[本編] 赤屋 竜次 編
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【ハク】
(寝ぼけてるんだよな……?)
ごく普通の、狭いシングルベッドに男子高校生が二人。
しかもリュウは身長もかなり高く、ガタイも良い。
壁際に追い込まれた俺は身動きもできず、身体が密着する。
【ハク】
「うわっ!」
腰のあたりからリュウの逞しい両腕が差し込まれ、抱き着かれるかたちになった。
背中から、パジャマ代わりのTシャツ2枚越しにリュウの体温が伝わってくる。
リュウはさっきまで寝ていたせいか、ずいぶん熱く感じた。
【赤屋】
「んー……」
その体勢を変えられないまま、少しするとリュウの規則正しい寝息が聞こえてきた。
リュウの腕は俺の身体に回されたままだ。
抱き枕か何かだと思ってるのかもしれない。
【ハク】
(…………眠れない)
リュウの寝息が、耳元で聞こえる。
背中からはリュウのぬくもりが伝わる。
不意に俺の腰にまわったリュウの腕がごそごそと動いて、俺の腹や胸のあたりをまさぐった。
【ハク】
「……っ、ん……!」
くすぐったくて思わず声が出てしまい、慌てて両手で押さえる。
【ハク】
(なんだ……今の声……)
リュウの腕は落ち着くところを見つけたようで、俺の肋骨のあたりにおさまった。
どうやらリュウは起きてはいないらしい。とにかく俺の心臓がバクバク言ってるのがわかる。
まるで俺の体ぜんぶが心臓になったみたいだ。
【ハク】
(どうか、今リュウが起きませんように……)
リュウはすっかり寝入っていて、ちょっとやそっとじゃ起きない。
それはわかったけど、俺の心臓の音があまりにうるさくてリュウが起きてしまうんじゃないかと気が気じゃなかった。
【ハク】
(そういえば……そんなこともあったな)
俺はあの後、どうにか眠りはしたものの翌日は寝不足でつらかったことを思い返す。
昔を懐かしんでいたら、思い出さなくていいことまで思い出してしまった気がする……。
【ハク】
(いや、あの頃は俺も若かったしな……)
買い物も済んで、リュウの車に戻った。
高校時代と違って今は車もあるから、荷物はたっぷりだ。食料品だけじゃなく、ほとんどが俺の日用品なんかが主だけど。
荷物をトランクに詰め終えたリュウも、運転席のドアを開けて乗り込む。
俺も荷物積むの手伝うって言ったのに、いいから先に乗ってろって断られてしまった。
今日買った品物の会計も、支払ったのはリュウで……
こういう駆け引きが俺はまだ下手なままだ。
【赤屋】
「結構買ったな」
【ハク】
「リュウ、俺やっぱり後で金払うよ」
【赤屋】
「いいって。何があるかわかんねぇんだからとっとけ」
【赤屋】
「それに、俺がハクに買ってやりたかったんだよ」
【ハク】
「……うん。じゃあ、ありがたく受け取っておく」
運転席のドアを閉めて、車のエンジンをかける。
心なしかリュウはご機嫌だ。その姿が、記憶の中のリュウと重なった。
……あのときもこんな感じだったなぁ。
【赤屋】
「なんだよハク、ニヤニヤして」
【ハク】
「そっちこそ」
【赤屋】
「まぁいい。帰るぞ」
【ハク】
「…ああ」
車は5分とかからずにリュウのマンションに着いた。
車を降りると、リュウは大きな荷物のほとんどを軽々と持ってさっさと言ってしまう。
買ったもののうちほとんどが俺のものなのに、やっぱりちょっとしか持たせてくれなかった。
……高校時代から何も変わってない。
【ハク】
(リュウは昔とかわらないな…)
【ハク】
(優しい所も…)
俺は自分を情けなく思いながらも、少しほっとした。
マンションの立派なエントランスを抜けて、エレベーターでリュウの部屋があるフロアまで上がる。
……今思うと、昨日酔っ払った俺を運ぶのは相当大変だったんじゃないか。ますます罪悪感だ……。
荷物を持ったまま器用に鍵を開けて、リュウが先に玄関に入ると荷物を下ろす。
