[本編] 桃島 光彦 編
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【緑川】
「テル……家帰ったら水飲めよ。明日二日酔いで来たら、許さないからな」
【桃島】
「そんなん、俺ホストどんだけやってると思ってるんですかぁ!」
【緑川】
「それだけやって今日初めてこうなってるから心配してるんだろ?」
【桃島】
「……心配なんか、してないでしょどーせ」
【緑川】
「してるよ。なんだ、そんな言い方して……」
【ハク】
「桃島さん、帰りましょう」
【桃島】
「そうっスね、俺はハクさんと、ハクと帰りますからぁ!」
【ハク】
「わっ、ちょっ! 桃島さん!」
思いきり緑川さんに手を振る桃島さん。
【ハク】
(桃島さんがこんなに酔ってるの……もしかして緑川さん絡みのことなのかな……?)
【ハク】
「はい、着きましたよ、っと」
ベッドの上に桃島さんの身体を降ろす。
【桃島】
「……酔ってる? 俺」
【ハク】
「今まで見た中では一番酔ってますね」
【桃島】
「そうか、俺酔ってるのかあ……言われてみれば目回ってるかもー。あはは」
【ハク】
「あははじゃないですよ。お水飲みますか?」
【桃島】
「んー、そういえば緑川さん水飲めって言ってたねー」
【桃島】
「水飲んだって二日酔いなるのにねー」
【ハク】
「それでも飲んでアルコール薄めた方がいいですよ」
【ハク】
(こんな状態でも、緑川さんに言われたことは覚えてるんだな……)
そう思うと俺は……ずっと気になっていることを確かめたくなった。
【ハク】
(今なら聞いても……いいよな?)
俺は水を取りに行く前に、桃島さんに確認してみることにした。
【ハク】
「桃島さんって」
【桃島】
「んー? 何ー?」
【ハク】
「もしかして……緑川さんのことが好きなんですか?」
【桃島】
「えー、緑川さんー?」
【ハク】
「俺……聞いちゃったんです。寝言で桃島さんが緑川さんのこと呼んでるの」
【ハク】
「それに、この間も、今日も……」
【ハク】
「桃島さんは緑川さんのこと、特別に感じている気がして……」
【桃島】
「……あははっ」
【ハク】
「桃島さん?」
【桃島】
「ハハッ、あはははっ」
【ハク】
「……桃島さん……?」
【桃島】
「…………」
桃島さんは声をあげて笑ったあと、黙り込んだ。
【ハク】
(聞いちゃまずかったのかな……)
気まずい沈黙にどうしていいかわからなくなっていると、桃島さんが口を開いた。
【桃島】
「そうだよ」
【ハク】
「桃島さん……!」
【桃島】
「俺はこの世界に入ったときから、緑川さんのことが好きなんだよ」
【ハク】
「……」
【桃島】
「………ずっとな」
【緑川】
「ここなら、お前は自由になれる」
【緑川】
「自由になれるだけのお金も、立場も与えられる場所だ」
【桃島】
「……緑川……さん……」
当時俺は……まあちょっと厄介なことに巻き込まれてて、かなり自暴自棄になってた。
【緑川】
「桃島くん……いや、テルは今までちょっと不幸な目に遭ったかもしれない」
【緑川】
「だけど、ここからならまたスタートラインに立てる」
【緑川】
「お前の再スタートを、俺も、店のみんなも応援するから」
【桃島】
「でも……こんな俺なんかにホストなんて……」
自分はみすぼらしくて、キタナくて……
こんなきらびやかで幸福に満ちた世界、似合わないと思っていた。
【緑川】
「大丈夫だよ。ホストは自分をさらけ出してモテるイケメンじゃない」
【緑川】
「時には……聞こえが悪いかもしれないけれど、嘘をつくのだって有りだ」
【桃島】
「でも俺、嘘ついたってすぐバレる……」
嘘のつき方が下手で、“痛い目”に何度も遭ってきたんだ―――。
【緑川】
「人を不幸にする嘘や、不幸から逃れるための嘘はバレるよ」
【緑川】
「だけど人を幸せにする嘘は、バレない。なぜなら……相手のことを思いやる嘘だからだ」
【緑川】
「今のテルは自分をさらけ出すのが怖いかもしれないけど……」
【緑川】
「ちょっとくらい嘘をついたっていい、新しいテルを見せればいいんだ」
【緑川】
「今までの不幸は……嘘をついて、隠せばいい」
【緑川】
「誰もテルを責めたりしない」
【緑川】
「テルは優しいし、顔だっていいんだ」
【緑川】
「……すぐに一人前のホストになれるよ」
【桃島】
「でも……」
【緑川】
「でも、って言うな」
【緑川】
「……お前は、幸せに生きる権利があるんだ」
【桃島】
「……!」
【緑川】
「やってみろよ」
【桃島】
「……!」
「テル……家帰ったら水飲めよ。明日二日酔いで来たら、許さないからな」
【桃島】
「そんなん、俺ホストどんだけやってると思ってるんですかぁ!」
【緑川】
「それだけやって今日初めてこうなってるから心配してるんだろ?」
【桃島】
「……心配なんか、してないでしょどーせ」
【緑川】
「してるよ。なんだ、そんな言い方して……」
【ハク】
「桃島さん、帰りましょう」
【桃島】
「そうっスね、俺はハクさんと、ハクと帰りますからぁ!」
【ハク】
「わっ、ちょっ! 桃島さん!」
思いきり緑川さんに手を振る桃島さん。
【ハク】
(桃島さんがこんなに酔ってるの……もしかして緑川さん絡みのことなのかな……?)
