[本編] 赤屋 竜次 編
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【ハク】
「なぁ、これ……本物なのか」
やっと開いた口から出た言葉は、それだった。
【赤屋】
「……お前が知る必要はない」
リュウはそう言って拳銃を俺の目の触れない位置へと隠す。
本物なのかって聞いたけど、その答えはリュウの職業を考えれば小学生でもわかることだった。
【ハク】
「…………」
【赤屋】
「…………」
しばしの沈黙のあと、俺はやっと落ちたままのジャケットを拾い上げる。
俺が焦って放り投げたせいで、皺になるのはもう確実だ。
……あとでちゃんとアイロンをかけないと。
俺は一旦はリュウのジャケットを抱えて部屋に戻りかけた。
だが、ふとどうしようもなく気になったことをリュウに背を向けたまま問いかけた。
【ハク】
「……リュウは人を撃ったことあるのか?」
リュウの顔を見ながら尋ねる勇気はなかった。
もし、イエスと言われたら……。
【赤屋】
「いや……」
【赤屋】
「俺自身は……ない」
【ハク】
(……俺自身は、か)
含みのある言い方だ。
まるで、自分自身で引き金をひいたことはなくても、それに近いことはしたことあるって言うような。
【ハク】
「……人に、やらせたことはある?」
【赤屋】
「……もう訊くな」
【赤屋】
「俺は本当はこんなものは持ちたくないし、好きでもない」
リュウは昔から嘘が下手だ。だからこれは、リュウの本心なのだろう。
そしてリュウは優しいから、リュウが言うところの「カタギ」である俺には直接的な答えを返さない。
リュウの世界のことは知らないままでいさせてくれる。
それがおもしろくないなんて言うのは子供っぽいけれど……。
【ハク】
「じゃあ、持たなきゃいいじゃんか」
思ったことをそのまま、吐き出した。
リュウの顔が見えないから言えたのかもしれない。
もちろん俺が言ったところでどうにもならないんだろうが、言わずにはいられなかった。
直後、ぐいっとリュウが俺の肩を掴んで身体が反転する。
【ハク】
「うわっ……!」
【赤屋】
「ハク、聞いてくれ」
俺のすぐ目の前にリュウの顔があった。
やけに真剣な顔で、目が離せない。
【赤屋】
「俺が自分でコレを撃ったことがないのは本当だ」
【ハク】
「……それはもうわかったよ」
【赤屋】
「最後まで聞け」
【赤屋】
「今まで撃ったことはない……」
【赤屋】
「だがこの先……大切なものを守るためなら、撃つかもしれない」
リュウはそれを、俺の目を見ながら言い切った。
【ハク】
(大切なものを守るためなら、嫌いな拳銃を使うかもしれないって?)
【ハク】
(じゃあ、リュウの大切なものって何……?)
本当は訊きたかった。
だけどそれを、俺はどうしても訊いてはいけない気がして、訊くことはできなかった……。
【ハク】
「そう……」
俺は肩に置かれた手をゆっくりと離す。
【ハク】
「……ジャケット、皺になるから次からはちゃんとハンガーに掛けろよ」
【赤屋】
「…………」
すっかり皺くちゃになったジャケットを持って部屋に向かう。
もうリュウは何も言ってこなかった。
結局、俺はこの件はリュウが最初に言ったとおり、見なかったことにした。
そのほか、二人で暮らしてみると一人の時とは違って不便なこともあった。
一人の時は特に気にしていなくても、二人で暮らす上では変なところで気を遣ったりする必要もある。
特に、風呂上りの格好なんかがそうだ。
俺は一人暮らしのときは何も気にせず裸だとか、下着姿でうろうろしたりしていたから、
リュウの家に住むことになってからもしばらくはその癖がいまいち抜けていなかった。
新しい生活にも慣れてきたという頃、風呂上りに俺は素肌にタオルだけを羽織った姿のままリビングで飲み物を飲んでいた。
まだ比較的早い時間だったし、リュウは仕事で出ていたからまだ帰ってこないだろうと思い込んでいたのだ。
そこに、ガチャッと不意に玄関ドアが開いてリュウが帰ってきた。
【赤屋】
「ただいま……」
【ハク】
(!!やば……リュウ帰ってきた……)
