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あいつの無茶にも我儘にも なにかと今まで付き合ってきた。
それは無理やりやらされたんじゃない。
あたしたちだって、好きであいつの提案に乗ってきたんだ。
不適切な感情
「いいかい***。
あんたは飽くまでポッドの見張りだ。
ここを動くんじゃないよ」
「えぇ……今回も?」
「あぁ。敵が来ても攻撃はするな、あたしを呼ぶんだ。
いいな?」
確かに無理やりなんかじゃない。
しかしこればっかりは どうかしてると、自分でも思う。
「私も戦いたいなー」
「悪いね、リーダーからの命令だ」
それを聞くと***は口を尖らせてしぶしぶ同意した。
あんたが人一倍トレーニングに力を入れているのは知っている。
あたしとの組手だって、あたしが苦戦するほどの強さだってことも知っている。
きっとこの惑星の奴らだって***の敵じゃない。
***は強い。強くなったんだ。
「セリパ?」
心配そうに顔を覗き込んでくる。
女のあたしが見ても綺麗だと思う、その顔を近づけて。
だからふとした瞬間に思ってしまうんだ。
『戦わせたくない、傷をつけたくない』ってね。
「……いってくるよ、***」
「うん、気をつけてね」
地面を蹴って飛び上がる。
地上にはあたしたちのポッドと大きく手を振る***が見える。
敵の姿はない。
ひとまず安全そうだ。
それだけ確認してスカウターのスイッチに手をやる。
ピピッ
あいつは……いた。
動かないけど早くも休憩中か?
まぁいい。それなら都合がいいし。
***はまだ手を振っている。
手を振り返して、奴の元へ一直線に飛んでった。
スカウターに導かれて たどり着いた先には 二、三体の積み上がった死体に腰かけて煙草を吸っている、奴がいた。
ぷかり。
煙で輪っかを作って柄にもなく考えごとをしているように見える。
「あんた煙草はやめたって***に言ってなかったかい……バーダック」
地上に降りて声をかけると奴は慌てて立ち上がった。
煙草を落として足でぐりぐりと踏みつけながら周りを見回す。
「なんだ、オメーだけかよ。脅かすんじゃねえよ」
「なに焦ってんだい、***に見られちゃマズいのか?」
「あいつにゃ止めたっつってんだよ。
嫌われたかねえからな」
「***の前でだけ紳士ヅラすんのいい加減やめな、いつかボロが出るよ」
「うるせえ」
二本目に火をつけるバーダック。
ふーん……そうやって吸い溜めて、***の前では禁煙中を装ってるわけか。
涙ぐましい努力じゃないか。
「なんか用かよ」
「***のことで話がある」
いい機会だ。
「あの子は充分 戦える。
いい加減に見張りは卒業させたらどうなんだい」
「駄目だ」
即答か。
一体なにが気に入らないのか。
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