[本編] 桃島 光彦 編
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【桃島】
「俺も緑川さんにはすげー助けてもらったし」
【桃島】
「……ま、倒れるまで飲んだことはなかったけどね」
そう言って桃島さんは俺の前髪をかき分けてくれた。
桃島さんの指が触れた部分がくすぐったい。
【桃島】
「ま……ハクさん可愛いから、巻き込んだのと介抱したので貸し借りナシね」
【ハク】
「可愛いって……」
そんな無邪気な笑顔でストレートに言われると、むしろ言われたこっちが照れてしまう。
【桃島】
「可愛いよ、ハクさん」
【桃島】
「自分では気付いてないのかも知れないけどね…」
【ハク】
(可愛いなんて……)
【ハク】
(言われたことない……)
本当に幼いころに、名前にちなんで買ってもらった白いクマのぬいぐるみ。
あれを抱きしめている写真を見ると、親族は可愛い可愛いと言ってくれた。
が、俺自身を、しかもこんな大人になってから可愛いと褒めてくれる人はそういない。
【ハク】
「可愛くなんて……」
【桃島】
「そういうときは素直に受け取れっての」
【桃島】
「……ま、そういうトコも可愛いんだろうけど」
【桃島】
「しかも…天然だしね―――」
その晩、俺は酔いのせいもあってぐっすり眠ってしまい……。
桃島さんが同じベッドに入ってきたことには、気づかなかった―――。
【ハク】
「いらっしゃいませ」
今日は昨日のこともあって、俺は客にはつかず、グラス磨きをすることになった。
お客さんが来るたびに明るい声で挨拶をする。
【ハク】
(あれ……今日は桃島さん、ヘルプなんだ)
【先輩ホスト】
「モモ、氷頼む」
【桃島】
「……」
【先輩ホスト】
「モモ?」
【桃島】
「あっ、すんませ……行ってきます」
別のベテランホストのヘルプについている桃島さんは、なんだか心ここに在らずという感じだ。
【ハク】
(どうしたんだろう、桃島さん……)
【桃島】
「あ、やべ」
うっかり落としそうになった。
やっぱり……いつもの桃島さんじゃない。
【ハク】
(……あ、あれ……)
【桃島】
「……」
【緑川】
「本当に!? 今度俺も誘ってくれないかなあ?」
【桃島】
「……」
【ハク】
(桃島さん……緑川さんのことを見てる……)
今日の緑川さんは、男の客についている。
緑川さんはとても美しい顔立ちをしているので……
男性客にも人気があるのだ。
【ハク】
(緑川さん、王子様みたいだもんなあ……)
【緑川】
「あ、ちょっと氷足してきますね」
【桃島】
「……!」
緑川さんが、偶然にも同じ氷の補充で桃島さんの立っている方に向かって行った。
【桃島】
「緑川さん!」
すると、それに気づいた桃島さんは緑川さんに自ら近寄っていく。
【緑川】
「ん、どうしたー?」
【桃島】
「今度飲みに行こうって言ってるじゃないッスか。いつ行ってくれるんですか?」
【緑川】
「あー、今度な。ゴメン、テル」
【桃島】
「いつも今度、今度って……」
【緑川】
「それよりテル、曲がってる」
【桃島】
「えっ、あ……」
桃島さんの襟が少し曲がっているのを、緑川さんは片手で器用に直した。
【桃島】
「ありがとうございます……!」
【緑川】
「忘れてるんじゃないから、またな」
【桃島】
「……!」
桃島さんは緑川さんの背中をずっと見ていた。
【ハク】
(あれって……やっぱり……)
すると今度は桃島さんが俺の方にやってきた。
緑川さんと話して、少し上機嫌になっているような気がする。
【桃島】
「ハクさーん」
【ハク】
「あ、はいっ……」
【桃島】
「ハクさんは俺と遊んでくれます?」
【ハク】
「えっ……はあ……」
【桃島】
「……なんて、変な絡み方してスミマセン。やべ、氷溶ける」
桃島さんはようやくテーブルに戻って行った。
