[本編] 桃島 光彦 編
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【桃島】
「緑川さ……」
【緑川】
「病み上がりだからってこっちは気使ってんだよ、調子に乗るな」
【桃島】
「別に調子に乗ってなんか……」
【緑川】
「お前さぁ、そろそろ気づけよ」
緑川さんが有無を言わせぬ口調でぴしゃりと言い切った。
【桃島】
「何がっスか、“先輩”」
【緑川】
「だから!」
緑川さんの怒声が飛ぶ。
【緑川】
「そう言う風に先輩とか呼んで、特別扱いしてくれってアピールすんのもうんざりなんだよ」
【桃島】
「別にそんなことしてな……」
【緑川】
「じゃあ何だよ」
【桃島】
「何って……言われても……」
桃島さんはショックを受けていて、声が掠れてしまっていた。
【緑川】
「気づいてんだろ、いい加減受け入れろ」
【緑川】
「俺はお前のコト、ウザイって思ってんだよ」
【緑川】
「仕事以外で一切話しかけてほしくない」
【緑川】
「お前みたいなのはうんざりなんだ!」
【桃島】
「……!」
―――ドン! と緑川さんが拳で壁を殴った。
その音に俺も、桃島さんもひっと怯えてしまう。
【桃島】
「何ですか、いきなり……」
【緑川】
「いきなり? いきなりじゃないだろ」
【緑川】
「俺はずっとお前のこと、好意なんか持って接してないんだからな」
【緑川】
「お前の境遇には確かに同情する」
【緑川】
「でも……それと俺の個人的感情は別だ」
【緑川】
「お前のことを特別に思ったことなんて……一度だってない」
【緑川】
「一度たりとも、だ」
強調するように緑川さんが繰り返した。
【桃島】
「そんな……そんな言い方しなくたって……」
【緑川】
「だからそれがうぜえって言ってんだよ!」
緑川さんの拳が桃島さんの右頬を掠るようにして、再び壁を殴る。
【ハク】
(これ……緑川さん、わざとやってるんだよな……)
こんなに怖い緑川さんは見たことがない。
前に言っていたやつだ。
自分を見切らせるために、桃島さんにわざと冷たく接すると。
その後に、俺に桃島さんを支えるようにとも言っていたが。
【ハク】
(何も店に復帰した昨日の今日であそこまで言わなくても……)
あんな風にはっきり言われるのは桃島さんもきっと初めてなんだろう。
桃島さんの顔色はすっかり青ざめている。
【緑川】
「俺はお前のこと、ホストの後輩として以外どうも思っちゃいない」
【緑川】
「そろそろ気づけよ」
【桃島】
「っ……」
桃島さんは答えられず口をつぐんでいる。
【緑川】
「……それとも」
緑川さんが人の悪そうな表情で続ける。
【緑川】
「俺の慰めに付き合ってくれるっていうんなら話は別だけどな」
【桃島】
「はっ……!?」
【緑川】
「他人にやらせてたんだから、好きな俺ならできるだろ?」
【桃島】
「アンタ、何言って……」
【緑川】
「ちょうど今は恋人もいないし、……それでも好きっていうなら」
【緑川】
「俺が呼んだらいつでも来てくれて、どんだけめちゃくちゃにされても怒らない」
【緑川】
「俺の玩具代わりに好きにさせてくれるんだったら、付き合ってやってもいい」
【緑川】
「……それでどうだ?」
【桃島】
「なっ……玩具って……!」
桃島さんが肩を震わせている。
【緑川】
「どうなんだよ、なぁ、テル?」
【桃島】
「……っ……」
桃島さんは答えられないみたいだった。
気持ちは永遠に手に入らない。
ただ……身体の一線だけは、最低な形で超えてもいいと言われて……。
【ハク】
(冷たくするって……あの言い方はひどいっ……)
飛び出して桃島さんに本当のことを言ってしまいたい衝動に駆られるけれど、懸命に耐える。
【緑川】
「……何も答えないってことはイイってことでいいのか?」
【緑川】
「このビッチホストが」
【桃島】
「そんな言い方……痛ッ!」
反論しようとした桃島さんの髪を緑川さんが引っ掴み、無理やり桃島さんを跪かせた。
【桃島】
「何するんだよ、痛ェ!」
【緑川】
「好きなようにさせてくれるんじゃないのか?」
【桃島】
「そんなこと言ってな……」
【緑川】
「言っておくけど俺は……ドSだからな」
【桃島】
「ひっ……痛!」
桃島さんの悲鳴が響いた。
緑川さんは跪いた桃島さんに顔を近づけ……そのままキスなんかしないで、耳朶を歯で思いきり噛んだ。
【桃島】
「っ……!」
桃島さんは痛みに耐えていたが、緑川さんの唇には血が滲んでいる。
【ハク】
(あれ……桃島さんの耳、傷つけて……!)
