[本編] 赤屋 竜次 編
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【赤屋】
「そうと決まれば、とりあえず身の回りのものだな……」
俺がリュウの家で一緒に暮らすことが決まると、リュウはさっそく車を走らせる。
たしかに、俺の日用品は全て火事でなくなってしまったし、新たな生活を始めるとなるとこまごまとしたものは必要だ。
今の俺には、下着の換えすらない状況なのだから。
思いのほかすぐに到着した場所は、大きめのスーパーマーケットだった。
スーパーと言っても食料品のほか、日用雑貨や衣類までなんでも揃ってしまいそうな大型店舗だ。
その広い駐車場の空いたスペースに車を停めて、二人で店内へ入る。
まだ割と早い時間から大の男二人でスーパーは目立つんじゃないかと思ったが、リュウが気にしてないみたいだったので俺も気にしないことにした。
【赤屋】
「ハブラシにコップに……ああ、ハクの食器もいるよな」
リュウはカートにカゴをセットすると、慣れた手つきでぽんぽん中に物を投げ込んでゆく。
あれもこれもと特に悩む様子もなく品物を選んでゆくのを見ると、硬派なリュウだけど案外買い物好きなのかもしれない。
俺はその様子を一歩後ろから見ていたが、それに気付いたリュウが振り返る。
【赤屋】
「あ……悪い。こういうの、なんかこだわりとかあったか?」
【ハク】
「ううん。俺はこういうの迷っちゃってなかなか決まらないんだ」
【ハク】
「だから、リュウが選んでくれるとうれしいよ」
【赤屋】
「そうか」
俺がそう言うと、リュウはほっとした顔になる。
既に底が見えないくらい入ったカゴの中身は、ほとんど俺のものばかりだ。
【赤屋】
「おっと、忘れちゃいけない…下着下着」
そう言うと、赤屋はカートを男性の下着売り場へ向ける。
【ハク】
「だよな、なきゃ困るもんな」
俺もすっかり忘れていたが、下着だけじゃない。
着るものにも困りそうだし、洋服全般も買いそろえなくてはならない。
ふとリュウの方をみると、二種類の下着を手に悩んでいた。
【赤屋】
「なぁ、ハク。お前どっち派だ?」
【ハク】
「ば、馬鹿!それぐらい自分で選ぶよ!」
そう言って俺は…下着をカゴに入れる。
【赤屋】
「ニットトランクスか。俺と一緒だな。」
【ハク】
ハク「………………」
【ハク】
「そ、それより……なんかリュウ、楽しそうだな」
【赤屋】
「そ、そんなんじゃねぇよ……ハクが大変だってときに、そんな……」
【ハク】
「そう?俺はけっこう楽しいけど」
【赤屋】
「お前も結構能天気だな……」
【ハク】
(そういえば、昔もこんなことあったっけか)
それは、高校時代にリュウの家に泊まったときのことだ。
そのときも二人でスーパーに寄った。
今日みたいな大きいスーパーとは違って、もう少し小ぶりの食料品スーパーだったけど。
そのときもリュウがカゴを持って、率先してお菓子だのカップ麺だの、なんでもかんでも突っ込んでいたっけ。
【赤屋】
「ポテチに、コーラは1.5リットルのを……2本くらい買っとくか」
【赤屋】
「お、このカップ麺の新しいやつ、とんこつ味のも美味そうだぞ」
俺がリュウの家に泊まることになって、スーパーに寄っていこうと言うことになった。
リュウはなんでもかんでもカゴに入れようとする。
ほとんど目についたもの手当たり次第だ。
俺は荷物の量の事も会計の事も気になって、隣で少しハラハラしながら見ていたのだ。
【ハク】
「リュウ、ちょっと入れすぎじゃないか?本当にこんなに食えるの?」
【赤屋】
「心配すんな、全部食うよ。俺とハクでな」
【ハク】
「えーっ、俺こんなに食えないよ……」
まぁ、なんだかんだ言って成長期だったし結局全部食べたんだけど。
俺が食べきれない分はリュウが食べた。
やっぱりもっと買っときゃ良かったな、なんて言ってるリュウを見ながら、身長高いヤツって沢山食ってるからなんだなーと思ったものだ。
【ハク】
「それに、リュウはなんでそんな楽しそうなんだよ」
【赤屋】
「いいじゃねぇか。今日はどうせうちの親もいないし、小遣い貰ってるから買い放題だ」
【赤屋】
「今日と、明日のメシの分もいるし……っと。ハクも好きなもん入れろよ」
ジュース、スナック菓子、菓子パン、パックの団子まで……。
こうして話をしている間もリュウはカゴに食べ物を放り込むスピードを緩めない。
【ハク】
「は?ていうか……ちょ、ちょっと待って。今日リュウの家、誰もいないの!?」
【赤屋】
「ああ。言ってなかったか?」
【赤屋】
「まぁいいや。今日は朝まで語り明かすからな」
【ハク】
(全然聞いてないってば!……じゃあ今晩リュウと二人きりかよ!)