俺も続いて入ろうとするが、その前にリュウがこっちを振り返って言った。
【赤屋】
「おかえり、ハク」
俺は、思わずのどまで出かかった「お邪魔します」を引っ込める。
俺も一人暮らしが長かったからか、なんだか無性にうれしかった。
【ハク】
「……ただいま」
そうだ、これから俺はここでリュウに「ただいま」と「おかえり」を言うんだ。
……もしかしたら、リュウもその相手がずっと欲しかったのかもしれない。
【赤屋】
「……とりあえず、いろいろあって疲れただろ」
【赤屋】
「もう今日はゆっくりした方がいい」
【ハク】
「………うん」
【赤屋】
「俺は仕事があるから一旦事務所戻る。悪いな、荷物の整理任せていいか」
【ハク】
「うん、それは大丈夫だけど……」
【ハク】
(そうか、俺のせいで途中で抜けちゃったから……)
思えば、俺が仕事場に押しかけて警察署まで付き合わせたんだった。
それにこんな買い物まで……やっぱり悪かったな。
【赤屋】
「それじゃ……」
【ハク】
「あ、ちょっと待って」
俺は、今まさに出て行こうとするリュウを呼びとめる。
これだけは、言っておきたかったからだ。
【赤屋】
「ん?」
【ハク】
「いってらっしゃい、リュウ」
【赤屋】
「……いってきます」
リュウは笑顔で出かけて行った。
今日、リュウが帰ったときは、今度は俺が「おかえり」を言おう。
【ハク】
(さて、これからどうしたもんか)
リュウが出て行って、広い部屋にぽつんと取り残される。
【ハク】
(とりあえず、買ってきた荷物を片付けなきゃならないよな)
俺はさっき買ってきた荷物を冷蔵庫や棚など、ここが収納場所だろうと当たりをつけて、片付け始める。
片付けをしながら、包丁やまな板、鍋などよく使う調理道具の位置はだいたい把握することができた。
【ハク】
(……一通り、調理器具はそろってるか…)
【ハク】
(じゃあ…とりあえず今晩の飯でも作るか)
【ハク】
(リュウって何が好きなんだろうか…)
こんな始まり方で、リュウと俺の同居生活は始まった。
続く…
(寝ぼけてるんだよな……?)
ごく普通の、狭いシングルベッドに男子高校生が二人。
しかもリュウは身長もかなり高く、ガタイも良い。
壁際に追い込まれた俺は身動きもできず、身体が密着する。
【ハク】
「うわっ!」
腰のあたりからリュウの逞しい両腕が差し込まれ、抱き着かれるかたちになった。
背中から、パジャマ代わりのTシャツ2枚越しにリュウの体温が伝わってくる。
リュウはさっきまで寝ていたせいか、ずいぶん熱く感じた。
【赤屋】
「んー……」
その体勢を変えられないまま、少しするとリュウの規則正しい寝息が聞こえてきた。
リュウの腕は俺の身体に回されたままだ。
抱き枕か何かだと思ってるのかもしれない。
【ハク】
(…………眠れない)
リュウの寝息が、耳元で聞こえる。
背中からはリュウのぬくもりが伝わる。
不意に俺の腰にまわったリュウの腕がごそごそと動いて、俺の腹や胸のあたりをまさぐった。
【ハク】
「……っ、ん……!」
くすぐったくて思わず声が出てしまい、慌てて両手で押さえる。
【ハク】
(なんだ……今の声……)
リュウの腕は落ち着くところを見つけたようで、俺の肋骨のあたりにおさまった。
どうやらリュウは起きてはいないらしい。とにかく俺の心臓がバクバク言ってるのがわかる。
まるで俺の体ぜんぶが心臓になったみたいだ。
【ハク】
(どうか、今リュウが起きませんように……)
リュウはすっかり寝入っていて、ちょっとやそっとじゃ起きない。
それはわかったけど、俺の心臓の音があまりにうるさくてリュウが起きてしまうんじゃないかと気が気じゃなかった。
【ハク】
(そういえば……そんなこともあったな)
俺はあの後、どうにか眠りはしたものの翌日は寝不足でつらかったことを思い返す。
昔を懐かしんでいたら、思い出さなくていいことまで思い出してしまった気がする……。
【ハク】
