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「グルドが俺の手をフォークで刺そうとしたから こんなことになっちまったんだぜ?」
テーピングでぐるぐるに折れた椅子の足を固定しながらリクームは憎まれ口を叩く。
「ジースは羽交締めしてきたから こいつのが悪ィだろ」
壁の穴を木の板で塞ぎながら恨めしげに視線を送るグルド。
「至近距離でブルーインパルス放ったバータはもっと悪い」
ジースはお皿が散らばった床をほうきで掃く。
それをちりとりで受け取りながらバータが声を張り上げた。
「言い出しっぺのリクームがいちばん悪いじゃねーかよ!」
「おやつは早いもん勝ちなんだよ!
バーカ! バータ!」
「なんだ またやんのかコラ!?」
またケンカしだした!!
誰かに見つかる前に止めなきゃ!!
「ストップストップ!!
ケンカしてないでとっとと片付けてください!
早くしないと誰かに見つかったら」
ぽん。
後ろから肩を叩かれる。
恐る恐る振り返ると、そこにいる方はザーボンさん。
「ずいぶん派手に暴れたみたいですね」
「……は、はは……隊長元気で留守がいいってやつですよ……」
静まる食堂内。
いつもあんたらうるさいくらい喋ってるじゃん。なんか話せよ。
「そうですか……まあ いいでしょう」
ザーボンさんは踵を返す。
よ、よかった……彼なら目を瞑ってくれそうだ……
「あ、そうでした」
「なんでした?」
くるりと振り返ったザーボンさんはいつも通りのお美しい顔で、
「明日から私、一ヶ月ほど遠征に行くんです。
その間……一日五回、この基地内の鏡をすべて磨いておいてくれますよね?」
……なにその有無を言わさない聞き方。
「全部で105枚、ひとり21枚磨けば済む話なのでお願いします。
サボるとすぐわかるので」
リクーム、バータ、ジース、グルド、隊長……は、しばらくいないから……
……私も頭数に入っている……だと?
「ちょっ、」
「あとは反省文をドドリアさんに提出しておいてくださいね、***さん。
400文字以上を明日までに」
「なんで私が!」
「今の特戦隊は***さんの管理下にありますよね?
なら、彼らの問題行動は***さんの責任になりますので」
微笑んで彼は行ってしまった。
「……このイケメン貴公子ーーー!!」
「***、それ俺のことか?」
「ジースじゃない!!」
このやろう、髪の毛で床掃くぞ。
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