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翌日、私は大きなベッドでひとりで目を覚ました。
……あぁ、もう10時。
身体を起こそうと思ったけど、起きられない。
どうせすることもないし、このまま横になっていようか。
そんな時ちょうど、その元凶が現れた。
「おはよう、お寝坊さん」
「誰のせいだ、誰の」
「しかし***も悦がっていたではないか」
力を振り絞ってあの変態紳士に枕を投げつける。
紳士モドキは軽々受け止めた。
「それだけ元気があれば大丈夫だな。
書類を提出してくるから、***はそこでおとなしくしているがいい」
よく見るとすでに鞄を抱えている。
もう終わらせたんだ。
……深夜の3時くらいまで私を責め立てて愉しんでたというのに。
私にぽいっと枕を投げて寄越して、そのまま彼は出かけてしまった。
彼の上から目線はもっと何とかならないものか。
そんなことを考えながら、私はまた夢の世界に落ちていった。
「……あー」
気がつけば昼の1時。
よく寝た……
……けど、セルはまだ帰ってきてない。
一体どこまで書類を出しに行ったんだろう。
まぁ、いっか……
身体の軋みもちょっとはマシになったし、お風呂にでも入ろっかな。
そう思ってバスルームに向かい、バスタブの蛇口をひねった。
勢いよく水が吐き出される。
お湯加減を調整しながらぽつりとひとりごと。
「早く帰らないかな」
のつもりだったのに。
「今帰ったぞ」
「ぴょっ!?」
にゅうっと腕が伸びてきて、私のお腹に回される。
瞬間移動は心臓に悪いから禁止って言ったのに……
「変な声をあげるな、襲うぞ?」
『欲情』するような声は出した覚えはない。確かにここは『浴場』だけど。
というか首筋に顔を埋めているので吐息が当たって、くすぐったい。
「それはいいとして……『セルさんお仕事頑張ったぞ記念』に、***にこれをやろう」
たぶん寝てないであろう彼は、いつもより若干おかしなテンションで可愛らしいビニール袋を私に差し出した。
中にはバスボムがひとつ、入っていた。
ずっと持ってたんだ、気づかなかった。
マジックみたいにどこからか取り出したのかと思った。
「……どうしたの、これ」
「わたしが作ったのだ」
「は!?」
何というサプライズ。
私は彼と付き合ってからというもの、驚かされてばっかりだ。
……けど、なぜバスボムチョイス?
「もったいなくて使えないよ……溶けてなくなるじゃん」
「その儚さがいいんじゃないか」
私より人間らしくない?この人。
「とにかく湯を沸かしているなら丁度いい。早速使ってみるか」
唖然とする私を余所に、セルは嬉々として私にくれたはずのそれを持ってバスルームから出て行ってしまった。
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