俺のアパートより広いとは言っても一人暮らしの部屋だ。
ドアを開けると玄関から居間が見える。
【ハク】
「あ、リュウ……おかえりなさい」
【赤屋】
「お、前……そのカッコ……」
唖然とした顔のリュウが見えた。
もちろんリュウは仕事帰りだから、ちゃんと服を着ている。
なんだか、俺だけ裸なのがバカみたいで恥ずかしくなってくる。
【赤屋】
「っ……」
【赤屋】
「……ちゃんと服ぐらい着てろ」
リュウは何かを言おうとして言い直し、目をそらした。
【ハク】
「あ、ゴメン……まだしばらく帰ってこないと思ってたから」
【ハク】
「お前の家だってのにダラダラしちゃってほんと、ゴメンな」
【赤屋】
「いや……ちゃんと着てりゃ、もういい」
俺は慌ててソファにかけたままの着替えを身に着ける。
そりゃ、帰って早々オトコの裸なんて見たくないよな。
若くて可愛い女の子ならまだ嬉しいかもしれないけど、俺なんてリュウと同年代でもうオッサンだし……。
【ハク】
「夕飯、すぐ支度するから」
【赤屋】
「……頼む」
服を着て、冷蔵庫の中身を思い出しながら取り繕う。
しかしリュウは、まだ俺と目を合わせてくれず、ぶっきらぼうな返事をかえした。
【ハク】
(リュウ…怒ってるのかな…)
【ハク】
(やっぱ、だらしなさ過ぎたか…)
【ハク】
(置いてもらってる身なのに…)
【ハク】
(……ダメだな、俺)
思わず自己嫌悪に陥ってしまう。
しかし、同居生活で大変なのはそれだけではなかった。
あんなことが起こるとは、俺もまるで想像していなかった……。
続く…
「なぁ、これ……本物なのか」
やっと開いた口から出た言葉は、それだった。
【赤屋】
「……お前が知る必要はない」
リュウはそう言って拳銃を俺の目の触れない位置へと隠す。
本物なのかって聞いたけど、その答えはリュウの職業を考えれば小学生でもわかることだった。
【ハク】
「…………」
【赤屋】
「…………」
しばしの沈黙のあと、俺はやっと落ちたままのジャケットを拾い上げる。
俺が焦って放り投げたせいで、皺になるのはもう確実だ。
……あとでちゃんとアイロンをかけないと。
俺は一旦はリュウのジャケットを抱えて部屋に戻りかけた。
だが、ふとどうしようもなく気になったことをリュウに背を向けたまま問いかけた。
【ハク】
「……リュウは人を撃ったことあるのか?」
リュウの顔を見ながら尋ねる勇気はなかった。
もし、イエスと言われたら……。
【赤屋】
「いや……」
【赤屋】
「俺自身は……ない」
【ハク】
(……俺自身は、か)
含みのある言い方だ。
まるで、自分自身で引き金をひいたことはなくても、それに近いことはしたことあるって言うような。
【ハク】
「……人に、やらせたことはある?」
【赤屋】
「……もう訊くな」
【赤屋】
「俺は本当はこんなものは持ちたくないし、好きでもない」
リュウは昔から嘘が下手だ。だからこれは、リュウの本心なのだろう。
そしてリュウは優しいから、リュウが言うところの「カタギ」である俺には直接的な答えを返さない。
リュウの世界のことは知らないままでいさせてくれる。
それがおもしろくないなんて言うのは子供っぽいけれど……。
【ハク】
「じゃあ、持たなきゃいいじゃんか」
思ったことをそのまま、吐き出した。
リュウの顔が見えないから言えたのかもしれない。
もちろん俺が言ったところでどうにもならないんだろうが、言わずにはいられなかった。
直後、ぐいっとリュウが俺の肩を掴んで身体が反転する。
【ハク】
「うわっ……!」
【赤屋】
「ハク、聞いてくれ」
俺のすぐ目の前にリュウの顔があった。
やけに真剣な顔で、目が離せない。
【赤屋】
「俺が自分でコレを撃ったことがないのは本当だ」
【ハク】
「……それはもうわかったよ」
【赤屋】
「最後まで聞け」
【赤屋】
「今まで撃ったことはない……」
【赤屋】
「だがこの先……大切なものを守るためなら、撃つかもしれない」
リュウはそれを、俺の目を見ながら言い切った。
【ハク】
(大切なものを守るためなら、嫌いな拳銃を使うかもしれないって?)
