clap
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
毎年この時期の夕方になると、街は一気にカラフルに色づく。
イルミネーションやこの季節独特のオブジェ、彩られたツリーなんかで、一年のどんな日よりも賑やかだろう。
準備をしながら『その日』が来るのを待つんだ。
純潔疑惑、濃厚
人によっては24日を本番と捉える人もいるらしい。
24日はあくまでクリスマス『イブ』であって25日が本番なはずなんだけど……?
「ラディッツ、クリスマスって……」
「仕事だが、」
「違うわ、なんであんたを誘わにゃならんのだ。
24日と25日、どっちが本番なのって聞きたかったの」
「……知らん」
言いかけたラディッツの言葉を遮ると、奴は先走った自分の回答に照れてるのかちょっと顔を赤らめて答えた。
「知らんってねぇ、あんたもうその歳なんだからクリスマスデートの一回や二回くらいあるでしょ。どっちの方が多かった?」
「きっ、貴様に言う必要などないだろう」
おや?なぜ一瞬どもった?
……まさか。
「フン、彼女いない歴まさかの年齢か……ゴミめ」
「誰の真似だ誰の!!」
広いおでこまで真っ赤にしてラディッツは叫んだ。
おお、あの様子は大当たりだ。
景品くれるかな?
「そうかそうか、ラディッツはそーだったのか。
あの女に興味なさそうなナッパですら遊びまくってるってのにラディッツくんは……そうだったのかぁ」
「やかましい! ***には関係ないッ!!」
あ、行っちゃった。
ちょっとイジメすぎたかな?
〜〜〜
……うーん、やっぱりさっきはからかいすぎたかも。
謝った方がいいかなぁ……
そんなことを考えながら基地内の廊下を歩いていると、ご来光の化身みたいな奴が前から歩いてきた。
「よう、ナッパ。今日も眩しいね!」
「***は一言余計なんだよ。
ラディッツにも何か言ったんじゃねえのか?」
……なんで知ってんのこいつ。
「あー、いや……うん、言った。
謝ろうかと思って探してたんだ」
否定も肯定もしないってことはたぶん図星なんだろうし、本当のこと言って何が悪い、とも思うけど、さすがにイジメすぎたし。
「好きな奴にからかわれてだいぶ落ち込んでたぞ」
「え、何? 好きな奴って……」
「お前のことだよ」
は? 嘘でしょ?そんな話、初耳だし。
「クリスマスも仕事休んでまで***を誘おうとしてたってのに、振られちまって可哀想だよなー」
可哀想、と言いつつもニヤニヤしているナッパ。最悪。
てか私の方が最悪じゃん。
あのときラディッツが続き言う前に、
『なんであんたを誘わにゃならんのだ』とか言っちゃったし……
「あいつに彼女がいねえのは、お前以外の女に興味が持てなかったからだ」
それを聞いて、私は走り出した。
ごめんよ、ラディッツ……気付かなくて。
「俺にもあんな頃、あったっけなー……」
遠ざかる背中を見つめつつ、ナッパは呟いたのだった。
.
1/13ページ