五十嵐 優作
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五十嵐優作は高校生になっても、恋人同士の「お付き合い」ってのがよく解らなかった。
男子校だったので、友達に連れられて合コン等にも行ってみたが、二人きりでデートしたいだとかエッチな事をしたいっていう考えは全然浮かばない。
それでも、自分に好意を寄せてくる女の子はそれなりに可愛く想えて、「お付き合い」をしてみた事もある。
デートして、メールして、電話して、またデートして。
繰り返してるうち、必ず五十嵐の方がフラれた。
「優作は、私の事女としてみてないよ!」
とか
「優作は、誰にでも優しいんだもん。私じゃなくてもいいんでしょ」
なんて言われて。
勿論心当たりもあった。
まず、キスだとか、それ以上の行為を殊更してみたいと思わないのだ。
周りの友達が、今晩はやっと出来る、だの、マジで良かった!だの女の子との一夜について大袈裟に語り合ったりしていても、五十嵐はさして興味を持つ事が出来なかった。
経験がないわけじゃないが、もう一度したい!と強く思える経験ではない。
一人で処理する方が時間も早く終わるし、気がねしなくていいのだから。
「俺って……おかしーのかなあ」
教室。少年誌のグラビアアイドルを見ながら騒ぎ立てるクラスメイトをよそに、五十嵐はぼんやりと零した。
「ああ。おかしいね。全然おかしーだろ。俺なんてどんな女でも近くに居たらムラムラするからな」
「だって家に帰ったら普通に妹もお母さんも居るんだから…毎回ムラムラとかしないっていうか」
「マジかよ。俺、お前の妹だったら兄妹だったとしてもヤバいわ。二人ともいいよな…、ヨリドリミドリ?みたいな」
「お前、女兄弟居なくてよかったな~犯罪者になるところじゃん」
「よくねーよ。ムサっ苦しい……あー、お前アレかもな。母ちゃんも妹もレベル高すぎて女に興味なくしてんのかもじゃね」
「そーいうもんかな」
「あるある。俺んちのババァなんてもう…女っつーか……豚?山?……兄貴もゴリラみたいだし。あんなのに囲まれたら女が恋しくてたまんなくなるぜ」
「……………うーん」
確かに…五十嵐の母は若く、美しく、今でも街に出れば男に声をかけられる程。
妹二人等は、学内のアイドルのような扱われ方をしている。
幼い頃はそれが普通、だとも思っていたがこの年になってやっと自分の家が特殊である事に気が付き始めていた。
その所為で「可愛い女の子」ってものを特別視しないのかもしれない。
彼女より友達と居る方が気楽で、断然楽しいし、それに妹がいつまでも兄離れしないので女の子がいなくて寂しいとも思わない。
妹二人は、顔は似ているが性格は反対といってもいい。
一人は根っから素直なタイプでベタベタと、解り易く甘えてくる。おにいちゃーん、と猫なで声でやってきては食べ物やら服やらをねだってくる。
もう一人は気が強く、ストレートには甘えてこないのだが、得意の料理を五十嵐に振る舞ったり、誕生日プレゼントをかかさずくれたりと、尽くしてくれるタイプだった。
そんな風にして、いつまでもお兄ちゃんお兄ちゃん、と擦り寄ってくるので、彼女がいない寂しさを味わう事もなかった。
そんな折。
高校で二度目の学園祭…の季節がやってきた。
今年、五十嵐のクラスは「女装喫茶」。
「女装喫茶」は花形の催しもので(他校の女の子達が一番遊びにくる!)、その権利はいつも奪い合いなのだから、クラス全員激しく喜んだ。
当然五十嵐も、はりきって準備にあけくれる。
五十嵐は女装要員ではなく、料理を作る裏方としての担当に決まった。
―のだが。
学園祭の3日前。
