[本編] 桃島 光彦 編
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【ハク】
「俺は、そこまで強くは……」
【男】
「ホストサマなのに酒弱ぇとはいい冗談だな」
なぜか男は満足そうに笑っただけだった。
【ハク】
「はは、すみません……精進します」
【ハク】
(なんなんだ、この人……)
【桃島】
「……」
桃島さんが俺と男の様子を横目でうかがっている。
【ヒトミ】
「アタシねぇ、モモに言いたいことがあったの」
【桃島】
「何? ヒトミが俺に何か言ってくれるなんて珍しいじゃん」
【桃島】
「いつも俺の話きかせてーって言ってくるくせに」
【ヒトミ】
「……この間、ドンペリ入れてもらったんでしょ、例の女社長に」
【桃島】
「……そんなこと、ヒトミの顔見たら忘れたよ」
【ヒトミ】
「……いつもそう言うんだから。……ねぇ、お願い」
ヒトミが男に目配せをした。
【男】
「いいぜ、ヒトミ」
【桃島】
「……!」
桃島さんが危ない雰囲気に気付く。
【男】
「準備完了ゥ」
男が何やら鞄から瓶を取りだし、中身をグラスにあけた。
【桃島】
「……何する気?」
【ヒトミ】
「そちらの彼にまずは試してもらおうかしら」
【ハク】
「えっ……俺?」
【男】
「兄ちゃん、これ飲めや」
【ハク】
「えっ?」
ぐいっとグラスを近づけられる。
【桃島】
「……お客様、当店は持ち込み禁止ですので」
【男】
「じゃあてめえんとこで一番強い酒持って来やがれッ」
すると逆切れしたように男が桃島さんに向かって怒鳴りつけた。
【桃島】
「……ッ……」
桃島さんは舌打ちしたいのをこらえて、キッチンに酒瓶を取りに行った。
【男】
「よし、来たなァ」
【桃島】
「……俺が飲めばいいのか?」
【ヒトミ】
「違うわ。お酒の強いモモに飲ませたって面白くないじゃない」
【桃島】
「……お前……」
【ヒトミ】
「そちらの彼に飲んでもらいましょ。……いくらだって払うわ」
【ハク】
「えっ、お、俺っ……!?」
【男】
「こっちならいいんだろォ!?」
なかば押し付けられるように強い酒を飲まされる。
【ハク】
「わっ……っん……ン……!」
どうにかごくりと飲みこむ。
かあっと喉が熱くなった。
口端から零れたリキュールがスーツに垂れる。
【桃島】
「馬鹿っ……その酒を一気なんて、お前倒れるっ……」
【ヒトミ】
「あらあ、飲んでもらいたいのは私、お金を払うのも私よ」
【桃島】
「だからって!」
【ハク】
「大丈夫です、桃島さん……俺だって、酒くらい……」
【桃島】
「ちょっと!」
……結局、俺は倒れるまで酒を飲まされ……。
気づいたときは、寮のキングベッドの上だった。
【桃島】
「目、覚めた?」
【ハク】
「桃島さん……」
頭がガンガンする。
薄暗いのはまだ夜のせいだ。
桃島さんが水の入ったペットボトルを持ってきてくれた。
【ハク】
「ありがとうございます……」
どうしてこんなことになったんだっけ?
【ハク】
(そうだ……桃島さんの常連が……男連れで、お酒……)
【桃島】
「巻き込んで悪かったな」
【ハク】
「い、いえ……」
【桃島】
「さっきのは常連客。自分が俺の一番の上客だと思い込んでたらしいんだが……正直そうでもない」
【桃島】
「他にももっとボトル入れる客はいる。……たまたま女社長にドンペリ入れてもらってんの知ったんだろうな」
【桃島】
「まあ度の過ぎた嫉妬っていうか。タチ悪い客ってのもいるんだよ」
【ハク】
「そう、だったんですか……」
【桃島】
「巻き込んだのはホント悪かったけど、ハクさんもあそこでムリして飲んじゃダメだって」
【桃島】
「ハクさんの酒の弱さはガチなんだから」
【ハク】
「……すみません……」
【桃島】
「あんま無理、すんなよ」
【ハク】
「はい……」
そう言って桃島さんは濡れタオルで俺の顔を拭いてくれる。
火照った顔に、桃島さんの冷たい手が気持ちいい。
【桃島】
「ま、俺も昔は助けてもらったけどね」
【ハク】
「そう、なんですか……?」
【桃島】
「俺は緑川さんのヘルプから入ったから」
【ハク】
「……!」
桃島さんの口から緑川さんの名前が出たことに動揺してしまう。
【ハク】
