんに仕事の失敗や、それで降格されたことなどを打ち明けた。
おもしろくもないだろう話に和久井さんはいちいち相槌を打ちながら、
時に慰めてくれて、一人で飲むよりもずいぶん気持ちが良い。
【藍建】
「だぁからさ、上のヤツも頭固いんだよ……」
【和久井】
「もう、その辺にしておいたらどうですか」
【藍建】
「いやだ!まだ飲む……」
おかげでアルコールの回りもいつもより早い。
和久井さん相手に愚痴を並べて酒を飲んでいると、いつのまにか俺はすっかり出来上がっていた。
そんな中、バーの隅に座ってオレの話を聞いていたのが、身なりの良いスーツ姿の男……
それが銀だった。
【銀】
「……話は聞いていた。お前、だいぶ苦労しているみたいだな」
銀はカウンターの俺の席までやってきて、そんなことを言う。
訝しんで見上げると、そいつはさらに話を続けた。
【銀】
「オレは何もお前に同情しているんじゃない」
【銀】
「ただ……どうせなら落ちるところまで落ちてみるのはどうだ?」
【藍建】
「……は?」
オレは目の前の男がなぜ急にそんなことを言うのか、理解できなかった。
酒のせいで頭が回らない、と言うのもある。
だがそいつはオレのことなんておかまいなしに財布を取り出した。
【銀】
「マスター、会計。こいつの分もだ」
言いながら、財布から何枚か札を抜き出すと和久井さんに押し付ける。
【藍建】
「何なんだ?あんた」
【銀】
「オレが聞いてるのはひとつだ。オレと一緒に来るか。どうなんだ?」
【藍建】
「……あー、行くよ!行けばいいんだろ!もう今更どんな地獄に落ちたってかまわないさ」
【銀】
「それは良い心がけだな」
そうして、酒のせいもあり半ば自暴自棄になっていた俺は、銀に誘われるまま付いて行った。
銀の向かう、そのホテルに……。
ホテルの部屋に入るとすぐに、オレは乱暴にベッドへと放り出された。
バーで出会った男……銀に誘われるまま付いてきたホテルの部屋は、ベッドの他はほとんど物がない。
銀はうつぶせの俺を押さえつけ、背中で両腕を束ねると俺のズボンに手を掛けた。
酒で潰れた今のオレは、こいつにとって随分と楽に組み伏せることができただろう。
【藍建】
「な、何を……!」
【銀】
「どんな地獄でも良いと言ったのはお前のはずだが?」
【藍建】
「それは……っ」
抵抗が緩んだ隙に器用にベルトを外され、着ていたものも剥ぎ取られる。
こっちは刑事で、もちろん武道の訓練も受けている身だ。
だが、バーで深酒をしすぎたせいで思うように体に力が入らない。
【藍建】
(こんな奴に……っ!)
ろくな抵抗もできないまま、気が付くとオレは銀の手によって下半身も裸に剥かれている。
それどころか、こんな状態にもかかわらずオレの体は熱を持ち始めていた。
体を探るように触っていた銀もそのことに気付いたらしく、わざとらしく嘲笑する。
【銀】
「ふん、見られただけで感じるのか?随分と男の誘い方を知っているようだな」
【藍建】
「そんな……こんなこと、オレは今まで一度も……あぁっ!」
下半身に、冷たい何か……潤滑油のようなものが落とされる。
銀の細い指でそれを塗り広げられると、不思議と体の奥が疼くようだった。
【銀】
「それなら今日が初めてか?……相当素質があるんだな」
【藍建】
「何を……く、ぅ……!!」
ゆっくりと、銀の指が俺の中に這入ってくる。
オレは今までやる側専門で、ソッチは未経験の部類だ。
【藍建】
「ヒッ……あぁ……っ」
体の内側に感じる冷たい液体と、乱暴なようでいて丁寧な手付きに自然と体の奥が疼いた。
【藍建】
(おかしい、こんな……なぜ……?)
そう思いながらも、オレの口からはひっきりなしに吐息が漏れる。
苦しいからだけじゃなく、快感を拾って漏れ出る声だ。
【銀】
「ハッ……ずいぶん気持ちよさそうに鳴くんだな」
【藍建】
「ンっ……はぁ……」
銀の蔑むような笑い。
腹立たしいはずなのに、なぜかオレの体は反応を示していた。
うつ伏せの体勢でシーツに擦れる膨張したそれを、銀は見逃さなかった。
【銀】
「なんだ……ココを弄られてそんなに気持ち良かったのか?」
【藍建】
「やめ、ろ……っ、触るな……あっ!」
両腕を押さえつけていた手を離して、銀は猛るオレの中心へと手を伸ばした。
腕を解放されても刺激を与え続けられて、言葉の抵抗しかできない。
それすらも、嬌声の中へと消えようとしていた。
【銀】
「こっちはすっかりドロドロだな」
【藍建】
「言うな……っふ、ぁ……」
ゆるく握り込まれ、そのまま軽く扱かれる。
その間も後ろへの刺激は続けられていて、頭がおかしくなりそうだ。
だが、直接的な感触に絶頂を迎えそうになると中心に添えられていた手は離れて行く。
【藍建】
「あっ……あ、ふ……」
同時に、後ろを刺激していた指も埋め込まれたままで動きが止まる。
まるで急に何もない場所に放り出されたようだ。
【銀】
「どうした。物欲しそうな顔をして」
【藍建】
「っく……」
びくびくと震えるオレの体は、確かに銀を欲していた。
【藍建】
「……ぅ、あぁっ」
そのとき、銀の指が勢いよく引き抜かれ、思わず切ない声が出てしまう。