女装店員になる予定だった1人のクラスメイトが友達とふざけあっているうちに足の骨を折ってしまい。
……女装要員が欠けてしまうという事態に陥った。
「って訳でお前はJKだ、JK」
「はいはーい」
放課後、セーラー服の衣装を受け取る。
「一応着てみた方がよくねえ?」
と一人が言いだし、五十嵐はこの場でその衣装に着替えることになった。
「あ、じゃあ着替えてくるわ」
「いやっ…折角だから俺が着せてやるよ」
と更に一人が言いだす。
「なんで?」
「JKのナマ着替えを黙って見てるなんて男がすたる!」
「んん?」
「だから、着替えさせてやるから」
話がかみ合わなくなってきた。
うーん、と五十嵐がもそもそ頭を掻いていると、一人が急に五十嵐に飛びかかる。
「うわっ………!何…っ」
教室の床に背中を打ちつけた上、足を開いた状態にさせられる。
「お、わっ…!あぶな……ッ」
「観念しなさい、優作ちゃん」
残っていたクラスメイト3人が五十嵐を取り囲んでいた。
服を脱がされ、セーラー服をあてがわれていく。
「うお……すげ、似合うな、お前」
「そりゃ良かった…、ええと、もう、いいよな」
「なんか、結構女に見えるもんだな」
「うん?そりゃ見えないだろ」
クラスメイトの不可思議な言葉に小首をかしげる五十嵐。
「これさえなけりゃ、マジで女っぽいよ、優作」
「う、わ……っ…!」
突然中心部をぐい、と揉まれ情けない声をあげてしまう。
「パンツも女物にしたらいーんじゃねえ」
言いながら、五十嵐の下着に手をかける。
「やっ……ちょっと変、じゃね…お前ら……」
「優作、何本気になってんだよ。冗談だって…」
「冗談キツ過ぎだろ……!」
教室の中、五十嵐の声だけが大きく虚しく響くが状況が変わりそうにはない。
「ぺろーん!」
「……っ……」
はぁはぁと何人かの荒い息が五十嵐の耳にはいったので、若干嫌な予感もし始めていたが、数名で手足を押さえられてるので体を動かす事が出来ない。
「あ、やべ…俺………」
「お前も?俺も……なんだよな」
2人が前かがみになって、もぞもぞとし始める。
「おっ…お前ら………?」
「やべーちょっと…出しちゃってもいい?」
「ええええ?トイレ行けよ!」
「いや、なんかこう……押し倒されてる、って図を見てたいっていうか」
「こ、ここでするなって!」
五十嵐の制止もむなしく…二人は自らに触れ…そして………
「あ、やべ……ちょっと…出る……」
「は?」
「おい!衣装汚すなよ!!」
五十嵐と別のクラスメイトの言葉も聞えないかのように、一人が達し、後を追いかけるようにもう一人も…。
「う、わ………!なん……何……?!」
ドロリとしたその証が五十嵐の顔に降りかかった。
「………………」
「あ……ごめん、優作」
「き、きたねえだろー!お前ら!!馬鹿!」
有り得ない自体に一瞬訳が解らなくなった五十嵐だったが…事態を把握し、絶叫。
「でも衣装汚すなっつわれたから、顔に」
「あっ……やばい、垂れる!衣装に垂れそうだってこれ…!」
五十嵐は慌ててトイレに駆け込み、顔やら髪の毛やらについたおぞましいソレらを洗い流した。
(……んん?)
何故か。
恐ろしい事に。
気が付けば……五十嵐のソコも興奮を訴えていた。
(なんで………???)
頭に疑問符を飛ばしながらも、このまま教室に戻る訳にも行かず。
おさまるまで待ってみた。
けれど―
(……ぁ……っ………?)
先ほどまでの光景…一心不乱にそこを終わりに導くクラスメイト二名…の姿が浮かんだ。
その途端………
ドクン。
益々、熱を帯びてしまう。
(………何だ、これ)
更には。
彼らの一部が口の中にまで飛び散った瞬間を思い出せば………
(……っ……やば………!)