二人で迎える初めての一夜……なんて言ったらアヤシイ響きだが、リュウの家に遊びに行くのも初めて、泊まるのももちろん初めてで。
その上二人きりなんて……ヤバイ。
なんでもないのに、なんだか今さら照れる。
俺がそんなことを考えている間に、リュウは好きなだけお菓子をカゴに詰め終わったらしい。
【赤屋】
「これくらいでいいか……ハク、レジ行くぞ」
【ハク】
「うん……」
【ハク】
「おじゃましまーす……」
【赤屋】
「まぁ、誰もいねぇけど」
お菓子や食料をスーパーで目一杯買いこんで、リュウの家にあがった。
俺が持ったのはスナック菓子なんかの軽いのばかり入った袋だけで、飲み物の入った重い袋はリュウが持ってくれた。
リュウの言ったとおり、親御さんは留守だ。
夕飯はそれぞれカップ麺で済ませて、二人でプレイするゲームがなんだかやけにおもしろかった。
……夜になって、リュウの部屋で俺はリュウのベッド、リュウは床に布団を敷いて寝ている。
俺が床で寝ると主張したのだが、ハクは客だからと押し切られてしまった。
いつもこういう場面で譲ってもらって悪いなぁと思っているのに、俺は上手く断る術を知らない。
【赤屋】
「お、このチョコいけるぞ」
【ハク】
「リュウって、意外と甘いものとか好きだよな」
【赤屋】
「……?そうか?」
お菓子を食べながら学校のこと、応援しているスポーツチームのことなど、他愛もない会話をしていた。
寝ながらお菓子を食べても怒られないのが、ちょっぴり贅沢だ。
【ハク】
「それでさ、そのとき黒木が……」
【ハク】
「…………リュウ?」
食べるお菓子も底を尽きたころ、会話が途切れたと思えばリュウの寝息が聞こえてくる。
【ハク】
(リュウ、寝たんだ)
【ハク】
(朝まで語り明かすんじゃなかったのかよ……)
さっさと寝てしまったリュウに不満を覚えつつも、俺も寝ようと布団をかぶる。
……だが、慣れない環境だからか直前まで話が盛り上がっていたからか、なんとなく眠れない。
仕方なく俺は、自分の部屋とは違う天井を見つめてぼーっとしていた。
そのうち、リュウがのそりと起き上がる。
そのままふらふらと部屋を出ていくのがわかった。
【ハク】
(トイレかな……)
その間も、俺は眠れなくて意味もなく寝返りを繰り返していた。
ほどなくリュウは戻ってきた。
だがそこはさっきまでリュウが寝ていた床の布団ではなく……。
【ハク】
「えっ!?おい、リュウ……!」
リュウが俺のベッドに入り込んできたのだ。
声をかけるが、まるで聞こえてないみたいだ。
ちょうど俺が壁際に寝返りを打った直後だったため、いい具合に空いていたスペースにリュウがもぐり込んでくる。
「そうと決まれば、とりあえず身の回りのものだな……」
俺がリュウの家で一緒に暮らすことが決まると、リュウはさっそく車を走らせる。
たしかに、俺の日用品は全て火事でなくなってしまったし、新たな生活を始めるとなるとこまごまとしたものは必要だ。
今の俺には、下着の換えすらない状況なのだから。
思いのほかすぐに到着した場所は、大きめのスーパーマーケットだった。
スーパーと言っても食料品のほか、日用雑貨や衣類までなんでも揃ってしまいそうな大型店舗だ。
その広い駐車場の空いたスペースに車を停めて、二人で店内へ入る。
まだ割と早い時間から大の男二人でスーパーは目立つんじゃないかと思ったが、リュウが気にしてないみたいだったので俺も気にしないことにした。
【赤屋】
「ハブラシにコップに……ああ、ハクの食器もいるよな」
リュウはカートにカゴをセットすると、慣れた手つきでぽんぽん中に物を投げ込んでゆく。