【ハク】
「はい、着きましたよ、っと」
ベッドの上に桃島さんの身体を降ろす。
【桃島】
「……酔ってる? 俺」
【ハク】
「今まで見た中では一番酔ってますね」
【桃島】
「そうか、俺酔ってるのかあ……言われてみれば目回ってるかもー。あはは」
【ハク】
「あははじゃないですよ。お水飲みますか?」
【桃島】
「んー、そういえば緑川さん水飲めって言ってたねー」
【桃島】
「水飲んだって二日酔いなるのにねー」
【ハク】
「それでも飲んでアルコール薄めた方がいいですよ」
【ハク】
(こんな状態でも、緑川さんに言われたことは覚えてるんだな……)
そう思うと俺は……ずっと気になっていることを確かめたくなった。
【ハク】
(今なら聞いても……いいよな?)
俺は水を取りに行く前に、桃島さんに確認してみることにした。
【ハク】
「桃島さんって」
【桃島】
「んー? 何ー?」
【ハク】
「もしかして……緑川さんのことが好きなんですか?」
【桃島】
「えー、緑川さんー?」
【ハク】
「俺……聞いちゃったんです。寝言で桃島さんが緑川さんのこと呼んでるの」
【ハク】
「それに、この間も、今日も……」
【ハク】
「桃島さんは緑川さんのこと、特別に感じている気がして……」
【桃島】
「……あははっ」
【ハク】
「桃島さん?」
【桃島】
「ハハッ、あはははっ」
【ハク】
「……桃島さん……?」
【桃島】
「…………」
桃島さんは声をあげて笑ったあと、黙り込んだ。
【ハク】
(聞いちゃまずかったのかな……)
気まずい沈黙にどうしていいかわからなくなっていると、桃島さんが口を開いた。
【桃島】
「そうだよ」
【ハク】
「桃島さん……!」
【桃島】
「俺はこの世界に入ったときから、緑川さんのことが好きなんだよ」
【ハク】
「……」
【桃島】
「………ずっとな」
【緑川】
「ここなら、お前は自由になれる」
【緑川】
「自由になれるだけのお金も、立場も与えられる場所だ」
【桃島】
「……緑川……さん……」
当時俺は……まあちょっと厄介なことに巻き込まれてて、かなり自暴自棄になってた。
【緑川】
「桃島くん……いや、テルは今までちょっと不幸な目に遭ったかもしれない」
【緑川】
「だけど、ここからならまたスタートラインに立てる」
【緑川】
「お前の再スタートを、俺も、店のみんなも応援するから」
【桃島】
「でも……こんな俺なんかにホストなんて……」
自分はみすぼらしくて、キタナくて……
こんなきらびやかで幸福に満ちた世界、似合わないと思っていた。
【緑川】
「大丈夫だよ。ホストは自分をさらけ出してモテるイケメンじゃない」
【緑川】
「時には……聞こえが悪いかもしれないけれど、嘘をつくのだって有りだ」
【桃島】
「でも俺、嘘ついたってすぐバレる……」
嘘のつき方が下手で、“痛い目”に何度も遭ってきたんだ―――。
【緑川】
「人を不幸にする嘘や、不幸から逃れるための嘘はバレるよ」
【緑川】
「だけど人を幸せにする嘘は、バレない。なぜなら……相手のことを思いやる嘘だからだ」
【緑川】
「今のテルは自分をさらけ出すのが怖いかもしれないけど……」
【緑川】
「ちょっとくらい嘘をついたっていい、新しいテルを見せればいいんだ」
【緑川】
「今までの不幸は……嘘をついて、隠せばいい」
【緑川】
「誰もテルを責めたりしない」
【緑川】
「テルは優しいし、顔だっていいんだ」
【緑川】
「……すぐに一人前のホストになれるよ」
【桃島】
「でも……」
【緑川】
「でも、って言うな」
【緑川】
「……お前は、幸せに生きる権利があるんだ」
【桃島】
「……!」
【緑川】
「やってみろよ」
【桃島】
「……!」