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「だーかーら!!
浮気じゃないって言ってんじゃん!」
行為が終わり息を整えた後、いまだなにも身につけない***は声を荒げて抗議した。
……テーブルの上で。
「なんでそんな勘違いしてんの!?」
「……わたしにもあんなニヤケ顔見せたことないじゃないか」
「に、ニヤケ顔……違うって!
違うから拗ねないで、ね?」
「拗ねてなどない」
やっと***はテーブルの上から降りて、隣の椅子に腰掛けた。
そしてわたしの手を取り、まるで小さい子どもを諭すように言った。
「天津飯さんは、足を挫いて歩けなくなった私を助けてくれただけ、なんだよ」
「……楽しそうに話していた」
「それは……」
なにを口籠っているのだ。
やはりやましいことがあるんじゃ……
「……セルのこと話してたの。
戦ったことがあるのは知ってたから、本当は悪い人じゃないんだよって……」
……そんな余計なことをしていたのか。
「力説してたら天津飯さんに、『惚気話はもういい』って笑われちゃった。
顔が緩みきってるぞって……」
「……」
あのだらしのない笑みの理由はそれだったのか。
「セル……浮気じゃないって、わかってくれた、よね」
あんなに酷いことを言ってしまったのに、***は真っ直ぐにわたしの目を見つめて言った。
「私にはセルしかいないの。
……だからこれからも、そばにいさせてくれる……?」
不安気に***の瞳が揺れる。
……そうだった、***が浮気などするはずがなかった。
わたしはなにを勘違いしていたのだ。
そんなことも忘れて、わたしは***に辛く当たってしまった。
「……どこへでも行けなど、嘘だ。
当たり前だ……お前は永遠にわたしのそばにいるんだ」
そう言うと、***は心底安心したような笑顔を浮かべた。
それを見ると、なんだか心が締め付けられるような気分になった。
すまなかった、わたしが悪かった。
誰のところにも行くな、頼むから一緒にいてくれ。
そう言いたかったのに、照れが邪魔してあんな言葉しか言えなかった。
***を引き寄せて、力強く抱き締める。
わたしには、そんなことしかできない。
「ありがとう、セル……これからも、よろしくね」
囁いて***も抱きしめ返してくれる。
それはこっちの台詞だ。
素直になれなくて、天邪鬼ですまない。
けどこれからも、そんなわたしをよろしく頼むよ。
……わたしにも、***しかいないのだからな。
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