[本編] 桃島 光彦 編
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【香月】
「いつも通り抱いてくれればいいんだよ、モモ」
【香月】
「お前は慣れたもんだろう? 大好きだからな、俺との……フフッ」
【桃島】
「……」
桃島さんは恨みがましげな目で香月さんを睨みつけた。
「なんっ……どういう……!?」
【香月】
「こいつはなァ、借金の肩代わりに俺とシてんだよ」
【桃島】
「……言うな」
【香月】
「1回何万だったっけな? ああ、安心しろよ、帳簿はきちんとつけてる」
【香月】
「ちゃーんと記録は残ってんだよ」
【桃島】
「言うなっ!!」
香月さんの手にはDVD-ROMの束があった。
【ハク】
(記録って……まさか毎回撮られて……!?)
【桃島】
「言うんじゃねえよ!」
【香月】
「お得だよなあ、お前の借金も減って、こっちの彼の借金も減る」
【香月】
「抱けよ、……抱けないなんて言わねえよな?」
【桃島】
「……」
桃島さんは心底憎々しげな表情をしながら……シャツのボタンに手をかけた。
【ハク】
「桃島さん!」
【桃島】
「黙ってろ!」
今まで聞いたこともないような怒気をはらんでいる桃島さんの声。
【ハク】
「そんな……だって……桃島さんは……緑川さんのこと……」
【桃島】
「その名前出すんじゃねぇよッ!」
【ハク】
「……!」
俺はそれから何も言えなくなってしまった。
【桃島】
「……何にもわかんねえ甘ちゃんは黙ってろよ……」
苦しそうにそう吐き捨て……桃島さんはベッドに座る香月さんを押し倒した。
【ハク】
「……!」
それから俺の目の前で起きたことは、もう事実として受け止めきれないほどショッキングなものだった。
【香月】
「モモ、モモ……はぁ、モモっ……」
【桃島】
「……ッ……」
生理的に屹立しているそれを、眉を顰めたまま挿入し、機械的に動かす。
それに満足そうに息を吐き、声を出す香月さん……。
【男】
「……あ、やべ……」
側近の男は桃島さんの汗に動揺しながら中心を片手で覆い隠し、もう片手にはハンディカメラを持っている。
……どれもが非日常の極みにある行為だと思うのに……
まるで日常のように行われる行為―――。
【香月】
「んッ……そうだ……中に、中に出せ、モモっ……」
【桃島】
「……」
何も言わないまま桃島さんは香月さんの中に吐き出し、恍惚の表情をした香月さんの先端からも蜜が零れた。
そして停止ボタンを押した男があわててトイレに駆け込んでいく―――。
【ハク】
(何だよ……何なんだよ、これっ……!)
絶句している俺に、桃島さんは着替えながら声をかけてくれた。
【桃島】
「……気にすんな、忘れてくれ」
桃島さんの表情には、全ての負の感情が表れているようだった……。
―――数日後。
【桃島】
「おい、これやったの誰だよ!」
めずらしく店内に桃島さんの怒声が響いた。
【ハク】
「あっ、すみませ……俺……」
おしぼりを入れる保温器の蓋がちゃんと閉まっていなかったのだ。
【桃島】
「……ッ」
桃島さんは思い切り舌打ちして俺を睨みつけた。
【ハク】
「すみません……」
【桃島】
「……」
桃島さんは何も言わず行ってしまった。
……店でも、寮でもこの調子。
桃島さんとは上手くしゃべれない。それどころかさっきのように、会話らしい会話すら成立していない。
【ハク】
(そりゃ……そうだよな……)
金のために愛人と行為に及んでいるところを、同室の後輩に見せつけ……。
俺だって、どんな顔をして桃島さんと話せば良いのか全く分からない。
【ハク】
(それに……)
あれから―――桃島さんは俺と一緒のベッドでは眠らなくなった。
ソファで寝ていたり、クッションを布団代わりにしていたり……。
とにかく、俺とは指一本さえ接触しないようにしていた。
【ハク】
(どうしよう……)
桃島さんとはずっとこのままなのだろうか。
【ハク】
(それは……嫌だ……)
このままじゃ……俺の動画も、桃島さんの囲い込みも……終わらない。
しかもこうやってぎくしゃくしたまま……お互いに苦しんでいる。
【ハク】
(緑川さん……)
俺の頭に浮かんだのは、彼の名前だった。
【ハク】
(緑川さんに相談しよう)
いつも俺を、そして桃島さんを助けてくれたのは緑川さんだ。
【ハク】
(でも……桃島さんは緑川さんのことが……)
その感情のことを考えると……言ってしまっていいものか悩む。
……諸刃の剣だ。桃島さんは緑川さんにあんなことについて相談なんて絶対にしていないだろう。
【ハク】
(緑川さんに……)
【ハク】
(……相談しよう)
【ハク】
「………」
続く…
「いつも通り抱いてくれればいいんだよ、モモ」
【香月】
「お前は慣れたもんだろう? 大好きだからな、俺との……フフッ」
【桃島】
「……」
桃島さんは恨みがましげな目で香月さんを睨みつけた。
「なんっ……どういう……!?」
【香月】
「こいつはなァ、借金の肩代わりに俺とシてんだよ」
【桃島】
「……言うな」
【香月】
「1回何万だったっけな? ああ、安心しろよ、帳簿はきちんとつけてる」
【香月】
「ちゃーんと記録は残ってんだよ」
【桃島】
「言うなっ!!」
香月さんの手にはDVD-ROMの束があった。
【ハク】
(記録って……まさか毎回撮られて……!?)