【ハク】
(桃島さんと緑川さんの関係、って……)
続く…
「俺も緑川さんにはすげー助けてもらったし」
【桃島】
「……ま、倒れるまで飲んだことはなかったけどね」
そう言って桃島さんは俺の前髪をかき分けてくれた。
桃島さんの指が触れた部分がくすぐったい。
【桃島】
「ま……ハクさん可愛いから、巻き込んだのと介抱したので貸し借りナシね」
【ハク】
「可愛いって……」
そんな無邪気な笑顔でストレートに言われると、むしろ言われたこっちが照れてしまう。
【桃島】
「可愛いよ、ハクさん」
【桃島】
「自分では気付いてないのかも知れないけどね…」
【ハク】
(可愛いなんて……)
【ハク】
(言われたことない……)
本当に幼いころに、名前にちなんで買ってもらった白いクマのぬいぐるみ。
あれを抱きしめている写真を見ると、親族は可愛い可愛いと言ってくれた。
が、俺自身を、しかもこんな大人になってから可愛いと褒めてくれる人はそういない。
【ハク】
「可愛くなんて……」
【桃島】
「そういうときは素直に受け取れっての」
【桃島】
「……ま、そういうトコも可愛いんだろうけど」
【桃島】
「しかも…天然だしね―――」
その晩、俺は酔いのせいもあってぐっすり眠ってしまい……。
桃島さんが同じベッドに入ってきたことには、気づかなかった―――。
【ハク】
「いらっしゃいませ」
今日は昨日のこともあって、俺は客にはつかず、グラス磨きをすることになった。
お客さんが来るたびに明るい声で挨拶をする。
【ハク】
(あれ……今日は桃島さん、ヘルプなんだ)
【先輩ホスト】
「モモ、氷頼む」
【桃島】
「……」
【先輩ホスト】
「モモ?」
【桃島】
「あっ、すんませ……行ってきます」
別のベテランホストのヘルプについている桃島さんは、なんだか心ここに在らずという感じだ。
【ハク】
(どうしたんだろう、桃島さん……)
【桃島】
「あ、やべ」
うっかり落としそうになった。
やっぱり……いつもの桃島さんじゃない。
【ハク】
(……あ、あれ……)
【桃島】
「……」
【緑川】
「本当に!? 今度俺も誘ってくれないかなあ?」
【桃島】
「……」
【ハク】
(桃島さん……緑川さんのことを見てる……)
今日の緑川さんは、男の客についている。
緑川さんはとても美しい顔立ちをしているので……
男性客にも人気があるのだ。
【ハク】
(緑川さん、王子様みたいだもんなあ……)
【緑川】
「あ、ちょっと氷足してきますね」
【桃島】
「……!」
緑川さんが、偶然にも同じ氷の補充で桃島さんの立っている方に向かって行った。
【桃島】
「緑川さん!」
すると、それに気づいた桃島さんは緑川さんに自ら近寄っていく。
【緑川】
「ん、どうしたー?」
【桃島】
「今度飲みに行こうって言ってるじゃないッスか。いつ行ってくれるんですか?」
【緑川】
「あー、今度な。ゴメン、テル」
【桃島】
「いつも今度、今度って……」
【緑川】
「それよりテル、曲がってる」
【桃島】
「えっ、あ……」
桃島さんの襟が少し曲がっているのを、緑川さんは片手で器用に直した。
【桃島】
「ありがとうございます……!」
【緑川】
「忘れてるんじゃないから、またな」
【桃島】
「……!」
桃島さんは緑川さんの背中をずっと見ていた。
【ハク】
(あれって……やっぱり……)
すると今度は桃島さんが俺の方にやってきた。
緑川さんと話して、少し上機嫌になっているような気がする。
【桃島】
「ハクさーん」
【ハク】
「あ、はいっ……」
【桃島】
「ハクさんは俺と遊んでくれます?」
【ハク】
「えっ……はあ……」
【桃島】
「……なんて、変な絡み方してスミマセン。やべ、氷溶ける」
桃島さんはようやくテーブルに戻って行った。
【ハク】
(桃島さんと緑川さんの関係、って……)
続く…