[本編] 桃島 光彦 編
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【桃島】
「わかりすぎるくらいわかるって。でも、最初はそんなモンだよ」
【桃島】
「俺も後輩付くの初めてだし、いろいろ教えるんで」
【ハク】
「そうなんですか……」
【桃島】
「……ま、アンタみたいなカワイイ顔は苦労しなくてもイケると思うよ」
【桃島】
「それだけで客、付きそうだもん」
【ハク】
「そんな……お世辞はいいです」
【桃島】
「俺がアンタにお世辞言ったってしょうがねーだろ」
【桃島】
「悔しいぐらい美形だよ、アンタ」
【ハク】
「そんな……」
【ハク】
(桃島さんの方がよっぽど……)
すれ違う人は皆振り向くであろう美形の桃島さんにそんなことを言われても、という感じだ。
【桃島】
「自信持てって。まあ、それはそれでカワイイけどね」
【桃島】
「……で、こうやって煙草に火をつけるわけ」
【ハク】
「おおっ……すごい」
桃島に接客の所作に感動する。丁寧な心遣いが隅々まで行き届いた動作。
【桃島】
「さっきやった酒の作り方、自分でやってみて」
【ハク】
「はい!」
ぎこちない手つきでマドラーを持つ。
桃島の滑らかな手つきとは違っていちいち緊張していて自分の所作は見苦しいように思えてしまう。
【桃島】
「……はは」
【ハク】
「……ダメ、ですか?」
ダメだという自覚はあった。
こんなガチガチのホストに接客されたらお客さんだっていい思いはしないだろう。
【桃島】
「ううん、合格っスよ。ほんと、うちにいない感じでハクさんイイっスよ」
【ハク】
「いない感じ、って……」
【桃島】
「ホストってやっぱりスレてる感じのヤツ多いんで。アンタみたいなのは貴重」
【桃島】
「確かに緊張してっけど、間違えないし覚えもいいし、絶対に客が不快になることはしない」
【桃島】
「ちゃーんと育ってきたんだろうなって感じが出てる。そういうのってすぐできるモンでもないし」
【ハク】
「はあ……」
意識していないところを褒められて、不思議な気分になる。
桃島さんに褒めてもらえるのはすごく嬉しかった。
【桃島】
「じゃあ次は、客にスキンシップする時の方法ね」
【桃島】
「ハクさん、客の役やって。俺が見せるから」
【ハク】
「は、はいっ……」
すると桃島さんが接客用の表情に変わる。
【桃島】
「っていうか、今日はどうして俺を指名してくれたの?」
【ハク】
「……!」
【ハク】
「あっ……え、えっと……」
【桃島】
「照れてる? 照れなくていーんだって、ほら」
ちゅっ、と頬にキスされた。
桃島さんの首筋が白くて、目を奪われているうちにキスも奪われた。
【ハク】
「わっ……!」
【桃島】
「ホストだからって隙見せないでよ、そんなだと……俺も仕事忘れちゃいそう」
動揺しながらキスされた頬をおさえていると、桃島さんの表情が普段モードに戻る。
【桃島】
「……と、まあ、こんな感じ」
【桃島】
「客に触れる時はまず触れる前にちゃんと目を見る。それから不意打ちを仕掛けるように」
【桃島】
「これでだいたい指名は取れる……って、ハクさん?」
【ハク】
「は、はいっ?」
【桃島】
「……ずいぶん初心な反応だね」
動揺して話が半分も耳に入っていないことを見透かされていた。
【ハク】
「大丈夫です、聞いてますっ!」
【ハク】
(これが仕事仕様なのか!? すごすぎる……)
【桃島】
「……ま、いいけど。このへんはハクさんとはタイプ違うだろうし」
【桃島】
「……あんまり客を本気にさせ過ぎないように……気をつけろよ」
【ハク】
(ホストってすごいな……ここまで人を夢中にさせるスキルがあるんだ……!)
