clap
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「年の瀬かぁ」
こたつでぬくもりながら、今日何度目かのおんなじ呟き。
静かな部屋に私の声が消えていく。
テレビなんかついてない。
特に話題もないはずのこの人造人間が最近はよく喋るので内容なんかに集中できないからだ。
年の瀬★パニック
「まるで覚えたてかのように何度も何度も『年の瀬』を繰り返すな」
みかんを剥きながらセルは言った。
見た目に反して異様に手先が器用な彼の手元には、リンゴのように剥かれたみかんの皮。
ご丁寧に白い筋まで取られている。
「その白いのに栄養があるんじゃないの?」
「***はこれが好きじゃないのかと思ってな」
めり、とそのみかんを半分に割って、自分の指ごと私の口に突っ込むセル。
もっと丁寧にあーんってしてくれてもいいんじゃないの?
「その口も大きくなったものだ、最初はわたしのナニですら咥え」
「んぐっ!? こ、今年最後の下ネタがそれだったら私、来年はセルと口聞かないから!!」
セルはそれを聞いて黙り込む。
やっぱり下ネタ言うつもりだったんだ、っていうかほぼ言ったし……
「……歩く不道徳大辞典め」
「そう むくれるな」
逸らしたのにまたこの大辞典の手によって、彼と向かい合わされる私の顔。
「わたしは知っているぞ、お前の機嫌を直す方法を」
「……やってみたら?」
セルは両手で私の顔を包む。
戦う者とは思えない柔らかい手で。
「ふむ、すでに直ってきたようだな」
セルはいじわるそうに微笑んだ。
まだだもん。
まだ……してくれなきゃ、来年は目も合わせてやらない。
そんな私の考えを察したかのように近づいてくる、彼の顔。
……けど。
「……あの……太ももまさぐるのやめてくれない」
さっきからずっと触られてる感覚が……
……あれ?
「なにを言っている。
わたしの手はさっきから***の頬に触れているだろう」
ですよねーーー!!!
「じゃ、じゃあ誰ーーーー!!?」
「わ……わたしの太腿に断りもなく勝手に触れるとはいい度胸だ……!!
断っても触らせんがな!!!」
「違う、そこじゃない!!
それにあんたの太ももでもない!!」
騒ぎまくる私たちをよそに、時計の針は0時丁度を指していた。
.