【ハク】
(じゃあ、リュウの大切なものって何……?)
本当は訊きたかった。
だけどそれを、俺はどうしても訊いてはいけない気がして、訊くことはできなかった……。
【ハク】
「そう……」
俺は肩に置かれた手をゆっくりと離す。
【ハク】
「……ジャケット、皺になるから次からはちゃんとハンガーに掛けろよ」
【赤屋】
「…………」
すっかり皺くちゃになったジャケットを持って部屋に向かう。
もうリュウは何も言ってこなかった。
結局、俺はこの件はリュウが最初に言ったとおり、見なかったことにした。
そのほか、二人で暮らしてみると一人の時とは違って不便なこともあった。
一人の時は特に気にしていなくても、二人で暮らす上では変なところで気を遣ったりする必要もある。
特に、風呂上りの格好なんかがそうだ。
俺は一人暮らしのときは何も気にせず裸だとか、下着姿でうろうろしたりしていたから、
リュウの家に住むことになってからもしばらくはその癖がいまいち抜けていなかった。
新しい生活にも慣れてきたという頃、風呂上りに俺は素肌にタオルだけを羽織った姿のままリビングで飲み物を飲んでいた。
まだ比較的早い時間だったし、リュウは仕事で出ていたからまだ帰ってこないだろうと思い込んでいたのだ。
そこに、ガチャッと不意に玄関ドアが開いてリュウが帰ってきた。
【赤屋】
「ただいま……」
【ハク】
(!!やば……リュウ帰ってきた……)
俺のアパートより広いとは言っても一人暮らしの部屋だ。
ドアを開けると玄関から居間が見える。
【ハク】
「あ、リュウ……おかえりなさい」
【赤屋】
「お、前……そのカッコ……」
唖然とした顔のリュウが見えた。
もちろんリュウは仕事帰りだから、ちゃんと服を着ている。
なんだか、俺だけ裸なのがバカみたいで恥ずかしくなってくる。
【赤屋】
「っ……」
【赤屋】
「……ちゃんと服ぐらい着てろ」
リュウは何かを言おうとして言い直し、目をそらした。
【ハク】
「あ、ゴメン……まだしばらく帰ってこないと思ってたから」
【ハク】
「お前の家だってのにダラダラしちゃってほんと、ゴメンな」
【赤屋】
「いや……ちゃんと着てりゃ、もういい」
俺は慌ててソファにかけたままの着替えを身に着ける。
そりゃ、帰って早々オトコの裸なんて見たくないよな。
若くて可愛い女の子ならまだ嬉しいかもしれないけど、俺なんてリュウと同年代でもうオッサンだし……。
【ハク】
「夕飯、すぐ支度するから」
【赤屋】
「……頼む」
服を着て、冷蔵庫の中身を思い出しながら取り繕う。
しかしリュウは、まだ俺と目を合わせてくれず、ぶっきらぼうな返事をかえした。
【ハク】
(リュウ…怒ってるのかな…)
【ハク】
(やっぱ、だらしなさ過ぎたか…)
【ハク】
(置いてもらってる身なのに…)
【ハク】
(……ダメだな、俺)
思わず自己嫌悪に陥ってしまう。
しかし、同居生活で大変なのはそれだけではなかった。
あんなことが起こるとは、俺もまるで想像していなかった……。
続く…