あれもこれもと特に悩む様子もなく品物を選んでゆくのを見ると、硬派なリュウだけど案外買い物好きなのかもしれない。
俺はその様子を一歩後ろから見ていたが、それに気付いたリュウが振り返る。
【赤屋】
「あ……悪い。こういうの、なんかこだわりとかあったか?」
【ハク】
「ううん。俺はこういうの迷っちゃってなかなか決まらないんだ」
【ハク】
「だから、リュウが選んでくれるとうれしいよ」
【赤屋】
「そうか」
俺がそう言うと、リュウはほっとした顔になる。
既に底が見えないくらい入ったカゴの中身は、ほとんど俺のものばかりだ。
【赤屋】
「おっと、忘れちゃいけない…下着下着」
そう言うと、赤屋はカートを男性の下着売り場へ向ける。
【ハク】
「だよな、なきゃ困るもんな」
俺もすっかり忘れていたが、下着だけじゃない。
着るものにも困りそうだし、洋服全般も買いそろえなくてはならない。
ふとリュウの方をみると、二種類の下着を手に悩んでいた。
【赤屋】
「なぁ、ハク。お前どっち派だ?」
【ハク】
「ば、馬鹿!それぐらい自分で選ぶよ!」
そう言って俺は…下着をカゴに入れる。
【赤屋】
「ニットトランクスか。俺と一緒だな。」
【ハク】
ハク「………………」
【ハク】
「そ、それより……なんかリュウ、楽しそうだな」
【赤屋】
「そ、そんなんじゃねぇよ……ハクが大変だってときに、そんな……」
【ハク】
「そう?俺はけっこう楽しいけど」
【赤屋】
「お前も結構能天気だな……」
【ハク】
(そういえば、昔もこんなことあったっけか)
それは、高校時代にリュウの家に泊まったときのことだ。
そのときも二人でスーパーに寄った。
今日みたいな大きいスーパーとは違って、もう少し小ぶりの食料品スーパーだったけど。
そのときもリュウがカゴを持って、率先してお菓子だのカップ麺だの、なんでもかんでも突っ込んでいたっけ。
【赤屋】
「ポテチに、コーラは1.5リットルのを……2本くらい買っとくか」
【赤屋】
「お、このカップ麺の新しいやつ、とんこつ味のも美味そうだぞ」
俺がリュウの家に泊まることになって、スーパーに寄っていこうと言うことになった。
リュウはなんでもかんでもカゴに入れようとする。
ほとんど目についたもの手当たり次第だ。
俺は荷物の量の事も会計の事も気になって、隣で少しハラハラしながら見ていたのだ。
【ハク】
「リュウ、ちょっと入れすぎじゃないか?本当にこんなに食えるの?」
【赤屋】
「心配すんな、全部食うよ。俺とハクでな」
【ハク】
「えーっ、俺こんなに食えないよ……」
まぁ、なんだかんだ言って成長期だったし結局全部食べたんだけど。
俺が食べきれない分はリュウが食べた。
やっぱりもっと買っときゃ良かったな、なんて言ってるリュウを見ながら、身長高いヤツって沢山食ってるからなんだなーと思ったものだ。
【ハク】
「それに、リュウはなんでそんな楽しそうなんだよ」
【赤屋】
「いいじゃねぇか。今日はどうせうちの親もいないし、小遣い貰ってるから買い放題だ」
【赤屋】
「今日と、明日のメシの分もいるし……っと。ハクも好きなもん入れろよ」
ジュース、スナック菓子、菓子パン、パックの団子まで……。
こうして話をしている間もリュウはカゴに食べ物を放り込むスピードを緩めない。
【ハク】
「は?ていうか……ちょ、ちょっと待って。今日リュウの家、誰もいないの!?」
【赤屋】
「ああ。言ってなかったか?」
【赤屋】
「まぁいいや。今日は朝まで語り明かすからな」
【ハク】
(全然聞いてないってば!……じゃあ今晩リュウと二人きりかよ!)
