[本編] 桃島 光彦 編
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【藍建】
「確認できました。捜査にご協力いただきありがとうございます」
【ハク】
「いえ、こんなので良ければ……」
それからいくつか、刑事は俺に質問をしてきた。
誰かの恨みを買っていないかとか、不審な人を見かけなかったかだとか……。
どれも心当たりがないので、正直に答える。
【藍建】
「それじゃ今日はこれで、聴取は以上です」
【藍建】
「もうお帰りになって結構ですよ」
【ハク】
「……お帰りって……どこへ?」
【藍建】
「あっ、すみません。つい……」
【ハク】
「……はは……ははは……」
【藍建】
「……俺がこんなこと言うのもあれですけど」
【ハク】
「はい?」
【藍建】
「そのうちきっといいことありますって」
【ハク】
「そう、ですかね……」
刑事の気遣いの言葉に、呆然自失の声で答え、俺はふらふらとその場を離れた。
行き先があるわけではなかったが、真っ黒の自室をこれ以上見ていたら……。
気がおかしくなってしまいそうだったから―――。
【ハク】
(どうしよう……)
すると、ケータイが着信を知らせる振動を始める。
【ハク】
「あれ、この電話番号……」
登録はされていないが、見覚えがある。
【ハク】
(さっきの……?)
そう思いながら電話に出ると、話しだしたのは予想通りの人物だった。
【緑川】
『さっきはどうも』
【ハク】
「緑川さん!」
【緑川】
『なんか大変なことに巻き込まれてるみたいだね』
【ハク】
「はい……その、家が火事で燃えてしまって」
【緑川】
『ええっ!? 会社クビになった上に、家まで!?』
【ハク】
「はい……もう、どうすれば……」
【緑川】
『……だったらちょうどいいよ。昨日の話、真剣に考えてみない?』
【ハク】
「え?」
【緑川】
『詳しい話は会ってしたいな。今日の夕方、昨日のバーの前で待ち合わせない?』
【ハク】
「はぁ……」
【緑川】
『助けるよ。だから来て?』
【ハク】
「わかりました……」
了承の返事をして、電話を切る。
【ハク】
(もうこうなったら藁にでもすがる思いだ……)
二つ返事で受けてしまったが、こんな状況になってしまった以上、後悔はなかった。
―――まさかこれが、すべての始まりになるとは思いもしなかったが―――。
【緑川】
「ああ、来た来た」
【ハク】
「緑川さん!」
【桃島】
「……ども」
【ハク】
「……!」
緑川はひとり、とんでもない美形を連れて立っていた。
緑川も相当なものだったが、もうひとりはタイプが違う。
緑川よりも若く、射抜かれそうな鋭い瞳に、鮮やかな色の髪。
【ハク】
(なんだ、あの男……)
【ハク】
(世の中にあんな美形がいるなんて……。)
【緑川】
「じゃあ詳しい話をしようか」
【桃島】
「……っす」
【ハク】
「……はい……」
惚れた腫れたではない。
何せ相手は……男だ。
だけど、見たこともないくらいの美青年がそこにいた。
名も知らぬ年下の男だ。
だけど……。
―――運命の出会いとも言うべき衝撃が、俺の胸に突き刺さっていた。
続く…
「確認できました。捜査にご協力いただきありがとうございます」
【ハク】
「いえ、こんなので良ければ……」
それからいくつか、刑事は俺に質問をしてきた。
誰かの恨みを買っていないかとか、不審な人を見かけなかったかだとか……。
どれも心当たりがないので、正直に答える。
【藍建】
「それじゃ今日はこれで、聴取は以上です」
【藍建】
「もうお帰りになって結構ですよ」
【ハク】
「……お帰りって……どこへ?」
【藍建】
「あっ、すみません。つい……」
【ハク】
「……はは……ははは……」
【藍建】
「……俺がこんなこと言うのもあれですけど」
【ハク】
「はい?」
【藍建】
「そのうちきっといいことありますって」
【ハク】
「そう、ですかね……」
刑事の気遣いの言葉に、呆然自失の声で答え、俺はふらふらとその場を離れた。
行き先があるわけではなかったが、真っ黒の自室をこれ以上見ていたら……。
気がおかしくなってしまいそうだったから―――。
【ハク】
(どうしよう……)
すると、ケータイが着信を知らせる振動を始める。
【ハク】
「あれ、この電話番号……」
登録はされていないが、見覚えがある。
【ハク】
(さっきの……?)
そう思いながら電話に出ると、話しだしたのは予想通りの人物だった。
【緑川】
『さっきはどうも』
【ハク】
「緑川さん!」
【緑川】
『なんか大変なことに巻き込まれてるみたいだね』
【ハク】
「はい……その、家が火事で燃えてしまって」
【緑川】
『ええっ!? 会社クビになった上に、家まで!?』
【ハク】
「はい……もう、どうすれば……」
【緑川】
『……だったらちょうどいいよ。昨日の話、真剣に考えてみない?』
【ハク】
「え?」
【緑川】
『詳しい話は会ってしたいな。今日の夕方、昨日のバーの前で待ち合わせない?』
【ハク】
「はぁ……」
【緑川】
『助けるよ。だから来て?』
【ハク】
「わかりました……」
了承の返事をして、電話を切る。
【ハク】
(もうこうなったら藁にでもすがる思いだ……)
二つ返事で受けてしまったが、こんな状況になってしまった以上、後悔はなかった。
―――まさかこれが、すべての始まりになるとは思いもしなかったが―――。
【緑川】
「ああ、来た来た」
【ハク】
「緑川さん!」
【桃島】
「……ども」
【ハク】
「……!」
緑川はひとり、とんでもない美形を連れて立っていた。
緑川も相当なものだったが、もうひとりはタイプが違う。
緑川よりも若く、射抜かれそうな鋭い瞳に、鮮やかな色の髪。
【ハク】
(なんだ、あの男……)
【ハク】
(世の中にあんな美形がいるなんて……。)
【緑川】
「じゃあ詳しい話をしようか」
【桃島】
「……っす」
【ハク】
「……はい……」
惚れた腫れたではない。
何せ相手は……男だ。
だけど、見たこともないくらいの美青年がそこにいた。
名も知らぬ年下の男だ。
だけど……。
―――運命の出会いとも言うべき衝撃が、俺の胸に突き刺さっていた。
続く…