相当な痛みが桃島さんに走っていることに気付く。
【桃島】
「痛……ぇ……」
「緑川さ……」
【緑川】
「病み上がりだからってこっちは気使ってんだよ、調子に乗るな」
【桃島】
「別に調子に乗ってなんか……」
【緑川】
「お前さぁ、そろそろ気づけよ」
緑川さんが有無を言わせぬ口調でぴしゃりと言い切った。
【桃島】
「何がっスか、“先輩”」
【緑川】
「だから!」
緑川さんの怒声が飛ぶ。
【緑川】
「そう言う風に先輩とか呼んで、特別扱いしてくれってアピールすんのもうんざりなんだよ」
【桃島】
「別にそんなことしてな……」
【緑川】
「じゃあ何だよ」
【桃島】
「何って……言われても……」
桃島さんはショックを受けていて、声が掠れてしまっていた。
【緑川】
「気づいてんだろ、いい加減受け入れろ」
【緑川】
「俺はお前のコト、ウザイって思ってんだよ」
【緑川】
「仕事以外で一切話しかけてほしくない」
【緑川】
「お前みたいなのはうんざりなんだ!」
【桃島】
「……!」
―――ドン! と緑川さんが拳で壁を殴った。
その音に俺も、桃島さんもひっと怯えてしまう。
【桃島】
「何ですか、いきなり……」
【緑川】
「いきなり? いきなりじゃないだろ」
【緑川】
「俺はずっとお前のこと、好意なんか持って接してないんだからな」
【緑川】
「お前の境遇には確かに同情する」
【緑川】
「でも……それと俺の個人的感情は別だ」
【緑川】
「お前のことを特別に思ったことなんて……一度だってない」
【緑川】
「一度たりとも、だ」
強調するように緑川さんが繰り返した。
【桃島】
「そんな……そんな言い方しなくたって……」
【緑川】
「だからそれがうぜえって言ってんだよ!」
緑川さんの拳が桃島さんの右頬を掠るようにして、再び壁を殴る。
【ハク】
(これ……緑川さん、わざとやってるんだよな……)
こんなに怖い緑川さんは見たことがない。
前に言っていたやつだ。
自分を見切らせるために、桃島さんにわざと冷たく接すると。
その後に、俺に桃島さんを支えるようにとも言っていたが。
【ハク】
(何も店に復帰した昨日の今日であそこまで言わなくても……)
あんな風にはっきり言われるのは桃島さんもきっと初めてなんだろう。
桃島さんの顔色はすっかり青ざめている。
【緑川】
「俺はお前のこと、ホストの後輩として以外どうも思っちゃいない」
【緑川】
「そろそろ気づけよ」
【桃島】
「っ……」
桃島さんは答えられず口をつぐんでいる。
【緑川】
「……それとも」
緑川さんが人の悪そうな表情で続ける。
【緑川】
「俺の慰めに付き合ってくれるっていうんなら話は別だけどな」
【桃島】
「はっ……!?」
【緑川】
「他人にやらせてたんだから、好きな俺ならできるだろ?」
【桃島】
「アンタ、何言って……」
【緑川】
「ちょうど今は恋人もいないし、……それでも好きっていうなら」
【緑川】
「俺が呼んだらいつでも来てくれて、どんだけめちゃくちゃにされても怒らない」
【緑川】
「俺の玩具代わりに好きにさせてくれるんだったら、付き合ってやってもいい」
【緑川】
「……それでどうだ?」
【桃島】
「なっ……玩具って……!」
桃島さんが肩を震わせている。
【緑川】
「どうなんだよ、なぁ、テル?」
【桃島】
「……っ……」
桃島さんは答えられないみたいだった。
気持ちは永遠に手に入らない。
ただ……身体の一線だけは、最低な形で超えてもいいと言われて……。
【ハク】
(冷たくするって……あの言い方はひどいっ……)
飛び出して桃島さんに本当のことを言ってしまいたい衝動に駆られるけれど、懸命に耐える。
【緑川】
「……何も答えないってことはイイってことでいいのか?」
【緑川】
「このビッチホストが」
【桃島】
「そんな言い方……痛ッ!」
反論しようとした桃島さんの髪を緑川さんが引っ掴み、無理やり桃島さんを跪かせた。
【桃島】
「何するんだよ、痛ェ!」
【緑川】
「好きなようにさせてくれるんじゃないのか?」
【桃島】
「そんなこと言ってな……」
【緑川】
「言っておくけど俺は……ドSだからな」
【桃島】
「ひっ……痛!」
桃島さんの悲鳴が響いた。
緑川さんは跪いた桃島さんに顔を近づけ……そのままキスなんかしないで、耳朶を歯で思いきり噛んだ。
【桃島】
「っ……!」
桃島さんは痛みに耐えていたが、緑川さんの唇には血が滲んでいる。
【ハク】
(あれ……桃島さんの耳、傷つけて……!)
相当な痛みが桃島さんに走っていることに気付く。
【桃島】
「痛……ぇ……」