【桃島】
「言うんじゃねえよ!」
【香月】
「お得だよなあ、お前の借金も減って、こっちの彼の借金も減る」
【香月】
「抱けよ、……抱けないなんて言わねえよな?」
【桃島】
「……」
桃島さんは心底憎々しげな表情をしながら……シャツのボタンに手をかけた。
【ハク】
「桃島さん!」
【桃島】
「黙ってろ!」
今まで聞いたこともないような怒気をはらんでいる桃島さんの声。
【ハク】
「そんな……だって……桃島さんは……緑川さんのこと……」
【桃島】
「その名前出すんじゃねぇよッ!」
【ハク】
「……!」
俺はそれから何も言えなくなってしまった。
【桃島】
「……何にもわかんねえ甘ちゃんは黙ってろよ……」
苦しそうにそう吐き捨て……桃島さんはベッドに座る香月さんを押し倒した。
【ハク】
「……!」
それから俺の目の前で起きたことは、もう事実として受け止めきれないほどショッキングなものだった。
【香月】
「モモ、モモ……はぁ、モモっ……」
【桃島】
「……ッ……」
生理的に屹立しているそれを、眉を顰めたまま挿入し、機械的に動かす。
それに満足そうに息を吐き、声を出す香月さん……。
【男】
「……あ、やべ……」
側近の男は桃島さんの汗に動揺しながら中心を片手で覆い隠し、もう片手にはハンディカメラを持っている。
……どれもが非日常の極みにある行為だと思うのに……
まるで日常のように行われる行為―――。
【香月】
「んッ……そうだ……中に、中に出せ、モモっ……」
【桃島】
「……」
何も言わないまま桃島さんは香月さんの中に吐き出し、恍惚の表情をした香月さんの先端からも蜜が零れた。
そして停止ボタンを押した男があわててトイレに駆け込んでいく―――。
【ハク】
(何だよ……何なんだよ、これっ……!)
絶句している俺に、桃島さんは着替えながら声をかけてくれた。
【桃島】
「……気にすんな、忘れてくれ」
桃島さんの表情には、全ての負の感情が表れているようだった……。
―――数日後。
【桃島】
「おい、これやったの誰だよ!」
めずらしく店内に桃島さんの怒声が響いた。
【ハク】
「あっ、すみませ……俺……」
おしぼりを入れる保温器の蓋がちゃんと閉まっていなかったのだ。
【桃島】
「……ッ」
桃島さんは思い切り舌打ちして俺を睨みつけた。
【ハク】
「すみません……」
【桃島】
「……」
桃島さんは何も言わず行ってしまった。
……店でも、寮でもこの調子。
桃島さんとは上手くしゃべれない。それどころかさっきのように、会話らしい会話すら成立していない。
【ハク】
(そりゃ……そうだよな……)
金のために愛人と行為に及んでいるところを、同室の後輩に見せつけ……。
俺だって、どんな顔をして桃島さんと話せば良いのか全く分からない。
【ハク】
(それに……)
あれから―――桃島さんは俺と一緒のベッドでは眠らなくなった。
ソファで寝ていたり、クッションを布団代わりにしていたり……。
とにかく、俺とは指一本さえ接触しないようにしていた。
【ハク】
(どうしよう……)
桃島さんとはずっとこのままなのだろうか。
【ハク】
(それは……嫌だ……)
このままじゃ……俺の動画も、桃島さんの囲い込みも……終わらない。
しかもこうやってぎくしゃくしたまま……お互いに苦しんでいる。
【ハク】
(緑川さん……)
俺の頭に浮かんだのは、彼の名前だった。
【ハク】
(緑川さんに相談しよう)
いつも俺を、そして桃島さんを助けてくれたのは緑川さんだ。
【ハク】
(でも……桃島さんは緑川さんのことが……)
その感情のことを考えると……言ってしまっていいものか悩む。
……諸刃の剣だ。桃島さんは緑川さんにあんなことについて相談なんて絶対にしていないだろう。
【ハク】
(緑川さんに……)
【ハク】
(……相談しよう)
【ハク】
「………」
続く…