【桃島】
「……ってわけで、今日は終了」
【ハク】
「お疲れ様でした……」
つつがなく……というわけでもなかったけれど、初日は終了した。
うっかりお客さんを不快にさせてしまいそうになったときは桃島さんがフォローに入ってくれて助かった。
【ハク】
(お客さんの特徴も、酒の名前も順番に覚えていかないと……)
一番後輩の仕事である店の清掃も終えて、ようやく帰れることになったのは午前3時を回っていた。
【ハク】
(っていうか……寮ってどうなっているんだろう……)
【桃島】
「あ、掃除終わった?」
【ハク】
「桃島さん!」
【桃島】
「じゃー寮に案内するんで」
【ハク】
「えっ……もしかして待っててくれたんですか?」
【桃島】
「俺も寮住まいだし、ついで。っていうか、アンタ俺のルームメイトだし」
【ハク】
「えっ!?」
【桃島】
「あれ、聞いてない?うちの寮って基本2人一部屋システム。で、あんたは俺と」
【ハク】
「そ、そうなんですかっ!?」
桃島さんに案内されて、俺は今日からの住まいである寮に足を踏み入れた。
【ハク】
「お邪魔します……」
【桃島】
「何言ってんの、アンタの部屋だろ、今日から」
【ハク】
「そ、そっか……」
「わかりすぎるくらいわかるって。でも、最初はそんなモンだよ」
【桃島】
「俺も後輩付くの初めてだし、いろいろ教えるんで」
【ハク】
「そうなんですか……」
【桃島】
「……ま、アンタみたいなカワイイ顔は苦労しなくてもイケると思うよ」
【桃島】
「それだけで客、付きそうだもん」
【ハク】
「そんな……お世辞はいいです」
【桃島】
「俺がアンタにお世辞言ったってしょうがねーだろ」
【桃島】
「悔しいぐらい美形だよ、アンタ」
【ハク】
「そんな……」
【ハク】
(桃島さんの方がよっぽど……)
すれ違う人は皆振り向くであろう美形の桃島さんにそんなことを言われても、という感じだ。
【桃島】
「自信持てって。まあ、それはそれでカワイイけどね」
【桃島】
「……で、こうやって煙草に火をつけるわけ」
【ハク】
「おおっ……すごい」
桃島に接客の所作に感動する。丁寧な心遣いが隅々まで行き届いた動作。
【桃島】
「さっきやった酒の作り方、自分でやってみて」
【ハク】
「はい!」
ぎこちない手つきでマドラーを持つ。
桃島の滑らかな手つきとは違っていちいち緊張していて自分の所作は見苦しいように思えてしまう。
【桃島】
「……はは」
【ハク】
「……ダメ、ですか?」
ダメだという自覚はあった。
こんなガチガチのホストに接客されたらお客さんだっていい思いはしないだろう。
【桃島】
「ううん、合格っスよ。ほんと、うちにいない感じでハクさんイイっスよ」
【ハク】
「いない感じ、って……」
【桃島】
「ホストってやっぱりスレてる感じのヤツ多いんで。アンタみたいなのは貴重」
【桃島】
「確かに緊張してっけど、間違えないし覚えもいいし、絶対に客が不快になることはしない」
【桃島】
「ちゃーんと育ってきたんだろうなって感じが出てる。そういうのってすぐできるモンでもないし」
【ハク】
「はあ……」
意識していないところを褒められて、不思議な気分になる。
桃島さんに褒めてもらえるのはすごく嬉しかった。
【桃島】
「じゃあ次は、客にスキンシップする時の方法ね」
【桃島】
「ハクさん、客の役やって。俺が見せるから」
【ハク】
「は、はいっ……」
すると桃島さんが接客用の表情に変わる。
【桃島】
「っていうか、今日はどうして俺を指名してくれたの?」
【ハク】
「……!」
【ハク】
「あっ……え、えっと……」
【桃島】
「照れてる? 照れなくていーんだって、ほら」
ちゅっ、と頬にキスされた。
桃島さんの首筋が白くて、目を奪われているうちにキスも奪われた。
【ハク】
「わっ……!」
【桃島】
「ホストだからって隙見せないでよ、そんなだと……俺も仕事忘れちゃいそう」
動揺しながらキスされた頬をおさえていると、桃島さんの表情が普段モードに戻る。
【桃島】
「……と、まあ、こんな感じ」
【桃島】
「客に触れる時はまず触れる前にちゃんと目を見る。それから不意打ちを仕掛けるように」
【桃島】
「これでだいたい指名は取れる……って、ハクさん?」
【ハク】
「は、はいっ?」
【桃島】
「……ずいぶん初心な反応だね」
動揺して話が半分も耳に入っていないことを見透かされていた。
【ハク】
「大丈夫です、聞いてますっ!」
【ハク】
(これが仕事仕様なのか!? すごすぎる……)
【桃島】
「……ま、いいけど。このへんはハクさんとはタイプ違うだろうし」
【桃島】
「……あんまり客を本気にさせ過ぎないように……気をつけろよ」
【ハク】
(ホストってすごいな……ここまで人を夢中にさせるスキルがあるんだ……!)
【桃島】
「……ってわけで、今日は終了」
【ハク】
「お疲れ様でした……」
つつがなく……というわけでもなかったけれど、初日は終了した。
うっかりお客さんを不快にさせてしまいそうになったときは桃島さんがフォローに入ってくれて助かった。
【ハク】
(お客さんの特徴も、酒の名前も順番に覚えていかないと……)
一番後輩の仕事である店の清掃も終えて、ようやく帰れることになったのは午前3時を回っていた。
【ハク】
(っていうか……寮ってどうなっているんだろう……)
【桃島】
「あ、掃除終わった?」
【ハク】
「桃島さん!」
【桃島】
「じゃー寮に案内するんで」
【ハク】
「えっ……もしかして待っててくれたんですか?」
【桃島】
「俺も寮住まいだし、ついで。っていうか、アンタ俺のルームメイトだし」
【ハク】
「えっ!?」
【桃島】
「あれ、聞いてない?うちの寮って基本2人一部屋システム。で、あんたは俺と」
【ハク】
「そ、そうなんですかっ!?」
桃島さんに案内されて、俺は今日からの住まいである寮に足を踏み入れた。
【ハク】
「お邪魔します……」
【桃島】
「何言ってんの、アンタの部屋だろ、今日から」
【ハク】
「そ、そっか……」