(そういえば……昨夜……)
寝言で名前を呼んでいたことを思い出してしまった。
「俺は、そこまで強くは……」
【男】
「ホストサマなのに酒弱ぇとはいい冗談だな」
なぜか男は満足そうに笑っただけだった。
【ハク】
「はは、すみません……精進します」
【ハク】
(なんなんだ、この人……)
【桃島】
「……」
桃島さんが俺と男の様子を横目でうかがっている。
【ヒトミ】
「アタシねぇ、モモに言いたいことがあったの」
【桃島】
「何? ヒトミが俺に何か言ってくれるなんて珍しいじゃん」
【桃島】
「いつも俺の話きかせてーって言ってくるくせに」
【ヒトミ】
「……この間、ドンペリ入れてもらったんでしょ、例の女社長に」
【桃島】
「……そんなこと、ヒトミの顔見たら忘れたよ」
【ヒトミ】
「……いつもそう言うんだから。……ねぇ、お願い」
ヒトミが男に目配せをした。
【男】
「いいぜ、ヒトミ」
【桃島】
「……!」
桃島さんが危ない雰囲気に気付く。
【男】
「準備完了ゥ」
男が何やら鞄から瓶を取りだし、中身をグラスにあけた。
【桃島】
「……何する気?」
【ヒトミ】
「そちらの彼にまずは試してもらおうかしら」
【ハク】
「えっ……俺?」
【男】
「兄ちゃん、これ飲めや」
【ハク】
「えっ?」
ぐいっとグラスを近づけられる。
【桃島】
「……お客様、当店は持ち込み禁止ですので」
【男】
「じゃあてめえんとこで一番強い酒持って来やがれッ」
すると逆切れしたように男が桃島さんに向かって怒鳴りつけた。
【桃島】
「……ッ……」
桃島さんは舌打ちしたいのをこらえて、キッチンに酒瓶を取りに行った。
【男】
「よし、来たなァ」
【桃島】
「……俺が飲めばいいのか?」
【ヒトミ】
「違うわ。お酒の強いモモに飲ませたって面白くないじゃない」
【桃島】
「……お前……」
【ヒトミ】
「そちらの彼に飲んでもらいましょ。……いくらだって払うわ」
【ハク】
「えっ、お、俺っ……!?」
【男】
「こっちならいいんだろォ!?」
なかば押し付けられるように強い酒を飲まされる。
【ハク】
「わっ……っん……ン……!」
どうにかごくりと飲みこむ。
かあっと喉が熱くなった。
口端から零れたリキュールがスーツに垂れる。
【桃島】
「馬鹿っ……その酒を一気なんて、お前倒れるっ……」
【ヒトミ】
「あらあ、飲んでもらいたいのは私、お金を払うのも私よ」
【桃島】
「だからって!」
【ハク】
「大丈夫です、桃島さん……俺だって、酒くらい……」
【桃島】
「ちょっと!」
……結局、俺は倒れるまで酒を飲まされ……。
気づいたときは、寮のキングベッドの上だった。
【桃島】
「目、覚めた?」
【ハク】
「桃島さん……」
頭がガンガンする。
薄暗いのはまだ夜のせいだ。
桃島さんが水の入ったペットボトルを持ってきてくれた。
【ハク】
「ありがとうございます……」
どうしてこんなことになったんだっけ?
【ハク】
(そうだ……桃島さんの常連が……男連れで、お酒……)
【桃島】
「巻き込んで悪かったな」
【ハク】
「い、いえ……」
【桃島】
「さっきのは常連客。自分が俺の一番の上客だと思い込んでたらしいんだが……正直そうでもない」
【桃島】
「他にももっとボトル入れる客はいる。……たまたま女社長にドンペリ入れてもらってんの知ったんだろうな」
【桃島】
「まあ度の過ぎた嫉妬っていうか。タチ悪い客ってのもいるんだよ」
【ハク】
「そう、だったんですか……」
【桃島】
「巻き込んだのはホント悪かったけど、ハクさんもあそこでムリして飲んじゃダメだって」
【桃島】
「ハクさんの酒の弱さはガチなんだから」
【ハク】
「……すみません……」
【桃島】
「あんま無理、すんなよ」
【ハク】
「はい……」
そう言って桃島さんは濡れタオルで俺の顔を拭いてくれる。
火照った顔に、桃島さんの冷たい手が気持ちいい。
【桃島】
「ま、俺も昔は助けてもらったけどね」
【ハク】
「そう、なんですか……?」
【桃島】
「俺は緑川さんのヘルプから入ったから」
【ハク】
「……!」
桃島さんの口から緑川さんの名前が出たことに動揺してしまう。
【ハク】
(そういえば……昨夜……)
寝言で名前を呼んでいたことを思い出してしまった。