(いや、あの頃は俺も若かったしな……)
買い物も済んで、リュウの車に戻った。
高校時代と違って今は車もあるから、荷物はたっぷりだ。食料品だけじゃなく、ほとんどが俺の日用品なんかが主だけど。
荷物をトランクに詰め終えたリュウも、運転席のドアを開けて乗り込む。
俺も荷物積むの手伝うって言ったのに、いいから先に乗ってろって断られてしまった。
今日買った品物の会計も、支払ったのはリュウで……
こういう駆け引きが俺はまだ下手なままだ。
【赤屋】
「結構買ったな」
【ハク】
「リュウ、俺やっぱり後で金払うよ」
【赤屋】
「いいって。何があるかわかんねぇんだからとっとけ」
【赤屋】
「それに、俺がハクに買ってやりたかったんだよ」
【ハク】
「……うん。じゃあ、ありがたく受け取っておく」
運転席のドアを閉めて、車のエンジンをかける。
心なしかリュウはご機嫌だ。その姿が、記憶の中のリュウと重なった。
……あのときもこんな感じだったなぁ。
【赤屋】
「なんだよハク、ニヤニヤして」
【ハク】
「そっちこそ」
【赤屋】
「まぁいい。帰るぞ」
【ハク】
「…ああ」
車は5分とかからずにリュウのマンションに着いた。
車を降りると、リュウは大きな荷物のほとんどを軽々と持ってさっさと言ってしまう。
買ったもののうちほとんどが俺のものなのに、やっぱりちょっとしか持たせてくれなかった。
……高校時代から何も変わってない。
【ハク】
(リュウは昔とかわらないな…)
【ハク】
(優しい所も…)
俺は自分を情けなく思いながらも、少しほっとした。
マンションの立派なエントランスを抜けて、エレベーターでリュウの部屋があるフロアまで上がる。
……今思うと、昨日酔っ払った俺を運ぶのは相当大変だったんじゃないか。ますます罪悪感だ……。
荷物を持ったまま器用に鍵を開けて、リュウが先に玄関に入ると荷物を下ろす。
俺も続いて入ろうとするが、その前にリュウがこっちを振り返って言った。
【赤屋】
「おかえり、ハク」
俺は、思わずのどまで出かかった「お邪魔します」を引っ込める。
俺も一人暮らしが長かったからか、なんだか無性にうれしかった。
【ハク】
「……ただいま」
そうだ、これから俺はここでリュウに「ただいま」と「おかえり」を言うんだ。
……もしかしたら、リュウもその相手がずっと欲しかったのかもしれない。
【赤屋】
「……とりあえず、いろいろあって疲れただろ」
【赤屋】
「もう今日はゆっくりした方がいい」
【ハク】
「………うん」
【赤屋】
「俺は仕事があるから一旦事務所戻る。悪いな、荷物の整理任せていいか」
【ハク】
「うん、それは大丈夫だけど……」
【ハク】
(そうか、俺のせいで途中で抜けちゃったから……)
思えば、俺が仕事場に押しかけて警察署まで付き合わせたんだった。
それにこんな買い物まで……やっぱり悪かったな。
【赤屋】
「それじゃ……」
【ハク】
「あ、ちょっと待って」
俺は、今まさに出て行こうとするリュウを呼びとめる。
これだけは、言っておきたかったからだ。
【赤屋】
「ん?」
【ハク】
「いってらっしゃい、リュウ」
【赤屋】
「……いってきます」
リュウは笑顔で出かけて行った。
今日、リュウが帰ったときは、今度は俺が「おかえり」を言おう。
【ハク】
(さて、これからどうしたもんか)
リュウが出て行って、広い部屋にぽつんと取り残される。
【ハク】
(とりあえず、買ってきた荷物を片付けなきゃならないよな)
俺はさっき買ってきた荷物を冷蔵庫や棚など、ここが収納場所だろうと当たりをつけて、片付け始める。
片付けをしながら、包丁やまな板、鍋などよく使う調理道具の位置はだいたい把握することができた。
【ハク】
(……一通り、調理器具はそろってるか…)
【ハク】
(じゃあ…とりあえず今晩の飯でも作るか)
【ハク】
(リュウって何が好きなんだろうか…)
こんな始まり方で、リュウと俺の同居生活は始まった。
続く…