もう、矢も盾もたまらず。
個室トイレに駆け込んで、体の興奮に従って、自らを慰めるしかなかった。
慌ててその行為を終え、教室に戻ると「調子のりすぎた」「ごめん」と謝られ。
怒りやら情けないやら、色々な感情が頭をめぐったけれど。
事後独特の冷えた頭の所為もあってか「謝って貰えたから、いいか」と五十嵐は何もなかったかのように下校することにした。
―その晩
珍しく五十嵐の体は、…自分でもコントロールが出来ない程に、血液がソコに集中してしまっていた。
先ほど風呂で一度、落ち着かせたはずだったのだが。
そもそも今日は学校でも………かまってやったはずなのに。
(う……もういっかい風呂入ったら…バレるし…)
部屋の壁が薄い五十嵐家にとって、風呂は唯一のチャンスタイムなのだ。
それ以降は母と妹二人の視線をかいくぐって行わなければならない為、難易度だ高い。
(……仕方ない、か)
五十嵐は覚悟を決めて…布団の中にもぐって自らを撫でる。
驚く程はっきりと熱をもったソコに、自分のものながら不思議な気分になった。
ぐち、と卑猥な音を小さく響かせれば―やはり今日の出来事が浮かんでしまう。
…相当、強烈な体験だったらしい。
(俺のカラダ…ちょっと馬鹿になったかな)
どうして同じ男の…そんなシーンを想い浮かべて興奮出来るのか。
訳が解らない。
…訳は解らないけれど。
「……ふ……っ…ン………っ…」
五十嵐の体はこれまでにない程…後から後から熱が溢れて止まらなかった―。
あれからもう何年も経ったが。
今でも時折、五十嵐はあの日の事を思い出し―そして赴くままに熱を溢れさせる事があった…が、それを、特別異常なこととも思わない。
衝撃的過ぎて、びっくりして、なんだかそんな風になったんだろう
と、酷く単純にとらえているからだ。
何故こうなってしまうのか―と、深く考えた事などなかった。
けれど。
三宮の屋敷に顔を出すようになって以降…
あの日の事を考える頻度が高くなってしまった。
「犬」の係になって
万里に、本当に犬のように扱われ、あの日のよう全てを曝け出すような恰好になれば
信じられない程、体温が上がる。
よしよし、と言われてお腹を撫でられると、それだけで中心が立ちあがって、万里にお仕置きされてしまう。
(もしかして俺って……変……かも……?)
自分の性癖についてやっと疑い始めていた五十嵐。
そうして、つい最近、決定的な事があった。
いつものようにお腹や腰を撫でられていたら、
いつものように反応してしまい。
いつものように万里にからかわれた。
その夜、日中の出来ごとを思い出しながら、いつものように自らを慰めようとしていたら―
(…………ごしゅじ…さま……っ)
あの―男子校時代にされたように。
万里の興奮の証に浸るシーンが勝手に脳内再生されていた。
(……っ……あ………!)
かつてない程に早くあっけなく達してしまい。
浅く息をしながら五十嵐は遂に、自分が普通ではない、と自覚することが出来たのだった。
fin
男子校だったので、友達に連れられて合コン等にも行ってみたが、二人きりでデートしたいだとかエッチな事をしたいっていう考えは全然浮かばない。
それでも、自分に好意を寄せてくる女の子はそれなりに可愛く想えて、「お付き合い」をしてみた事もある。
デートして、メールして、電話して、またデートして。
繰り返してるうち、必ず五十嵐の方がフラれた。
「優作は、私の事女としてみてないよ!」
とか
「優作は、誰にでも優しいんだもん。私じゃなくてもいいんでしょ」
なんて言われて。
勿論心当たりもあった。
まず、キスだとか、それ以上の行為を殊更してみたいと思わないのだ。
周りの友達が、今晩はやっと出来る、だの、マジで良かった!だの女の子との一夜について大袈裟に語り合ったりしていても、五十嵐はさして興味を持つ事が出来なかった。
経験がないわけじゃないが、もう一度したい!と強く思える経験ではない。
一人で処理する方が時間も早く終わるし、気がねしなくていいのだから。
「俺って……おかしーのかなあ」
教室。少年誌のグラビアアイドルを見ながら騒ぎ立てるクラスメイトをよそに、五十嵐はぼんやりと零した。
「ああ。おかしいね。全然おかしーだろ。俺なんてどんな女でも近くに居たらムラムラするからな」
「だって家に帰ったら普通に妹もお母さんも居るんだから…毎回ムラムラとかしないっていうか」
「マジかよ。俺、お前の妹だったら兄妹だったとしてもヤバいわ。二人ともいいよな…、ヨリドリミドリ?みたいな」
「お前、女兄弟居なくてよかったな~犯罪者になるところじゃん」
「よくねーよ。ムサっ苦しい……あー、お前アレかもな。母ちゃんも妹もレベル高すぎて女に興味なくしてんのかもじゃね」
「そーいうもんかな」