二人で迎える初めての一夜……なんて言ったらアヤシイ響きだが、リュウの家に遊びに行くのも初めて、泊まるのももちろん初めてで。
その上二人きりなんて……ヤバイ。
なんでもないのに、なんだか今さら照れる。
俺がそんなことを考えている間に、リュウは好きなだけお菓子をカゴに詰め終わったらしい。
【赤屋】
「これくらいでいいか……ハク、レジ行くぞ」
【ハク】
「うん……」
【ハク】
「おじゃましまーす……」
【赤屋】
「まぁ、誰もいねぇけど」
お菓子や食料をスーパーで目一杯買いこんで、リュウの家にあがった。
俺が持ったのはスナック菓子なんかの軽いのばかり入った袋だけで、飲み物の入った重い袋はリュウが持ってくれた。
リュウの言ったとおり、親御さんは留守だ。
夕飯はそれぞれカップ麺で済ませて、二人でプレイするゲームがなんだかやけにおもしろかった。
……夜になって、リュウの部屋で俺はリュウのベッド、リュウは床に布団を敷いて寝ている。
俺が床で寝ると主張したのだが、ハクは客だからと押し切られてしまった。
いつもこういう場面で譲ってもらって悪いなぁと思っているのに、俺は上手く断る術を知らない。
【赤屋】
「お、このチョコいけるぞ」
【ハク】
「リュウって、意外と甘いものとか好きだよな」
【赤屋】
「……?そうか?」
お菓子を食べながら学校のこと、応援しているスポーツチームのことなど、他愛もない会話をしていた。
寝ながらお菓子を食べても怒られないのが、ちょっぴり贅沢だ。
【ハク】
「それでさ、そのとき黒木が……」
【ハク】
「…………リュウ?」
食べるお菓子も底を尽きたころ、会話が途切れたと思えばリュウの寝息が聞こえてくる。
【ハク】
(リュウ、寝たんだ)
【ハク】
(朝まで語り明かすんじゃなかったのかよ……)
さっさと寝てしまったリュウに不満を覚えつつも、俺も寝ようと布団をかぶる。
……だが、慣れない環境だからか直前まで話が盛り上がっていたからか、なんとなく眠れない。
仕方なく俺は、自分の部屋とは違う天井を見つめてぼーっとしていた。
そのうち、リュウがのそりと起き上がる。
そのままふらふらと部屋を出ていくのがわかった。
【ハク】
(トイレかな……)
その間も、俺は眠れなくて意味もなく寝返りを繰り返していた。
ほどなくリュウは戻ってきた。
だがそこはさっきまでリュウが寝ていた床の布団ではなく……。
【ハク】
「えっ!?おい、リュウ……!」
リュウが俺のベッドに入り込んできたのだ。
声をかけるが、まるで聞こえてないみたいだ。
ちょうど俺が壁際に寝返りを打った直後だったため、いい具合に空いていたスペースにリュウがもぐり込んでくる。