[本編] 桃島 光彦 編
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【ハク】
「勝手に話してしまってすみません」
【ハク】
「でも、俺は緑川さんに相談しなくちゃいけないと思ってました」
【桃島】
「なんでだよっ……!」
【ハク】
「だって……緑川さんがいくらナンバー1のホストでも……」
【ハク】
「ずっと桃島さんの絶望には気づいていなかった」
【桃島】
「……!」
【ハク】
「好きでいるために、桃島さんがずっと苦しい思いをするなんて間違ってると俺は思います」
【ハク】
「緑川さんが言った……寝て起きたらひとつくらい良いことがある……」
【ハク】
「それはすごくいい言葉です」
【ハク】
「でもあのままの桃島さんだったら……寝るたびに秘密が増えて……」
【ハク】
「桃島さんを絶望の淵に追いやり続けるんです」
【桃島】
「……何だよ、わかったようなこと言いやがって」
【ハク】
「緑川さんに謝りに行きましょう。それに……本当のこと、多分桃島さんの口から話した方がいいです」
【ハク】
「緑川さんは、……桃島さんの口からは聞いていないはずですから」
【桃島】
「……言ったよ」
【ハク】
「え?」
【桃島】
「こないだ、営業時間中に呼び出されて……香月さんとヤッてるのか、って」
【桃島】
「俺は『はい』って言った。ちゃんと俺の口から聞いてる」
【ハク】
「……それのことじゃないです」
【桃島】
「……は?」
【ハク】
「桃島さんの……気持ちのことです」
【桃島】
「言えるわけないに決まってるだろ!」
桃島さんが声を荒げた。
【ハク】
「緑川さんの気持ちがどう返ってくるかは…」
【ハク】
「…正直わかりません」
【ハク】
「でもきっと……緑川さんなら受け止めてくれますよ」
【桃島】
「ンなわけ……」
【ハク】
「……俺、わかったことがあります」
【桃島】
「何だよ」
【ハク】
「桃島さんは……」
【ハク】
「その、2年前から……もっと昔からかもしれませんけど」
【ハク】
「ひとりでなんでも背負いすぎです」
【桃島】
「……仕方ねーじゃん。ひとり、なんだから……」
【ハク】
「でも今は違います」
【桃島】
「どういう意味だよ」
【ハク】
「俺が……います」
【桃島】
「……!」
【ハク】
「緑川さんに何を知られても、もし……」
【ハク】
「その、良い返事が返ってこなくても」
【ハク】
「俺がいるから……ひとりぼっちにはなりません」
【桃島】
「ハクさん……」
【ハク】
「戻りましょう。……きっと、みんな待ってます」
俺は桃島さんの手を引き、バーを後にする。
……なんで言ってしまったんだろう、『俺がいます』なんて……。
桃島さんにとって、俺がいたところで取るに足らない存在でしかない。
でも……そう言わずにいられなかった。
―――そして、桃島さんがつないだ手を振り払わずにいてくれたことも、嬉しかった―――。
続く…
「勝手に話してしまってすみません」
【ハク】
「でも、俺は緑川さんに相談しなくちゃいけないと思ってました」
【桃島】
「なんでだよっ……!」
【ハク】
「だって……緑川さんがいくらナンバー1のホストでも……」
【ハク】
「ずっと桃島さんの絶望には気づいていなかった」
【桃島】
「……!」
【ハク】
「好きでいるために、桃島さんがずっと苦しい思いをするなんて間違ってると俺は思います」
【ハク】
「緑川さんが言った……寝て起きたらひとつくらい良いことがある……」
【ハク】
「それはすごくいい言葉です」
【ハク】
「でもあのままの桃島さんだったら……寝るたびに秘密が増えて……」
【ハク】
「桃島さんを絶望の淵に追いやり続けるんです」
【桃島】
「……何だよ、わかったようなこと言いやがって」
【ハク】
「緑川さんに謝りに行きましょう。それに……本当のこと、多分桃島さんの口から話した方がいいです」
【ハク】
「緑川さんは、……桃島さんの口からは聞いていないはずですから」
【桃島】
「……言ったよ」
【ハク】
「え?」
【桃島】
「こないだ、営業時間中に呼び出されて……香月さんとヤッてるのか、って」
【桃島】
「俺は『はい』って言った。ちゃんと俺の口から聞いてる」
【ハク】
「……それのことじゃないです」
【桃島】
「……は?」
【ハク】
「桃島さんの……気持ちのことです」
【桃島】
「言えるわけないに決まってるだろ!」
桃島さんが声を荒げた。
【ハク】
「緑川さんの気持ちがどう返ってくるかは…」
【ハク】
「…正直わかりません」
【ハク】
「でもきっと……緑川さんなら受け止めてくれますよ」
【桃島】
「ンなわけ……」
【ハク】
「……俺、わかったことがあります」
【桃島】
「何だよ」
【ハク】
「桃島さんは……」
【ハク】
「その、2年前から……もっと昔からかもしれませんけど」
【ハク】
「ひとりでなんでも背負いすぎです」
【桃島】
「……仕方ねーじゃん。ひとり、なんだから……」
【ハク】
「でも今は違います」
【桃島】
「どういう意味だよ」
【ハク】
「俺が……います」
【桃島】
「……!」
【ハク】
「緑川さんに何を知られても、もし……」
【ハク】
「その、良い返事が返ってこなくても」
【ハク】
「俺がいるから……ひとりぼっちにはなりません」
【桃島】
「ハクさん……」
【ハク】
「戻りましょう。……きっと、みんな待ってます」
俺は桃島さんの手を引き、バーを後にする。
……なんで言ってしまったんだろう、『俺がいます』なんて……。
桃島さんにとって、俺がいたところで取るに足らない存在でしかない。
でも……そう言わずにいられなかった。
―――そして、桃島さんがつないだ手を振り払わずにいてくれたことも、嬉しかった―――。
続く…