「あるある。俺んちのババァなんてもう…女っつーか……豚?山?……兄貴もゴリラみたいだし。あんなのに囲まれたら女が恋しくてたまんなくなるぜ」
「……………うーん」
確かに…五十嵐の母は若く、美しく、今でも街に出れば男に声をかけられる程。
妹二人等は、学内のアイドルのような扱われ方をしている。
幼い頃はそれが普通、だとも思っていたがこの年になってやっと自分の家が特殊である事に気が付き始めていた。
その所為で「可愛い女の子」ってものを特別視しないのかもしれない。
彼女より友達と居る方が気楽で、断然楽しいし、それに妹がいつまでも兄離れしないので女の子がいなくて寂しいとも思わない。
妹二人は、顔は似ているが性格は反対といってもいい。
一人は根っから素直なタイプでベタベタと、解り易く甘えてくる。おにいちゃーん、と猫なで声でやってきては食べ物やら服やらをねだってくる。
もう一人は気が強く、ストレートには甘えてこないのだが、得意の料理を五十嵐に振る舞ったり、誕生日プレゼントをかかさずくれたりと、尽くしてくれるタイプだった。
そんな風にして、いつまでもお兄ちゃんお兄ちゃん、と擦り寄ってくるので、彼女がいない寂しさを味わう事もなかった。
そんな折。
高校で二度目の学園祭…の季節がやってきた。
今年、五十嵐のクラスは「女装喫茶」。
「女装喫茶」は花形の催しもので(他校の女の子達が一番遊びにくる!)、その権利はいつも奪い合いなのだから、クラス全員激しく喜んだ。
当然五十嵐も、はりきって準備にあけくれる。
五十嵐は女装要員ではなく、料理を作る裏方としての担当に決まった。
―のだが。
学園祭の3日前。
女装店員になる予定だった1人のクラスメイトが友達とふざけあっているうちに足の骨を折ってしまい。
……女装要員が欠けてしまうという事態に陥った。
「って訳でお前はJKだ、JK」
「はいはーい」
放課後、セーラー服の衣装を受け取る。
「一応着てみた方がよくねえ?」
と一人が言いだし、五十嵐はこの場でその衣装に着替えることになった。
「あ、じゃあ着替えてくるわ」
「いやっ…折角だから俺が着せてやるよ」
と更に一人が言いだす。
「なんで?」
「JKのナマ着替えを黙って見てるなんて男がすたる!」
「んん?」
「だから、着替えさせてやるから」
話がかみ合わなくなってきた。
うーん、と五十嵐がもそもそ頭を掻いていると、一人が急に五十嵐に飛びかかる。
「うわっ………!何…っ」
教室の床に背中を打ちつけた上、足を開いた状態にさせられる。
「お、わっ…!あぶな……ッ」
「観念しなさい、優作ちゃん」
残っていたクラスメイト3人が五十嵐を取り囲んでいた。
服を脱がされ、セーラー服をあてがわれていく。
「うお……すげ、似合うな、お前」
「そりゃ良かった…、ええと、もう、いいよな」
「なんか、結構女に見えるもんだな」
「うん?そりゃ見えないだろ」
クラスメイトの不可思議な言葉に小首をかしげる五十嵐。
「これさえなけりゃ、マジで女っぽいよ、優作」
「う、わ……っ…!」
突然中心部をぐい、と揉まれ情けない声をあげてしまう。
「パンツも女物にしたらいーんじゃねえ」
言いながら、五十嵐の下着に手をかける。
「やっ……ちょっと変、じゃね…お前ら……」
「優作、何本気になってんだよ。冗談だって…」
「冗談キツ過ぎだろ……!」
教室の中、五十嵐の声だけが大きく虚しく響くが状況が変わりそうにはない。
「ぺろーん!」
「……っ……」
はぁはぁと何人かの荒い息が五十嵐の耳にはいったので、若干嫌な予感もし始めていたが、数名で手足を押さえられてるので体を動かす事が出来ない。
「あ、やべ…俺………」
「お前も?俺も……なんだよな」
2人が前かがみになって、もぞもぞとし始める。
「おっ…お前ら………?」
「やべーちょっと…出しちゃってもいい?」
「ええええ?トイレ行けよ!」
「いや、なんかこう……押し倒されてる、って図を見てたいっていうか」
「こ、ここでするなって!」
五十嵐の制止もむなしく…二人は自らに触れ…そして………
「あ、やべ……ちょっと…出る……」
「は?」
「おい!衣装汚すなよ!!」
五十嵐と別のクラスメイトの言葉も聞えないかのように、一人が達し、後を追いかけるようにもう一人も…。
「う、わ………!なん……何……?!」
ドロリとしたその証が五十嵐の顔に降りかかった。
「………………」
「あ……ごめん、優作」
「き、きたねえだろー!お前ら!!馬鹿!」
有り得ない自体に一瞬訳が解らなくなった五十嵐だったが…事態を把握し、絶叫。
「でも衣装汚すなっつわれたから、顔に」
「あっ……やばい、垂れる!衣装に垂れそうだってこれ…!」
五十嵐は慌ててトイレに駆け込み、顔やら髪の毛やらについたおぞましいソレらを洗い流した。
(……んん?)
