[本編] 桃島 光彦 編
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【新人ホスト】
「だから、緑川さんには辞めてほしくないんです!」
【ハク】
「えっ!?」
【新人ホスト】
「さっき先輩たちが噂してるの聞いて……緑川さんがホスト引退するかって……」
【ハク】
「まさか……!」
【ハク】
(緑川さんがホストを!?)
まだ現役のナンバー1だし、人気は群を抜いたものだ。
それにホストの仕事を愛している緑川さんが辞めるなんて……どうして……。
【ハク】
(このこと……桃島さんは知ってるのかな……)
今朝……寮を出て行った桃島さん。
あれから部屋には戻って来ず、直接店に出勤しているため、俺と話す機会はなかった。
【ハク】
(桃島さんに教えないと……)
もしかしたら、緑川さんが辞めるかどうかを桃島さんに相談しているかもしれない。
その可能性は否定できないけど……今の状態の桃島さんに緑川さんが相談事を持ちかけるとは思えない。
【ハク】
(それに……)
緑川さんがそういったことを桃島さんに相談しているなら……
桃島さんはあんな風に荒れたりしないはずだ。
【ハク】
(教えないと!)
【ハク】
「ありがとう」
【新人ホスト】
「いえっ……あの、情報あったら教えてくださいね!」
【ハク】
「うん!」
店内を見回すと、ちょうど接客についていない桃島さんを見つける。
今朝のことがあったので話しかけづらいのはあるが、事が事なので桃島さんを店の隅に呼ぶ。
【ハク】
「桃島さん!」
【桃島】
「何? 用事かなんか?」
少しピリピリしている雰囲気は気のせいじゃない。
でも、今はそれを気にしている場合じゃない。
【ハク】
「さっき新人の子に聞いたんです。……緑川さんがホスト辞めるかもしれないって」
【桃島】
「―――え?」
【ハク】
「誰かが噂しているのを聞いたらしいんです。桃島さん……知ってましたか?」
【桃島】
「いや……」
桃島さんはショックを受けて、黙り込んでしまった。
【ハク】
(本当に知らなかったんだ……)
【桃島】
「……それ、本当なのか?」
【ハク】
「俺も噂なので。でも……」
【桃島】
「……」
桃島さんは絶句してしまう。
【ハク】
(緑川さん……あんなにお客さんには細やかな気遣いができるのに)
【ハク】
(どうして桃島さんにはこんな風に……)
そういうことを、桃島さんはきっと一番に相談してほしかったに違いない。
【ハク】
「……俺、緑川さんに本当のこと、聞いてきます」
【桃島】
「ちょっ、おい、ハクさん!」
桃島さんの制止を振り払って、俺は緑川さんのところに近寄って行った。
偶然にも緑川さんはロックアイスの補充に来ていて、周りにお客さんはいない。
【ハク】
「緑川さん」
【緑川】
「お疲れ、ユキ。どうした?」
【ハク】
「……話があります」
【ハク】
「ここではできない話です」
【緑川】
「……!」
そう切り出されて、緑川さんも心当たりがあるみたいだ。
【緑川】
「……閉店後、交差点の所の喫茶店でどうかな?」
【ハク】
「……お願いします」
店の外で会う約束を取り付けることが出来た。
【ハク】
(緑川さんがホストを辞めるなんて、どうして……)
【ハク】
(会って話すのに応じるってことは……)
【ハク】
(まさか本当……!?)
その日は閉店までそわそわした気持ちを隠して接客するのに一苦労だった……。
―――閉店後。
【緑川】
「ユキの方が来るとはね」
【ハク】
「……ってことは妙な噂が流れていることはご存じなんですね」
【緑川】
「まあね」
【ハク】
「……単刀直入に聞きます。ホスト辞めるって本当ですか?」
【緑川】
「……デマだよ」
【ハク】
「デマなんですか!」
そう言い切ってもらえてほっとする。でも……。
【ハク】
「じゃあどうしてあんな噂が……」
【緑川】
「その噂を流したのは俺」
【ハク】
「えっ!? どうして……」
【緑川】
「……テルのためだよ」
【ハク】
「何言ってるんですか! なんで桃島さんにそんなこと……」
【緑川】
「……」
緑川さんは黙り込んでしまう。
【ハク】
「だって、桃島さんは緑川さんのこと……あっ」
つい、口が滑ってしまう。本当のことを言ってしまった。
【緑川】
「……知ってる」
【ハク】
「じゃあなんでっ……」
【緑川】
「香月の脅しに、俺にすべてを言うってのが入ってるって知ったからさ」
【ハク】
「……!」
「だから、緑川さんには辞めてほしくないんです!」
【ハク】
「えっ!?」
【新人ホスト】
「さっき先輩たちが噂してるの聞いて……緑川さんがホスト引退するかって……」
【ハク】
「まさか……!」
【ハク】
(緑川さんがホストを!?)
