[本編] 桃島 光彦 編
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【ハク】
(なんだこれ、すごく気まずい……)
表立って喜ぶわけにもいかなくて、どうしたものかと考えあぐねていると。
―――バン!
わざとらしく音を立てて桃島さんがメニューをテーブルに叩きつけた。
【桃島】
「そういう接客が出来なくて申し訳なかったですね!」
桃島さんが、緑川さんをにらみつけて、怒鳴った。
【ハク】
「桃島さんっ……!」
【緑川】
「……キレてるのか」
【桃島】
「キレちゃ悪いっスか?」
【緑川】
「お客様に対して本当の感情を見せるのはホストとしてどうなのかな、“モモ”」
【桃島】
「……!」
緑川さんは桃島さんのことを、いつも呼んでいる“テル”ではなく、源氏名の“モモ”と呼んだ。
【桃島】
「……ふざけるなっ」
【緑川】
「お前はナンバー2として、それ相応の振る舞いをしてしかるべきなんじゃないのか?」
【緑川】
「それとも……ユキのほうが、接客能力があるのかな?」
桃島さんを挑発するように、緑川さんはそう言った。
【ハク】
(緑川さんもあんな言い方しなくなって……!)
店の隅とはいえ、今は営業時間内だ。
ピリピリした雰囲気が店内中に伝わり、ざわめきが聞こえる。
【桃島】
「……辞める」
【緑川】
「え?」
【桃島】
「……」
桃島さんは何も言わず、ガン! とローテーブルを蹴り飛ばし、店を出て行ってしまった。
【ハク】
「桃島さん!」
【緑川】
「ユキ!」
追おうとした俺を、緑川さんが一喝して止める。
【ハク】
「緑川さん! 追わなくていいんですか!?」
【緑川】
「放っておけ。……ああいうところがガキなんだ、アイツは」
【ハク】
「そんな……」
―――静まりかえる店内。
【ハク】
(……このままじゃ……まずい)
緑川さんにあんな風に言われて……。
【ハク】
(このままだと……桃島さんが帰ってこないような気がする)
俺はそんな風に感じていた。
「……」
【ハク】
「……俺、桃島さんを追います!」
【緑川】
「えっ……ユキ!?」
緑川さんや他のホストの動揺も制止も見て見ぬふりして、俺は店を飛び出した。
【ハク】
(桃島さんを連れ戻さなきゃ―――!)
衝動に駆られて、ただそれだけで……俺は桃島さんを追いかけた―――。
続く…
(なんだこれ、すごく気まずい……)
表立って喜ぶわけにもいかなくて、どうしたものかと考えあぐねていると。
―――バン!
わざとらしく音を立てて桃島さんがメニューをテーブルに叩きつけた。
【桃島】
「そういう接客が出来なくて申し訳なかったですね!」
桃島さんが、緑川さんをにらみつけて、怒鳴った。
【ハク】
「桃島さんっ……!」
【緑川】
「……キレてるのか」
【桃島】
「キレちゃ悪いっスか?」
【緑川】
「お客様に対して本当の感情を見せるのはホストとしてどうなのかな、“モモ”」
【桃島】
「……!」
緑川さんは桃島さんのことを、いつも呼んでいる“テル”ではなく、源氏名の“モモ”と呼んだ。
【桃島】
「……ふざけるなっ」
【緑川】
「お前はナンバー2として、それ相応の振る舞いをしてしかるべきなんじゃないのか?」
【緑川】
「それとも……ユキのほうが、接客能力があるのかな?」
桃島さんを挑発するように、緑川さんはそう言った。
【ハク】
(緑川さんもあんな言い方しなくなって……!)
店の隅とはいえ、今は営業時間内だ。
ピリピリした雰囲気が店内中に伝わり、ざわめきが聞こえる。
【桃島】
「……辞める」
【緑川】
「え?」
【桃島】
「……」
桃島さんは何も言わず、ガン! とローテーブルを蹴り飛ばし、店を出て行ってしまった。
【ハク】
「桃島さん!」
【緑川】
「ユキ!」
追おうとした俺を、緑川さんが一喝して止める。
【ハク】
「緑川さん! 追わなくていいんですか!?」
【緑川】
「放っておけ。……ああいうところがガキなんだ、アイツは」
【ハク】
「そんな……」
―――静まりかえる店内。
【ハク】
(……このままじゃ……まずい)
緑川さんにあんな風に言われて……。
【ハク】
(このままだと……桃島さんが帰ってこないような気がする)
俺はそんな風に感じていた。
「……」
【ハク】
「……俺、桃島さんを追います!」
【緑川】
「えっ……ユキ!?」
緑川さんや他のホストの動揺も制止も見て見ぬふりして、俺は店を飛び出した。
【ハク】
(桃島さんを連れ戻さなきゃ―――!)
衝動に駆られて、ただそれだけで……俺は桃島さんを追いかけた―――。
続く…