何故か。
恐ろしい事に。
気が付けば……五十嵐のソコも興奮を訴えていた。
(なんで………???)
頭に疑問符を飛ばしながらも、このまま教室に戻る訳にも行かず。
おさまるまで待ってみた。
けれど―
(……ぁ……っ………?)
先ほどまでの光景…一心不乱にそこを終わりに導くクラスメイト二名…の姿が浮かんだ。
その途端………
ドクン。
益々、熱を帯びてしまう。
(………何だ、これ)
更には。
彼らの一部が口の中にまで飛び散った瞬間を思い出せば………
(……っ……やば………!)
もう、矢も盾もたまらず。
個室トイレに駆け込んで、体の興奮に従って、自らを慰めるしかなかった。
慌ててその行為を終え、教室に戻ると「調子のりすぎた」「ごめん」と謝られ。
怒りやら情けないやら、色々な感情が頭をめぐったけれど。
事後独特の冷えた頭の所為もあってか「謝って貰えたから、いいか」と五十嵐は何もなかったかのように下校することにした。
―その晩
珍しく五十嵐の体は、…自分でもコントロールが出来ない程に、血液がソコに集中してしまっていた。
先ほど風呂で一度、落ち着かせたはずだったのだが。
そもそも今日は学校でも………かまってやったはずなのに。
(う……もういっかい風呂入ったら…バレるし…)
部屋の壁が薄い五十嵐家にとって、風呂は唯一のチャンスタイムなのだ。
それ以降は母と妹二人の視線をかいくぐって行わなければならない為、難易度だ高い。
(……仕方ない、か)
五十嵐は覚悟を決めて…布団の中にもぐって自らを撫でる。
驚く程はっきりと熱をもったソコに、自分のものながら不思議な気分になった。
ぐち、と卑猥な音を小さく響かせれば―やはり今日の出来事が浮かんでしまう。
…相当、強烈な体験だったらしい。
(俺のカラダ…ちょっと馬鹿になったかな)
どうして同じ男の…そんなシーンを想い浮かべて興奮出来るのか。
訳が解らない。
…訳は解らないけれど。
「……ふ……っ…ン………っ…」
五十嵐の体はこれまでにない程…後から後から熱が溢れて止まらなかった―。
あれからもう何年も経ったが。
今でも時折、五十嵐はあの日の事を思い出し―そして赴くままに熱を溢れさせる事があった…が、それを、特別異常なこととも思わない。
衝撃的過ぎて、びっくりして、なんだかそんな風になったんだろう
と、酷く単純にとらえているからだ。
何故こうなってしまうのか―と、深く考えた事などなかった。
けれど。
三宮の屋敷に顔を出すようになって以降…
あの日の事を考える頻度が高くなってしまった。
「犬」の係になって
万里に、本当に犬のように扱われ、あの日のよう全てを曝け出すような恰好になれば
信じられない程、体温が上がる。
よしよし、と言われてお腹を撫でられると、それだけで中心が立ちあがって、万里にお仕置きされてしまう。
(もしかして俺って……変……かも……?)
自分の性癖についてやっと疑い始めていた五十嵐。
そうして、つい最近、決定的な事があった。
いつものようにお腹や腰を撫でられていたら、
いつものように反応してしまい。
いつものように万里にからかわれた。
その夜、日中の出来ごとを思い出しながら、いつものように自らを慰めようとしていたら―
(…………ごしゅじ…さま……っ)
あの―男子校時代にされたように。
万里の興奮の証に浸るシーンが勝手に脳内再生されていた。
(……っ……あ………!)
かつてない程に早くあっけなく達してしまい。
浅く息をしながら五十嵐は遂に、自分が普通ではない、と自覚することが出来たのだった。
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