まだ現役のナンバー1だし、人気は群を抜いたものだ。
それにホストの仕事を愛している緑川さんが辞めるなんて……どうして……。
【ハク】
(このこと……桃島さんは知ってるのかな……)
今朝……寮を出て行った桃島さん。
あれから部屋には戻って来ず、直接店に出勤しているため、俺と話す機会はなかった。
【ハク】
(桃島さんに教えないと……)
もしかしたら、緑川さんが辞めるかどうかを桃島さんに相談しているかもしれない。
その可能性は否定できないけど……今の状態の桃島さんに緑川さんが相談事を持ちかけるとは思えない。
【ハク】
(それに……)
緑川さんがそういったことを桃島さんに相談しているなら……
桃島さんはあんな風に荒れたりしないはずだ。
【ハク】
(教えないと!)
【ハク】
「ありがとう」
【新人ホスト】
「いえっ……あの、情報あったら教えてくださいね!」
【ハク】
「うん!」
店内を見回すと、ちょうど接客についていない桃島さんを見つける。
今朝のことがあったので話しかけづらいのはあるが、事が事なので桃島さんを店の隅に呼ぶ。
【ハク】
「桃島さん!」
【桃島】
「何? 用事かなんか?」
少しピリピリしている雰囲気は気のせいじゃない。
でも、今はそれを気にしている場合じゃない。
【ハク】
「さっき新人の子に聞いたんです。……緑川さんがホスト辞めるかもしれないって」
【桃島】
「―――え?」
【ハク】
「誰かが噂しているのを聞いたらしいんです。桃島さん……知ってましたか?」
【桃島】
「いや……」
桃島さんはショックを受けて、黙り込んでしまった。
【ハク】
(本当に知らなかったんだ……)
【桃島】
「……それ、本当なのか?」
【ハク】
「俺も噂なので。でも……」
【桃島】
「……」
桃島さんは絶句してしまう。
【ハク】
(緑川さん……あんなにお客さんには細やかな気遣いができるのに)
【ハク】
(どうして桃島さんにはこんな風に……)
そういうことを、桃島さんはきっと一番に相談してほしかったに違いない。
【ハク】
「……俺、緑川さんに本当のこと、聞いてきます」
【桃島】
「ちょっ、おい、ハクさん!」
桃島さんの制止を振り払って、俺は緑川さんのところに近寄って行った。
偶然にも緑川さんはロックアイスの補充に来ていて、周りにお客さんはいない。
【ハク】
「緑川さん」
【緑川】
「お疲れ、ユキ。どうした?」
【ハク】
「……話があります」
【ハク】
「ここではできない話です」
【緑川】
「……!」
そう切り出されて、緑川さんも心当たりがあるみたいだ。
【緑川】
「……閉店後、交差点の所の喫茶店でどうかな?」
【ハク】
「……お願いします」
店の外で会う約束を取り付けることが出来た。
【ハク】
(緑川さんがホストを辞めるなんて、どうして……)
【ハク】
(会って話すのに応じるってことは……)
【ハク】
(まさか本当……!?)
その日は閉店までそわそわした気持ちを隠して接客するのに一苦労だった……。
―――閉店後。
【緑川】
「ユキの方が来るとはね」
【ハク】
「……ってことは妙な噂が流れていることはご存じなんですね」
【緑川】
「まあね」
【ハク】
「……単刀直入に聞きます。ホスト辞めるって本当ですか?」
【緑川】
「……デマだよ」
【ハク】
「デマなんですか!」
そう言い切ってもらえてほっとする。でも……。
【ハク】
「じゃあどうしてあんな噂が……」
【緑川】
「その噂を流したのは俺」
【ハク】
「えっ!? どうして……」
【緑川】
「……テルのためだよ」
【ハク】
「何言ってるんですか! なんで桃島さんにそんなこと……」
【緑川】
「……」
緑川さんは黙り込んでしまう。
【ハク】
「だって、桃島さんは緑川さんのこと……あっ」
つい、口が滑ってしまう。本当のことを言ってしまった。
【緑川】
「……知ってる」
【ハク】
「じゃあなんでっ……」
【緑川】
「香月の脅しに、俺にすべてを言うってのが入ってるって知ったからさ」
【ハク】
「……!」